11 / 22
11 隠し鉱山
しおりを挟む 温泉をたっぷり楽しみ、ルーファスはたちはその温泉地で一泊するとツートンにいる代官に早馬を送った。しかしそれはあくまで見せかけ。
ルーファスは自分の目的を、騎士団にだけ内密に知らせた。
一行には案内役兼監視役である代官の私兵もついているから、彼らには知られないよう秘密裏に動く必要がある。
ルーファスが立てた作戦通り、騎士団員と服を取り替え、こっそり部屋から抜け出して馬で移動する。代わりにルーファスやジェレミーと背格好や髪の色が似ている騎士団員に影武者をさせ、代官の私兵にはその偽物の警護を務めさせる。
(まるでスパイ映画みたいだっ)
夕方過ぎに宿を発ち、目的地付近に到着したのは美しい満月が空に昇った頃。
「いい兆候だ」
山道を馬で駆けながらルーファスがこぼす。
「何がですか?」
「代官は山道が整備されてないと言っていたくせに、広い道が拓かれている。あきらかに運搬用の荷馬車が十分通れる広さだ」
「ということは……」
「まず間違いなく、何かがある」
馬を走らせながらジェレミーは内心の昂奮を押さえきれない。
ルーファスが目を付けた地点付近に到着すると、人の話し声や人いきれを感じた。
ルーファスの合図で全員が馬を下り、体勢を低くして声のするほうへ向かえば、篝火が見えてくる。
そこでは数十人もの作業員たちが働き、監視役の兵士が見張りについている。
「……金鉱だ」
搬出されるトロッコの中身を見ると、ルーファスは頷く。
「どうやらお前の見立ては正しかったようだな。ベテラン作業員が集められて……それも、この人数を考えると、埋蔵量はかなりのものだ」
「どうしますか? このまま戻って、代官を追求しますか?」
「いや、逃げ道を塞ぐための証拠が必要だ。万が一にも証拠隠滅に鉱山を爆破でもされたらおしまいだ」
「そこまでしますか?」
「首が飛ぶことを考えれば、なりふり構ってもいられないだろう」
「証拠と言っても……金を持ち帰っても意味はないし……」
「だから、ここを占領する」
「無茶です。さすがに人数が」
「相手は代官の私兵だ。こちらは人数は少なくても精鋭揃い。十分相手にできる」
それは冷静なルーファスらしからぬ大胆さ、いや、稚拙さだった。
まるでクリスを奪おうとしていた悪役王子時代の彼が戻ってきたような錯覚に陥る。
「殿下――」
「ジェレミー。お前はここで待て」
「殿下もいくんですかっ」
「そうだ!」
ルーファスは騎士たちを率い、躍り出た。
「全員、作業の手をとめろ! ここは隠し鉱山だということは分かっている! これは明確な王国への反逆行為だ! 抵抗しなければ悪いようにはしないっ! 分かったら、全員、武器を置いてその場に跪け!」
ルーファスが声を上げた。
一瞬、この場が戸惑いに包まれるが、相手はルーファスが王族だなんて想像だにしていないのか、襲いかかってくる。
ルーファスたちは剣を抜き、応戦する。
ルーファスは襲いかかってくる相手を叩きのめす。
(すごい……)
目にも留まらぬ速さとはまさにこのことで、ルーファスは襲いかかってくる私兵を前にしても臆することなく、件を弾き返し、腹に一発蹴りを見舞う。
相手のほうが数が多いが、その不利などものともしない。
しかしルーファスが一人を相手にしている死角から、別のもう一人が飛び込んでくる。
ルーファスは死角からの突きをかわしたものの、その拍子にバランスを崩してしまう。
剣が手から離れる。
護衛騎士たちがルーファスの苦戦に気付き救援しようとするが、間に合わない。
もう一人の代官の私兵が、ルーファスに馬乗りになり、剣を振りかぶる。
「殿下! ――《風よ、斬り裂け》!」
ジェレミーは夢中で両手を突きだして叫ぶ。
作中では魔法が、それぞれの属性に応じた呪文とともに撃ち出せる。
そしてジェレミーは風魔法の使い手だ。
転生者である自分も魔法が使えるかどうかは分からなかったが、迷っている暇などない。
緑色の旋風が両手の中に凝縮し、放たれた。その速度は凄まじく、一度の瞬きをし終わらないうちに、ルーファスに馬乗りになっていた私兵を弾き飛ばした。
「ま、魔法だ!」
魔法は貴族だけの特権。いや、魔法を使える強者が特権を享受し、後に貴族と呼ばれる存在になったというべきか。
「《ふぶけ疾風!》」
魔法で敵を倒す快感に調子に乗ってさらに唱え、騎士たちが相手にする兵士たちも薙ぎ払った。しかし魔法を使ったあとは軽い眩暈を覚えてしまう。
(ヤバ……これ、魔力の使いすぎってやつ? 俺、魔力なさすぎだろ!)
眩暈を覚えながらもジェレミーは怯んだ私兵たちに向かい、声を上げる。
「全員、剣を置いて抵抗はやめろ! これ以上、抵抗するのなら、風魔法で皆殺しにするぞ……!!」
私兵たちは「ひいいい」と上擦った声を漏らし、剣を次々と捨てていく。
ジェレミーは、ルーファスの元へ駆け寄った。
「殿下っ! お怪我は!?」
「……不甲斐ないな」
ルーファスが自嘲気味に笑う。
「お怪我を!?」
「いや、お前のおかげで無事だ。ありがとう」
「良かった……」
ジェレミーはルーファスの両手を掴んで立ち上がらせた。
ルーファスが王家の面汚しと言われるのはその出自だけでなく、王族にもかかわらず魔法が使えないというところにもあった。
騎士たちが、私兵たちを捕縛する。
ルーファスは服の土埃を払うと、怯えた顔をしている鉱夫たちに目を向ける。
「わ、私たちはキューレル様に言われるがまま働いていただけです! な、何も知らなかったんです! 王様への反逆など……」
「分かっている。お前たちにしてもらいたいのは、ここで働いていたという証言だ。そうすれば罪に問われることはない」
ルーファスは騎士の一部に命じて近隣に領地を持つ貴族への援助要請、そして王都への早馬を飛ばすよう告げた。
その日の深夜、付近の貴族たちの助けも借り、代官たちを逮捕するに至った。
隠し鉱山を押さえた以上、代官に言い逃れる術はない。
ルーファスは自分の目的を、騎士団にだけ内密に知らせた。
一行には案内役兼監視役である代官の私兵もついているから、彼らには知られないよう秘密裏に動く必要がある。
ルーファスが立てた作戦通り、騎士団員と服を取り替え、こっそり部屋から抜け出して馬で移動する。代わりにルーファスやジェレミーと背格好や髪の色が似ている騎士団員に影武者をさせ、代官の私兵にはその偽物の警護を務めさせる。
(まるでスパイ映画みたいだっ)
夕方過ぎに宿を発ち、目的地付近に到着したのは美しい満月が空に昇った頃。
「いい兆候だ」
山道を馬で駆けながらルーファスがこぼす。
「何がですか?」
「代官は山道が整備されてないと言っていたくせに、広い道が拓かれている。あきらかに運搬用の荷馬車が十分通れる広さだ」
「ということは……」
「まず間違いなく、何かがある」
馬を走らせながらジェレミーは内心の昂奮を押さえきれない。
ルーファスが目を付けた地点付近に到着すると、人の話し声や人いきれを感じた。
ルーファスの合図で全員が馬を下り、体勢を低くして声のするほうへ向かえば、篝火が見えてくる。
そこでは数十人もの作業員たちが働き、監視役の兵士が見張りについている。
「……金鉱だ」
搬出されるトロッコの中身を見ると、ルーファスは頷く。
「どうやらお前の見立ては正しかったようだな。ベテラン作業員が集められて……それも、この人数を考えると、埋蔵量はかなりのものだ」
「どうしますか? このまま戻って、代官を追求しますか?」
「いや、逃げ道を塞ぐための証拠が必要だ。万が一にも証拠隠滅に鉱山を爆破でもされたらおしまいだ」
「そこまでしますか?」
「首が飛ぶことを考えれば、なりふり構ってもいられないだろう」
「証拠と言っても……金を持ち帰っても意味はないし……」
「だから、ここを占領する」
「無茶です。さすがに人数が」
「相手は代官の私兵だ。こちらは人数は少なくても精鋭揃い。十分相手にできる」
それは冷静なルーファスらしからぬ大胆さ、いや、稚拙さだった。
まるでクリスを奪おうとしていた悪役王子時代の彼が戻ってきたような錯覚に陥る。
「殿下――」
「ジェレミー。お前はここで待て」
「殿下もいくんですかっ」
「そうだ!」
ルーファスは騎士たちを率い、躍り出た。
「全員、作業の手をとめろ! ここは隠し鉱山だということは分かっている! これは明確な王国への反逆行為だ! 抵抗しなければ悪いようにはしないっ! 分かったら、全員、武器を置いてその場に跪け!」
ルーファスが声を上げた。
一瞬、この場が戸惑いに包まれるが、相手はルーファスが王族だなんて想像だにしていないのか、襲いかかってくる。
ルーファスたちは剣を抜き、応戦する。
ルーファスは襲いかかってくる相手を叩きのめす。
(すごい……)
目にも留まらぬ速さとはまさにこのことで、ルーファスは襲いかかってくる私兵を前にしても臆することなく、件を弾き返し、腹に一発蹴りを見舞う。
相手のほうが数が多いが、その不利などものともしない。
しかしルーファスが一人を相手にしている死角から、別のもう一人が飛び込んでくる。
ルーファスは死角からの突きをかわしたものの、その拍子にバランスを崩してしまう。
剣が手から離れる。
護衛騎士たちがルーファスの苦戦に気付き救援しようとするが、間に合わない。
もう一人の代官の私兵が、ルーファスに馬乗りになり、剣を振りかぶる。
「殿下! ――《風よ、斬り裂け》!」
ジェレミーは夢中で両手を突きだして叫ぶ。
作中では魔法が、それぞれの属性に応じた呪文とともに撃ち出せる。
そしてジェレミーは風魔法の使い手だ。
転生者である自分も魔法が使えるかどうかは分からなかったが、迷っている暇などない。
緑色の旋風が両手の中に凝縮し、放たれた。その速度は凄まじく、一度の瞬きをし終わらないうちに、ルーファスに馬乗りになっていた私兵を弾き飛ばした。
「ま、魔法だ!」
魔法は貴族だけの特権。いや、魔法を使える強者が特権を享受し、後に貴族と呼ばれる存在になったというべきか。
「《ふぶけ疾風!》」
魔法で敵を倒す快感に調子に乗ってさらに唱え、騎士たちが相手にする兵士たちも薙ぎ払った。しかし魔法を使ったあとは軽い眩暈を覚えてしまう。
(ヤバ……これ、魔力の使いすぎってやつ? 俺、魔力なさすぎだろ!)
眩暈を覚えながらもジェレミーは怯んだ私兵たちに向かい、声を上げる。
「全員、剣を置いて抵抗はやめろ! これ以上、抵抗するのなら、風魔法で皆殺しにするぞ……!!」
私兵たちは「ひいいい」と上擦った声を漏らし、剣を次々と捨てていく。
ジェレミーは、ルーファスの元へ駆け寄った。
「殿下っ! お怪我は!?」
「……不甲斐ないな」
ルーファスが自嘲気味に笑う。
「お怪我を!?」
「いや、お前のおかげで無事だ。ありがとう」
「良かった……」
ジェレミーはルーファスの両手を掴んで立ち上がらせた。
ルーファスが王家の面汚しと言われるのはその出自だけでなく、王族にもかかわらず魔法が使えないというところにもあった。
騎士たちが、私兵たちを捕縛する。
ルーファスは服の土埃を払うと、怯えた顔をしている鉱夫たちに目を向ける。
「わ、私たちはキューレル様に言われるがまま働いていただけです! な、何も知らなかったんです! 王様への反逆など……」
「分かっている。お前たちにしてもらいたいのは、ここで働いていたという証言だ。そうすれば罪に問われることはない」
ルーファスは騎士の一部に命じて近隣に領地を持つ貴族への援助要請、そして王都への早馬を飛ばすよう告げた。
その日の深夜、付近の貴族たちの助けも借り、代官たちを逮捕するに至った。
隠し鉱山を押さえた以上、代官に言い逃れる術はない。
1,248
お気に入りに追加
2,619
あなたにおすすめの小説

身代わりになって推しの思い出の中で永遠になりたいんです!
冨士原のもち
BL
桜舞う王立学院の入学式、ヤマトはカイユー王子を見てここが前世でやったゲームの世界だと気付く。ヤマトが一番好きなキャラであるカイユー王子は、ゲーム内では非業の死を遂げる。
「そうだ!カイユーを助けて死んだら、忘れられない恩人として永遠になれるんじゃないか?」
前世の死に際のせいで人間不信と恋愛不信を拗らせていたヤマトは、推しの心の中で永遠になるために身代わりになろうと決意した。しかし、カイユー王子はゲームの時の印象と違っていて……
演技チャラ男攻め×美人人間不信受け
※最終的にはハッピーエンドです
※何かしら地雷のある方にはお勧めしません
※ムーンライトノベルズにも投稿しています
公爵家の次男は北の辺境に帰りたい
あおい林檎
BL
北の辺境騎士団で田舎暮らしをしていた公爵家次男のジェイデン・ロンデナートは15歳になったある日、王都にいる父親から帰還命令を受ける。
8歳で王都から追い出された薄幸の美少年が、ハイスペイケメンになって出戻って来る話です。
序盤はBL要素薄め。
期待外れの後妻だったはずですが、なぜか溺愛されています
ぽんちゃん
BL
病弱な義弟がいじめられている現場を目撃したフラヴィオは、カッとなって手を出していた。
謹慎することになったが、なぜかそれから調子が悪くなり、ベッドの住人に……。
五年ほどで体調が回復したものの、その間にとんでもない噂を流されていた。
剣の腕を磨いていた異母弟ミゲルが、学園の剣術大会で優勝。
加えて筋肉隆々のマッチョになっていたことにより、フラヴィオはさらに屈強な大男だと勘違いされていたのだ。
そしてフラヴィオが殴った相手は、ミゲルが一度も勝てたことのない相手。
次期騎士団長として注目を浴びているため、そんな強者を倒したフラヴィオは、手に負えない野蛮な男だと思われていた。
一方、偽りの噂を耳にした強面公爵の母親。
妻に強さを求める息子にぴったりの相手だと、後妻にならないかと持ちかけていた。
我が子に爵位を継いで欲しいフラヴィオの義母は快諾し、冷遇確定の地へと前妻の子を送り出す。
こうして青春を謳歌することもできず、引きこもりになっていたフラヴィオは、国民から恐れられている戦場の鬼神の後妻として嫁ぐことになるのだが――。
同性婚が当たり前の世界。
女性も登場しますが、恋愛には発展しません。
【奨励賞】恋愛感情抹消魔法で元夫への恋を消去する
SKYTRICK
BL
☆11/28完結しました。
☆第11回BL小説大賞奨励賞受賞しました。ありがとうございます!
冷酷大元帥×元娼夫の忘れられた夫
——「また俺を好きになるって言ったのに、嘘つき」
元娼夫で現魔術師であるエディことサラは五年ぶりに祖国・ファルンに帰国した。しかし暫しの帰郷を味わう間も無く、直後、ファルン王国軍の大元帥であるロイ・オークランスの使者が元帥命令を掲げてサラの元へやってくる。
ロイ・オークランスの名を知らぬ者は世界でもそうそういない。魔族の血を引くロイは人間から畏怖を大いに集めながらも、大将として国防戦争に打ち勝ち、たった二十九歳で大元帥として全軍のトップに立っている。
その元帥命令の内容というのは、五年前に最愛の妻を亡くしたロイを、魔族への本能的な恐怖を感じないサラが慰めろというものだった。
ロイは妻であるリネ・オークランスを亡くし、悲しみに苛まれている。あまりの辛さで『奥様』に関する記憶すら忘却してしまったらしい。半ば強引にロイの元へ連れていかれるサラは、彼に己を『サラ』と名乗る。だが、
——「失せろ。お前のような娼夫など必要としていない」
噂通り冷酷なロイの口からは罵詈雑言が放たれた。ロイは穢らわしい娼夫を睨みつけ去ってしまう。使者らは最愛の妻を亡くしたロイを憐れむばかりで、まるでサラの様子を気にしていない。
誰も、サラこそが五年前に亡くなった『奥様』であり、最愛のその人であるとは気付いていないようだった。
しかし、最大の問題は元夫に存在を忘れられていることではない。
サラが未だにロイを愛しているという事実だ。
仕方なく、『恋愛感情抹消魔法』を己にかけることにするサラだが——……
☆描写はありませんが、受けがモブに抱かれている示唆はあります(男娼なので)
☆お読みくださりありがとうございます。良ければ感想などいただけるとパワーになります!

BL世界に転生したけど主人公の弟で悪役だったのでほっといてください
わさび
BL
前世、妹から聞いていたBL世界に転生してしまった主人公。
まだ転生したのはいいとして、何故よりにもよって悪役である弟に転生してしまったのか…!?
悪役の弟が抱えていたであろう嫉妬に抗いつつ転生生活を過ごす物語。
魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました
タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。
クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。
死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。
「ここは天国ではなく魔界です」
天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。
「至上様、私に接吻を」
「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」
何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?

悪役側のモブになっても推しを拝みたい。【完結】
瑳来
BL
大学生でホストでオタクの如月杏樹はホストの仕事をした帰り道、自分のお客に刺されてしまう。
そして、気がついたら自分の夢中になっていたBLゲームのモブキャラになっていた!
……ま、推しを拝めるからいっか! てな感じで、ほのぼのと生きていこうと心に決めたのであった。
ウィル様のおまけにて完結致しました。
長い間お付き合い頂きありがとうございました!

転生貧乏貴族は王子様のお気に入り!実はフリだったってわかったのでもう放してください!
音無野ウサギ
BL
ある日僕は前世を思い出した。下級貴族とはいえ王子様のお気に入りとして毎日楽しく過ごしてたのに。前世の記憶が僕のことを駄目だしする。わがまま駄目貴族だなんて気づきたくなかった。王子様が優しくしてくれてたのも実は裏があったなんて気づきたくなかった。品行方正になるぞって思ったのに!
え?王子様なんでそんなに優しくしてくるんですか?ちょっとパーソナルスペース!!
調子に乗ってた貧乏貴族の主人公が慎ましくても確実な幸せを手に入れようとジタバタするお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる