アンデットモンスターを蘇生したら姫騎士に!?

DAI!!

文字の大きさ
上 下
338 / 607
本章1 ウォータリア編

No78.忘却の姫40

しおりを挟む
吉井
「昨日はおつかれ」

「おう」

吉井
「あの後いろいろ調べたが検討はつかなかった、あのふざけた野郎一体誰なんだ」

「こっちもネットでいろいろ調べたがそんなNPCもプレイヤーの噂も何も無かった」

吉井
「とりあえず、今日は村の跡地を探ってみよう」

「ああ」

 あの後一旦落ち着こうと言う話になり、その日はログアウトしたがあの嫌な男の事が気になって寝つけなかった。あの薄笑いした表情とモノの言い方なんかムシャクシャする!
 その日の夜 ステインさんは自分たちでいろいろ調べるとのことで別行動になり俺達だけで魔界の村跡に集合した、そこには簡易的なテント、なんとか形を保った家などに生き残った人たちが体を休めていた。
 体自体は回復呪文で治っているが心までは癒せない状態で何とも言えない空気が村に漂っている、中でもポコさんは怒りと悲しみで引き籠ってしまったと聞いて居たが、

ヨッジー
「おう、来たか一応村を回って状況を確認したが怪我人とかはステインさん達が回復を終えてくれたらしい」

ゲンゾウ
「ふむ、しかし……」

アネゴ
「ええ、心の傷まではどうしようもないわ」

アクア
「……」

ウィズ
「ポコさんは大丈夫でしょうか?」

「どうだろ」

その時、後方から声が聞こえた。

ポコ
「私はココだ」

そこには落ち込んでる感じでは無く、どちらかと言えば怒りに身を包んだ狂戦士と行ったら良いのだろうか、目には今までにない殺気が漲っている。
言葉づかいも今までとは違う感じだ。

「ポコさん大丈夫ですか?」

ポコ
「ああ、私は復讐の為に立ち上がり私がここの長となることにした」

「そうなんですか」

ポコ
「貴方達には世話になった、礼もせねばならないがその前に少し立ち会ってほしい」

「構いませんが」

ポコ
「すまない」

 なんでも村の奥の森に祠がありそこで村長になる儀式があるとのことだ、それに参列して欲しいといことらしい、道中ポコさんが村人から聞いたという話によると突如 村に見たことも無い魔物が集団で現れ一瞬で村を破壊し、そして村人たちも襲われ連れ去られたりしたと、そう話す目には怒りの炎が滾っていた。

ポコ
「アレだ」

そこには小さな石で作られた小さな三角形の塔の様なモノが左右に配置された洞窟があった。松明を片手にはいると中はそんなには深く続いてなく奥に一体の像があった。
それは顔は無く、体は細いがその手には巨大な剣と槍を持っている。

ポコ
「ここで祈りと捧げものを」

「捧げもの?」

ポコ
「何時もは果物などを捧げるが今日はコレを」

そういうと紫の渦巻く玉の様なモノを取り出した。

「それは?」

ポコ
「村で昨日亡くなった人達を封印したモノ」

「え?」

ポコ
「今、村にはこれしかない…それに神と一体となれるなら彼らも浮かばれる」

そういうと祭壇に置き跪いた。
やがて静かに呪文のようなものを唱え出した。
それは静かな子守唄様なモノであった。
そして、呪文が一通り終わったのか暫く沈黙が続き……

ポコ
「我望は!敵を裁く力なり!」

すると供えた球が光だしそこから怨霊の様な紫の影がポコさんを包み出す。

ポコ
「この様なことが、神よ感謝します」

やがて光は治まりそこから現れたのは若返ったポコさんと言えば良いのか本来の力を取り戻したのか髪の毛の艶が戻り肌も若く生気に満ち溢れている、ボロボロだった衣装は漆黒の民族衣装の様なモノを羽織っている。
これは進化なのかどうかは定かではないが明らかに変わっていた。

トゥシエ
「おめでとう、これであなたも一人前ね」

 今まで盾の中にいたトゥシエが出てきてお祝いを言った。

ポコ
「まだよ、私があいつ等を倒すまでは」

トゥシエ
「そう……」

今まで以上に憎しみの炎が眼差しに宿っているような感じであった。

ポコ
「私はこれから魔界の首都へ行き応援を要請する、君たちはどうする」

「どうしたのか……」

すると

アクア
「ウォータリの城に行ってみようと思います」

「え?!」

 アクアさん何を急に!

ポコ
「そうか……危険な旅になると思うが私もやることがある、せめてコレを」

すると不思議な黒いお守りの様なモノを渡してきた。

「これは?」

ポコ
「先代がくれたお守りだ、せめてもの礼だ」

「いや、さすがにそれは」

ポコ
「いや、受け取ってくれ」

 断ろうとしたが受け取ってもらわないと困ると言われたので、
受け取ることにした。

闇のタリスマン
効果:闇属性の者の力を強め、力を授ける

ポコ
「それでは、時間が惜しいのでそろそろ出立する みんな元気でトゥシエ死ぬなよ」

トゥシエ
「あんたこそ」

アクア
「御武運を」

そういうと黒い風の様なモノを纏って消えてしまった。

ゲンゾウ
「ふむ、次の目的はウォータリア城か」

ウィズ
「行けるんですかね」

ヨッジー
「ふむ~近々アップデートだからそれでいけるかもしれんな」

「それよりコレどうしよう」

アネゴ
「大事なモノだし、いつか返すのも有りだろうし預かって置いたら…!」

アネゴが触った瞬間ソレは黒い光を放ちアネゴを包み出した……
繭上になりそこから薄らと見えた軍服を着た女性の姿が。
しおりを挟む
感想 245

あなたにおすすめの小説

【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。

鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。 鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。 まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。 「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。

Anotherfantasia~もうひとつの幻想郷

くみたろう
ファンタジー
彼女の名前は東堂翠。 怒りに震えながら、両手に持つ固めの箱を歪ませるくらいに力を入れて歩く翠。 最高の一日が、たった数分で最悪な1日へと変わった。 その要因は手に持つ箱。 ゲーム、Anotherfantasia 体感出来る幻想郷とキャッチフレーズが付いた完全ダイブ型VRゲームが、彼女の幸せを壊したのだ。 「このゲームがなんぼのもんよ!!!」 怒り狂う翠は帰宅後ゲームを睨みつけて、興味なんか無いゲームを険しい表情で起動した。 「どれくらい面白いのか、試してやろうじゃない。」 ゲームを一切やらない翠が、初めての体感出来る幻想郷へと体を委ねた。 それは、翠の想像を上回った。 「これが………ゲーム………?」 現実離れした世界観。 でも、確かに感じるのは現実だった。 初めて続きの翠に、少しづつ増える仲間たち。 楽しさを見出した翠は、気付いたらトップランカーのクランで外せない大事な仲間になっていた。 【Anotherfantasia……今となっては、楽しくないなんて絶対言えないや】 翠は、柔らかく笑うのだった。

神速の冒険者〜ステータス素早さ全振りで無双する〜

FREE
ファンタジー
Glavo kaj Magio 通称、【GKM】 これは日本が初めて開発したフルダイブ型のVRMMORPGだ。 世界最大規模の世界、正確な動作、どれを取ってもトップレベルのゲームである。 その中でも圧倒的人気な理由がステータスを自分で決めれるところだ。 この物語の主人公[速水 光]は陸上部のエースだったが車との交通事故により引退を余儀なくされる。 その時このゲームと出会い、ステータスがモノを言うこの世界で【素早さ】に全てのポイントを使うことを決心する…

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

弟に裏切られ、王女に婚約破棄され、父に追放され、親友に殺されかけたけど、大賢者スキルと幼馴染のお陰で幸せ。

克全
ファンタジー
「アルファポリス」「カクヨム」「ノベルバ」に同時投稿しています。

最悪のゴミスキルと断言されたジョブとスキルばかり山盛りから始めるVRMMO

無謀突撃娘
ファンタジー
始めまして、僕は西園寺薫。 名前は凄く女の子なんだけど男です。とある私立の学校に通っています。容姿や行動がすごく女の子でよく間違えられるんだけどさほど気にしてないかな。 小説を読むことと手芸が得意です。あとは料理を少々出来るぐらい。 特徴?う~ん、生まれた日にちがものすごい運気の良い星ってぐらいかな。 姉二人が最新のVRMMOとか言うのを話題に出してきたんだ。 ゲームなんてしたこともなく説明書もチンプンカンプンで何も分からなかったけど「何でも出来る、何でもなれる」という宣伝文句とゲーム実況を見て始めることにしたんだ。 スキルなどはβ版の時に最悪スキルゴミスキルと認知されているスキルばかりです、今のゲームでは普通ぐらいの認知はされていると思いますがこの小説の中ではゴミにしかならない無用スキルとして認知されいます。 そのあたりのことを理解して読んでいただけると幸いです。

調子に乗りすぎて処刑されてしまった悪役貴族のやり直し自制生活 〜ただし自制できるとは言っていない〜

EAT
ファンタジー
「どうしてこうなった?」 優れた血統、高貴な家柄、天賦の才能────生まれときから勝ち組の人生により調子に乗りまくっていた侯爵家嫡男クレイム・ブラッドレイは殺された。 傍から見ればそれは当然の報いであり、殺されて当然な悪逆非道の限りを彼は尽くしてきた。しかし、彼はなぜ自分が殺されなければならないのか理解できなかった。そして、死ぬ間際にてその答えにたどり着く。簡単な話だ………信頼し、友と思っていた人間に騙されていたのである。 そうして誰もにも助けてもらえずに彼は一生を終えた。意識が薄れゆく最中でクレイムは思う。「願うことならば今度の人生は平穏に過ごしたい」と「決して調子に乗らず、謙虚に慎ましく穏やかな自制生活を送ろう」と。 次に目が覚めればまた新しい人生が始まると思っていたクレイムであったが、目覚めてみればそれは10年前の少年時代であった。 最初はどういうことか理解が追いつかなかったが、また同じ未来を繰り返すのかと絶望さえしたが、同時にそれはクレイムにとって悪い話ではなかった。「同じ轍は踏まない。今度は全てを投げ出して平穏なスローライフを送るんだ!」と目標を定め、もう一度人生をやり直すことを決意する。 しかし、運命がそれを許さない。 一度目の人生では考えられないほどの苦難と試練が真人間へと更生したクレイムに次々と降りかかる。果たしてクレイムは本当にのんびり平穏なスローライフを遅れるのだろうか? ※他サイトにも掲載中

前代未聞のダンジョンメーカー

黛 ちまた
ファンタジー
七歳になったアシュリーが神から授けられたスキルは"テイマー"、"魔法"、"料理"、"ダンジョンメーカー"。 けれどどれも魔力が少ない為、イマイチ。 というか、"ダンジョンメーカー"って何ですか?え?亜空間を作り出せる能力?でも弱くて使えない? そんなアシュリーがかろうじて使える料理で自立しようとする、のんびりお料理話です。 小説家になろうでも掲載しております。

処理中です...