上 下
293 / 586
本章1 ウォータリア編

No36.敗走の果てに6

しおりを挟む
ポコ
「闇の精霊たちが開放されて行くっス」

「え?そうなの」

アクア
「主あのマフラー無くなる前に獲った方が」

「あ、そうだな」

ここの主と思われる女王蟻のドロップ品『闇王のマフラー』は見た目マフラーというよりもスカーフに近いような薄手の生地で所々向こうが透けるような青い細いラインと金色の刺繍がしてあり、なんかちょっと厳つい感じがするのだが……

「これどうしよう?ゲンゾウさん装備します?」

ゲンゾウ
「儂の趣味ではないの~」

「アクアさんよければ」

アクア
「いえいえ、主が装備するのが良いとおもいます!」

「え?いやそれは」

トゥシエ
「私は盾だから装備できないわよ」

先生
「儂は剣じゃ」

ポコ
「いらないっス」

「じゃあ、これはヨッジーにでも」

先生
「ええい!お前が装備しろ儂がカッコよく」

先生はマフラーを器用に絡め取ると俺の首回りでグルグルと動き……

先生
「ふむ!こんなもんじゃな!」

結局俺が装備することになってしまった(涙)

アクア
「おもったほど悪くないですよ!主」

思ったほど?

ポコ
「うん!シブイっス!」

トゥシエ
「うん、思った以上に良いわね」

やっぱりダサいとおもってたのかお前等!

「もういいや、それにしてもこの装備効果の威圧ってなんだろ」

アクア
「どんな効果なんでしょ?」

先生
「ゴタゴタ言わず使ってみればいいじゃろ」

「えっとスキルをアクティブに……結構MP喰うな」

スキルをアクティブにしてみたが体には特に変わりがないが……

「特に変わりはなさそうなんですが……!!!!」

俺の目の前には地面に平伏魔族の方と何か耐えながら腕組みするトゥシエさんだった。

トゥシエ
「あんた何したのよ」

ポコ
「ウウウ…何かとも恐れ多い方と対面してる感じがするっス」

トゥシエ
「早く解除しなさいよ!」

「ああ、わかった」

『威圧』を解除すると、今まで無かった説明が現れた。
威圧:対象相手に対して自身の対応する数値に値する威圧をすることができ、行動不能やスタン、支配(弱)などの効果を与える。
*なお、このアイテムでの対応パラメーターは闇属性(隠パラ)であり、対象は闇属性の敵限定

「ふむ、闇属性(隠)ってのは隠しパラメーターかな?」

ゲンゾウ
「なかなか凄いスキルじゃな」

アクア
「今の光景はちょっと怖い人みたいでした」

「あんまり、使わないでおこう悪評が立ちそうだ」

先生
「ご利用は計画的にじゃ!」

トゥシエ
「それはさて置き、ポコあの辺りに闇の妖精が多い様に見えるけど」

ポコ
「!そうっすね、ここでなら」

そういって奥の方に行くと……

ポコ
「行けるっス!闇の妖精よ我に力を貸してくだされ!ゲート!」

すると目の前に門の様なモノが現れた。

ポコ
「これでうちらの世界に戻れっス」

アクア
「良かったです!」

「ということは俺もなのかな?」

トゥシエ
「戻れない以上仕方ないでしょ?」

先生
「うむ」

「ですよね~」


しおりを挟む
1 / 3

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!


処理中です...