さよならの向こう側

よんど

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君と紡ぐこれから

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静まり返ったリビングの中央にある机を囲う様にして座る僕達。両親は彼を追い出す事なく家に入れた。向かい合った状態で座ってから早数分──沈黙を先に破ったのは母親だった。

「大きく.....なったわね。最初見た時誰か全く分からなかった。高校生の時も大きかったけど、更に体格ががっしりしてきて....スポーツとかやっているの?」

そんな事を聞かれると思っていなかったのか、晴也は一瞬だけポカンとした後「あ...高校生迄はスポーツはやってました。今は筋トレだけです」と戸惑いながらも返す。

筋トレやってたんだ...それであの体力....なんて、呑気に僕はそんな事を遠い目をしながら思う。

「お母さん方とは連絡を取っているの?」
「いえ....あの日以来連絡は取っていません。絶縁状態です」

そういえば...晴也からご両親の話を殆ど聞かない。物凄く怒っていたからな、晴也のお母さん....。

「そう....それで、今日はどんな要件で来たのですか」

重々しく会話を続ける彼女に、晴也は少しの間を空けて頭を勢いよく下げる。

「──息子さんとの結婚の許可を頂きに来ました」

頭を下げたままそれ以上動かない彼の姿を眺めて何も言えなくなる両親。

何かしら直ぐ抗議が来るかと思っていたが、二人は黙って彼を見ているだけだった。そして、ようやく母親が「頭を上げて下さい」と口を開いた。まるで、ずっとこの日を覚悟していた様な強い眼差しを向けていた。

「貴方の事は...あの日からずっと憎いです。それは今も変わりません。大事な息子の未来を奪った凶暴なαなんて──本当は家にも入って欲しくない」
「あ...」
「でも...貴方達の──祐樹と貴方が決めた未来にまで口出しする権利はない」
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