上 下
13 / 21

マカラヒト大陸へ

しおりを挟む
「…って訳なんだけど…カミサマ… 場所、教えてくれる…?」
真っ白な空間…カミサマの心の部屋に入ってそう問いかけるアイリット。
「君達が何を企んでいるのかは興味無いから別に構わないよ」
「…トリアイナとエクスカリバーの場所…教えて…」
「トリアイナはマカラヒト大陸、エクスカリバーはカルカラ村にあるよ」
淡々と応えるカミサマ。
「カミサマありがとう…」
「君に感謝される筋合いは無いよ」
アイリットには少し冷たい態度のカミサマなのであった。

「…場所、聞いてきた…」
「どこにあるって?」
「トリアイナは…マカラヒト大陸…エクスカリバーは…カルカラ村…」
カルカラ村には前に1度訪れたが、それらしきものは見当たらなかった。
「ならまずはマカラヒト大陸に行こうか」
そう提案する明日夢。
「賛成」
「ん、私も賛成~」
東と篠目がそう告げる。

独楽大陸からマカラヒト大陸までには2日を要する。
それ程遠いのだ。
「2日かかるのは痛いけど仕方ないか…」
「皆でいくの?」
「あぁ。ルシフェルは留守番を頼む。」
「御意」
ルシフェルが明日夢に傅く。
「じゃあ早速行くか」
「うん」
マカラヒト大陸行きの船に乗ると、刹那達はそれぞれに宛てがわれた部屋に向かっていく。
「…」
アイリットが部屋で何かを考えこんでいた。
「(カミサマはどうしてあっさり教えてくれたんだろう…何か裏があるのかも…)」
なんて考えているアイリット。
カミサマの事だ、何か仕組んであるに違いない。
そういう性格なのだ。
カミサマは傍若無人、人でなしで人間を嫌悪している。
しかしながら刹那達に対する態度は普通のそれである。
よく出来た人格者だ。
「(蘇ってカミサマの巫女になって…私も大変だなあ)」
なんてことをぼんやりと考えているアイリットなのであった。

一方刹那は日記を書いていた。
マカラヒト大陸までには2日掛かるので丁度良いタイミングで日記が書ける。
内容は至ってシンプルで、『今日はマカラヒト大陸行きの船に乗った。2日間は部屋で過ごそうと思う』と書かれていた。
この船はどうやら大気中に漂うマナを吸収して動いている様で、マナが薄い所ではスピードが落ちる。
今は丁度マナの薄い所を走っているようで、ゆったりとしたスピードになっていた。
篠目は船酔いでダウンしてしまった事以外は特にトラブルもなくマカラヒト大陸に着くだろう。
船は5人と他の乗客を乗せて進んでいくのであった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

破滅不可避の悪役獣使いに転生したが肉塊になりたくないので聖獣娘、魔獣娘に媚びを売る〜嫌われないようにしていたらなぜか長たちになつかれている〜

マグローK
ファンタジー
【シックザール・モンスター】というゲームの悪役、ルカラ・デグリアスに転生した俺。  ルカラは作中、主人公の才能に嫉妬し、最強の聖獣や魔獣の長を強制的に使役できるほどの強力な力を悪用し、主人公一行の邪魔をする。  だが、最終的には聖獣、魔獣からの抵抗、主人公とその相棒の絆の力を前に敗北し、使役が解除される。  結果、再度使役するほどの体力のないルカラは聖獣、魔獣と立場が逆転し、これまで自分がやっていたようにこき使われることになる。  そして、最終的には肉塊として見つかる運命をたどる。  こうなったら、俺のヘイトが溜まる前に聖獣、魔獣たちに出会ったらむしろ、媚びを売ろう。  そうしてこき使うのはやめてせめて殺されないようにしよう。  主人公と出会ったとしても極力関わらないようにしよう。  そう思い、善良に生きることを決意したのだが、聖獣の子を手当てしただけなのになぜか聖獣の長が俺の前に!?  気づけば女主人公までも現れて!? え、俺の弟子になりたい!?  俺は殺されない平穏な生活がしたいだけなのに……。  わざわざ危険そうなフラグを持ち込まないでくれ!! この小説は他サイトでも投稿しています。

『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる

農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」 そんな言葉から始まった異世界召喚。 呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!? そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう! このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。 勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定 私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。 ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。 他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。 なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記

ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
 ある日、全世界の至る所にダンジョンと呼ばれる異空間が出現した。  そこには人外異形の生命体【魔物】が存在していた。  【魔物】を倒すと魔石を落とす。  魔石には膨大なエネルギーが秘められており、第五次産業革命が起こるほどの衝撃であった。  世は埋蔵金ならぬ、魔石を求めて日々各地のダンジョンを開発していった。

【完結】呪われ令嬢、猫になる

やまぐちこはる
ファンタジー
エザリア・サリバーは大商団の令嬢だ。一人娘だったが、母が病で儚くなると、父の再婚相手とその連れ子に忌み嫌われ、呪いをかけられてしまう。 目が覚めたとき、エザリアは自分がひどく小さくなっていることに気がついた。呪われて猫になってしまっていたのだ。メイドが来たとき、猫がいたために、箒で外に追い出されてしまう。 しかたなくとぼとぼと屋敷のまわりをうろついて隠れるところを探すと、義母娘が自分に呪いをかけたことを知った。 ■□■ HOT女性向け44位(2023.3.29)ありがとうございますw(ΦωΦ)w  子猫六匹!急遽保護することになり、猫たんたちの医療費の助けになってくれればっという邪な思いで書きあげました。 平日は三話、6時・12時・18時。 土日は四話、6時・12時・18時・21時に更新。 4月30日に完結(予約投稿済)しますので、サクサク読み進めて頂けると思います。 【お気に入り】にポチッと入れて頂けましたらうれしいですっ(ΦωΦ) ★かんたん表紙メーカー様で、表紙を作ってみたのですが、いかがでしょうか。 元画像はうちの18歳の三毛猫サマ、白猫に化けて頂きました。

異世界居酒屋「陽羽南」~異世界から人外が迷い込んできました~

八百十三
ファンタジー
東京都新宿区、歌舞伎町。 世界有数の繁華街に新しくオープンした居酒屋「陽羽南(ひばな)」の店員は、エルフ、獣人、竜人!? 異世界から迷い込んできた冒険者パーティーを率いる犬獣人の魔法使い・マウロは、何の因果か出会った青年実業家に丸め込まれて居酒屋で店員として働くことに。 仲間と共に働くにつれてこちらの世界にも馴染んできたところで、彼は「故郷の世界が直面する危機」を知る―― ●コンテスト・小説大賞選考結果記録 第10回ネット小説大賞一次選考通過 ※小説家になろう、カクヨム、ノベルアップ+、エブリスタにも並行して投稿しています https://ncode.syosetu.com/n5744eu/ https://kakuyomu.jp/works/1177354054886816699 https://novelup.plus/story/630860754 https://estar.jp/novels/25628712

ぽっちゃり女子の異世界人生

猫目 しの
ファンタジー
大抵のトリップ&転生小説は……。 最強主人公はイケメンでハーレム。 脇役&巻き込まれ主人公はフツメンフツメン言いながらも実はイケメンでモテる。 落ちこぼれ主人公は可愛い系が多い。 =主人公は男でも女でも顔が良い。 そして、ハンパなく強い。 そんな常識いりませんっ。 私はぽっちゃりだけど普通に生きていたい。   【エブリスタや小説家になろうにも掲載してます】

蛇と桜と朱華色の恋

ささゆき細雪
ファンタジー
 神様の愛玩花嫁として召喚されたのは、幼い頃に禁忌を犯した少女だった。  神嫁は天を統べる至高神によって選ばれ、神殿からの迎えが来るまでは番人とともに慎ましく暮らしている。だが、幽鬼との激闘の末に長い眠りについてしまった竜糸の竜神の花嫁に選ばれた朱華(はねず)は、強い加護のちからを持っていなかった。しかも、十七歳の誕生日になったら未晩(みかげ)と結婚する約束をしており、寸前まで唇を許していたという――どうやら、未晩が横恋慕して彼女の記憶を改竄してしまったらしい。  神嫁が必要だという守人に半ば攫われるような形で朱華は神殿へ。  過去の記憶を取り戻すため、また、眠れる竜神さまを起こして花嫁となるため、朱華は桜月夜の三人と行動することに。  あと二日で訪れる誕生日を迎えたら、竜神さまの花嫁にならないといけないのに、封印が解かれる日まで護ると言った総代・夜澄(やずみ)が気になってしまう朱華。  けれど彼女をあきらめきれない未晩も思わぬ形で現れて……

【完結】神様と呼ばれた医師の異世界転生物語 ~胸を張って彼女と再会するために自分磨きの旅へ!~

川原源明
ファンタジー
 秋津直人、85歳。  50年前に彼女の進藤茜を亡くして以来ずっと独身を貫いてきた。彼の傍らには彼女がなくなった日に出会った白い小さな子犬?の、ちび助がいた。  嘗ては、救命救急センターや外科で医師として活動し、多くの命を救って来た直人、人々に神様と呼ばれるようになっていたが、定年を迎えると同時に山を買いプライベートキャンプ場をつくり余生はほとんどここで過ごしていた。  彼女がなくなって50年目の命日の夜ちび助とキャンプを楽しんでいると意識が遠のき、気づけば辺りが真っ白な空間にいた。  白い空間では、創造神を名乗るネアという女性と、今までずっとそばに居たちび助が人の子の姿で土下座していた。ちび助の不注意で茜君が命を落とし、謝罪の意味を込めて、創造神ネアの創る世界に、茜君がすでに転移していることを教えてくれた。そして自分もその世界に転生させてもらえることになった。  胸を張って彼女と再会できるようにと、彼女が降り立つより30年前に転生するように創造神ネアに願った。  そして転生した直人は、新しい家庭でナットという名前を与えられ、ネア様と、阿修羅様から貰った加護と学生時代からやっていた格闘技や、仕事にしていた医術、そして趣味の物作りやサバイバル技術を活かし冒険者兼医師として旅にでるのであった。  まずは最強の称号を得よう!  地球では神様と呼ばれた医師の異世界転生物語 ※元ヤンナース異世界生活 ヒロイン茜ちゃんの彼氏編 ※医療現場の恋物語 馴れ初め編

処理中です...