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特別番外編 2
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「祐樹がそう言ってくれるのを待ってた」
その直後、ズンッとお腹の中に圧迫感を感じた。
感じた事のない感覚に戸惑いと恐怖を覚えた僕は、掠れた息を漏らしながら腕にしがみつく様に手を伸ばし「待っ...」と助けを求める。僕を抱き締める様に身体を前のめりにした彼は、腕を回してギュッとした状態で何度も打ちつけてくる。
「まっ....いきなり奥っ...!...んぁっ、ふっ...!」
「祐樹...可愛い。凄く可愛いよ」
優しく撫でながらそう言う彼は腰を何度も揺らし、奥の方をグリグリと押し当ててくる。
頭の中がくらくらし始め、どうにかなりそうだったその時──グンッと明らかに何かが引っ掛かる様な感覚を覚えた。サーッと青褪め「は、晴也」と彼の顔を見る。
「それ以上はもう、入らないよ....」
「──」
何を考えているのか、晴也の表情からは全く読み取れない。でも、嫌な予感だけはずっとしている。
ポタポタと垂れる汗を目で追いながら彼の反応を待つ。一瞬だけ視線を逸らした彼は、ゆっくりと身体を起こすと僕のお腹に手を当ててなぞる様に上に向かって指先を動かした。
「今入れている所より奥にいけば結腸に辿りつく。.......祐樹の先はここからか」
「けっ....、....え、いや...だからもう入らない...」
まさか....
そう思った時にはもう遅く、晴也は少しずつだがゆっくりと性器を更に奥に押し込んでいく。無理矢理お腹の奥がこじ開けられていき、もはや気持ち良いのか気持ち悪いのかどうかすら分からなくなっていく。イき続けて抵抗する力もなく声を出す僕の頬に晴也は手を添える。
「奥っ....突くと締まって気持ち良い....祐樹」
段々と意識が遠のいていく。
顔に汗で張りついた髪の毛を指で避けながら名前を呼んでくる。
晴也の性器が奥にすっぽりはまっているのが分かる。
中が晴也ので形作られていく。
名前を呼ばれると余計に気持ち良いが来る。身体がおかしい。
頭の中もぐちゃぐちゃで、もう.....
「もう.....気持ち良いの、ゆるひて....」
呂律が上手く回らない。
必死の抵抗のつもりでそう言ったのに、晴也は優しく微笑んだ後暫く突き続けてからようやく達した。ゴム越しにどくっと白濁が溢れ出て脈打つのを感じる。性器を抜かれた瞬間に、疲れ果てた僕は完全に意識を失った。
目が覚めるといつの間にかヒート期間が終わっていた。あれから更に数日えっちの日々だったが.....ようやくだ。ようやく晴也は僕を番として抱いてくれた。身体は辛いが今迄とは違って明らかに体調は良い。良い筈なのに....
「祐樹、おはよう」
彼の顔が直視出来ないのは何故だろうか。
ヒート終了の初日。
妙な違和感を覚えながら「お、おはよう」としどろもどろに返し食卓につく。そんな朝が始まった。
fin.
「意識してしまう」前の話
その直後、ズンッとお腹の中に圧迫感を感じた。
感じた事のない感覚に戸惑いと恐怖を覚えた僕は、掠れた息を漏らしながら腕にしがみつく様に手を伸ばし「待っ...」と助けを求める。僕を抱き締める様に身体を前のめりにした彼は、腕を回してギュッとした状態で何度も打ちつけてくる。
「まっ....いきなり奥っ...!...んぁっ、ふっ...!」
「祐樹...可愛い。凄く可愛いよ」
優しく撫でながらそう言う彼は腰を何度も揺らし、奥の方をグリグリと押し当ててくる。
頭の中がくらくらし始め、どうにかなりそうだったその時──グンッと明らかに何かが引っ掛かる様な感覚を覚えた。サーッと青褪め「は、晴也」と彼の顔を見る。
「それ以上はもう、入らないよ....」
「──」
何を考えているのか、晴也の表情からは全く読み取れない。でも、嫌な予感だけはずっとしている。
ポタポタと垂れる汗を目で追いながら彼の反応を待つ。一瞬だけ視線を逸らした彼は、ゆっくりと身体を起こすと僕のお腹に手を当ててなぞる様に上に向かって指先を動かした。
「今入れている所より奥にいけば結腸に辿りつく。.......祐樹の先はここからか」
「けっ....、....え、いや...だからもう入らない...」
まさか....
そう思った時にはもう遅く、晴也は少しずつだがゆっくりと性器を更に奥に押し込んでいく。無理矢理お腹の奥がこじ開けられていき、もはや気持ち良いのか気持ち悪いのかどうかすら分からなくなっていく。イき続けて抵抗する力もなく声を出す僕の頬に晴也は手を添える。
「奥っ....突くと締まって気持ち良い....祐樹」
段々と意識が遠のいていく。
顔に汗で張りついた髪の毛を指で避けながら名前を呼んでくる。
晴也の性器が奥にすっぽりはまっているのが分かる。
中が晴也ので形作られていく。
名前を呼ばれると余計に気持ち良いが来る。身体がおかしい。
頭の中もぐちゃぐちゃで、もう.....
「もう.....気持ち良いの、ゆるひて....」
呂律が上手く回らない。
必死の抵抗のつもりでそう言ったのに、晴也は優しく微笑んだ後暫く突き続けてからようやく達した。ゴム越しにどくっと白濁が溢れ出て脈打つのを感じる。性器を抜かれた瞬間に、疲れ果てた僕は完全に意識を失った。
目が覚めるといつの間にかヒート期間が終わっていた。あれから更に数日えっちの日々だったが.....ようやくだ。ようやく晴也は僕を番として抱いてくれた。身体は辛いが今迄とは違って明らかに体調は良い。良い筈なのに....
「祐樹、おはよう」
彼の顔が直視出来ないのは何故だろうか。
ヒート終了の初日。
妙な違和感を覚えながら「お、おはよう」としどろもどろに返し食卓につく。そんな朝が始まった。
fin.
「意識してしまう」前の話
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