15 / 22
15 宣戦布告
しおりを挟む
夜会当日、男爵家に王家からの遣いが派遣されたのは、正午。
夜会に向けてジェレミーの服などは全て揃えてあるというルーファスからの伝言を携えていた。何も聞いていなかったジェレミーは驚きながらも、馬車で王宮へ向かった。
王宮へ到着すると、すぐにルーファスの私室へ通された。
「来たか。伝言は受け取っただろうが、服は用意してある。まだ時間はあるが、念の為に袖を通してサイズを確認しておけ。もし大きかったり小さかったりしたら、すぐに修繕させる
「分かりました」
用意された白に金の飾りのついた豪華な服装を前に目を瞠った。
「これを着るんですか?」
「そうだ。私と揃いだ」
「さすがに豪華すぎて、僕では釣り合いが取れないと思うんですけど!?」
服に着られる、というのはまさにこのことだ。ジェレミーが着るには格式が高すぎる。
「今日の夜会の主役だ。服装に統一感があったほうがいいと思って用意させた。いいから着てみろ。着る前から文句を言うな」
そう言われれば、着ないわけにもいかない。ジェレミーは侍従に手伝ってもらい、袖を通す。サイズはまるで計ったようにピッタリ。
「……どうですか?」
ルーファスは満足そうに頷く。
「よく似合ってる」
「本当ですか? どうせ夜会に出れば似合ってないのはすぐに分かるんですから、下手なお世辞は……」
「本当だ。それとも私がわざと似合わない服を着させていると言うのか?」
「そんなことはありませんけど」
「世辞ではないから、褒め言葉は素直に受け取っておけ。私のも見てくれ」
ルーファスも着替える。
「どうだ?」
「本当に同じ服ですか!? ぜんぜん違って見えるんですけど……」
溢れんばかりの高貴さと、服の豪華さが最高にマッチしている。
白馬に跨がれば、王都中の人間を虜にできる白馬の王子様のできあがり。
「……今からでも別の服装に替えられませんか? 絶対、招待客に馬鹿にされます」
「駄目だ。もしお前を馬鹿にするやつがいたら、私が許さないから安心しろ」
「それは安心していいのでしょうか……?」
「当然だ。時間までお茶でも飲もう」
すぐに侍従がティーセットを運んで来る。侍従も下がらせ、二人でお茶を楽しむ。
「王太子殿下とはどうですか? 図らずも、取り巻きの一人の逮捕をさせる結果になったわけですけど」
「当然、擦れ違うたびに睨まれるが、後ろ暗いことはないのだから堂々としている。向こうも睨むだけで、何もしてこない」
「……けど心配です」
作中とはだいぶ状況が変わっている。
作中ではルーファスは悪役王子、敵として登場し、断罪される。
王太子の地位は揺るぎなく、クリスとラインハルトの将来は希望で満ちあふれている、という形で終わっているのだから。
でも今のルーファスは王太子と比較してもまったく遜色がないどころか、見目の良さともあいまって、どちらが王太子か分からないという状況だ。
「私なら大丈夫だ。それより私が心配なのは、お前のほうだ」
「僕? 何を心配することが」
「相手は王太子。男爵家に手を出そう思えば、やりようはいくらでもある。男爵家には私兵はいないだろう」
「まあ……」
「騎士団の一部を派遣する」
「いりませんし、いくら殿下でも騎士団をどうこうはできないでしょう」
「そこは今回の褒賞で……」
「そんなことをしたら、殿下が王族の権利を私用した、また元のわがままな第二王子に戻ったって口さがない貴族たちに言われます」
「私はなんと言われても構わない」
「僕は構います」
思わず力が入った。ルーファスにもそれが伝わったのか、驚いた顔をされてしまう。
「あ、すいません……。つい昂奮して」
(なにをムキになってるんだよ、恥ずかしい)
「……殿下が中傷されるのは嫌なんです。殿下はご自分を変えられたんですから。足を引っ張るような真似をしたくはありません」
ルーファスは小さく溜息をこぼす。ジェレミーの頑固さにあきれているのだろう。
「分かった。でも何か異変を察知したら言ってくれ。いいな?」
「はい」
そうして時間を潰していると、そろそろ準備をする時間となり、あらためて夜会服に着替える。
そんな彼の胸元には、あの首飾りがきらめく。
改めてもやっぱりルーファスの色白の肌によく金と銀の細工が似合うと思う。
「襟が折れている。後ろを向け」
「あ、はい」
「細かいところもしっかり見ないとな」
このやりとり、まるで夫婦みたいだなと思いかけ、慌てて頭の中の邪念を排除する。
侍従が現れ、彼の先導で部屋を出る。
向かうのは夜会の会場でもある大広間。
王宮に仕える使用人も礼服姿で、今日が特別な日であることを意識した。
近衛騎士の最敬礼を受け、彼らが会場に続く扉を開けた。
会場には、紳士淑女の貴族たちだけでなく、国王、皇后、レイヴンがいた。
今宵の夜会の主役であるルーファスとジェレミーが一番最後の登場、というわけだ。
「行くぞ」
がちがちに緊張して動けないでいるジェレミーの背中を、ルーファスは優しく押してくれる。
万雷の拍手を受け、会場を進み、国王たちに深々と頭を下げる。
国王が立ち上がると、シャンパンの入ったグラスを手にする。
ルーファスとジェレミーにも同じシャンパンが配られる。
「皆、国を支えてくれる若き獅子たちの功績を今宵、たたえよう! ――乾杯!」
国王の音頭で、貴族たちがグラスを一斉に掲げ、王立楽団による演奏が行われる。
「……今ので終わりですか?」
「いいや、これからだ。踏ん張れよ」
次々と貴族たちが押しかけ、家名を名乗り、親しげに話しかけてくる。
どの人たちも、しがない男爵家の次男の立場ではとても会えないような高位貴族の当主たち。今度の視察の件を話してくれと、せがまれた。
レイヴンは玉座から離れ、取り巻きたちと話している。
ひとまずジェレミーたちと話をしたがる貴族たちの波が切れると、「クリスたちのところへ行こう」とルーファスに袖を引かれた。
クリスの正装姿は前回の誕生日会の時見ているが、ラインハルトは初めてだ。
髪を撫でつけた彼は、精悍さが強調されて見える。
「先輩たち、すっかり人気者ですね」
「人気者っていうか……まあ、物珍しいだけだけどね」
ジェレミーは苦笑する。
「存分に楽しんでくれ」
二人の親密な空気を察したルーファスに腕を掴まれ、その場を後にする。
適当に時間を潰していると、夜会もいよいよ終わりの時刻を迎えた。
国王の挨拶で閉会という段になって、「父上。私から一つ、よろしいでしょうか?」とレイヴンが声を上げる。
「レイヴン、いかがしたのだ?」
予定になかったのだろう。国王は訝しげな顔で王太子を見る。
「今度、開かれます狩猟祭ですが、第二王子にも参加させるのはいかがでしょうか」
狩猟祭というのは、狩猟の女神への感謝を捧げるため、腕に自信のある貴族や王族が競い合うという王国の行事の一つ。
限られたフィールドで狩りをすると同時に、その狩りで得た獲物を奪い合うために戦うのだ。
しかし動物の狩りだけならばともかく、獲物を奪い合う際には魔法が使われる。
「レイヴン。戯れ言がすぎるぞ」
国王は眉をひそめる。
「なぜですか、父上……あぁ……これは失念しておりました。ルーファスは魔法が使えませんでしたね」
その意地の悪すぎる冗談に、その場の貴族たちは笑うこともできず、気まずげな顔をする。
「王太子、酔いすぎではないのか」
国王が気色ばむが、レイヴンは変わらず不敵な笑みを絶やさない。
「いいえ。私は素面です。ルーファス、お前が魔法が使えぬことを失念していた。許せ」
「……いえ」
ルーファスは目を伏せる。グラスを握る手に力がこもり、全身が小刻みに震えていた。
(殿下……)
国王は玉座より立ち上がる。
「王太子がいらぬことを言った。忘れてくれ。今宵は来てくれて嬉しく……」
「――できます」
しんっと静まり返った宴の席上に、ジェレミーの声が大きく響く。
すぐ隣で俯いていたルーファスが弾かれるように顔を上げ、悠々と玉座に戻ろうとしていたレイヴンが眉間にしわを刻み、睨み付けてきた。
国王をはじめとする列席者全員の視線が、ジェレミーに集まる。
「殿下も十分、参加できます」
「狩猟祭までに魔法が使えるようになるとでもいうのか?」
レイヴンが挑発的な声をかけてきた。
「そうです」
場がどよめく。
「おい、ジェレミー」
ルーファスがジェレミーを黙らせようと、腕を強く掴んでくる。指が食い込み、痛いくらいだ。
しかしジェレミーは無視した。
「それは面白い! 今年は面白くなりそうだ! 今の言葉、忘れるなよ!」
レイヴンはますます笑みを大きくした。
夜会に向けてジェレミーの服などは全て揃えてあるというルーファスからの伝言を携えていた。何も聞いていなかったジェレミーは驚きながらも、馬車で王宮へ向かった。
王宮へ到着すると、すぐにルーファスの私室へ通された。
「来たか。伝言は受け取っただろうが、服は用意してある。まだ時間はあるが、念の為に袖を通してサイズを確認しておけ。もし大きかったり小さかったりしたら、すぐに修繕させる
「分かりました」
用意された白に金の飾りのついた豪華な服装を前に目を瞠った。
「これを着るんですか?」
「そうだ。私と揃いだ」
「さすがに豪華すぎて、僕では釣り合いが取れないと思うんですけど!?」
服に着られる、というのはまさにこのことだ。ジェレミーが着るには格式が高すぎる。
「今日の夜会の主役だ。服装に統一感があったほうがいいと思って用意させた。いいから着てみろ。着る前から文句を言うな」
そう言われれば、着ないわけにもいかない。ジェレミーは侍従に手伝ってもらい、袖を通す。サイズはまるで計ったようにピッタリ。
「……どうですか?」
ルーファスは満足そうに頷く。
「よく似合ってる」
「本当ですか? どうせ夜会に出れば似合ってないのはすぐに分かるんですから、下手なお世辞は……」
「本当だ。それとも私がわざと似合わない服を着させていると言うのか?」
「そんなことはありませんけど」
「世辞ではないから、褒め言葉は素直に受け取っておけ。私のも見てくれ」
ルーファスも着替える。
「どうだ?」
「本当に同じ服ですか!? ぜんぜん違って見えるんですけど……」
溢れんばかりの高貴さと、服の豪華さが最高にマッチしている。
白馬に跨がれば、王都中の人間を虜にできる白馬の王子様のできあがり。
「……今からでも別の服装に替えられませんか? 絶対、招待客に馬鹿にされます」
「駄目だ。もしお前を馬鹿にするやつがいたら、私が許さないから安心しろ」
「それは安心していいのでしょうか……?」
「当然だ。時間までお茶でも飲もう」
すぐに侍従がティーセットを運んで来る。侍従も下がらせ、二人でお茶を楽しむ。
「王太子殿下とはどうですか? 図らずも、取り巻きの一人の逮捕をさせる結果になったわけですけど」
「当然、擦れ違うたびに睨まれるが、後ろ暗いことはないのだから堂々としている。向こうも睨むだけで、何もしてこない」
「……けど心配です」
作中とはだいぶ状況が変わっている。
作中ではルーファスは悪役王子、敵として登場し、断罪される。
王太子の地位は揺るぎなく、クリスとラインハルトの将来は希望で満ちあふれている、という形で終わっているのだから。
でも今のルーファスは王太子と比較してもまったく遜色がないどころか、見目の良さともあいまって、どちらが王太子か分からないという状況だ。
「私なら大丈夫だ。それより私が心配なのは、お前のほうだ」
「僕? 何を心配することが」
「相手は王太子。男爵家に手を出そう思えば、やりようはいくらでもある。男爵家には私兵はいないだろう」
「まあ……」
「騎士団の一部を派遣する」
「いりませんし、いくら殿下でも騎士団をどうこうはできないでしょう」
「そこは今回の褒賞で……」
「そんなことをしたら、殿下が王族の権利を私用した、また元のわがままな第二王子に戻ったって口さがない貴族たちに言われます」
「私はなんと言われても構わない」
「僕は構います」
思わず力が入った。ルーファスにもそれが伝わったのか、驚いた顔をされてしまう。
「あ、すいません……。つい昂奮して」
(なにをムキになってるんだよ、恥ずかしい)
「……殿下が中傷されるのは嫌なんです。殿下はご自分を変えられたんですから。足を引っ張るような真似をしたくはありません」
ルーファスは小さく溜息をこぼす。ジェレミーの頑固さにあきれているのだろう。
「分かった。でも何か異変を察知したら言ってくれ。いいな?」
「はい」
そうして時間を潰していると、そろそろ準備をする時間となり、あらためて夜会服に着替える。
そんな彼の胸元には、あの首飾りがきらめく。
改めてもやっぱりルーファスの色白の肌によく金と銀の細工が似合うと思う。
「襟が折れている。後ろを向け」
「あ、はい」
「細かいところもしっかり見ないとな」
このやりとり、まるで夫婦みたいだなと思いかけ、慌てて頭の中の邪念を排除する。
侍従が現れ、彼の先導で部屋を出る。
向かうのは夜会の会場でもある大広間。
王宮に仕える使用人も礼服姿で、今日が特別な日であることを意識した。
近衛騎士の最敬礼を受け、彼らが会場に続く扉を開けた。
会場には、紳士淑女の貴族たちだけでなく、国王、皇后、レイヴンがいた。
今宵の夜会の主役であるルーファスとジェレミーが一番最後の登場、というわけだ。
「行くぞ」
がちがちに緊張して動けないでいるジェレミーの背中を、ルーファスは優しく押してくれる。
万雷の拍手を受け、会場を進み、国王たちに深々と頭を下げる。
国王が立ち上がると、シャンパンの入ったグラスを手にする。
ルーファスとジェレミーにも同じシャンパンが配られる。
「皆、国を支えてくれる若き獅子たちの功績を今宵、たたえよう! ――乾杯!」
国王の音頭で、貴族たちがグラスを一斉に掲げ、王立楽団による演奏が行われる。
「……今ので終わりですか?」
「いいや、これからだ。踏ん張れよ」
次々と貴族たちが押しかけ、家名を名乗り、親しげに話しかけてくる。
どの人たちも、しがない男爵家の次男の立場ではとても会えないような高位貴族の当主たち。今度の視察の件を話してくれと、せがまれた。
レイヴンは玉座から離れ、取り巻きたちと話している。
ひとまずジェレミーたちと話をしたがる貴族たちの波が切れると、「クリスたちのところへ行こう」とルーファスに袖を引かれた。
クリスの正装姿は前回の誕生日会の時見ているが、ラインハルトは初めてだ。
髪を撫でつけた彼は、精悍さが強調されて見える。
「先輩たち、すっかり人気者ですね」
「人気者っていうか……まあ、物珍しいだけだけどね」
ジェレミーは苦笑する。
「存分に楽しんでくれ」
二人の親密な空気を察したルーファスに腕を掴まれ、その場を後にする。
適当に時間を潰していると、夜会もいよいよ終わりの時刻を迎えた。
国王の挨拶で閉会という段になって、「父上。私から一つ、よろしいでしょうか?」とレイヴンが声を上げる。
「レイヴン、いかがしたのだ?」
予定になかったのだろう。国王は訝しげな顔で王太子を見る。
「今度、開かれます狩猟祭ですが、第二王子にも参加させるのはいかがでしょうか」
狩猟祭というのは、狩猟の女神への感謝を捧げるため、腕に自信のある貴族や王族が競い合うという王国の行事の一つ。
限られたフィールドで狩りをすると同時に、その狩りで得た獲物を奪い合うために戦うのだ。
しかし動物の狩りだけならばともかく、獲物を奪い合う際には魔法が使われる。
「レイヴン。戯れ言がすぎるぞ」
国王は眉をひそめる。
「なぜですか、父上……あぁ……これは失念しておりました。ルーファスは魔法が使えませんでしたね」
その意地の悪すぎる冗談に、その場の貴族たちは笑うこともできず、気まずげな顔をする。
「王太子、酔いすぎではないのか」
国王が気色ばむが、レイヴンは変わらず不敵な笑みを絶やさない。
「いいえ。私は素面です。ルーファス、お前が魔法が使えぬことを失念していた。許せ」
「……いえ」
ルーファスは目を伏せる。グラスを握る手に力がこもり、全身が小刻みに震えていた。
(殿下……)
国王は玉座より立ち上がる。
「王太子がいらぬことを言った。忘れてくれ。今宵は来てくれて嬉しく……」
「――できます」
しんっと静まり返った宴の席上に、ジェレミーの声が大きく響く。
すぐ隣で俯いていたルーファスが弾かれるように顔を上げ、悠々と玉座に戻ろうとしていたレイヴンが眉間にしわを刻み、睨み付けてきた。
国王をはじめとする列席者全員の視線が、ジェレミーに集まる。
「殿下も十分、参加できます」
「狩猟祭までに魔法が使えるようになるとでもいうのか?」
レイヴンが挑発的な声をかけてきた。
「そうです」
場がどよめく。
「おい、ジェレミー」
ルーファスがジェレミーを黙らせようと、腕を強く掴んでくる。指が食い込み、痛いくらいだ。
しかしジェレミーは無視した。
「それは面白い! 今年は面白くなりそうだ! 今の言葉、忘れるなよ!」
レイヴンはますます笑みを大きくした。
1,236
お気に入りに追加
2,619
あなたにおすすめの小説

身代わりになって推しの思い出の中で永遠になりたいんです!
冨士原のもち
BL
桜舞う王立学院の入学式、ヤマトはカイユー王子を見てここが前世でやったゲームの世界だと気付く。ヤマトが一番好きなキャラであるカイユー王子は、ゲーム内では非業の死を遂げる。
「そうだ!カイユーを助けて死んだら、忘れられない恩人として永遠になれるんじゃないか?」
前世の死に際のせいで人間不信と恋愛不信を拗らせていたヤマトは、推しの心の中で永遠になるために身代わりになろうと決意した。しかし、カイユー王子はゲームの時の印象と違っていて……
演技チャラ男攻め×美人人間不信受け
※最終的にはハッピーエンドです
※何かしら地雷のある方にはお勧めしません
※ムーンライトノベルズにも投稿しています
期待外れの後妻だったはずですが、なぜか溺愛されています
ぽんちゃん
BL
病弱な義弟がいじめられている現場を目撃したフラヴィオは、カッとなって手を出していた。
謹慎することになったが、なぜかそれから調子が悪くなり、ベッドの住人に……。
五年ほどで体調が回復したものの、その間にとんでもない噂を流されていた。
剣の腕を磨いていた異母弟ミゲルが、学園の剣術大会で優勝。
加えて筋肉隆々のマッチョになっていたことにより、フラヴィオはさらに屈強な大男だと勘違いされていたのだ。
そしてフラヴィオが殴った相手は、ミゲルが一度も勝てたことのない相手。
次期騎士団長として注目を浴びているため、そんな強者を倒したフラヴィオは、手に負えない野蛮な男だと思われていた。
一方、偽りの噂を耳にした強面公爵の母親。
妻に強さを求める息子にぴったりの相手だと、後妻にならないかと持ちかけていた。
我が子に爵位を継いで欲しいフラヴィオの義母は快諾し、冷遇確定の地へと前妻の子を送り出す。
こうして青春を謳歌することもできず、引きこもりになっていたフラヴィオは、国民から恐れられている戦場の鬼神の後妻として嫁ぐことになるのだが――。
同性婚が当たり前の世界。
女性も登場しますが、恋愛には発展しません。
公爵家の次男は北の辺境に帰りたい
あおい林檎
BL
北の辺境騎士団で田舎暮らしをしていた公爵家次男のジェイデン・ロンデナートは15歳になったある日、王都にいる父親から帰還命令を受ける。
8歳で王都から追い出された薄幸の美少年が、ハイスペイケメンになって出戻って来る話です。
序盤はBL要素薄め。
【奨励賞】恋愛感情抹消魔法で元夫への恋を消去する
SKYTRICK
BL
☆11/28完結しました。
☆第11回BL小説大賞奨励賞受賞しました。ありがとうございます!
冷酷大元帥×元娼夫の忘れられた夫
——「また俺を好きになるって言ったのに、嘘つき」
元娼夫で現魔術師であるエディことサラは五年ぶりに祖国・ファルンに帰国した。しかし暫しの帰郷を味わう間も無く、直後、ファルン王国軍の大元帥であるロイ・オークランスの使者が元帥命令を掲げてサラの元へやってくる。
ロイ・オークランスの名を知らぬ者は世界でもそうそういない。魔族の血を引くロイは人間から畏怖を大いに集めながらも、大将として国防戦争に打ち勝ち、たった二十九歳で大元帥として全軍のトップに立っている。
その元帥命令の内容というのは、五年前に最愛の妻を亡くしたロイを、魔族への本能的な恐怖を感じないサラが慰めろというものだった。
ロイは妻であるリネ・オークランスを亡くし、悲しみに苛まれている。あまりの辛さで『奥様』に関する記憶すら忘却してしまったらしい。半ば強引にロイの元へ連れていかれるサラは、彼に己を『サラ』と名乗る。だが、
——「失せろ。お前のような娼夫など必要としていない」
噂通り冷酷なロイの口からは罵詈雑言が放たれた。ロイは穢らわしい娼夫を睨みつけ去ってしまう。使者らは最愛の妻を亡くしたロイを憐れむばかりで、まるでサラの様子を気にしていない。
誰も、サラこそが五年前に亡くなった『奥様』であり、最愛のその人であるとは気付いていないようだった。
しかし、最大の問題は元夫に存在を忘れられていることではない。
サラが未だにロイを愛しているという事実だ。
仕方なく、『恋愛感情抹消魔法』を己にかけることにするサラだが——……
☆描写はありませんが、受けがモブに抱かれている示唆はあります(男娼なので)
☆お読みくださりありがとうございます。良ければ感想などいただけるとパワーになります!

転生貧乏貴族は王子様のお気に入り!実はフリだったってわかったのでもう放してください!
音無野ウサギ
BL
ある日僕は前世を思い出した。下級貴族とはいえ王子様のお気に入りとして毎日楽しく過ごしてたのに。前世の記憶が僕のことを駄目だしする。わがまま駄目貴族だなんて気づきたくなかった。王子様が優しくしてくれてたのも実は裏があったなんて気づきたくなかった。品行方正になるぞって思ったのに!
え?王子様なんでそんなに優しくしてくるんですか?ちょっとパーソナルスペース!!
調子に乗ってた貧乏貴族の主人公が慎ましくても確実な幸せを手に入れようとジタバタするお話です。
社畜だけど異世界では推し騎士の伴侶になってます⁈
めがねあざらし
BL
気がつくと、そこはゲーム『クレセント・ナイツ』の世界だった。
しかも俺は、推しキャラ・レイ=エヴァンスの“伴侶”になっていて……⁈
記憶喪失の俺に課されたのは、彼と共に“世界を救う鍵”として戦う使命。
しかし、レイとの誓いに隠された真実や、迫りくる敵の陰謀が俺たちを追い詰める――。
異世界で見つけた愛〜推し騎士との奇跡の絆!
推しとの距離が近すぎる、命懸けの異世界ラブファンタジー、ここに開幕!

BL世界に転生したけど主人公の弟で悪役だったのでほっといてください
わさび
BL
前世、妹から聞いていたBL世界に転生してしまった主人公。
まだ転生したのはいいとして、何故よりにもよって悪役である弟に転生してしまったのか…!?
悪役の弟が抱えていたであろう嫉妬に抗いつつ転生生活を過ごす物語。
魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました
タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。
クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。
死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。
「ここは天国ではなく魔界です」
天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。
「至上様、私に接吻を」
「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」
何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる