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本章1 ウォータリア編

籠の鳥29

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ダイマオ
「絶好調!スキルも覚えたぞ」

あゆな
「きをつけて、油断はだめ」

 あれからかなりの数を狩ったので二人ともレベルアップしてダイマオにはそこまで変化はないが、あゆなはだいたい幼稚園の年長さんくらいまでの知能に成長し言葉もしっかりしはじめてきた。

ダイマオ
「イワミー姉の帝王学2章1項目!チャンスは逃すな!今が稼ぎ時だ」

あゆな
「うう~~」

 調子に乗ったダイマオは集まってくる敵をなぎ倒していく

ダイマオ
「千本杖打!」

 新しく覚えたスキル千本杖打、自分の正面の敵にランダムに打撃を放つ

ダイマオ
「うらうらうらうらうら!」

ダダダダダダ!

キン

その時本人は気づいて居なかったが明らかに今までの打撃音とは違う金属の様な音が混じっていた、

ダイマオ
「行けイケイケ!」バチン!

攻撃の最中何か岩の様な塊が右肩を強打した

ダイマオ
「イタ!」

あゆな
「! 大丈夫!?」

ダイマオ
「なんかがぶつかって」

 つぎの瞬間目の前が深い闇に覆われ視界が完全に真っ暗になった、

ダイマオ
「え!?あゆな!光を切らすな」

あゆな
「え?ちゃんと光ってるよ」

ダイマオ
「ウソつけ!何も見えないぞ……うお!」

 目の前に巨大な薄暗く光る大きな角を生やした影が手を広げて迫ってくる、
それは今まで感じたことないとてつもない恐怖を覚える物だった。

ダイマオ
「て 帝王学3章1項 ぴピンチはちゃチャンス」

 落ち着こうと言い聞かせるが言葉が震えだし、やがて体も恐怖に震えだした、

あゆな
「お兄ちゃん落ち着いて」

ダイマオ
「だ だいじょうぶ、お 俺が ま守ってやるから」

あゆな
「お兄ちゃん!」

バシ!

 あゆなの尻尾ビンタがダイマオの右頬に炸裂する!

ダイマオ
「イタ!!あゆな何するんだ!強敵を前にして……あれ?」

 さっきまで居たはず巨大な影は消えて視界も光が戻っている、

あゆな
「お兄ちゃん状態異常になってた!」

ダイマオ
「状態異常?」

あゆな
「アネゴママが言ってた幻影で混乱させる敵がいるって」

ダイマオ
「そうなのか」

 また、徐々に視界が暗くなり始める

ダイマオ
「また、幻影攻撃か!くっそ舐めるな!」

 闇雲に杖を振り回す!

あゆな
「お兄ちゃん!」

バシ!

ダイマオ
「いた!」

あゆな
「そうやって暴れると 私が危ないの」

ダイマオ
「しかし、俺がやらないと あゆなを守らないと!」

再び杖を握り締めたそのとき

あゆな
「スノーアロー」

ひゅん!

細くするどいツララが顔を霞める

ダイマオ
「え?!」

あゆな
「お兄ちゃんは何もしないで、そこで立ってて」

ダイマオ
「いや、でも」

ひゅん!

あゆな
「お返事は」

 顔はにこやかだが明らかに怒ってるオーラがあゆなの背後に見える!

あゆな
「お返事は?」

ダイマオ
「はい……」

あゆな
「よろしい」

この子は怒らしたらダメな子だ……


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