さよならの向こう側

yondo

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さよならの向こう側※

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「疲れたら全然休んで大丈夫だからね」
「うん...ありがとう」

そうは返すがここ最近どこか体調が悪いのが否めない。身体が重たくて、ご飯も喉を通らない事が増えてきた。吐き気がたまに凄くてトイレに駆け込む回数も多くなり、晴也は病院に行く事を勧めてくる。

このままじゃバイトに支障が出てしまうと思い、早めに切り上げて晴也と帰る事にした。家に着く迄心配そうに背中を摩ってくれていた彼に「ごめん」とボソボソ謝りながら何とか玄関先で座り込む。

「水飲む?ソファ迄運ぶから──あっ、祐樹!」

途端に吐き気が押し寄せてきて、我慢出来なくなった僕は彼の言葉を待たずに勢いよくトイレに駆け込む。

トイレに駆け込んだ僕を追い掛ける様に慌てて「祐樹」とノックしてくる。その場に座り込んだ僕は何も返せず便座に手をついていた。

(.....まさかね)

心当たりはある。
トイレの横の棚に置いてある籠の中の検査キットを手に取り、ゆっくりと便座に座る。妊娠検査キット──あの日生でシたから何かあった時念の為に...と思ってこっそり買っておいたけど....。

カチッと音を立てて準備をし、検査キットの指定された部分に向かって用を足す。数分間放置して何気なく確認してみると....

「.....赤」

くっきりと二重線が浮かび上がり、僕は無意識にその一言を滑らせていた。

検査キットを手に取り呆然としたまま扉を開こうとするが、ガッと何かが引っ掛かり、下を向く。扉前に晴也が座っていて、突然開いた扉に頭をぶつけたみたいだ。

顔を一瞬顰めた後「祐樹、大丈夫?」と慌てて立ち上がる。僕はスッと検査キットを彼の前に掲げてみせ、震える声で続ける。この時にはもう半分泣き掛けてしまっていた。

「僕達に....家族が増えるみたいだ」

僕の言葉に晴也は反射的にその場で抱擁してくる。僕と晴也は検査キットを何度も見返し、間違いがないか確認し泣きながら笑い合う。切り開かれた新しい未来に、僕達はひたすら喜び合った。
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