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本章1 ウォータリア編

籠の鳥63

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どれくらい歩き、
どれくらい「もピー!」という声を聴いただろうか……

ヴェール
「ああああ!うっさい!」

自分の近くで鳴かれて耐えきれなくなったのか
ヴェールさんが盾からお出ましだ

ヴェール
「ちょっと!あんたそいつなんとかしなさいよ!」

「なんとかしろって言われても見えない上に、なんなのか……」

ヴェール
「強くもなさそうなヤツだから一撃でいけるわよ!」

「どこ?」

ヴェール
「ほら、お腹のとこよ!力いっぱいやっちゃいなさい」

「よし!えい! うお!!!」

敵を狙った拳がお腹にクリティカルヒット!

ヴェール
「ああ!もうコイツうごけるの!?」

「ゴホゴホ、ヴェールさん」

ヴェール
「しょうがないでしょ!ほら今度は肩よ肩!」

「えー明るくなるまで待って…自分で自分を倒してしまう」

ヴェール
「ああ!じゃ鳴き声なんとかしなさいよ」

「ええと、モンスター君 大人しくできるかな?」

もピー!
もピー!

結果逆効果だった……元気よくお返事してらっしゃる。

「とりあえずどこか明るいとこに出て剥すか」

ヴェール
「まったく、そしたら多分あっちよ……なんか変な力を感じるもの」

「見えません」

ヴェール
「こっち!」

首を強引に捻じ曲げられた!
現実なら絶対に折れてたよ、などと思いながら痛む首を擦りながら進むと、
薄らとした光が見えた。

「え?」

そこは頭上に水の塊が存在しており、そこから薄らとした光が射し込んでいる
その光で照らされているのは町の様なものなのだが不思議な感じというか異様なモノだった、俺が住んでいるような普通の町かとおもったら急に未来のような都市が広がり空に道が広がっている、まるで継ぎ接ぎのような景色が広がっている。

ヴェール
「あれ!」

ヴェールが指差したのは空に漂う黒い塊、そしてその塊はモゾモゾなにかを我慢する様に蠢いている。

パン

静けさの中に突然風船が破裂したような音がして黒い塊がはじけ飛んだ、
そして黒い雨が降りやがて一つの塊だけが残ってゆっくり地面に降りてきている。

ヴェール
「何かありそうね」

「とりあえず行ってみるか」


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