Vtuberな天使様!!

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第三話 天使様、炎上!

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サリエルの初配信後、人間界ではサリエルの配信が話題になっていた。正体不明の謎のvtuberの素晴らしい美声に、多くの人が感動していた。

『なんだあの歌は?他の歌ってみたとはレベルが違う』『声が美しい。まるで天使のような……』『あれは誰なのかしら?』

『さっきのVチューバーの動画見た?めちゃくちゃ上手くなかった?ガワはそこまで良くはないけど、中身が完璧すぎる……!』

などという反応が多かった。

そんな中、ある掲示板ではこのような書き込みがあった。

【新人】謎のvtuberサリエルを語るスレ【神の声?】

1名前:名無しのリスナー

ID:AzTdfh4b0

ここは最近デビューした謎に包まれたバーチャル天使、サリエルちゃんについて語るスレッドです。

2名前:名無しのリスナー

ID:Ojm9gLyYe

>>1



3名前:名無しのリスナー

ID:6KXDNQaqi

たった一回の配信で登録者数2万人てマジ?

4名前:名無しのリスナー

ID:JsE8Fu3nx

うせやろ? 前世なんなんだこいつ

5名前:名無しのリスナー

ID:Z7RG/5WBv

>>4 

よくわからないらしい。歌い手マイスターも聞いたことないって言ってた。

6名前:名無しのリスナー

ID:IcHlPpkCp

でも雑談つまらんし絵もあんま可愛くないわ

ヒメライブの覇権は揺るがん

7名前:名無しのリスナー

ID:pM+VLlwrV

確かにつまらない 声だけならかなり良い

8名前:名無しのリスナー

ID:oK9Sister

>>6

絵は別に悪くないと思うけど雑談が面白くないのは同意

9名前:名無しのリスナー

ID:UvjfVc1vv

俺も絵は好きだわ

10名前:名無しのリスナー

ID:8Nv/1mjvt

歌はプロ並みだけど、なんか話し方堅苦しいよな。なんか無理してる感ある。


このように、サリエルの初配信の評価は歌は上々だが、それ以外の部分がいまいちという評価であった。


数日後、天界で天使としての業務を終えたサリエルは自分の評価をSNSで確認した。歌に関しては高評価であったが、その他の部分はどうだろうか。

サリエル「なるほど……歌は良かったけどそれ以外はダメって感じか。まあ、予想通りの結果ね。」

サリエルはそんなことを呟いていると、サリエルの上司であるミカエルがサリエルの元にやって来た。

ミカエル「サリエル、それはスマートフォンですか?」

サリエル「ええ、そうですよ。この前人間に向けて配信したんです。」

ミカエル「へえ……面白そうなものですね。私にも見せてください。」

サリエル「いいですけど、あまり面白いものではないと思いますよ?」

サリエルはそう言いながらスマホをミカエルに渡す。ミカエルはそれを見ると興味深そうに眺めている。

ミカエル「ふむ……正直サリエルの歌はあまり良くないと思いましたが、これはなかなかどうして。」

サリエル「人間が下手くそなんですよ。そりゃ天使が歌えば上手いに決まってますからね。まあトークとかそれ以外がダメって言われてるみたいですが……」

ミカエル「そうなのですか。……まあ頑張って下さい。」

サリエル「ミカエル様は何か用事があったんじゃないんですか?」

ミカエル「ああ、そうでした。この前の会議で……」

サリエルはその後もしばらくミカエルと話していた。

サリエル「ふう、やっと終わった……そろそろ二度目の配信の準備をしなきゃね……」

サリエルは前と同じ時間帯、深夜帯に再び配信を始めた。SNSで告知を一切していないにも関わらず、前回の配信よりも多くの視聴者が集まっていた。

コメント「配信始また」「待ってた」「こんばんは~」

前回に比べると圧倒的に人数が多いようだった。

サリエル「はい、こんばんは。天使系Vtuberサリエルです。よろしくお願いします。今日はちょっとみんなとお話しようかな~と思ってね。」

コメント「楽しみ」「おー」「待ってました」「歌が聞きたい」

サリエル「歌はまだ練習中だからもう少し先ね。私も忙しくて人間の歌は聞いてる暇がないわ。」

コメント「天使だからね」「人間に興味なさそうだもんなぁw」「急に設定出すなwww」

サリエル「まあ、私は天使だからね。」

サリエルがドヤ顔をしながら言うと、コメント欄は笑いに包まれる。

コメント「草」「かわいい」「これは天使ですわ」

ミカエルからのアドバイスとして、設定として天使なのであれば素のサリエルを出しても人間たちに勘ぐられることはないだろう、ということだった。なのでサリエルは天使という設定を全面的に押し出すことにした。

サリエル「人間たちの好きなものを色々と教えて欲しいな。」

コメント「俺はアニメだな」「ゲーム好き」「スポーツ観戦が好き」

サリエル「ほほう……人間はそういうものが好きなのね。やっぱりそういうのみてるときが幸せ?それとも誰かと一緒に見て楽しむのかしら?」

コメント「一人で見ることが多い」「一人だと気が楽」「友達とワイワイするのもいいかも」「てかサリエルちゃんの趣味が知りたい」

サリエル「私の趣味はそうねえ……果物を食べることね。一応庭にリンゴの木があるわよ。」

コメント「リンゴの木なんて普通庭に植えるか?w」「時間つぶせんやん」

サリエル「天使は時間なんて気にしないのよ。あと、仕事が終わって疲れたときに食べるのが最高ね。」

コメント「天使も仕事すんの?」「天使なのにブラック企業に勤めてそう」

サリエル「天使だって仕事するわよ!人間でいうと一日16時間ぐらい働いてるわ!」

コメント「ええ……」「超絶ブラックじゃねぇか……」「労働基準監督署に通報しろ」

サリエル「まあ天使は寝ないからね。8時間も自由時間があればこうやって配信できるから。」

コメント「8時間は草」「これは嘘松」

天使は睡眠を取らなくても平気であり、疲労することもないため、サリエルが言ったことは事実であったがコメント欄の視聴者はまさかサリエルが本物の天使とは思っていないだろう。

サリエル「ほんとよ。配信前は上司と打ち合わせしてるし、配信が終わったら報告書書いてるし、次の日の仕事の確認とかしてるし……」

コメント「マジでブラックじゃん……」「天国じゃなくて天獄じゃねーか!」「サリエルちゃんかわいそすぎ……」

日頃のストレスからかサリエルはさらに饒舌になる。

サリエル「ほんとにミカエル様も私ばっか働かせて……ちょっとムカつくのよね。確かに私は有能で仕事はできる方だとは思うけど、もうちょっと他の子に任せてもいいんじゃないかと思うのよ。」

コメント「草」「ガチの愚痴で草」「これが天使の姿か?(困惑)」

サリエル「人間が思ってるほど天界は楽じゃないのよ。だから死んだら楽になれるとか考えるのは間違いよ!」

コメント「ひええ……」「地獄やないか……」「天使がこんなこと言うとは……」

サリエル「と、まあ愚痴はここまでにしてせっかくだし天使の私に質問とかあるかしら?なんでも答えるわよ。」

コメント「スリーサイズは?」「彼氏はいるんですか?」「好きな食べ物はなんですか?」「好きな人はいますか?」「スリーサイズは?」

次々と飛んでくる質問に対して、サリエルは少し困ったような表情をする。

サリエル「えっと……スリーサイズは秘密だけど、彼氏ねえ……天使に性別なんて無いのよ。だから安心して。好きな食べ物はりんご全般ね。」

コメント「天使は性欲無さそう」「処女営業かな?」

サリエル「いや、性欲自体はあるわよ。人間は男と女に役割が分かれてるけど、天使にはそういうのがないってだけ。胸も〇〇〇も×××もついてるわよ。」

コメント「マジ!?」「天使ってふたなりなの?」「幻滅しました天使のファン辞めます」

サリエルは自分が何を言っているのか理解していなかった。ただ、流れで言ってしまっただけである。ただコメント欄は大盛りあがりで、サリエルはそれに調子に乗ってしまう。

サリエル「ふたなりって言うのねそういうの。天使はみんな股間に立派な棒と玉がぶら下がってるわw」

コメント「草」「草生えすぎて草原」「サリエルちゃんやべぇ」「banされろ」

サリエル「BAN?何のことかしら?……え、アカウント停止?なんで?」

コメント「お前のせいだよww」「天使のイメージ台無しw」「規約確認しましょうね~」

サリエル「あ……人間界ではこういう話は下ネタって言われるんだっけ……ごめんなさい。」

コメント「やべーやつやん」「流石にアウト」「これもうわかんねえな」

サリエル「まあ、とりあえず私が言いたいのは天使も大変なのよ。」

コメント「大変の意味が違くないですかね……」「この子アカンわ」「天使に失礼すぎる」「バチが当たるぞ」

サリエルはその後少し雑談した後、配信を切った。そしてすぐにSNSを確認すると、

『サリエルちゃんの配信見たけどめっちゃ面白いな』『常識がぶっ壊れてる』『ちょっと天使を馬鹿にしすぎてて笑えない』

などと賛否両論のコメントが寄せられていた。さらに、公序良俗に反する配信アーカイブが運営により削除されました、という通知も来ていた。配信2回目でまさかの規約違反である。

天使に人間の規約等守れるわけもなくサリエルの配信はここからヒートアップしていくのである……!
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