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七鳴鐘楼モンペルク、月蝕は混沌の影を呼び編
あなたにあいにきた2
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やけにシンとした宿の中、いつも以上に音が響くような気がする昇降機で最上階へと上がり、ヌエさんの袖を引っ張って部屋へと案内する。
ローレンスさんは既に出発しているので、最上階に泊まっているのは俺達だけだ。
誰もヌエさんを警戒しないし、こちらとしても他の人に迷惑を掛けないで済む。
あとは……ブラックが起きてくれたら良いんだけど。
「ここで座って待ってて」
「ウ゛?」
部屋に招いた後、リビングらしき部屋で一旦座らせて、寝室へ向かう。
ドアを開けたけど、ブラックは相変わらず寝ているみたいだ。
「…………なんかずっとぐっすり寝てるな……」
いつものブラックだったら、ドアを開けた時点で目が覚めるのに。
……いや、でも、俺と一緒に寝てる時は警戒心ゼロで寝続けたりもするよな。
ベーマス大陸では気の抜けない状況ばっかりだったし、ここで一気に疲れが出たという可能性も有る。けど……やっぱ、変……なのかなぁ。
いくら疲れてるとはいえ、ブラックがここまで寝入ってるのはおかしいかも。
何度揺さぶって見ても起きてくれないってのは、異常事態な気がするよな。
けど、そう確信するだけの証拠もないっていう……。
「うーん……今日起きた時のブラックは普通に元気そうだったし、薬や術で寝てるんだとしたら、流石に気が付くだろうし……ホントに寝てるだけ、なのかな……」
寝ているだけっていうのなら、特に危険ではないんだけど。
しかし今晩も全然起きてくれないってのは……。
「ブラック。おーい、ブラックったら」
「んぅぅ……んにゃむにゃ」
「むにゃむにゃ言うヤツなんて初めて見たぞオイ」
こんにゃろ、やっぱり何度揺さぶっても起きないぞ。
それに、もしかしてと思ってロクショウ達も起こそうとしたけど目が覚めないし。
みんな熟睡してるだけ……とかじゃないよな……。
普通の事と言えばそうだけど、でもそう思ったままでいいんだろうか。
不安なら、気のせいだと思わずに「おかしい」と考えておく方がいざって時に対応できるよな。そもそも、見過ごす方が危険なんだし。
じゃあ、やっぱり「おかしい」と思う事にして、だ。
冷静に考えても……全員熟睡ってのはおかしい……よな?
これって何か原因があるんだろうか。もしかしたら、別の事をすれば目が覚めたりするんだろうか。例えば、大声を出したりとか。
だけどその程度で起きるなら、揺さぶった時点で起きてそうだ。
うーん……薬とか使ったら、状態異常が解除される、みたいなことないかな。
しかし、俺は眠り薬を作る術は知っていても「起こす薬」は知らないんだよな。
レモンに似ているリモナの実で【気付け薬】を作る事が出来るけど……アレって、人の眠気にも効くんだっけ……?
しばらく調合から離れていたせいで、また忘れちまったよ俺のバカ。
けど、効くんなら絶対必要だよな。
「次……があるのかどうかは謎だけど、作っておいた方がいいかなぁ……」
考えてみると、今の俺の薬の手持ちはかなり少なくなっていたはずだ。
今後二人で冒険するのであれば、今のうちにストックしといた方が良いよな。それに、常春の国に帰って来たんだからカーデ師匠の言う“修行”も出来るんだし。
……よし、今日は無理だけど、明日は薬を作って備えておこう。
二度ある事は三度ある、の精神も大事だからな。
とりあえず今は、ヌエさんに食事を作ってやる方が先だろう。
そう思い踵を返そうとして――――俺は、あることを思いついた。
「…………そうだ、今日の夢がホントに夢なのか確かめるためにも……っと」
木炭に布を巻きつけ作られた鉛筆モドキで、俺はブラックの掌に二重丸を描き、バッグの中に鉛筆モドキをしっかりとしまっておいた。
ここまですれば、夢かどうかハッキリするはず。
いくら食材が消えてたって、それは「俺達が昨日食べ過ぎただけで、数が合わないのは俺が目測を見誤っただけ」って思われて、単なる俺の勘違いで済まされちゃうし、ブラックが起きていてくれなければ証人がいない。
ロクショウやペコリア達は俺の【守護獣】だから、俺の影響が出てるだけって言われると否定はできないし……。
だから、今の俺にはこれくらいしか方法が思い浮かばない。
ブラックの掌に思いっきり落書きしておけば、明日起きた時に今回の事が現実だと分かるし……なにより、ブラックも自分が熟睡してるという事に気付いて、それが異変なのか正常なのか答えてくれるはず。
俺を普段からザコ呼ばわりしているので、こちらの力量は把握しているだろうし、起きてる時はラクガキを書かれるようなスキなんて与えないからな。
ここまですれば、流石のブラックも考えてくれるだろう。
で、この反対で模様が消えているなら、これは夢だ。
おかしいのは俺ってことになるし、そこから眠気への対策もだいぶ絞れるだろう。
うむ、我ながら良い案だ。
……まあコレが「凄く高度な夢遊病」とか言われたらどうしようもないんだが。
「で、でも……ここまでやって肉もガッツリ減ってたら、絶対おかしいはず……!」
そうだよ、ヌエさんの食欲によっては目に見えて減ることもあるはず。
幸い今の俺には貰ったお肉がたんとあるんだから、これも証拠になるぞ。
よし、とにかく今はヌエさんにご飯を食べさせよう。
そう決めた俺は足早にリビングに戻ると、ヌエさんにもう少し待っててくれと言い聞かせてキッチンに向かった。
そうして取り出すのは、おなじみ【リオート・リング】と臭み消しの薬草だ。
各種調味料は幸いなことにキッチンに揃っているので、これを使わせて貰おう。
「まずは肉を切って……」
一塊の肉を贅沢に取り出し、分厚くカットする。
軽くナイフを通して筋を切りつつ臭み消しの薬草を擦り込み、塩を振ると予め熱していたフライパンでじっくりと火を通した。
ミディアムだのレアだのは俺には分からないけど、とにかく焼き色がついて美味しそうな匂いが漂ってきたら、引っくり返してあとは良い感じになる。
胡椒を最後に振れば、それなりのステーキの出来上がりだ。
ホントは肉を休ませて再度焼くっていう方法のがもっと美味しいらしいんだけど、俺には時間が無いのでこれで勘弁して貰いたい。
適当に野菜を盛りつけてナイフと二股フォークを持ち出すと、俺はヌエさんの所に戻った。おお、ちゃんと座っていてくれたな。
「ウるる」
「はいはい、ご飯ですよ」
「お゛あ゛ん?」
まるで犬か猫が人間の言葉を真似しているような声だが、昨日よりは「人の言葉の形」を把握し始めているような気がする。
相変わらず黒衣とマスクで顔が見えないけど、俺が皿を持って来る前からガタガタと音を立てるほど体を揺すって興奮していたので、たぶん喜んでいる……はず。
ともかくどうぞとテーブルに肉を置くと――――ヌエさんは、思いっきり腕を上げて、袖がダダ余りの手で肉を掴もうとした。
「うわあっ!! 待って待って!! フォークとナイフ使って!」
「んガっ!? あ゛っ、ぁ、あぁっえ……あっ、つぇ?」
「待って! ほら、このフォークで刺してナイフで切るんですよ」
食べやすいように切ってやると、ヌエさんは不思議そうに首を傾げたが……マスクをずらすと、アガッと口を開けた。
またあの独特なギザギザの歯列が見える。
だけど今回は不思議と怖いなどとは思わず、俺はヌエさんの口に肉を運んだ。
歯で器用に肉だけを挟み、相手はモグモグと咀嚼する。
「ン゛!」
「美味い?」
「ン゛……ま! ンマィ!」
おっ、なんかやっとこっちの言葉っぽい発音を……。
とか思ってたら、数秒でステーキを食べられてしまった。は、早すぎる。
一応、俺の教えたとおりナイフとフォークを使ってはいたんだけども、かなり口が大きく開くのか、三切れくらいにデカく乱暴に切り分けたかと思うとペロッといっちゃったんだよな……どんだけ腹が減ってたんだヌエさん。
「ン゛まい! ン゛マい、もぐもぐ!」
「あっ、おかわりってことね。じゃあまた作ってきますね」
「おア゛わり!」
肉を食ったからなのか、段々口が回るようになって来てないかこの人。
まあ良い事だと思い、俺は次々にステーキを焼いてヌエさんに差し出した。
……やっぱり、肉を食べるたびに何やら言葉を正確に発音できるようになっている気がする。とはいえ、俺達の言葉は慣れないのか単語だけっぽいけど。
そうして、一塊の肉が丸ごと消えてしまう頃には……ヌエさんの言語スキルは“ちょっと不慣れかな”程度の所まで進化していた。
「ンまい、腹いっぱい」
「そ、そうですか……それは良かった」
そう言うと、ヌエさんは俺の顔をじっと見る。
月明かりだけでは心もとなくて【水琅石】の明かりをつけたが、明るい場所で見ると相手は本当に大きい事が分かる。
肩幅が大きいとかじゃなくて、背がとにかく高い。
いや、がっしりしてるんだけど、ブラックやクロウみたいな筋肉がしっかりついているような感じがしない姿だった。その不可解な体型が、余計に気になってくる。
全身を覆い隠した謎の男性。悪意はないけど、その姿が他の人とは違うものだって事には変わりがない。……もしかして、俺達とは違う種族……だったりするのかな。
だとしたら、他の人を眠らせちゃう特殊能力とか持ってたりするのかも。
それならブラックが目覚めない理由も説明が付くし、なんの悪意も無いヌエさんの仕業ってことで全部丸く収まるんじゃなかろうか。
というか、眠気の理由がそれ以外に想像がつかない。
これが現実で、ブラック達が全く起きない事が異常だとしたら、ヌエさんが原因だとしか考えられなかった。いや、ヌエさんには悪いんだけどさ。
でも「ヌエさん」が関わっているから「眠ってしまう」のだとしたら、ブラックが熟睡して起きてくれない理由もすんなり通るし……。
……あの気配に敏いブラックが起きないってのは、やっぱ変だもん。
だから、これが夢じゃないならその可能性があるんじゃないかな。
とはいえ、ヌエさんの何らかの力で「みんな眠っている」のだとしたら、何故俺だけ起きていられるのかは謎なんだけど……。
しかしこの推測が正解なら、一気に謎が解けて万々歳だ。
とにかくヌエさんに聞いてみよう。
「あの、ヌエさん」
「ン。ヌエ」
「そう、ヌエさんに聞きたいことがあるんです。みんなが眠っちゃうのは、ヌエさんの力なんですか?」
合わせた両手を顔の横にくっ付けて寝る仕草をすると、ヌエさんは首を傾げる。
そして、真似をするように自分も袖で隠れた両手を合わせて顔の横につけた。
うーん、やっぱりまだ分からないか……なんて思っていると、急にヌエさんは子供がむずがるように唸り、黒衣のフードを取った。
「んガッ、ガウゥ!!」
鬱陶しい、とでも言いたげに外したフードの下から出て来たのは……
思っても見ない、美形の青年の姿だった。
「あっ……!?」
「ウ?」
青年らしいしっかりとした輪郭に、細く通った鼻梁。
不機嫌そうに歪められた眉の下には、長い睫毛に縁どられた目が有る。いかにも美形な切れ長の三白眼だが、その瞳は赤く瞳孔が猫のように細かった。
でも、驚いたのはそれだけじゃない。
もさもさとボリュームのある髪型は薄い藤色で、毛先が淡い夜空のような濃い青紫に染まっている。今まで見た事のない髪色だ。
しかもそれだけでなく、何と相手は片耳をヘッドフォンで塞いでいた。
えっ。ヘッドフォン!?
いや、この世界にそんなものがあるはずない。多分似たような形の耳当てだ。
でも右の片耳だけについてて、左は外して肩に落ちてるってのに、随分と吸着力のあるヘッドフォン……いや耳当てだなコレ。
「ヌエ、どうシた?」
「あ、いや……初めてヌエさんの顔を見たなって」
ジェスチャーも交えて答えると、ヌエさんは理解したのかふむふむと頷いた。
意思もなんとなく通じ始めたみたいだ。
顔はド派手でギザ歯の近寄りがたい美形ではあるけど、仕草や性格は純粋な子供みたいなんだよな。そのおかげで俺もビビらず話せるのでありがたい……。
「ヌエ、か、お……かお、はジめて?」
「そう。初めて、です」
頷いて、俺はヌエさんの口元に目が行った。
……今までよく見てなかったから気が付かなかったけど、左の顎には口のギリギリにまで伸びる縫い跡が見えるし、右頬は“かさぶた”みたいな色の三角の傷か模様のような物が大と小の二つ付いている。
これは……あれか。狩猟民族の証とかそういうものなのか?
個人的には痛そうだけど、大きく口を開けているから平気なのか。
つい隅々まで顔をじっくり見てしまったが、ヌエさんは気にせず自分の顔を袖の手でもすもすと撫で回していた。
「ヌエ、かお……つ、かサ、かお」
「そうそう、これが俺の顔です」
「かお……」
つーか俺の名前覚えててくれたのか。なんかちょっと嬉しいな。
この調子なら、ヌエさんが熟睡の原因なのかもすぐに質問できそうだ。
そのためにも、今日はもう少しお喋りして言葉を色々覚えて貰おうかな。
「ヌエさん、もっと言葉を覚えませんか? そうしたらいっぱいお喋りできますよ」
「ル?」
「もっと言葉、もっと喋れる」
パクパクと開閉する口の前で手を動かし、喋るジェスチャーをする。
と、既に「もっと」を理解していたヌエさんは、ギザギザの歯を見せて大きく口を笑ませると、袖をパンパンと強く合わせて強く頷いた。
「もっとサべる! ツカサもっと!」
「ははは、喋るですよ。じゃあやりましょっか」
ヌエさんの喜びを利用しているようで心苦しいけど……でも、もしヌエさんが無意識に他の人を眠らせているんだとしたら危ないもんな。
それに……最初に出会った時、ヌエさんは空腹で動けないって感じだったし。
もしかしたら、ヌエさんは自分の能力を自覚してないか、上手く制御できていないのかも知れない。だったら尚更気付いて貰わないと危ないよ。
周囲の人にってのもそうだけど、ヌエさん自身もいざって時に昨日みたいに一人で居なきゃいけなくなる可能性だってあるんだから。
「ツカサ、しゃべル!」
「そうそう、上手いですよヌエさん」
「ウマイ? ニクない」
「あ~、そっちのウマいじゃなくて……」
そうだ、そういう「同音異句」ってのもあるんだった。
全く違う言語の人にこっちの言葉を教えるのって思ったより難しいな。
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とにかく、会話できる程度にしなくっちゃな。
俺は気合いを入れると、向かい側の席に座ってヌエさん専属の国語教師となったのだった。
……赤点スレスレの俺がこんな事をしてるって言ったら、ブラックだけじゃなくて悪友達もきっと笑うだろうなあ……。
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