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「……引くなんて悠長なことは言ってられなくなったわね」
ギルフォードと背中合わせになりながら、剣を構えた。
「ハッ! 生きていたのか! まさか俺がペテンにかけられるとはなっ!」
「マクシミリアン。士官学校からお前の目は節穴だ」
マクシミリアンは残忍な笑みを浮かべた。
「そうかもな。ジュリアをこの腕に抱いたおかげで理性が曇っていたのかも知れない」
「なんだと……」
「ギル、嘘よっ」
「照れるなよ、ジュリア。お前も俺に触れられて喜んで……」
氷魔法が無数の展開され、それが一斉にマクシミリアンを襲う。しかし彼はそれを全て防御魔法で弾く。
「殺せ!」
マクシミリアンの号令一下、魔導士たちが一斉に飛びかかってくる。ジュリアとギルフォードもまた応戦する。
ギルフォードの氷魔法、マクシミリアンの火魔法。
二つの強大な魔力がぶつかり、夜の闇を引き裂く。
両者の力が伯仲し、四散する。
魔力の残滓が辺りの建物にぶつかり、粉々に崩していく。
ジュリアは一刻も早くギルフォードに加勢したくて、目の前の魔導士たちを捌いていく。
ギルフォードを背後から狙おうとする魔導士に対し、体当たりを食らわせ、一歩踏み込み、脇腹を斬り裂く。
魔導士たちの魔法を次々と斬り裂く。
――今ので最後!
魔導士を切り伏せ、天を仰ぐ。
見上げた夜空を背景に、ギルフォードとマクシミリアンが激しくぶつかりあっていた。
赤い星と青い星。
その二つがめまぐるしく交錯し、互いの位置や攻守を変えながら、衝突と交差を繰り返す。
そのたびに魔法の素養のないジュリアでさえ総毛脱ほどの強い魔力が彗星の尾のように闇に残像を描く。
しかしその幻想的でありながらも、そこには確かな命のやりとりをしているのだ。
弾かれ会った火魔法と氷魔法が四散するたび、威力が相殺されきれなかった魔力の残滓が、まだ威力を保ったそれは魔力の弾雨となって地上へと降り注ぐ。
平時では美しいと賞賛されるレリーフが、彫像が、大輪の花びらの模様の描かれた石畳みが砕かれ、抉られ、巨大な穴がいくつも穿たれた。
ジュリアは剣でその弾雨を弾き、回廊へ逃げ込む。
回廊を走りながら、決して空中で戦う二人から目を反らさない。
ジュリアはまだ形を保っている塔に向かって駆け出す。
少しでも二人の戦いの趨勢を間近で見たい。近づきたかった。
魔導士の身ではない自分にもやるべきことがるかもしれない。
ギルフォードを助けられるかもしれない。
長い長い階段の先の塔の最上階。普段は展望台としての役割をかねたそこは腰丈の手すりがあるばかりで、風の流れを防ぐものはなにもない。
二人の魔導士たちの衝突が起こす衝撃波が突風を巻き起こし、支えがなければ、ジュリアの体などあっという間に吹き飛ばされてしまいそうだった。
その時、ギルフォードに肉迫したマクシミリアンがゼロ距離で魔法を放つ。
瞬時の判断でギルフォードが防御魔法を展開するが、衝撃を殺しきれず、吹き飛ばされる。ギルフォードの体が、ジュリアに向かって来る。
「ギル!」
ジュリアは、ギルフォードの体を受け止めた。
「ぐ……!」
かなりの速度が乗ったギルフォードの体を受け止められたが、腹を蹴られるような衝撃に体が軋みをあげるが、ギリギリとのろころで支え切れた。
「ジュリア……すまない」
「いいのよ。それよりくるわっ」
ギルフォードは大きく肩で息をし憔悴している。しかしマクシミリアンもまた無傷とは言えない。
撫でつけられた髪はところどころほつれ、その体にはいくつもの凍傷や、火で無理矢理、傷を塞いだと思しき裂傷も見られた。
こちらも短時間の魔力の消費に顔色が青白い。
「ギルフォード、これで、終わりだ!」
マクシミリアンの手に魔力が収束し、炎の塊がギルフォードめがけ飛ばされる。
――ギルはやらせないっ!
ジュリアはギルフォードを背に庇い、炎塊めがけ剣を振るった。
全身がひりつくような熱波が押し寄せるが、マッケナンにかけてもらった防御魔法が被害を抑えてくれる。それでも巨大な魔力を対処することを期待していないのは明らかだ。
しかしマクシミリアンの魔力は膨大だ。
腕に伝わる圧の強さに全身に痛みが走り、顔が歪む。
――それでも……!
ジュリアの背後にはギルフォードがいる。
彼を守るためなら、どんなことも、どんな無茶だって厭わない。
「はあああああああ!」
魔力の圧に抗い切れなくなった剣が折れるのと、魔法が霧散するのは同時。
蒸気の向こうに、マクシミリアンの呆然とした顔が見えた。
ジュリアは右膝を折る。火の魔力の残り香が、全身に絡みつき、肌を焼く。それでもギルフォードを守りきった。
その達成感と共に、その場に崩れ落ちた。
「マクシミリアン!」
ギルフォードが跳ぶ。
「ジュリア!」
崩れ落ちるジュリアにしか目がいかず、彼女に手を伸ばそうとしたマクシミリアンは、ジュリアの背後から躍り出たギルフォードの動きへの反応が僅かに遅れた。
時間にして一秒にも満たないだろう。
しかしそれが全てを変える。
マクシミリアンが防御魔法を展開するが、それよりもギルフォードが魔力を凝縮して生み出した氷の剣の切っ先が、マクシミリアンの心臓を貫くのが早かった。
マクシミリアンが血を吐く。
ギルフォードが剣を引き抜けば、唯一の支えを失ったその体が真っ逆さまに地上めがけ落ちていく。
その目は片時もジュリアから反らさなかった。かすかに持ち上げられた右腕の先にはジュリアがいた。執念が人の形をなしたような最期。
「や、った……?」
落ちていくマクシミリアン。その歪んだ顔が、最後に胃を吹き返す。
ニタリと、笑う。
断末魔のようにマクシミリアンの手から放たれた火魔法が塔の中腹を抉った。
「っ!!」
塔が傾ぎ、崩れる。
足元にあったはずの大地が消失し、宙へ投げ出されてしまう。
砕けた塔が崩れていく、
形あるものが、大小の岩の塊に分解される。
その様子のひとつひとつがまるでスローモーションのようにジュリアの目に映った。
「ジュリア!」
ギルフォードが跳んでくる。その必死な顔さえ、何もかもがゆっくりになる。
現実感のない光景。
それでも手を伸ばす彼に向かって、ジュリアもまた手を伸ばす。指先が触れあい、そして彼の大きな手に包まれる。
たしかにしっかり握り締めてくれた手。
宙に投げ出されながら、しっかりと抱き合う。
二人めがけ、巨大な瓦礫が落ちようとしたした寸前、二人の姿がテレポートによってその場から移動した。
ギルフォードと背中合わせになりながら、剣を構えた。
「ハッ! 生きていたのか! まさか俺がペテンにかけられるとはなっ!」
「マクシミリアン。士官学校からお前の目は節穴だ」
マクシミリアンは残忍な笑みを浮かべた。
「そうかもな。ジュリアをこの腕に抱いたおかげで理性が曇っていたのかも知れない」
「なんだと……」
「ギル、嘘よっ」
「照れるなよ、ジュリア。お前も俺に触れられて喜んで……」
氷魔法が無数の展開され、それが一斉にマクシミリアンを襲う。しかし彼はそれを全て防御魔法で弾く。
「殺せ!」
マクシミリアンの号令一下、魔導士たちが一斉に飛びかかってくる。ジュリアとギルフォードもまた応戦する。
ギルフォードの氷魔法、マクシミリアンの火魔法。
二つの強大な魔力がぶつかり、夜の闇を引き裂く。
両者の力が伯仲し、四散する。
魔力の残滓が辺りの建物にぶつかり、粉々に崩していく。
ジュリアは一刻も早くギルフォードに加勢したくて、目の前の魔導士たちを捌いていく。
ギルフォードを背後から狙おうとする魔導士に対し、体当たりを食らわせ、一歩踏み込み、脇腹を斬り裂く。
魔導士たちの魔法を次々と斬り裂く。
――今ので最後!
魔導士を切り伏せ、天を仰ぐ。
見上げた夜空を背景に、ギルフォードとマクシミリアンが激しくぶつかりあっていた。
赤い星と青い星。
その二つがめまぐるしく交錯し、互いの位置や攻守を変えながら、衝突と交差を繰り返す。
そのたびに魔法の素養のないジュリアでさえ総毛脱ほどの強い魔力が彗星の尾のように闇に残像を描く。
しかしその幻想的でありながらも、そこには確かな命のやりとりをしているのだ。
弾かれ会った火魔法と氷魔法が四散するたび、威力が相殺されきれなかった魔力の残滓が、まだ威力を保ったそれは魔力の弾雨となって地上へと降り注ぐ。
平時では美しいと賞賛されるレリーフが、彫像が、大輪の花びらの模様の描かれた石畳みが砕かれ、抉られ、巨大な穴がいくつも穿たれた。
ジュリアは剣でその弾雨を弾き、回廊へ逃げ込む。
回廊を走りながら、決して空中で戦う二人から目を反らさない。
ジュリアはまだ形を保っている塔に向かって駆け出す。
少しでも二人の戦いの趨勢を間近で見たい。近づきたかった。
魔導士の身ではない自分にもやるべきことがるかもしれない。
ギルフォードを助けられるかもしれない。
長い長い階段の先の塔の最上階。普段は展望台としての役割をかねたそこは腰丈の手すりがあるばかりで、風の流れを防ぐものはなにもない。
二人の魔導士たちの衝突が起こす衝撃波が突風を巻き起こし、支えがなければ、ジュリアの体などあっという間に吹き飛ばされてしまいそうだった。
その時、ギルフォードに肉迫したマクシミリアンがゼロ距離で魔法を放つ。
瞬時の判断でギルフォードが防御魔法を展開するが、衝撃を殺しきれず、吹き飛ばされる。ギルフォードの体が、ジュリアに向かって来る。
「ギル!」
ジュリアは、ギルフォードの体を受け止めた。
「ぐ……!」
かなりの速度が乗ったギルフォードの体を受け止められたが、腹を蹴られるような衝撃に体が軋みをあげるが、ギリギリとのろころで支え切れた。
「ジュリア……すまない」
「いいのよ。それよりくるわっ」
ギルフォードは大きく肩で息をし憔悴している。しかしマクシミリアンもまた無傷とは言えない。
撫でつけられた髪はところどころほつれ、その体にはいくつもの凍傷や、火で無理矢理、傷を塞いだと思しき裂傷も見られた。
こちらも短時間の魔力の消費に顔色が青白い。
「ギルフォード、これで、終わりだ!」
マクシミリアンの手に魔力が収束し、炎の塊がギルフォードめがけ飛ばされる。
――ギルはやらせないっ!
ジュリアはギルフォードを背に庇い、炎塊めがけ剣を振るった。
全身がひりつくような熱波が押し寄せるが、マッケナンにかけてもらった防御魔法が被害を抑えてくれる。それでも巨大な魔力を対処することを期待していないのは明らかだ。
しかしマクシミリアンの魔力は膨大だ。
腕に伝わる圧の強さに全身に痛みが走り、顔が歪む。
――それでも……!
ジュリアの背後にはギルフォードがいる。
彼を守るためなら、どんなことも、どんな無茶だって厭わない。
「はあああああああ!」
魔力の圧に抗い切れなくなった剣が折れるのと、魔法が霧散するのは同時。
蒸気の向こうに、マクシミリアンの呆然とした顔が見えた。
ジュリアは右膝を折る。火の魔力の残り香が、全身に絡みつき、肌を焼く。それでもギルフォードを守りきった。
その達成感と共に、その場に崩れ落ちた。
「マクシミリアン!」
ギルフォードが跳ぶ。
「ジュリア!」
崩れ落ちるジュリアにしか目がいかず、彼女に手を伸ばそうとしたマクシミリアンは、ジュリアの背後から躍り出たギルフォードの動きへの反応が僅かに遅れた。
時間にして一秒にも満たないだろう。
しかしそれが全てを変える。
マクシミリアンが防御魔法を展開するが、それよりもギルフォードが魔力を凝縮して生み出した氷の剣の切っ先が、マクシミリアンの心臓を貫くのが早かった。
マクシミリアンが血を吐く。
ギルフォードが剣を引き抜けば、唯一の支えを失ったその体が真っ逆さまに地上めがけ落ちていく。
その目は片時もジュリアから反らさなかった。かすかに持ち上げられた右腕の先にはジュリアがいた。執念が人の形をなしたような最期。
「や、った……?」
落ちていくマクシミリアン。その歪んだ顔が、最後に胃を吹き返す。
ニタリと、笑う。
断末魔のようにマクシミリアンの手から放たれた火魔法が塔の中腹を抉った。
「っ!!」
塔が傾ぎ、崩れる。
足元にあったはずの大地が消失し、宙へ投げ出されてしまう。
砕けた塔が崩れていく、
形あるものが、大小の岩の塊に分解される。
その様子のひとつひとつがまるでスローモーションのようにジュリアの目に映った。
「ジュリア!」
ギルフォードが跳んでくる。その必死な顔さえ、何もかもがゆっくりになる。
現実感のない光景。
それでも手を伸ばす彼に向かって、ジュリアもまた手を伸ばす。指先が触れあい、そして彼の大きな手に包まれる。
たしかにしっかり握り締めてくれた手。
宙に投げ出されながら、しっかりと抱き合う。
二人めがけ、巨大な瓦礫が落ちようとしたした寸前、二人の姿がテレポートによってその場から移動した。
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