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本章1 ウォータリア編

No110.忘却の姫騎士 ミキシングミッション 涙の雫4

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蒼き狼
「なぜだ!」

ポルカ
「お父さんが悪いのよ!そこの女にデレデレして!騙されてるのよ」

ワイン
「……」

蒼き狼
「ポルカ!」

ポルカ
「そいつは敵なのよ!私たちを騙してるのよ」

蒼き狼
「お前はそんなことを考えてたのか」

冷たい沈黙が辺りを支配する…そして

ワイン
「私がココを去る、だからこんなことは止めて」

蒼き狼
「ワイン殿……」

ポルカ
「そうやって良い子ぶって」

蒼き狼
「……もう良い!ポルカ!好きにしろ」

そういって手斧を構える、

蒼き狼
「我を妨害し、我の前に立つモノは敵だ」

それは脅しでも、威嚇でも無い完全なる殺意をポルカに向けた、

ワイン
「止めて!彼女の気持ちに気づけなかった私が悪いのよ」

蒼き狼
「邪魔だ、どけ」

ワイン
「え?」

蒼き狼
「どんな事情にせよ、我が組織を裏切る行為は制裁に値する」

キル
「はははっはは、これは滑稽だ自分の子供に刃を向けたか……気にいらねえな」

キルからの殺気が放たれる
そして、お互い臨戦態勢に入る。

「一体どうなってるんだ」

アクア
「親子が戦うなんて」

イワミー
「ふん、拗らせファザコンとダメダメ親父の喧嘩に巻き込まれるなんて止めてよね」

ゲンゾウ
「蒼き狼のリーダーとしてのケジメか……」

そして……

キル
「消えろ!ブレイクハウス」

次の瞬間、小屋を構成していた板などがバラバラに分解され俺達を攻撃し始めた。

ジョニー
「これは!」

ウィズ
「急いで小屋から退避を!」

急いで小屋から出るが攻撃は止まない!

「プロテクトフィールド!」

アクア
「みかわしの演舞!」

アネゴ
「ガードコマンド!」

ゲンゾウ
「守り傘!」

回避、防御スキルでなんとか防いだが、防ぎきったときには既にキルとポルカは山の方へ逃げてしまった。

ヨッジー
「やばい、このままじゃ見失う!シャーロックホース!」

ヨッジーのスキルによりどこから伴なく馬が現れた、

ヨッジー
「あの馬を追うんだ!追尾するようになってる」

アネゴ
「速度を上げるわよ!スピードコマンド!」

 ここで見失うわけにいかない!


キル
「くっそ!しつこいなアイツ等」

ポルカ
「ごめんなさい巻き込んで」

キル
「ガキが!俺はあいつらが気にいらないからやったんだ、あの親父もな」

ポルカ
「やっぱりキルは優しいね」

キル
「これは借りを返してるだけだ、それ以上でもそれ以下でもない」

ポルカ
「ふふふ」

 やがてヤシの木が一本立つ小高い丘に辿りついたそこから先は海になっており、
これ以上先には逃げられない。

「キル!これ以上はにげらないぞ」

キル
「ふん、まだだ」

ワイン
「もうこれ以上止めて!私が悪いのよ」

ポルカ
「五月蠅い!」

イワミー
「あんたはこれ以上しゃべれないほうがいいわ、逆上するだけよ……それにしても父親にあそこまで執着する気持ちがわからないわ」

ワイン
「……」

蒼き狼
「理由は捕らえた後で聞こう」

 髪天という言葉が似合いそうな位のオーラを纏っている蒼き狼さんが睨みを利かす、
するとポルカがずいっと前に出て、

ポルカ
「私は帰らないわ!この人のお嫁さんになるから!」

………
……………
………………え!?

全員の思考が止まった。

「え!?どういうこと?」

ポルカ
「だから!私はキルのお嫁さんになるの!だから父さんも好きすれば!」

はあああああああああああああああああああ!?

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