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第19話 潜入捜査
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(俺って奴は……)
数日前のことを思い出し、オルティスは己の不甲斐なさを痛感すると共に、自分の気持ちを嫌でも意識するしかなかった。
自分はアルバートが他の男といることに嫉妬したのだ。
「――宰相様。騎士団の方々がいらっしゃっておりますが、お通ししますか? 緊急の用件だそうです」
執務室に入ってきた秘書官の言葉に、オルティスは物思いから我に返った。
「あ、ああ」
タイミングが良すぎることにオルティスは動揺しつつ、頷く。
あの安宿の一件から別の意味で顔を合わせづらくなっていたが、あっちも公務で来ている訳だから会わない訳にはいかない。
アルバートは決して公私混同はしない。
私的な用件であれば屋敷に戻ってからするだろう。
わざわざ宰相府まで足を運んで来たということは騎士団の活動で、オルティスの力を借りたいからだ。
部屋を訪ねてきたのはアルバートと、グラム。
「兄上、突然申し訳ありません」
アルバートは頭を下げた。
「気にするな。緊急の用件らしいが」
オルティスは先ほどまで呻吟していたことなどおくびにも出さず、応じた。
「違法賭博場の候補地が絞れてきましたのでお知らせに」
「違法……?」
「お忘れですか? 兄上がグラムに命じたことです」
頬に熱を覚えながら、オルティスは咳払いをする。
「そ、そうか」
「一ヶ月の間、賭博場について調べていたんですよ」
グラムはテーブルの上に、王都周辺の地図を広げる。いくつかの箇所にチェックマークが入っている。
「これらがそのポイントです」
グラムは一つ一つ説明する。繁華街の酒場、都の郊外にある別荘地、うち捨てられた農場。
「これからの箇所を監視をするため、衛兵隊の力を借りたいのです」
「…………」
「兄上?」
「正直、どれもこれもピンとこない」
「閣下。確実な証拠を抑えるために衛兵隊による人海戦術を行いたいのです」
しかしオルティスには迷いがある。
「賭博場があるということは、人の出入りが自然であるべきだ」
「承知しています」
「それだけでなく、賭博には酒と女がつきもの。アル、当然だろうが、売春宿の監視はしているんだろう?」
「はい」
「動きは?」
「……ありません」
「酒のほうも同様だ。酒の消費が不自然でなく、女性が出入りしてもおかしくはない……それに、乱痴気騒ぎをしても怪しまれない防音性に優れた場所」
「別荘地?」
グラムの言葉に、オルティスは首を横に振った。
「別荘地は危険だ。治安を預かる貴族もそこに邸宅を構えているからな」
オルティスは地図に目を走らせ、あるところに目を留めた。
「ここだ」
それは、湖の畔にたたずむ修道院。
「売春婦を修道女に変装させれば、女性の出入りは問題ない。若い身空で修道院に入ろうという女性は誰もが訳ありだが、それを探ろうとする人間はいない。酒の消費は儀式に使うと言われれば深くは追求できない。防音に関して、地下墓地を利用すればいい。罰当たりだが、違法賭博に興じる連中だ。そんなものに関心など払わないだろう」
「……確かに」
アルバートが頷く。
「兄上、すぐに内偵を進めます」
「頼む」
※
一週間後、アルバートとオルティスは、馬車に揺られていた。
向かうのは、オルティスが目星をつけた修道院だ。
なぜオルティスなのかと言えば、潜入捜査で動かぬ証拠を掴まなければ逮捕ができないからだ。
しかし相手方もそれは考慮し、目を光らせているだろう。
いくらグラムのように潜入捜査の経験が豊富な騎士も元々は平民である以上、貴族の気品というものは身なりを整えたからと言って出せるものではない。
その点、アルバートとオルティスなら公爵家の出であり、潜入にはもってこいということになったのだ。
「騎士や衛兵は?」
「森で待機させています。私たちが修道院に入って、一時間ほどで突入予定なので、それまでに証拠をおさえます」
(ゲーム内ではこんなイベントなかったよな。先が分からないのは怖いな……)
そんなオルティスの不安な胸中を察するように、アルバートが手を握り、いつものオルティスにしか見せない品のある笑みを浮かべる。
「兄上には指一本触れさせませんからご安心を」
トクン、と鼓動が弾んだ。
顔が熱くなるのを意識して、顔を背ける。
「お、俺のことより、事件解決が最重要だ」
「兄上を守るのは私個人の使命ですから。ではこれを」
渡されたのは仮面。
「会員は身許を隠し、己の欲望を限界まで解放する場所ですから」
馬車から下り、修道院へ。
出入り口は、修道院では普通はありえない鉄製。
オルティスたちが扉の前に立つと、覗き窓が開く。
「会員証をそちらの引き出しへお入れ下さい」
男の声。
アルバートはポケットから取り出した二匹の蛇が尻尾を食い合っている指輪を、引き出しへ入れる。
これは過去、逮捕した賭博客から入手したもの。
覗き窓の目が、オルティスを向く。
「彼は私のパートナーだ」
「ようこそ、夜宴《サバト》へ。今宵、心ゆくまでお愉しみください」
いくつもの蝋燭に火が灯され、幻想的な空間が演出されている。
控えていた使用人が「こちらでございます」と案内に立ち、地下墓地への扉を開く。
階段を下りていくと、賑やかさと熱気、酒精特有の甘酸っぱさが五感を刺激した。
そこはうらぶれた地上とは裏腹な、豪華な内装に造り変えられている。
ポーカーテーブル、天井はクリスタルをふんだんにつかったシャンデリアで彩られ、壁沿いに用意された休憩用の寝椅子なども一目見て高級品だと分かる。
壁にかけられた絵画はどれもこれも半裸の男女や、密会している場面、さらに悪魔とまぐわう貴婦人や紳士という構図まである。
紳士淑女たちは仮面で身許を隠しているせいで気が大きくなっているのか、柱の陰で激しい口づけを交わしていたり、男女・同性を問わず、しきりに奥の部屋のカーテンで仕切られた空間に出入りしている。
「兄上、そう緊張しないでください。普段通りしないと怪しまれます」
さすがは副団長。肝が据わっている。
「すまない。こういうところは初めてだから……」
オルティスをエスコートするアルバートが、囁く。
(それにしても、アルバートは仮面をつけていても美形だって一目で分かるな)
オルティスたちが姿を見せた途端、男女問わず、欲望に光った眼差しがアルバートに向くのが分かった。
「お飲み物はいかがですか?」
「ありがとう」
給仕からシャンパンを二つ受け取ったアルバートが、一つをオルティスに渡す。
「で、確たる証拠というのはどういうものがいいんだ?」
「違法な品物が一般的ですが、尻尾を掴ませないオーナーを確保できれば最高ですね。売り上げだけでは賭博場を潰す効果しかありません。ほとぼりが冷めれば、また新しい賭場が別の場所で開かれるだけですから」
アルバートたちはルーレットやポーカー、ブラックジャックなどのギャンブルを遊びつつ、オーナーが現れるのを待つ。
オルティスはことごとく駄目だったが、アルバートはかなり調子がいい。
「うまいんだな」
「動体視力と記憶力の賜物です」
「……それはイカサマじゃないか?」
正規の賭博場ならつまみだされているだろう。
「違法な賭場ですから、搾り取っても罪悪感はありません」
アルバートは不敵に笑う。
「あなた、とてもお強いのねえ。どう、あちらで私とお話でも」
血のように真っ赤なルージュが艶めかしい、ざっくりと胸元のあいたドレス姿の女性が声をかけてくる。
艶めかしい眼差しでアルバートを見つめ、しきりに二の腕をさする。
(とんでもない美人だな)
ただ、それでも少しも惹かれないのはなぜだろうか。
「申し訳ありません。恋人がいるので」
アルバートがちらりとオルティスを見る。
オルティスはどぎまぎしてしまう。
「三人で楽しむのも大歓迎だけれど」
「……興味ない、と言っているんだ。失せろ」
アルバートから凄まれ、女性は「ひ……」と顔を青ざめさせて逃げていく。
「もっと優しく断れ。彼女、殺人鬼にでも出くわしたみたいに涙目だったぞ」
オルティスは溜息混じりに言った。
「兄上はずいぶん、見とれていたようですが、浮気なんてしたら、あとでおしおきですよ」
囁かれると、うなじがゾクゾクした。
「な、なんだよ、浮気って。ちょっと見てただけだ。見とれてなんてない。……それどころか、何も想わなかったぞ」
「なら、いいのですが」
オルティスは周囲を見回す。
客や使用人はいるが、オーナーらしき人物は一向に見当たらない。
オーナーは現れないのかと想っていると、
「皆様、今宵も己の欲望に身を任せ、楽しんでいらっしゃるでしょうか!」
仮面で素顔を隠す、恰幅のいい男性が姿を見せた。
数日前のことを思い出し、オルティスは己の不甲斐なさを痛感すると共に、自分の気持ちを嫌でも意識するしかなかった。
自分はアルバートが他の男といることに嫉妬したのだ。
「――宰相様。騎士団の方々がいらっしゃっておりますが、お通ししますか? 緊急の用件だそうです」
執務室に入ってきた秘書官の言葉に、オルティスは物思いから我に返った。
「あ、ああ」
タイミングが良すぎることにオルティスは動揺しつつ、頷く。
あの安宿の一件から別の意味で顔を合わせづらくなっていたが、あっちも公務で来ている訳だから会わない訳にはいかない。
アルバートは決して公私混同はしない。
私的な用件であれば屋敷に戻ってからするだろう。
わざわざ宰相府まで足を運んで来たということは騎士団の活動で、オルティスの力を借りたいからだ。
部屋を訪ねてきたのはアルバートと、グラム。
「兄上、突然申し訳ありません」
アルバートは頭を下げた。
「気にするな。緊急の用件らしいが」
オルティスは先ほどまで呻吟していたことなどおくびにも出さず、応じた。
「違法賭博場の候補地が絞れてきましたのでお知らせに」
「違法……?」
「お忘れですか? 兄上がグラムに命じたことです」
頬に熱を覚えながら、オルティスは咳払いをする。
「そ、そうか」
「一ヶ月の間、賭博場について調べていたんですよ」
グラムはテーブルの上に、王都周辺の地図を広げる。いくつかの箇所にチェックマークが入っている。
「これらがそのポイントです」
グラムは一つ一つ説明する。繁華街の酒場、都の郊外にある別荘地、うち捨てられた農場。
「これからの箇所を監視をするため、衛兵隊の力を借りたいのです」
「…………」
「兄上?」
「正直、どれもこれもピンとこない」
「閣下。確実な証拠を抑えるために衛兵隊による人海戦術を行いたいのです」
しかしオルティスには迷いがある。
「賭博場があるということは、人の出入りが自然であるべきだ」
「承知しています」
「それだけでなく、賭博には酒と女がつきもの。アル、当然だろうが、売春宿の監視はしているんだろう?」
「はい」
「動きは?」
「……ありません」
「酒のほうも同様だ。酒の消費が不自然でなく、女性が出入りしてもおかしくはない……それに、乱痴気騒ぎをしても怪しまれない防音性に優れた場所」
「別荘地?」
グラムの言葉に、オルティスは首を横に振った。
「別荘地は危険だ。治安を預かる貴族もそこに邸宅を構えているからな」
オルティスは地図に目を走らせ、あるところに目を留めた。
「ここだ」
それは、湖の畔にたたずむ修道院。
「売春婦を修道女に変装させれば、女性の出入りは問題ない。若い身空で修道院に入ろうという女性は誰もが訳ありだが、それを探ろうとする人間はいない。酒の消費は儀式に使うと言われれば深くは追求できない。防音に関して、地下墓地を利用すればいい。罰当たりだが、違法賭博に興じる連中だ。そんなものに関心など払わないだろう」
「……確かに」
アルバートが頷く。
「兄上、すぐに内偵を進めます」
「頼む」
※
一週間後、アルバートとオルティスは、馬車に揺られていた。
向かうのは、オルティスが目星をつけた修道院だ。
なぜオルティスなのかと言えば、潜入捜査で動かぬ証拠を掴まなければ逮捕ができないからだ。
しかし相手方もそれは考慮し、目を光らせているだろう。
いくらグラムのように潜入捜査の経験が豊富な騎士も元々は平民である以上、貴族の気品というものは身なりを整えたからと言って出せるものではない。
その点、アルバートとオルティスなら公爵家の出であり、潜入にはもってこいということになったのだ。
「騎士や衛兵は?」
「森で待機させています。私たちが修道院に入って、一時間ほどで突入予定なので、それまでに証拠をおさえます」
(ゲーム内ではこんなイベントなかったよな。先が分からないのは怖いな……)
そんなオルティスの不安な胸中を察するように、アルバートが手を握り、いつものオルティスにしか見せない品のある笑みを浮かべる。
「兄上には指一本触れさせませんからご安心を」
トクン、と鼓動が弾んだ。
顔が熱くなるのを意識して、顔を背ける。
「お、俺のことより、事件解決が最重要だ」
「兄上を守るのは私個人の使命ですから。ではこれを」
渡されたのは仮面。
「会員は身許を隠し、己の欲望を限界まで解放する場所ですから」
馬車から下り、修道院へ。
出入り口は、修道院では普通はありえない鉄製。
オルティスたちが扉の前に立つと、覗き窓が開く。
「会員証をそちらの引き出しへお入れ下さい」
男の声。
アルバートはポケットから取り出した二匹の蛇が尻尾を食い合っている指輪を、引き出しへ入れる。
これは過去、逮捕した賭博客から入手したもの。
覗き窓の目が、オルティスを向く。
「彼は私のパートナーだ」
「ようこそ、夜宴《サバト》へ。今宵、心ゆくまでお愉しみください」
いくつもの蝋燭に火が灯され、幻想的な空間が演出されている。
控えていた使用人が「こちらでございます」と案内に立ち、地下墓地への扉を開く。
階段を下りていくと、賑やかさと熱気、酒精特有の甘酸っぱさが五感を刺激した。
そこはうらぶれた地上とは裏腹な、豪華な内装に造り変えられている。
ポーカーテーブル、天井はクリスタルをふんだんにつかったシャンデリアで彩られ、壁沿いに用意された休憩用の寝椅子なども一目見て高級品だと分かる。
壁にかけられた絵画はどれもこれも半裸の男女や、密会している場面、さらに悪魔とまぐわう貴婦人や紳士という構図まである。
紳士淑女たちは仮面で身許を隠しているせいで気が大きくなっているのか、柱の陰で激しい口づけを交わしていたり、男女・同性を問わず、しきりに奥の部屋のカーテンで仕切られた空間に出入りしている。
「兄上、そう緊張しないでください。普段通りしないと怪しまれます」
さすがは副団長。肝が据わっている。
「すまない。こういうところは初めてだから……」
オルティスをエスコートするアルバートが、囁く。
(それにしても、アルバートは仮面をつけていても美形だって一目で分かるな)
オルティスたちが姿を見せた途端、男女問わず、欲望に光った眼差しがアルバートに向くのが分かった。
「お飲み物はいかがですか?」
「ありがとう」
給仕からシャンパンを二つ受け取ったアルバートが、一つをオルティスに渡す。
「で、確たる証拠というのはどういうものがいいんだ?」
「違法な品物が一般的ですが、尻尾を掴ませないオーナーを確保できれば最高ですね。売り上げだけでは賭博場を潰す効果しかありません。ほとぼりが冷めれば、また新しい賭場が別の場所で開かれるだけですから」
アルバートたちはルーレットやポーカー、ブラックジャックなどのギャンブルを遊びつつ、オーナーが現れるのを待つ。
オルティスはことごとく駄目だったが、アルバートはかなり調子がいい。
「うまいんだな」
「動体視力と記憶力の賜物です」
「……それはイカサマじゃないか?」
正規の賭博場ならつまみだされているだろう。
「違法な賭場ですから、搾り取っても罪悪感はありません」
アルバートは不敵に笑う。
「あなた、とてもお強いのねえ。どう、あちらで私とお話でも」
血のように真っ赤なルージュが艶めかしい、ざっくりと胸元のあいたドレス姿の女性が声をかけてくる。
艶めかしい眼差しでアルバートを見つめ、しきりに二の腕をさする。
(とんでもない美人だな)
ただ、それでも少しも惹かれないのはなぜだろうか。
「申し訳ありません。恋人がいるので」
アルバートがちらりとオルティスを見る。
オルティスはどぎまぎしてしまう。
「三人で楽しむのも大歓迎だけれど」
「……興味ない、と言っているんだ。失せろ」
アルバートから凄まれ、女性は「ひ……」と顔を青ざめさせて逃げていく。
「もっと優しく断れ。彼女、殺人鬼にでも出くわしたみたいに涙目だったぞ」
オルティスは溜息混じりに言った。
「兄上はずいぶん、見とれていたようですが、浮気なんてしたら、あとでおしおきですよ」
囁かれると、うなじがゾクゾクした。
「な、なんだよ、浮気って。ちょっと見てただけだ。見とれてなんてない。……それどころか、何も想わなかったぞ」
「なら、いいのですが」
オルティスは周囲を見回す。
客や使用人はいるが、オーナーらしき人物は一向に見当たらない。
オーナーは現れないのかと想っていると、
「皆様、今宵も己の欲望に身を任せ、楽しんでいらっしゃるでしょうか!」
仮面で素顔を隠す、恰幅のいい男性が姿を見せた。
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