918 / 952
七鳴鐘楼モンペルク、月蝕は混沌の影を呼び編
29.俺の仲間が頼もしすぎる
しおりを挟む「グゥ~~!」
「クゥッ、クゥクゥー!」
可愛らしいボスペコちゃんとペコリア達の声。
だが、その声について回っているのは「ぶしゃあ」みたいな飛沫が上がる音だ。
そう。俺の可愛い【守護獣】達は、その【鏖兎族】という物騒な種族名に恥じぬ、獣たるものこうであれと言わんばかりの攻撃を繰り返していたのである。
「お゛っ、おぅう……」
思わず変な声が漏れてしまうが、それも仕方のない事だろう。
だって、ペコリアちゃん達ったら、あ、あの、触手のような無数の舌を……その……華麗な後ろ足キックだけでなく、今日ダハの尻尾を噛みちぎって帰ってきたのと同じように、ばしゅばしゅと……。
ボスペコちゃんも、足を大地にめり込ませて敵の触手舌を引っ張って……。
…………う、うぷ……駄目だ、ちょっと脳内で反芻できない。
う、うう、でも仕方ないのだ。
攻撃方法って言ったら、斬撃でもなけりゃそれしか方法がないし、そもそもペコリア達は立派なモンスターなのだ。けものなのだ。
普通のウサチャンと違って雑食性だし牙もあるんだから、そりゃこうなるよね。
そりゃ攻撃方法はこう……。
「ツカサ、顔がおそら。ヘン、だいじょうブか」
「だ、大丈夫……。ちょっと現実に殴られただけだから……」
「?」
そうだね、ヌエさんは分からないよね。でも分からない方が良い。
俺は今まで忘れていたけど、前にアドニスが「ウサギ、つまり【鏖兎族】は並み居るモンスターの中でも最悪の部類の戦闘狂モンスターで、一部の友好的な例外を除き殆どが血を好む肉食」って言ってたっけな……。
オーデル皇国の雪山に生息する、爬虫類じみた造形のコダマウサギなんかも、人に恐れられるヤバいモンスターなのだ。
そんなモンスターと同列の種族ということは……まあ、ペコリアもそうなるよな。
でも可愛いのに血みどろで残虐ファイトっていうギャップがもう俺は、俺は。
こういう対処法しかないと分かっちゃいるし、終わったらペコリア達全員を念入りに洗ってあげなければとは思うけども、このスプラッタとファンシーが共演するとんでもない光景をもう見たくないよぉお。
しかしいざって時に俺も動かなければいけないと思い、俺は「もうやめて」と言いたくなる口をギュッと閉じて、ペコリア達とロクとブラックを見守った。
……ブラックとロクは、爪や剣で触手舌をさばいてるな。
それにしても、頭が竜のような形をした蛇人族って格好いいなぁ……。
ロクの体は、背中や腕は準飛竜の時のように鎧のような黒い鱗で覆われているが、前面は飛竜の時のようなちょっと硬い表皮ってだけなので、頭の形以外は竜人というよりも蛇の人族っぽいんだけど、それでも立派に竜に見える。
戦う姿も、爪を使ったダイナミックな直接攻撃だ。
ブラックと同じ人型ではあるけど、その動きはモンスター特有だな。
対して、ロクと協力して動いているブラックも、相棒の行動を見つつ適宜向かってくる触手を最小限の動きで切り捨てていた。
「うぅ。ブらック、動いてナイ、斬っテる」
「そうだね……すごいね……」
ロクが動き回って爪を使っているのに対し、ブラックはほとんど動いていない。
だけど、手を抜いているわけじゃない。自分の周りに近付いた触手を的確に素早く捌いていて、他の皆が見落としている死角の触手を引き受けてるみたいだった。
とはいえ、あの触手はやっぱり人間を標的にしているのか、積極的にブラックを襲っているみたいだったけど……物ともしてないな。
ブラックは剣を振って戦うのを面倒臭がってたけど、ああいうところは熟練の冒険者なんだなと改めて思ってしまう。
……か、格好いいとかは思ってないんだからな。
「にしても、俺が何かするまでもなくもう決着って感じだな……」
相変わらずお役に立てなくて申し訳ないが、しかしここで出しゃばってもブラック達のお荷物になるだけだろう。俺も戦いたい気持ちではあるが、それ以上に身の程を知っているのだ。……なんせ運動音痴だしな、俺……。
術もまだまだ未熟だし、手伝える事が有る時以外は黙っていた方が良い。
それよりも後方支援として、みんなが怪我した時即座に回復薬や“大地の気”を渡して、確実に治せるように待機しておかないとだな。
適材適所というヤツだ。うん。
背中を守るのも男の仕事だと自分の闘争心を宥めつつ、仲間達の活躍を見ていると――触手はあっという間に減り、ついに最後の一つがブラックの剣の一振りによって体から切り離された。
「あれ無いなった」
「もう終わり……かな……?」
近付いても良いのだろうか。
いやでもブラック達が許可してからだよな……なんて思っていると、異形は最後の抵抗とばかりに体を蠢かせ、蛙のような顔を向けてブラック達を襲おうとした。
「あっ……!!」
口から覗いたのは、蛙とも爬虫類とも違う、象の牙のような一対の大きな歯。
それと、深海魚のようにみっちり並んだ細かい鋸のような小さい歯だった。
「……まだ動けたのか。舌は全部潰したんだけどな」
剣を振ってモンスターの血を飛ばすブラックに、相手は悲鳴のような大声を上げて襲い掛かる。
だが、勝敗は目に見えて明らかだった。
「手間かけさせるな、デカブツが……ッ!!」
ブラックの面倒臭そうな声が聞こえた。
そう思う間もなく垂直に飛び上がったブラックは、異形の体よりも高い場所に体を置き――――そのまま、月光に輝く宝剣を振り下ろした。
刃物が、何かを綺麗に断った時のような、とても澄んだ音が響く。
瞬間、異形のモンスターの頭が十字に割れた。
「――――……ッ!!」
声にならない悲鳴を上げるように、分割された口を大きく開けてモンスターは重い音と共に倒れる。ブラックが地面に軽く降り立っても、敵はもう動かなかった。
……やった……のか……?
「あっやべこれフラグだった」
「アッヤベふらぐ?」
「い、いやいや何でもないですよヌエさん。……もうちょっと待ってから、ブラック達の所に行きましょうね」
「ン……?」
良く解らないと言ったような顔だが、とりあえず俺の指示に頷いてくれる。
いやあ随分こっちの言葉を理解してくれるようになったなぁヌエさん……。
それにしても……三分ぐらい経過したと思うが、もう大丈夫だろうか。
俺のフラグはへし折れたと信じたいが、などと思っていると、ブラックが剣から血を掃いながらこちらを見た。
「ツカサ君、もう大丈夫だよ」
「クゥー!」
「グゥ~~」
我勝利せりとばかりにぴょこぴょこする可愛いペコリアちゃん軍団だが、その体にはベットリと異形の血がこびりついている。薄桃色の体毛に交じってエグい色に見えるのが、なんとも痛々しい。うう、早く洗ってあげようね……。
それにしても、仲間のあの血塗れ姿を見てもこちらのペコリアちゃん達は「わぁー。かったー!」ぐらいの無邪気さではしゃいでるのが何とも言えない。
可愛いけど……可愛いけどさあっ。
か弱いと思っていたウサギちゃん達だったが、どうやら俺達と旅をしているうちに、どんどん勇ましくなっていたらしい。
ロクも結構変わったけど、ペコリアもなんだなぁ。
まあ、クロウに追っかけられたり色んな所で戦ったりしたし、レベルアップしてて当然なのかな。ご飯だっていっぱい食べてるからな!
そう考えると、一層ペコリアとロク達が愛しく思えてくる……ってそんな場合じゃないんだった。ブラック達の所に行こう。
今度は歩いて近付くと、ちょうど血を拭い終えたブラックは、何事もなさそうに剣を鞘に収めた。ふむ、どうやら完全に安全になったらしい。
だったら安心だなと思いブラックに近寄ると、相手は安堵のため息を吐いた。
「ふぅー……どうやら体に異変は無いみたいだね。良かった……」
「それ俺のセリフじゃない……?」
頑張ってくれた……というか、モンスターと戦ったのはアンタ達じゃないかと眉根を寄せると、ブラックは苦笑して俺の頬を指の側面でくすぐった。
わあっ、な、なんだよいきなり!
「ホントにツカサ君たらもう……。ま、大丈夫ならいいよ」
「うぅん……?」
「それはそれとして……こんな正体不明のモンスターが街の近くまで出て来ちゃった以上は、報告しなくちゃいけないな……。ツカサ君も明日一緒に来てね」
「報告って……兵士の詰所とかに?」
普通、こういうのの情報って最初に国の偉い人に報告するんだよな。
冒険者ギルドに報告する異世界もあるけど、大鐘楼が機能しなかったことも含めると、これは騎士団とかに報告した方が良いだろう。
そう思って先読みした発言だったが、ブラックは少し嫌そうに顔を歪めた。
「うーん……まあ、それも正解だけど……僕、王都近辺の警備兵にはあんまり近寄りたくないんだよねえ……。まあ、こういう報告は冒険者ギルドでも出来るから……」
「近寄りたくないって……なんか嫌な思い出でもあるの?」
そう言うと、ブラックはふよふよ~っと瞳を動かし視線を逸らした。
…………ははーん。さては「若気の至り」関連だな……?
何をしたのか聞きたくなるが、まあ今は置いておこう。
しかし……報告ったって、何をどう報告すればいいんだろう。
ヌエさんの事から報告しないといけないのかな?
しかし、ヌエさんのこと自体まだよく解ってないしなぁ……。
考えつつヌエさんを見やると、相手は不思議そうに首を傾げた。
月明かりに照らされて、ペコリアの体毛のようにもっさりしている髪が揺れる。毛先だけが夜空の暗い紫藍色に染まった藤色の髪は、何だか神秘的だった。
……やっぱり、この世界でもあまり見た事のない色だ。
獣人族の中でも特別であるクロウの一族が、髪と光の環の色が違う不思議な感じだったけど……それとはまた異なる感じなんだよな。
もし俺達と異なる種族だったとしたら、ヌエさんはどこかに連れて行かれたりしないだろうか。体は大人だけど、性格は子供みたいに無邪気だし……厳ついオッサン達に詰められて泣いちゃったりしたらどうしよう。
ヌエさんはニンゲンに慣れてないんだぞ。
もしそうなるなら、俺は認められないからな。
「う?」
「なあブラック……ヌエさんのことも報告しなきゃいけない? 他の人に紹介するの、ちょっと心配なんだけど……」
「まーたツカサ君の過保護が発動してる……。いくら薄汚い冒険者ギルドとはいえ、さすがにそういう対応はマトモだから安心しなって」
呆れ顔で言われるが、しかし怪しい者には厳しいのがこの世界だ。
ヌエさんは自分の事すらよく説明できないのに、連れて行って大丈夫だろうか。
「うーん……でもやっぱ心配だよ。ヌエさんは、ヒトと話したのもこれが初めてだって言ってるし……。せめてシアンさんに相談できればいいんだけど……」
「ツカサ君は心配性だなぁ……。まあともかく、一旦宿に戻ろう。ここはモンスターが近寄らない地域だし、街道の道からも外れてる。朝一番に報告しに行けばいいよ」
「えっ、こ、このまま放置していくの!? 見張っといた方がいいんじゃ……」
今回は俺って何もしてないし、見張りくらいすべきじゃないか。
そう考えていると、ボスペコちゃんと俺を連れて来た方のペコリアちゃん達が、次々にクウクウと鳴き出した。
「グウッグゥ~」
「グォン」
ロクも一緒に声を出して主張してくる。
これは……自分達が見張りをすると言っているのだろうか。
いやさすがにそれは……。
「ツカサ君、意地張ってないでロクショウ君達に甘えなよ。さっきも曜術を使って体が痺れたんだろ? 無茶したらだめだよ。ロクショウ君達は、君が心配だから見張りを買って出たんだと思うよ?」
迷っている俺を、ブラックが諭す。
そうか、みんな俺の事を心配して申し出てくれたのか。
……そんなこと言われちゃうと、俺がやるって言い張る事も出来ないな。
実際俺は相変わらず不調な感じだし、そんな状態で余計に仲間を心配させるのは、それこそ独りよがりってヤツだよな。
可愛いロクショウとボスペコちゃん達のためにも、ここは退くべきだろう。
「わかった。……でも、帰る前に洗ってあげたいんだけど……いい?」
頑張ってくれたんだし、お手入れくらいはしてやりたい。
頼み込むようにブラックの顔を見上げると、相手は深い溜息を吐いて、やれやれとでも言いたげに肩をすくめた。
「仕方ないなぁ……。でも、もう今日は自分で水を出したら駄目だからね。ちゃんと、そこらへんの水辺から水を汲んでくるんだよ!」
「わかってるって!」
そこはブラックも心配させないように、肉体労働は辞さぬ構えだから大丈夫。
任せなさいと胸をドンと叩くと、横からヌエさんとペコリアが入ってきた。
「ヌエもやる」
「クゥ~!」
初めて会ったもの同士だけど、他のペコリア達もヌエさんと気が合うようだ。
ヌエさんはピュアだから、同じピュアの塊である俺の守護獣ちゃん達と気が合うのかも知れない。そう思うとなんかやっぱりちょっと可愛く思えて来たぞ。
いや、図体はブラックよりデカい大男なんですけどね、ヌエさん。
「じゃあ、街の共同井戸からちょっと水を拝借しに行こうか」
「おー!」
夜は未だ明けないが、ひとまず脅威は去った。
分からないことだらけではあるけど、その事実だけは確かだろう。
そう思って、俺は密かにホッと胸をなでおろしたのだった。
→
53
お気に入りに追加
1,010
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

その男、有能につき……
大和撫子
BL
俺はその日最高に落ち込んでいた。このまま死んで異世界に転生。チート能力を手に入れて最高にリア充な人生を……なんてことが現実に起こる筈もなく。奇しくもその日は俺の二十歳の誕生日だった。初めて飲む酒はヤケ酒で。簡単に酒に呑まれちまった俺はフラフラと渋谷の繁華街を彷徨い歩いた。ふと気づいたら、全く知らない路地(?)に立っていたんだ。そうだな、辺りの建物や雰囲気でいったら……ビクトリア調時代風? て、まさかなぁ。俺、さっきいつもの道を歩いていた筈だよな? どこだよ、ここ。酔いつぶれて寝ちまったのか?
「君、どうかしたのかい?」
その時、背後にフルートみたいに澄んだ柔らかい声が響いた。突然、そう話しかけてくる声に振り向いた。そこにいたのは……。
黄金の髪、真珠の肌、ピンクサファイアの唇、そして光の加減によって深紅からロイヤルブルーに変化する瞳を持った、まるで全身が宝石で出来ているような超絶美形男子だった。えーと、確か電気の光と太陽光で色が変わって見える宝石、あったような……。後で聞いたら、そんな風に光によって赤から青に変化する宝石は『ベキリーブルーガーネット』と言うらしい。何でも、翠から赤に変化するアレキサンドライトよりも非常に希少な代物だそうだ。
彼は|Radius《ラディウス》~ラテン語で「光源」の意味を持つ、|Eternal《エターナル》王家の次男らしい。何だか分からない内に彼に気に入られた俺は、エターナル王家第二王子の専属侍従として仕える事になっちまったんだ! しかもゆくゆくは執事になって欲しいんだとか。
だけど彼は第二王子。専属についている秘書を始め護衛役や美容師、マッサージ師などなど。数多く王子と密に接する男たちは沢山いる。そんな訳で、まずは見習いから、と彼らの指導のもと、仕事を覚えていく訳だけど……。皆、王子の寵愛を独占しようと日々蹴落としあって熾烈な争いは日常茶飯事だった。そんな中、得体の知れない俺が王子直々で専属侍従にする、なんていうもんだから、そいつらから様々な嫌がらせを受けたりするようになっちまって。それは日増しにエスカレートしていく。
大丈夫か? こんな「ムササビの五能」な俺……果たしてこのまま皇子の寵愛を受け続ける事が出来るんだろうか?
更には、第一王子も登場。まるで第二王子に対抗するかのように俺を引き抜こうとしてみたり、波乱の予感しかしない。どうなる? 俺?!
俺だけ永久リジェネな件 〜パーティーを追放されたポーション生成師の俺、ポーションがぶ飲みで得た無限回復スキルを何故かみんなに狙われてます!〜
早見羽流
ファンタジー
ポーション生成師のリックは、回復魔法使いのアリシアがパーティーに加入したことで、役たたずだと追放されてしまう。
食い物に困って余ったポーションを飲みまくっていたら、気づくとHPが自動で回復する「リジェネレーション」というユニークスキルを発現した!
しかし、そんな便利なスキルが放っておかれるわけもなく、はぐれ者の魔女、孤高の天才幼女、マッドサイエンティスト、魔女狩り集団、最強の仮面騎士、深窓の令嬢、王族、謎の巨乳魔術師、エルフetc、ヤバい奴らに狙われることに……。挙句の果てには人助けのために、危険な組織と対決することになって……?
「俺はただ平和に暮らしたいだけなんだぁぁぁぁぁ!!!」
そんなリックの叫びも虚しく、王国中を巻き込んだ動乱に巻き込まれていく。
無双あり、ざまぁあり、ハーレムあり、戦闘あり、友情も恋愛もありのドタバタファンタジー!

【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた
きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました!
「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」
魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。
魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。
信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。
悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。
かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。
※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。
※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です


性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)

義兄の愛が重すぎて、悪役令息できないのですが…!
ずー子
BL
戦争に負けた貴族の子息であるレイナードは、人質として異国のアドラー家に送り込まれる。彼の使命は内情を探り、敗戦国として奪われたものを取り返すこと。アドラー家が更なる力を付けないように監視を託されたレイナード。まずは好かれようと努力した結果は実を結び、新しい家族から絶大な信頼を得て、特に気難しいと言われている長男ヴィルヘルムからは「右腕」と言われるように。だけど、内心罪悪感が募る日々。正直「もう楽になりたい」と思っているのに。
「安心しろ。結婚なんかしない。僕が一番大切なのはお前だよ」
なんだか義兄の様子がおかしいのですが…?
このままじゃ、スパイも悪役令息も出来そうにないよ!
ファンタジーラブコメBLです。
平日毎日更新を目標に頑張ってます。応援や感想頂けると励みになります♡
【登場人物】
攻→ヴィルヘルム
完璧超人。真面目で自信家。良き跡継ぎ、良き兄、良き息子であろうとし続ける、実直な男だが、興味関心がない相手にはどこまでも無関心で辛辣。当初は異国の使者だと思っていたレイナードを警戒していたが…
受→レイナード
和平交渉の一環で異国のアドラー家に人質として出された。主人公。立ち位置をよく理解しており、計算せずとも人から好かれる。常に兄を立てて陰で支える立場にいる。課せられた使命と現状に悩みつつある上に、義兄の様子もおかしくて、いろんな意味で気苦労の絶えない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる