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第三章(4)
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金曜日。由季はドレスと、誕生日の時に奮発して購入したイヤリングをつけて、鏡の前に立つ。
――この部屋とのアンバランス感が否めない……。
悲しくなってくるが、今日は自分のためでなく、彰のためにパーティーに出るのだからと気持ちを切り替える。スマホがメッセージの着信を知らせる。彰が到着したらしい。
マンションを出ると、整髪料で髪をなでつけたスーツ姿の彰がいた。
――……格好いい。
一目見た瞬間、ゾクッとした正体の分からないような震えが体を走り抜ける。
長身で、手足のバランスの取れた筋肉質な彰の体型に、タイトなシルエットのブラックスーツがよく似合っていた。
髪型のせいだろうか、普段以上に品の良さが強く出ている。
「よく似合ってる」
潤んだ眼差しで見つめられると、心臓がバクバクと高鳴ってしまう。
「良かった……」
彰は助手席の扉を開けて、「どうぞ」と促してくれる。
「あ、ありがとう」
エスコートになれていない由季としては気恥ずかしかった。
車が発進し、都心へ。パーキングに車を止めて、一緒に美容院へ。
美容師とは顔なじみのようで、すぐに奧の部屋に通してもらえた。
そこではヘアセットと一緒に、ネイルもしてもらった。
美容師は手際も良かったのはもちろん、会話もうまかった。一方的に話しかけてくるのではなく、接客の緩急をわきまえた人で、普段は美容師と話すのが苦手な由季も、自分から自然と話してしまうような、とても居心地の良い時間を過ごせたし、由季の癖毛も素敵にアレンジしてくれた。
「……どう、かな」
「最高」
ヘアセットをしてもらった由季がドキドキしながら彰の前に立つと、彼は小さく口笛を吹いた。
「なにその口笛。海外の映画に出てくるナンパ師みたいなんだけど」
「お前を見かけたら絶対ナンパする。ま、お前は俺のものだから、そんなことする必要ないけど」
俺のもの、と色っぽい口調で言われると、恥ずかしくなって俯く。
「じゃあ、行くか」
肩を抱かれて車へ向かう。
パーティーが開催されるのは、丸の内にある外資系ホテルだ。
本館エントランスでカギをポーターに預けて、車を降りる。
彰が腕を差し出してくる。エスコートされるのには馴れないと思いつつ、その腕に手をやって、一緒にホテルのロビーへ入った。
ほんのりと漂う爽やかなアロマの香りが、非日常に足を踏み入れたことを意識させる。
広々とした空間は二階分ほどの吹き抜けになり、ラウンジから臨む庭に面した窓は大きく取られて、解放感がある。天井から下がるシャンデリアはただきらびやかというだけでなく、温もりを感じさせ、高級感と居心地の良さを両立させていた。
磨き上げられた鏡のようなアイボリーの大理石の床と、壁は柔らかなダークブラウン。 柱にいたる
まで細やかな装飾がほどこされ、細部にも抜かりはない。
ロビーには多国籍の宿泊客が行き交う。
高級ホテルに足を運ぶのがはじめてな由季としては場違いについつい怯みそうになるが、そうならなかったのはこのような非日常的な空間に馴れている彰が自然にエスコートしてくれるからだろう。
エレベーターに乗り込み、四階のパーティー会場へ。
「ねえ、会場では私、何をしてたら良い? ずっと彰の横で笑ってるだけで良い?」
「そんな怯えなくても良いから。誰も取って食べたりしない」
「そう言われても……」
おそらく会場には大勢の成功者がいることだろう。そんなところで平然といられるような人生をこれまで、歩んでこなかった。
「俺が紹介するから適当に話を合わせてくれれば良い。あ、言ったとおり名刺は持ってきてるか?」
前日に、名刺も持ってきてくれと連絡をもらったのだ。
「う、うん」
「紹介するから、名刺を渡せよ。仕事に結びつくかも」
「こんなところで営業しろってこと!?」
「今俺が取材を受けているあの記事は、ファンが多いんだよ。あれを書いてるライターだって分かったら、面白がって社内の仕事を回してくれるかもしれない」
「でも……」
「俺が紹介したからってほいほい仕事にありつけるわけじゃないぞ。一見すると、チャラそうに見えるかもしれないけど、ことビジネスに関しちゃ誰よりシビアな連中だ。使えないって判断されたら見向きもされない。だから気楽にしとけ。それに、他の連中だって営業したりしてるんだぜ?」
「……わ、分かった」
エレベーターを降り、分厚い絨毯を踏みしめ、パーティー会場へ入る。すると、すぐに「よお、彰!」と何人かが近づいてくる。
全員、顔に覚えがあった。若手起業家の記事を担当するようになってから、経済新聞や経済誌、他のネット配信の記事などには目を通すようになっていた。
近づいて来たのはそういうところでよくインタビューを受けたり、ビジネスの展望を語っている人たちだった。
彰もそれににこやかに応じる。
「で、そちらの美人は? 会社の子?」
「まさか、奥さん?」
「うーん。俺としてはすぐにそうなって欲しいところだけど、今のところは残念ながら、ただの彼女」
「うわ、マジか。彰って、女に興味があったのかよっ」
由季はぽかんとしてしまう。
「と言いますと?」
つい興味を惹かれて聞いた。
「こいつが、女連れで来るなんてはじめて見たんです。浮いた話も聞かないし」
「ああ、仕事にしか興味がないのかと思ったけど、へえ、やるな。どこで知り合ったんだ?」
彰は誇らしそうに、微笑を浮かべる。
「この間、鈴高が出てたビジネスやプライベートを取り上げるって記事あっただろ。由季はフリーランスのライターなんだけど、その記事を書いてるんだ」
「マジで! 俺、あの記事のすげえファン。次は俺を特集してよ」
「残念ながら、今は俺の取材中」
「は? 彼氏特権か?」
「いや、インタビューを受けた時に、会ったんだよ」
「で、そのままってことか。よりにもよってインタビュワーに手を出したのかよ」
「ち、違います。そうじゃなくって、実は、彰とは高校の同級生で」
「そう。で、高校の時も付き合ってた」
「うわ。社会人になって仕事でばったりなんてドラマみたいじゃん」
それからいくつか談笑をし、彰に促されて名刺交換をする。
「次は俺をとりあげてくれよ」
「編集者に伝えておきます」
「よろしく」
一仕事終えたような緊張感から解放され、ほっと一息つく。
「幸先良いな」
「……そ、そうかな」
さすがは若手起業家。話は矢継ぎ早だし、エネルギッシュだ。その力にあてられて、由季としては二言三言くらいしか話していないのにかなり疲れてしまった。
――優秀なビジネスマンは相手の生気を吸うのね。だから、起業なんてすごいことをできるんだわ。
しみじみ思ってしまう。
「のどは?」
「あ、うん。飲み物は……」
彰は飲み物のおかれたテーブルに向かう。
「酒?」
「ううん、ソフトドリンクを」
「じゃあ、はい」
「ありがとう」
渡してくれたオレンジジュースに口をつける。
それからも彰にはたくさんの起業家が話しかけ、その都度、由季を紹介してくれた。
「……私、ちょっとお手洗いに行くね」
知り合いの波が途切れたところを見計らって伝える。
「場所、分かるか?」
「表示があると思うから」
「分かった。何かあったら連絡してくれ」
「何かってなによ。子どもじゃないんだから」
苦笑しながら女子トイレで化粧を直す。
さすがは一流ホテル。トイレまで広々としている。
由季は思いっきり息を吐き出した。
――ちょっと人に酔ったかも。
打ち合わせでもこんな大人数と会うことなんてないし、それこそ普段の仕事はパソコンとにらめっこ
が主な仕事の由季からすると、今日はかなりハードだ。
自分でも作り笑顔のしすぎで表情筋が悲鳴を上げている自覚はあった。
――明日は顔が筋肉痛になってるかも。
心の中で苦笑しつつ、トイレを出た。と、その拍子に目の前から来た人と危うくぶつかりかけてしまう。
「すみません」
「いや、こちらこそ」
相手は三十代くらいの男性だ。一瞬だったが、胸元から足下へ男のネットリとした視線を感じてしまう。
「君、誰かの連れ?」
「俺の、だけど。何か用か?」
彰が顔を出すと、男はあからさまに頬を引き攣らせた。
「いや、悪い。ちょっと悪い酔いしたみたいだ」
男は苦笑いしながら足早に去って行った。
「平気か?」
「大丈夫。ちょっと、いやらしい目で見られただけ」
彰は思いっきりため息をつく。
「だよな。似合いすぎてるんだよ、その格好……。これだったら、ドレスのグレードを犠牲にしてでも目立たないことを優先すべきだったな。男の目に触れすぎだ。もう帰ろう」
「でもまだパーティーは続いてるでしょ?」
「主催者には挨拶した。ていうか、用件はそれでだいたい終わってるしな」
「だめよ。大切なビジネスの場なんだし、私のせいで早く切り上げるなんて。お願い。こういう場でのざっくばらんな会話から新しいビジネスの話になったりすることくらい、これまでの取材経験で分かってるの」
彰は肩をすくめた。
「じゃあ、できるかぎり俺から離れるなよ。俺も離れないようにするから」
「それは過保護すぎ――」
「ない」
彰は、由季の腰に腕を回すと、歩き出した。
――彰ってこんなに心配性だったかな……。
高校時代はもっとさばさばしていたと思う。
噂話に首を突っ込んだりは絶対にしない。自分と関わりのない噂話にも無関心。
来る者拒まず去る者負わず。
だから由季の腰にさりげなく手を回して『自分のもの』アピールをするような態度が、彰らしくないな、と感じられた。
――この部屋とのアンバランス感が否めない……。
悲しくなってくるが、今日は自分のためでなく、彰のためにパーティーに出るのだからと気持ちを切り替える。スマホがメッセージの着信を知らせる。彰が到着したらしい。
マンションを出ると、整髪料で髪をなでつけたスーツ姿の彰がいた。
――……格好いい。
一目見た瞬間、ゾクッとした正体の分からないような震えが体を走り抜ける。
長身で、手足のバランスの取れた筋肉質な彰の体型に、タイトなシルエットのブラックスーツがよく似合っていた。
髪型のせいだろうか、普段以上に品の良さが強く出ている。
「よく似合ってる」
潤んだ眼差しで見つめられると、心臓がバクバクと高鳴ってしまう。
「良かった……」
彰は助手席の扉を開けて、「どうぞ」と促してくれる。
「あ、ありがとう」
エスコートになれていない由季としては気恥ずかしかった。
車が発進し、都心へ。パーキングに車を止めて、一緒に美容院へ。
美容師とは顔なじみのようで、すぐに奧の部屋に通してもらえた。
そこではヘアセットと一緒に、ネイルもしてもらった。
美容師は手際も良かったのはもちろん、会話もうまかった。一方的に話しかけてくるのではなく、接客の緩急をわきまえた人で、普段は美容師と話すのが苦手な由季も、自分から自然と話してしまうような、とても居心地の良い時間を過ごせたし、由季の癖毛も素敵にアレンジしてくれた。
「……どう、かな」
「最高」
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「なにその口笛。海外の映画に出てくるナンパ師みたいなんだけど」
「お前を見かけたら絶対ナンパする。ま、お前は俺のものだから、そんなことする必要ないけど」
俺のもの、と色っぽい口調で言われると、恥ずかしくなって俯く。
「じゃあ、行くか」
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パーティーが開催されるのは、丸の内にある外資系ホテルだ。
本館エントランスでカギをポーターに預けて、車を降りる。
彰が腕を差し出してくる。エスコートされるのには馴れないと思いつつ、その腕に手をやって、一緒にホテルのロビーへ入った。
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広々とした空間は二階分ほどの吹き抜けになり、ラウンジから臨む庭に面した窓は大きく取られて、解放感がある。天井から下がるシャンデリアはただきらびやかというだけでなく、温もりを感じさせ、高級感と居心地の良さを両立させていた。
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まで細やかな装飾がほどこされ、細部にも抜かりはない。
ロビーには多国籍の宿泊客が行き交う。
高級ホテルに足を運ぶのがはじめてな由季としては場違いについつい怯みそうになるが、そうならなかったのはこのような非日常的な空間に馴れている彰が自然にエスコートしてくれるからだろう。
エレベーターに乗り込み、四階のパーティー会場へ。
「ねえ、会場では私、何をしてたら良い? ずっと彰の横で笑ってるだけで良い?」
「そんな怯えなくても良いから。誰も取って食べたりしない」
「そう言われても……」
おそらく会場には大勢の成功者がいることだろう。そんなところで平然といられるような人生をこれまで、歩んでこなかった。
「俺が紹介するから適当に話を合わせてくれれば良い。あ、言ったとおり名刺は持ってきてるか?」
前日に、名刺も持ってきてくれと連絡をもらったのだ。
「う、うん」
「紹介するから、名刺を渡せよ。仕事に結びつくかも」
「こんなところで営業しろってこと!?」
「今俺が取材を受けているあの記事は、ファンが多いんだよ。あれを書いてるライターだって分かったら、面白がって社内の仕事を回してくれるかもしれない」
「でも……」
「俺が紹介したからってほいほい仕事にありつけるわけじゃないぞ。一見すると、チャラそうに見えるかもしれないけど、ことビジネスに関しちゃ誰よりシビアな連中だ。使えないって判断されたら見向きもされない。だから気楽にしとけ。それに、他の連中だって営業したりしてるんだぜ?」
「……わ、分かった」
エレベーターを降り、分厚い絨毯を踏みしめ、パーティー会場へ入る。すると、すぐに「よお、彰!」と何人かが近づいてくる。
全員、顔に覚えがあった。若手起業家の記事を担当するようになってから、経済新聞や経済誌、他のネット配信の記事などには目を通すようになっていた。
近づいて来たのはそういうところでよくインタビューを受けたり、ビジネスの展望を語っている人たちだった。
彰もそれににこやかに応じる。
「で、そちらの美人は? 会社の子?」
「まさか、奥さん?」
「うーん。俺としてはすぐにそうなって欲しいところだけど、今のところは残念ながら、ただの彼女」
「うわ、マジか。彰って、女に興味があったのかよっ」
由季はぽかんとしてしまう。
「と言いますと?」
つい興味を惹かれて聞いた。
「こいつが、女連れで来るなんてはじめて見たんです。浮いた話も聞かないし」
「ああ、仕事にしか興味がないのかと思ったけど、へえ、やるな。どこで知り合ったんだ?」
彰は誇らしそうに、微笑を浮かべる。
「この間、鈴高が出てたビジネスやプライベートを取り上げるって記事あっただろ。由季はフリーランスのライターなんだけど、その記事を書いてるんだ」
「マジで! 俺、あの記事のすげえファン。次は俺を特集してよ」
「残念ながら、今は俺の取材中」
「は? 彼氏特権か?」
「いや、インタビューを受けた時に、会ったんだよ」
「で、そのままってことか。よりにもよってインタビュワーに手を出したのかよ」
「ち、違います。そうじゃなくって、実は、彰とは高校の同級生で」
「そう。で、高校の時も付き合ってた」
「うわ。社会人になって仕事でばったりなんてドラマみたいじゃん」
それからいくつか談笑をし、彰に促されて名刺交換をする。
「次は俺をとりあげてくれよ」
「編集者に伝えておきます」
「よろしく」
一仕事終えたような緊張感から解放され、ほっと一息つく。
「幸先良いな」
「……そ、そうかな」
さすがは若手起業家。話は矢継ぎ早だし、エネルギッシュだ。その力にあてられて、由季としては二言三言くらいしか話していないのにかなり疲れてしまった。
――優秀なビジネスマンは相手の生気を吸うのね。だから、起業なんてすごいことをできるんだわ。
しみじみ思ってしまう。
「のどは?」
「あ、うん。飲み物は……」
彰は飲み物のおかれたテーブルに向かう。
「酒?」
「ううん、ソフトドリンクを」
「じゃあ、はい」
「ありがとう」
渡してくれたオレンジジュースに口をつける。
それからも彰にはたくさんの起業家が話しかけ、その都度、由季を紹介してくれた。
「……私、ちょっとお手洗いに行くね」
知り合いの波が途切れたところを見計らって伝える。
「場所、分かるか?」
「表示があると思うから」
「分かった。何かあったら連絡してくれ」
「何かってなによ。子どもじゃないんだから」
苦笑しながら女子トイレで化粧を直す。
さすがは一流ホテル。トイレまで広々としている。
由季は思いっきり息を吐き出した。
――ちょっと人に酔ったかも。
打ち合わせでもこんな大人数と会うことなんてないし、それこそ普段の仕事はパソコンとにらめっこ
が主な仕事の由季からすると、今日はかなりハードだ。
自分でも作り笑顔のしすぎで表情筋が悲鳴を上げている自覚はあった。
――明日は顔が筋肉痛になってるかも。
心の中で苦笑しつつ、トイレを出た。と、その拍子に目の前から来た人と危うくぶつかりかけてしまう。
「すみません」
「いや、こちらこそ」
相手は三十代くらいの男性だ。一瞬だったが、胸元から足下へ男のネットリとした視線を感じてしまう。
「君、誰かの連れ?」
「俺の、だけど。何か用か?」
彰が顔を出すと、男はあからさまに頬を引き攣らせた。
「いや、悪い。ちょっと悪い酔いしたみたいだ」
男は苦笑いしながら足早に去って行った。
「平気か?」
「大丈夫。ちょっと、いやらしい目で見られただけ」
彰は思いっきりため息をつく。
「だよな。似合いすぎてるんだよ、その格好……。これだったら、ドレスのグレードを犠牲にしてでも目立たないことを優先すべきだったな。男の目に触れすぎだ。もう帰ろう」
「でもまだパーティーは続いてるでしょ?」
「主催者には挨拶した。ていうか、用件はそれでだいたい終わってるしな」
「だめよ。大切なビジネスの場なんだし、私のせいで早く切り上げるなんて。お願い。こういう場でのざっくばらんな会話から新しいビジネスの話になったりすることくらい、これまでの取材経験で分かってるの」
彰は肩をすくめた。
「じゃあ、できるかぎり俺から離れるなよ。俺も離れないようにするから」
「それは過保護すぎ――」
「ない」
彰は、由季の腰に腕を回すと、歩き出した。
――彰ってこんなに心配性だったかな……。
高校時代はもっとさばさばしていたと思う。
噂話に首を突っ込んだりは絶対にしない。自分と関わりのない噂話にも無関心。
来る者拒まず去る者負わず。
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