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本章1 ウォータリア編

No30.ウォータリア30

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ゲンゾウ
「取りあえず退け!森を進むんじゃ」

アクア
「煙幕があるうちに早く!」

バルバロイ
「……」

ポコ
「急ぐっス」

「なんでこんなことに!」

トゥッシエ
「乗りかかった船よ!」

「誰が乗らせたんだよ!」

ゲンゾウ
「とりあえず小道具で煙幕を」

「ゲンゾウさんあんまりやり過ぎるとPKになりますよ」

ゲンゾウ
「PK?ああプレイヤーキラーとかいう奴だったな」

「ええ、対人行為を繰り返すとNPCから物が買えなくなったり、門番、守衛などに問答無用で襲われたり、プレイヤーからも狙われたりするんです」

ゲンゾウ
「ふむ、お尋ね者みたいなものじゃったな だがそのことならゲームの規約からするとプレイヤー及びNPCを標的にした行為じゃったな」

「良く調べてるんですね」

ゲンゾウ
「説明書はきっちり読む派じゃ、それからするとこれはプレイヤーを狙ってやっているのではない、たまたま道具を使った背後からプレイヤー、NPCが来ただけじゃ狙ってはいないぞ」

「それは極めて黒に近いような」

ゲンゾウ
「グレーゾーンじゃ……世の中グレーゾーンも大切なんじゃぞ」

アクア
「よく分かりませんが、なぜかとても悪い顔をしているように見えますが」

ゲンゾウ
「ごちゃごちゃ いってないでさっさとお前も設置しろ」

「わかりましたよ」

ポコ
「みんなも闇の衣を発動できるモノはするっス!」

「闇の衣?」

トゥシエ
「かく乱系の闇魔法よ、煙幕みたいなものよ」

「なるほど」

しかし、しばらくすると……

魔族NPC
「もうダメだ……俺はココに残って少しでも足止めを」

「え?まだ逃走し始めて数分ですよ」

後ろを振り返ると魔族の人達は全員ぐったりしていた。

アクア
「みなさん諦めないで」

ポコ
「……無理もないっス、みんなローブを取るっス」

ゲンゾウ
「これは……」

「みんな老人……」

ポコ
「違うっス、私と一緒で魔力が枯れている状態で……」

アクア
「そうでしたか」

魔族NPC 男
「俺らが何をしたというのだ!あいつらが俺達の土地を侵食し、闇の妖精を衰退させてるのになぜだ」

魔族NPC 女
「あいつ等が光の元で生まれ、我等が闇に生まれたことただそれだけなのに……闇は悪だとかそんなことないのに」

「闇が悪?」

アクア
「イメージというか闇属性はどうしても即死魔法や毒などを使うモノが多いのでそういうイメージがあるのも事実ですが、私が居た頃はそこまで否定された存在ではなかったのですが」

ゲンゾウ
「まあ、確かに闇といって悪というイメージは我等の中でも無いとは言えぬからな」

バルバロイ
「……」

「とりあえず、もうちょっと頑張りましょう峠を越えれば」

ポコ
「もう無理っス、かくなる上はせめて一太刀でも」

魔族
そうだ!
どうせ死ぬなら

トゥシエ
「みんな落ち着きなさい!自棄になったらダメよ」

先生
「こら!静まらんか」

混乱している中一人バルバロイさんが立ち上がり、
俺達が来た方向へと歩き始める。

「バルバロイさん!どこへ」

バルバロイ
「断木剣」

突然大木に向かいスキルを発動させ斬りつけると、
木は俺達とバルバロイさんを遮る様に倒れ始める。

バルバロイ
「ここは俺が止める、お前たちは先に行け」

ゲンゾウ
「無茶だ!あの数を相手に」

バルバロイ
「問題ない、俺は執行人だ」

アクア
「私たちも」

バルバロイ
「来るな!俺は大丈夫だ、それよりもこの時間を無駄にするな、魔族方々あなた達はまだ生きたい目をしている、一矢報いる力があるのならまだ逃げれるはず」

先生
「ココはあ奴に任せるのじゃ、皆の者!この心意気を無駄にする者は許さん!立て歩け!」

そして木が倒れきる寸前

バルバロイ
「また会おう……」

そして、その顔は笑っていた。



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