目指せ100万円!ドキドキ!?カラオケチャレンジ

リビドー360

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その1

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 とある雑居ビルの前に立ち、深いため息をつくリホ。
 その抜群のプロポーションは、身にまとうTシャツとデニムのミニスカートでは隠し切れず、男性だけでなく女性までも振り返って見てしまう程。

 「ハ~~……毎回毎回どうしてこうなっちゃうんだろ……」


 
 事の発端は今日の昼間の出来事。

 
 学校の食堂で一人ランチをしている時に、慌てた様子のワタルが駆け寄ってきた。

「いたいた!リホちゃん探したよ!」

「どうしたの?そんなに慌てて」

「実はさ、今朝知り合いの番組ディレクターから連絡があって、今晩の番組収録に出演予定だったエキストラの女の子が急に出れなくなって、代役の女の子探すの手伝ってくれってさ」

「はぁ……もしかして私に番組に出演してってこと?」

「そそ!さすがリホちゃん話が早い!」

「絶対に嫌なんですけど!」

「まってまって!とりあえず話だけでも聞いてよ……」

 食事を終え、トレーを手に立ち上がろうとするリホを慌てて制止するワタル。

「だってワタルの話っていっつも碌なものじゃないんだから……」

「まぁまぁ座って。緊急事態だから協力してくれたら謝礼は弾むって言ってくれてるしさ」

「とりあえず話だけね……」
 
 女子大生の一人暮らし。最近の物価高騰で懐具合も寂しい状況。謝礼という言葉に渋々ながらイスに座りなおす。

「なんかケーブルテレビかインターネットだかの1コーナーの収録らしくって。ほら、よくあるカラオケで100点取ったら賞金ゲットみたな企画あるじゃん。あれをやるんだってさ」

「そんなの100点なんてとれるわけないじゃん」

「まぁね。でもリホちゃん歌上手だし、もしかしたら良いとこ行くかもよ?それに番組の偉い人が見て、この娘はイケるってなったら芸能界デビューしちゃうかもよ?」

「そんな旨い話なんて無いんだから……それならワタルが出ればいいじゃない」

「そうしたいところなんだけどさ。番組上、若くて歌が上手で可愛い女の子じゃないとダメだって。そんな娘、周りにはリホちゃんしかいないからさ……ね!お願い!」

「う~ん……」

「それに賞金は100万円!見せかけじゃなく、ほんとに絶対払うって言ってるし、プラス謝礼も出すって。ねっ!!」

「わ……わかったわよ……」

 歌唱力には少し自信のあるリホ。元々この手の企画には興味があったこともあり、胡散臭いとは思いつつも謝礼につられ了承する」

「いや~リホちゃん、ありがとね!早速返事して、詳細決まったらメール転送するから!じゃあまた!」

 スマホを取り出し足早にその場を立ち去るワタル。

「まったく……」

 あきれた表情でトレーを手に立ち上がるリホであった。
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