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第1章
買い出し
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マーリンが夢から現れて数日後。
「今日はどこを案内してくれるんだ?」
「本日は市場をご案内致します。」
「市場?……あぁ、この間通った所か。」
「はい。」
「とりあえず案内頼むよ」
「お任せ下さい。では、私の後ろについてきてください。市場まで距離がありますし魔物の対応は私が行います。」
淡々と告げるこのみ。
とりあえずアリスティアに許可を得て市場に向かう。
道中何度か魔物と遭遇したがこのみが対応してくれたおかげで薫は無傷でやってこれた。
「ここが市場か」
「はい。食料から日用品まで取り扱ってますよ。」
このみに連れられてやってきた薫は辺りを見渡す。
魚や肉、野菜とあらゆる食料品が揃っていた。
「まずは薫様のマグカップとお茶碗を買いましょうか。それからお嬢様へのお土産ですね」
「アリスティアは来ないのか?」
「お嬢様はサヴァン症候群ですので。私が身の回りの世話をしているんです」
「サヴァン症候群とはまた珍しい。他に使用人はいないのか?」
「基本的には私一人でこなしております。求人も出してはいるのですが中々良い人材が見つからなくて。」
「なるほどなぁ」
納得したように頷く薫。
「このみはなんかこう、能力とかないのか?」
「強化魔法を得意としております。」
「強化魔法と言うと物にも効くのか?」
「薫様。口調はもっと女性らしくした方がよろしいと思いますよ」
「そうだな……そうだね」
慌てて言い直す薫。
女性の言葉使いなんてよくわからないが、しばらくはこの口調で行こう、と決める薫であった。
「とりあえず日用品は買えましたね。後はお嬢様へのお土産です」
「どういうのが好きとかあるの?」
「菓子を好んでお召し上がりになりますね。特にケーキがお好きなようです」
「じゃあケーキ屋目指していこうか」
「はい」
そう言うと歩き出すこのみと薫。
ケーキ屋に着くまでは他愛のない話で盛り上がった。
このみはアリスティアに仕えて幸せとも言っていた。
「お嬢様はお優しい方です。お給料もキチンとくださいますし、無茶な頼みはしない方なので。」
そう自慢げに語るこのみ。
「このみにとってはアリスティアは大切な存在なんだね」
何となく慣れてきた口調である。
「にしても冷えるね」
「冬ですから。暖房器具でも買いましょうか?」
「コタツとかあったら助かるんだけどなぁ」
「こたつとはよくわかりませんが、とりあえず暖房器具買いましょうか」
「ん、頼む……」
ふーふーと自分の手を温めながらこのみの帰りを待つ薫。
しばらくすると巨大な暖炉が運ばれてきた。
「まさかの暖炉……!」
「当家には魔力で動く暖房器具は存在しておりませんでした故、思い切って買ってみました」
「今までどうやって冬を越してきたんだ……」
驚いたような、呆れた顔をする薫。
「よっと」
このみは自分の腕に強化魔法を使い、暖炉を軽々と持ち上げる。
「お嬢様へのお土産も買ってきました。ココアとマシュマロです」
「甘そうな組み合わせ……」
「さて、それでは帰りましょうか。」
2人は帰路に着く。
市場からアリスティア邸まではかなり距離がある。
このみは気にすることなく進んでいく。
「……このみは好きな人とか居ないのか?」
「使用人の身に恋人は必要ありません。」
「そう?このみ可愛いからモテると思うけど」
「モテると言えば薫様も可愛らしいですよ。」
「俺は可愛いって言われるの慣れてねぇんだよ!」
そう言って頬を赤くさせる薫。
それを見てクスリと笑うこのみ。
「……!薫様、下がってください!」
その刹那、先程まで薫がいた場所には大きなクレーターが出来ていた。
「チッ……また失敗か……」
ゆらりと動きながらこのみに襲いかかる紫髪の少女。
「薫様は私が守ります!」
スカートの裾を少し捲るとナイフを構えるこのみ。
「……ウォルフ君の匂いがする。あなたもウォルフ君を狙ってるんでしょ……?……邪魔はさせない。仕事だし。」
薫に襲いかかる少女。
間一髪でかわすと、このみに助けを求める。
「薫様、そのままでいてください!ハッ!」
ナイフを何本か紫髪の少女に投擲する。
「……ウォルフ君は私のモノ……クルシュのもの……」
「クルシュ様ですか。ウォルフ様はあなたにはお似合いにはなりませんよ。その殺人衝動が収まらない限りは。」
「……うるさい。」
クルシュと名乗った少女はこのみに襲いかかる。
「面倒ですね……!」
応戦するにも薫は足でまといだ。
指をくわえて見ていることしか出来ない自分に悔しさを覚えながらも、このみの戦闘スタイルに注目する。
彼女はナイフを武器にすばやさで翻弄するタイプの様だ。
クルシュと名乗った少女はこのみのスピードについて行けず、刃は届かない。
「……チッ、キリがない」
そう言うとクルシュは煙玉を使ってきた。
「煙幕……!?薫様、大丈夫ですか!?」
「大丈夫!生きてる!」
霧が晴れるとクルシュの姿はおらず、おそらく逃げたのだろう。
「予定外の展開になってしまいましたね。帰りも魔物が出るので私が守りますね」
そう言うと改めて帰路に着く。
アリスティア邸に着くと、アリスティアが駆け寄ってきた。
「おかえり、薫、このみ!」
「お嬢様、ただいま戻りました。途中薫様の命を狙う輩がおります故お気を付けて」
「それならこのみが薫の護衛にするといいよ!この子、ホントに強いから!」
無垢な笑顔で勧めてくるアリスティア。
「……ならお願いしても?」
「お嬢様のご命令とあらば」
「とりあえず2人とも、シャワー入ってきなよ!私は夜ご飯の準備してるね!」
「お嬢様はおやすみください。直ぐに戻りますので」
「このみのケチー!」
ぶーたれるアリスティア。
そんな主を他所にこのみ達は大浴場へと向かう。
大浴場には男女別れておらず、所謂混浴だ。
「(男の俺が入ってもいいんだろうか……)」
なんてことを考えながら脱衣場でゆっくりと服を脱ぐ。
このみの胸には立派な果実が実っており、薫は辛うじてわかるくらいだ。
しばらく大浴場でゆっくりしていると、このみは湯船から立ち上がる。
「これから食事の支度がありますので、お先に失礼します。」
ぺこり、と頭を下げると脱衣場に向かうこのみ。
そんな様子をボーッと見つめる薫。
このみが風呂から出た所を確認すると、ふぅ、と一息つく薫。
「なーんで俺女になってんだよ……」
ぽつり、と呟いた。
しばらくすると薫も脱衣場に向かう。
服は綺麗に畳まれており、新しい下着も用意されていた。
「アフターケア凄……!」
用意して貰った下着を身につけ、服を着る薫。
その姿は少女そのものだ。
「お嬢様、薫様、ご夕食が出来ました。今日はお嬢様の好物のメロンゼリーをご用意しております。」
「ホント!?やったー!」
嬉しそうにするアリスティア。
「今日のメニューは牡蠣のアヒージョにエスカルゴのオーブン焼き、卵スープにサラダにメロンゼリーとなっております。」
このみは食事を淡々と運んでくる。
「いただきます」
「それ、何か意味あるの?」
薫がいただきます、と言ったことに違和感を感じたのだろう。
「あるよ。この料理の為に犠牲になった命を頂くって意味。」
「へぇー!いただきまーす!」
そう言うと食事を始める2人。
このみはアリスティアの隣で待機している。
テーブルは縦長の白い布が敷いてある、豪華な部屋だ。
しばらくすると食事を終え、デザートのメロンゼリーが運ばれてくる。
「お嬢様、お待たせしました」
「やったー!メロンゼリーだー!」
キャッキャと嬉しそうに笑うアリスティア。
「なんかどっかのソシャゲで見た事あるな…」
ぽつり、と呟く薫。
「そしゃげ?」
「俺……私がいた会社でも流行ってるけどソーシャルゲームって言ってね。」
「私もやってみたーい!その薄い板貸して!」
薫がプレイしていたゲームはチェスだ。
「チェスの対戦、する?」
「するー!ルールわかんないけど!」
チェスのルールを簡単に説明すると、早速勝負が始まった。
「薫よわーい!」
なんと薫、全敗である。
「嘘でしょ……初めてでこれって……」
「チェスなんて相手の動きを見て計算するだけだよ?」
「それが出来たら苦労しないわ!」
すかさずツッコミを入れる薫。
「あはは!でもこのゲーム面白いね!今度このみとやってみるよ!」
「あ、ハマったんだ……」
ワイワイとした時間を終え、各々の部屋に戻る。
今日自分の命を狙って来た少女……クルシュは警戒すべき相手だろう。
薫はベッドで横になりながらアリスティアが誰かと話しているのが聞こえてくる。
「……で、日照ちゃんはどう思う?」
「いいんじゃない?あたしは賛成」
「こんな時間に……なんの話しですか?」
寝ぼけ眼でやってきた薫。
「あなたが薫さんね。あたしは野々村 日照。よろしくね。」
「うん、よろしく。」
青い髪のツインテールの少女、日照と握手を交わす薫。
これで友人関係になれた訳だ。
「その手に持ってるぬいぐるみは?」
日照が大切そうに抱えているぬいぐるみを見やる。
「この子には精霊が宿ってるの。あたしは精霊魔道士なんだ」
「へぇ……」
「今日はアリスちゃんの家にお世話になろうと思って。空いてる部屋があって助かったよ~。」
「とりあえず俺は部屋に戻りますね……おやすみなさい……」
とぼとぼとした足取りで部屋に戻る薫。
ベッドに身を投げる様に寝転ぶと、睡魔に襲われる。
薫はそのまま眠りに落ちるのであった。
「とりあえずこの件に関しては他言無用で」
「了解!」
何か大きな歯車が動き始めるだろう。
その歯車は希望をもたらすのか、絶望をもてなすのか。
正体は謎のままである。
「今日はどこを案内してくれるんだ?」
「本日は市場をご案内致します。」
「市場?……あぁ、この間通った所か。」
「はい。」
「とりあえず案内頼むよ」
「お任せ下さい。では、私の後ろについてきてください。市場まで距離がありますし魔物の対応は私が行います。」
淡々と告げるこのみ。
とりあえずアリスティアに許可を得て市場に向かう。
道中何度か魔物と遭遇したがこのみが対応してくれたおかげで薫は無傷でやってこれた。
「ここが市場か」
「はい。食料から日用品まで取り扱ってますよ。」
このみに連れられてやってきた薫は辺りを見渡す。
魚や肉、野菜とあらゆる食料品が揃っていた。
「まずは薫様のマグカップとお茶碗を買いましょうか。それからお嬢様へのお土産ですね」
「アリスティアは来ないのか?」
「お嬢様はサヴァン症候群ですので。私が身の回りの世話をしているんです」
「サヴァン症候群とはまた珍しい。他に使用人はいないのか?」
「基本的には私一人でこなしております。求人も出してはいるのですが中々良い人材が見つからなくて。」
「なるほどなぁ」
納得したように頷く薫。
「このみはなんかこう、能力とかないのか?」
「強化魔法を得意としております。」
「強化魔法と言うと物にも効くのか?」
「薫様。口調はもっと女性らしくした方がよろしいと思いますよ」
「そうだな……そうだね」
慌てて言い直す薫。
女性の言葉使いなんてよくわからないが、しばらくはこの口調で行こう、と決める薫であった。
「とりあえず日用品は買えましたね。後はお嬢様へのお土産です」
「どういうのが好きとかあるの?」
「菓子を好んでお召し上がりになりますね。特にケーキがお好きなようです」
「じゃあケーキ屋目指していこうか」
「はい」
そう言うと歩き出すこのみと薫。
ケーキ屋に着くまでは他愛のない話で盛り上がった。
このみはアリスティアに仕えて幸せとも言っていた。
「お嬢様はお優しい方です。お給料もキチンとくださいますし、無茶な頼みはしない方なので。」
そう自慢げに語るこのみ。
「このみにとってはアリスティアは大切な存在なんだね」
何となく慣れてきた口調である。
「にしても冷えるね」
「冬ですから。暖房器具でも買いましょうか?」
「コタツとかあったら助かるんだけどなぁ」
「こたつとはよくわかりませんが、とりあえず暖房器具買いましょうか」
「ん、頼む……」
ふーふーと自分の手を温めながらこのみの帰りを待つ薫。
しばらくすると巨大な暖炉が運ばれてきた。
「まさかの暖炉……!」
「当家には魔力で動く暖房器具は存在しておりませんでした故、思い切って買ってみました」
「今までどうやって冬を越してきたんだ……」
驚いたような、呆れた顔をする薫。
「よっと」
このみは自分の腕に強化魔法を使い、暖炉を軽々と持ち上げる。
「お嬢様へのお土産も買ってきました。ココアとマシュマロです」
「甘そうな組み合わせ……」
「さて、それでは帰りましょうか。」
2人は帰路に着く。
市場からアリスティア邸まではかなり距離がある。
このみは気にすることなく進んでいく。
「……このみは好きな人とか居ないのか?」
「使用人の身に恋人は必要ありません。」
「そう?このみ可愛いからモテると思うけど」
「モテると言えば薫様も可愛らしいですよ。」
「俺は可愛いって言われるの慣れてねぇんだよ!」
そう言って頬を赤くさせる薫。
それを見てクスリと笑うこのみ。
「……!薫様、下がってください!」
その刹那、先程まで薫がいた場所には大きなクレーターが出来ていた。
「チッ……また失敗か……」
ゆらりと動きながらこのみに襲いかかる紫髪の少女。
「薫様は私が守ります!」
スカートの裾を少し捲るとナイフを構えるこのみ。
「……ウォルフ君の匂いがする。あなたもウォルフ君を狙ってるんでしょ……?……邪魔はさせない。仕事だし。」
薫に襲いかかる少女。
間一髪でかわすと、このみに助けを求める。
「薫様、そのままでいてください!ハッ!」
ナイフを何本か紫髪の少女に投擲する。
「……ウォルフ君は私のモノ……クルシュのもの……」
「クルシュ様ですか。ウォルフ様はあなたにはお似合いにはなりませんよ。その殺人衝動が収まらない限りは。」
「……うるさい。」
クルシュと名乗った少女はこのみに襲いかかる。
「面倒ですね……!」
応戦するにも薫は足でまといだ。
指をくわえて見ていることしか出来ない自分に悔しさを覚えながらも、このみの戦闘スタイルに注目する。
彼女はナイフを武器にすばやさで翻弄するタイプの様だ。
クルシュと名乗った少女はこのみのスピードについて行けず、刃は届かない。
「……チッ、キリがない」
そう言うとクルシュは煙玉を使ってきた。
「煙幕……!?薫様、大丈夫ですか!?」
「大丈夫!生きてる!」
霧が晴れるとクルシュの姿はおらず、おそらく逃げたのだろう。
「予定外の展開になってしまいましたね。帰りも魔物が出るので私が守りますね」
そう言うと改めて帰路に着く。
アリスティア邸に着くと、アリスティアが駆け寄ってきた。
「おかえり、薫、このみ!」
「お嬢様、ただいま戻りました。途中薫様の命を狙う輩がおります故お気を付けて」
「それならこのみが薫の護衛にするといいよ!この子、ホントに強いから!」
無垢な笑顔で勧めてくるアリスティア。
「……ならお願いしても?」
「お嬢様のご命令とあらば」
「とりあえず2人とも、シャワー入ってきなよ!私は夜ご飯の準備してるね!」
「お嬢様はおやすみください。直ぐに戻りますので」
「このみのケチー!」
ぶーたれるアリスティア。
そんな主を他所にこのみ達は大浴場へと向かう。
大浴場には男女別れておらず、所謂混浴だ。
「(男の俺が入ってもいいんだろうか……)」
なんてことを考えながら脱衣場でゆっくりと服を脱ぐ。
このみの胸には立派な果実が実っており、薫は辛うじてわかるくらいだ。
しばらく大浴場でゆっくりしていると、このみは湯船から立ち上がる。
「これから食事の支度がありますので、お先に失礼します。」
ぺこり、と頭を下げると脱衣場に向かうこのみ。
そんな様子をボーッと見つめる薫。
このみが風呂から出た所を確認すると、ふぅ、と一息つく薫。
「なーんで俺女になってんだよ……」
ぽつり、と呟いた。
しばらくすると薫も脱衣場に向かう。
服は綺麗に畳まれており、新しい下着も用意されていた。
「アフターケア凄……!」
用意して貰った下着を身につけ、服を着る薫。
その姿は少女そのものだ。
「お嬢様、薫様、ご夕食が出来ました。今日はお嬢様の好物のメロンゼリーをご用意しております。」
「ホント!?やったー!」
嬉しそうにするアリスティア。
「今日のメニューは牡蠣のアヒージョにエスカルゴのオーブン焼き、卵スープにサラダにメロンゼリーとなっております。」
このみは食事を淡々と運んでくる。
「いただきます」
「それ、何か意味あるの?」
薫がいただきます、と言ったことに違和感を感じたのだろう。
「あるよ。この料理の為に犠牲になった命を頂くって意味。」
「へぇー!いただきまーす!」
そう言うと食事を始める2人。
このみはアリスティアの隣で待機している。
テーブルは縦長の白い布が敷いてある、豪華な部屋だ。
しばらくすると食事を終え、デザートのメロンゼリーが運ばれてくる。
「お嬢様、お待たせしました」
「やったー!メロンゼリーだー!」
キャッキャと嬉しそうに笑うアリスティア。
「なんかどっかのソシャゲで見た事あるな…」
ぽつり、と呟く薫。
「そしゃげ?」
「俺……私がいた会社でも流行ってるけどソーシャルゲームって言ってね。」
「私もやってみたーい!その薄い板貸して!」
薫がプレイしていたゲームはチェスだ。
「チェスの対戦、する?」
「するー!ルールわかんないけど!」
チェスのルールを簡単に説明すると、早速勝負が始まった。
「薫よわーい!」
なんと薫、全敗である。
「嘘でしょ……初めてでこれって……」
「チェスなんて相手の動きを見て計算するだけだよ?」
「それが出来たら苦労しないわ!」
すかさずツッコミを入れる薫。
「あはは!でもこのゲーム面白いね!今度このみとやってみるよ!」
「あ、ハマったんだ……」
ワイワイとした時間を終え、各々の部屋に戻る。
今日自分の命を狙って来た少女……クルシュは警戒すべき相手だろう。
薫はベッドで横になりながらアリスティアが誰かと話しているのが聞こえてくる。
「……で、日照ちゃんはどう思う?」
「いいんじゃない?あたしは賛成」
「こんな時間に……なんの話しですか?」
寝ぼけ眼でやってきた薫。
「あなたが薫さんね。あたしは野々村 日照。よろしくね。」
「うん、よろしく。」
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これで友人関係になれた訳だ。
「その手に持ってるぬいぐるみは?」
日照が大切そうに抱えているぬいぐるみを見やる。
「この子には精霊が宿ってるの。あたしは精霊魔道士なんだ」
「へぇ……」
「今日はアリスちゃんの家にお世話になろうと思って。空いてる部屋があって助かったよ~。」
「とりあえず俺は部屋に戻りますね……おやすみなさい……」
とぼとぼとした足取りで部屋に戻る薫。
ベッドに身を投げる様に寝転ぶと、睡魔に襲われる。
薫はそのまま眠りに落ちるのであった。
「とりあえずこの件に関しては他言無用で」
「了解!」
何か大きな歯車が動き始めるだろう。
その歯車は希望をもたらすのか、絶望をもてなすのか。
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