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レーティング

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僕はとあるゲームにハマっている。

それは強さを競い合うゲーム、どのくらいの実力かはレートが教えてくれる。

そのゲーム内容とは‥

言葉で表すなら‥そう素晴らしく強いお互いを高め合う、この世で最も凄いゲーム。

ダンボールを持ち上げるゲームである。

持ち上げて、おろしてを繰り返す。

沢山持ち上げられた方が勝ちになる。

崇高かつ、伝統的で、国民的なこの世で最も知られているゲーム‥。

僕はそこでとてもレートが高い、名誉な位置にある。

今日もレートに挑もうか。

そう思って、マッチングを待った。

このゲームは単純に見えて、とても奥深い。

沢山のテクニックがあるからだ。

僕と同じランクだと、そのテクニックを多用してくる。

ピッと言う音とともに呟いた。

「丁度、マッチングされたか。」

心の中で意気込むと画面を押した。

あまり聞かない名前の相手だ。

最近このランクに来た人かな?

そう考えながら、準備を始める。

そして‥。

スタート‥。戦いの火蓋が切られる。

男は必死に画面を連打した。

そして思わずつぶやく。

「どうだ、僕の素早さに恐れ入ったか。」

しかし、相手の様子がおかしかった。

「な、なんだと‥これは。」

凄い勢いで上げ下げしている。

「まさか相手はフリッカーか!?」

僕の技は手から離してキャッチを繰り返す。

レートが上がるにつれて、この技の方が勝ちやすいことに気が付いたし、周りもこの高等テクニックを使うものばかりだった。

フリッカーは終わったのだ。

そうおもっている。

だが、相手を見る限り、現役で、しかも、凄い勢いでタッパーの僕に張り合っている。

これは考えを改めねばなるまい‥。

これは奥の手を出すしかない。

左手をひらき見つめる。

そして、2つの手を使って画面を連打した。

すると、画面のキャラも腕が4本になり、ダンボールも2つに。

そして、ものすごい勢いで上げ下げしていく。

また、どうだ‥?と相手の様子をみると、同じく腕、ダンボールが同じ数に。

なんだと、トゥフィンガーだと‥!?

こ、これは‥強敵だ‥。ここまで登ってきただけはある。

仕方ない‥最終奥義を‥

これはとっておきたかった。

10本の指を画面に流れるように当てていった。

キャラの腕は20本、ダンボール10。更にもの凄い勢いでダンボールがあげさげされていく。

この技を出ささせたこと。凄いプレイヤーだった。

君の名前を覚えておくよ。

しかし‥。

男は驚きを見た。

相手も、また、同じ状況になっていたのである。

な、なんだと‥。

仕方ない。今は相手のことより、最後までやり切るしかない‥!
 
───────

対戦は終わった。
 
男の目には涙が浮かんでいた。

レートが20下がったよ‥

順位も100くらい落ちた‥。

両手で顔を覆った────────
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