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その言葉は己を正当化する為か、己の信念を貫く為か
悪道4
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「ここが職場か…とにかくここでシスターの情報を集めないとね」
そこはレンガの様なモノで作られた公民館ほどの建物だった。
中に入ると受付の女性に詳細を離すと…
「はい、それでは配属先に案内しますね」
そう言って奥の部屋に案内された、中にはいくつかの机が置かれており各自が仕事をしている。
「あなたはあちらの業務エリアの担当ね」
「はい」
すると突然小声で
「ここだけの話あの奥にいるメガネの人には気を付けた方が良いわよ」
「そうなんですか」
「うん」
そんな忠告を頂いたのだが…
「あなた、ちょっと位 実績があるからって調子に乗らないようにね」
「はい!」
開口一番に言われたのがこの言葉だった。
彼女はラフティンというメガネが似合う女性でぽっちゃりとした30半ば位の先輩だ。
「あなた計算とかが得意なんでしょ?」
「はい」
「じゃコレお願い」
どさっ!
そこには漫画で見る様な書類の山が!
「この経費の書類の集計をお願いするわね」
「こんなにですか?」
「何か文句ある?」
「いえ!」
「じゃあ、これに纏めておいてね」
渡されたのは薄く切られた木の板と万年筆のようなペン。
「わかりました」
周りの人達も憐れみの様な目で見ているが、やはりこの人に目を付けられたくないのかヒソヒソ話をする程度だった。
しかし、あれだけの量…この世界じゃパソコンも無いだろしな~地道にやるか。
「よし!頑張るか」
置かれた書類を確認すると…
ザバンカ食堂 食事代 80G
領主書みたいなモノかな?
ウイスタン氏に対して壁修理代 100G
あれ?そんなに桁数も多くないし…この程度だったら暗算でもいけそうかも!
昔おばあちゃんに嫌々通わされたそろばんだったが、会社でも役にたったけどまさか異世界でも役に立つとは…おばあちゃん悪役怪人の技とかで反抗してごめんなさい今感謝しかないです(涙)
「そうと分かれば種類ごと分別してと」
昔経理の事務も手伝っていたこともあったので大雑把ではあるが飲食費や修繕費などに書類を分別してそれぞれ纏めて、後は一気に計算をしていく。
「あなた何してるの?そんな書類を見てても意味がないでしょ」
「…」
「ちょっとあなた!私を無視するの!」
カキカキ
「あ!すみませんちょっと計算してたので」
「は!?そんなことで計算できるわけないでしょ」
「そろばんやってたので暗算は得意なんです」
「ソロバン?アンザン?」
「もうちょっとで終わるので待ってて少々お待ちくださいね」
「はあ!?」
私はそれぞれ集計して最終的な合計を出していく、桁数が3桁から4桁だったのでそこまで苦労もなく一応数回計算し直して間違いがなかったので問題はないかな。
「出来ました!」
「ええええ?」
周りのみんなも驚いている。
「どうせいい加減に計算したんでしょ!」
「いえ!あってるとはずです」
「ふん!私はそんなデタラメな書類を提出するのは嫌よ!あなたが提出して怒られてきなさい」
「はあ、ではどちらに提出すれば」
「隣の部屋の財務秘書に提出してきなさい、どうせ収支と照らし合わせればすぐにわかるんだから」
財務秘書?経理みたいな部署かな?
「わかりました」
私が財務秘書の所へ行こうとすると。
「あなた!?本気なの」
「はい」
呆然としている先輩を尻目に私は隣の部屋に行き書類を提出する。
「すみません、こちらに書類を提出するように言われたのですが」
「あれ?いらっしゃい何の書類かな?」
対応してくれたのは白い髭が似合うダンディナなおじ様だった。
「こちらなんですが」
「ふむ、おや?君は新人さんかい?」
「はい、今日から配属になりましたマオと申します」
「そうなのかい、宜しく頼むよ…それにしてもこの書類がこんなに早く出てくるとは」
「何度か計算しましたので間違いはないと思いますが確認お願いします」
「ほう…君が計算したかな?」
「はい」
「うん?君は今日から配属されたと」
「ええ、配属してすぐこれを集計するように言われまして」
「しかし、結構な枚数あったはずだが」
「はい、幸い大きな数字ではなかったので暗算で計算しました」
「アンザン?それはスキルか何かなのかな」
「そうですね、スキルというか計算方法みたいなものです」
「ほう…しかもコレは細分化されていな」
「すみません、仕訳がそれであってるかわからないのですが」
「いや、今までは合計しかなかったからなコレはコレで助かるのだが」
合計だけで良かったのか…
「何か問題がありましたか?」
「すまん、ちょっと現金と照合するから待っててくれ」
数十分後…
「素晴らしい、ぴったり合ってる」
「それは良かったです」
「それにしてもそのアンザンという計算方法は素晴らしいのだな、この短時間で計算できてしまうとは」
「いえいえ、そんな私のレベルではそんなにすごくないですよ」
「そうなのか?是非今度教えてくれないかお昼でも奢るよ」
この人偉そうな感じするし情報が拾えるかも…
「そうですね、是非お願いします」
「そうか、楽しみにしてるよ」
その後自分の部署に戻ると…
「あら、遅かったわね どうせ怒られてたんでしょ」
「いえ、受理してい頂きましたけど」
「はい!?」
周りの皆さんも若干ざわついている。
「ウソおっしゃい!そんなこと言ってもすぐ」
すると…
「ふむ、ウソは言ってないよ。計算は問題なかった」
「財務秘書長!」
「マオ君、申し訳ない自己紹介をし忘れた私の名前はフレミィだ」
これは最初から大物と知り合えたかもしれない!
そこはレンガの様なモノで作られた公民館ほどの建物だった。
中に入ると受付の女性に詳細を離すと…
「はい、それでは配属先に案内しますね」
そう言って奥の部屋に案内された、中にはいくつかの机が置かれており各自が仕事をしている。
「あなたはあちらの業務エリアの担当ね」
「はい」
すると突然小声で
「ここだけの話あの奥にいるメガネの人には気を付けた方が良いわよ」
「そうなんですか」
「うん」
そんな忠告を頂いたのだが…
「あなた、ちょっと位 実績があるからって調子に乗らないようにね」
「はい!」
開口一番に言われたのがこの言葉だった。
彼女はラフティンというメガネが似合う女性でぽっちゃりとした30半ば位の先輩だ。
「あなた計算とかが得意なんでしょ?」
「はい」
「じゃコレお願い」
どさっ!
そこには漫画で見る様な書類の山が!
「この経費の書類の集計をお願いするわね」
「こんなにですか?」
「何か文句ある?」
「いえ!」
「じゃあ、これに纏めておいてね」
渡されたのは薄く切られた木の板と万年筆のようなペン。
「わかりました」
周りの人達も憐れみの様な目で見ているが、やはりこの人に目を付けられたくないのかヒソヒソ話をする程度だった。
しかし、あれだけの量…この世界じゃパソコンも無いだろしな~地道にやるか。
「よし!頑張るか」
置かれた書類を確認すると…
ザバンカ食堂 食事代 80G
領主書みたいなモノかな?
ウイスタン氏に対して壁修理代 100G
あれ?そんなに桁数も多くないし…この程度だったら暗算でもいけそうかも!
昔おばあちゃんに嫌々通わされたそろばんだったが、会社でも役にたったけどまさか異世界でも役に立つとは…おばあちゃん悪役怪人の技とかで反抗してごめんなさい今感謝しかないです(涙)
「そうと分かれば種類ごと分別してと」
昔経理の事務も手伝っていたこともあったので大雑把ではあるが飲食費や修繕費などに書類を分別してそれぞれ纏めて、後は一気に計算をしていく。
「あなた何してるの?そんな書類を見てても意味がないでしょ」
「…」
「ちょっとあなた!私を無視するの!」
カキカキ
「あ!すみませんちょっと計算してたので」
「は!?そんなことで計算できるわけないでしょ」
「そろばんやってたので暗算は得意なんです」
「ソロバン?アンザン?」
「もうちょっとで終わるので待ってて少々お待ちくださいね」
「はあ!?」
私はそれぞれ集計して最終的な合計を出していく、桁数が3桁から4桁だったのでそこまで苦労もなく一応数回計算し直して間違いがなかったので問題はないかな。
「出来ました!」
「ええええ?」
周りのみんなも驚いている。
「どうせいい加減に計算したんでしょ!」
「いえ!あってるとはずです」
「ふん!私はそんなデタラメな書類を提出するのは嫌よ!あなたが提出して怒られてきなさい」
「はあ、ではどちらに提出すれば」
「隣の部屋の財務秘書に提出してきなさい、どうせ収支と照らし合わせればすぐにわかるんだから」
財務秘書?経理みたいな部署かな?
「わかりました」
私が財務秘書の所へ行こうとすると。
「あなた!?本気なの」
「はい」
呆然としている先輩を尻目に私は隣の部屋に行き書類を提出する。
「すみません、こちらに書類を提出するように言われたのですが」
「あれ?いらっしゃい何の書類かな?」
対応してくれたのは白い髭が似合うダンディナなおじ様だった。
「こちらなんですが」
「ふむ、おや?君は新人さんかい?」
「はい、今日から配属になりましたマオと申します」
「そうなのかい、宜しく頼むよ…それにしてもこの書類がこんなに早く出てくるとは」
「何度か計算しましたので間違いはないと思いますが確認お願いします」
「ほう…君が計算したかな?」
「はい」
「うん?君は今日から配属されたと」
「ええ、配属してすぐこれを集計するように言われまして」
「しかし、結構な枚数あったはずだが」
「はい、幸い大きな数字ではなかったので暗算で計算しました」
「アンザン?それはスキルか何かなのかな」
「そうですね、スキルというか計算方法みたいなものです」
「ほう…しかもコレは細分化されていな」
「すみません、仕訳がそれであってるかわからないのですが」
「いや、今までは合計しかなかったからなコレはコレで助かるのだが」
合計だけで良かったのか…
「何か問題がありましたか?」
「すまん、ちょっと現金と照合するから待っててくれ」
数十分後…
「素晴らしい、ぴったり合ってる」
「それは良かったです」
「それにしてもそのアンザンという計算方法は素晴らしいのだな、この短時間で計算できてしまうとは」
「いえいえ、そんな私のレベルではそんなにすごくないですよ」
「そうなのか?是非今度教えてくれないかお昼でも奢るよ」
この人偉そうな感じするし情報が拾えるかも…
「そうですね、是非お願いします」
「そうか、楽しみにしてるよ」
その後自分の部署に戻ると…
「あら、遅かったわね どうせ怒られてたんでしょ」
「いえ、受理してい頂きましたけど」
「はい!?」
周りの皆さんも若干ざわついている。
「ウソおっしゃい!そんなこと言ってもすぐ」
すると…
「ふむ、ウソは言ってないよ。計算は問題なかった」
「財務秘書長!」
「マオ君、申し訳ない自己紹介をし忘れた私の名前はフレミィだ」
これは最初から大物と知り合えたかもしれない!
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