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本章1 ウォータリア編

籠の鳥20

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「どうしたら良いんですか?」

 ダーニャの時と同じパターンなのかと恐る恐る聞くと、

兵士Q
「とにかく栄養価の高いエネルギーを送り込むことが重要です」

 すると魚人達が集まり出し何かを話だした、そして意を決したように俺の前に来て

ファイブ
「大変申し訳ないのですが、あの川主を頂けませんでしょうか、他人が仕留めたモノを頂くということがどれだけ失礼な事の代償として私と引き換えに!」

「いやいや、別に大丈夫ですよ そこまでしなくても」

なんでも魚人族としては他人のモノをもらうということは非常に失礼なことらしく、
もし足りなければ私も!と次々に魚人族が詰め寄ってくる。

「いや、大丈夫ですから私たちにはアレは美味しくなかったのでどうしようか迷ってたくらいですし」

ファイブ
「なんと!このご恩は一生忘れません」

「それよりも急がないとこの卵衰弱しているんでしょ?」

ファイブ
「はい、救護班!すぐに」

 後方に控えた杖を持った魚人が川主の亡骸と干した肉を囲み何やら詠唱を始めた、
すると杖の先から黄緑色の光が放たれそして亡骸を包み徐々に球体へと変えていく。

「あれは?」

ファイブ
「一種のエネルギー変換です、我々が吸収し易い形状に変化させているのです」

「へ~」

救護班の魚人
「準備が出来ました、これより注入を行います」

ファイブ
「その女王の卵を掲げてください」

ダイマオ
「これを?」

ファイブ
「はい」

ダイマオ
「う~ん」

ダイマオが大きく背伸びして高らかに玉を掲げると、

ファイブ
「今です!」

球体となった川主の栄養分が玉へと近づき目の前までくると、
球体から少しずつ玉に向かって光が吸い込まれて行く。

ダイマオ
「おおお、綺麗……なんかビクビクし始めた」

暫くすると玉の中が徐々に動き始め始め微弱に震えだした。

ダイマオ
「なんか怖い」

ファイブ
「落とさないで下さい!」

ダイマオ
「う~」

暫くすると玉割れ光放たれた。
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