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七鳴鐘楼モンペルク、月蝕は混沌の影を呼び編
14.そんな変態に惚れたせい
しおりを挟むこ、こんな場所でおっぱじめるってのか。
おいちょっと待て、確実に他人に声を聞かれる場所でヤるなんて何を考えてるんだお前は。なんで自ら恥ずかしい声を人に披露しようとするんだよ!?
し、しかも今からたっぷり楽しむって……どう考えても悪い予感しかしないぞ。
アカン、ここでブラックの為すがままになったら、後々まで消えない傷を心に負う事になってしまう。いやもう今まで色々やってますけどさ、でも人前でえっちな事をしたのだって別に平気だったワケじゃねーからな!?
どれもこれもブラックが無理矢理やらせるから……っ。
ぐ、ぐうう、そう考えたら腹が立って来た。
絶対やらんぞ。絶対にそんなことやらんからな!!
頑張れ、負けるな俺、ここでブラックを押しのけるんだっ!
「そんなことすんのっ、絶対ヤダって……! 中止、こんなの中止だ……!」
耳をにちゃにちゃと嫌な音を立てて舐める顔をどうにか手で押しのけようとする。が、その手を捕まれて拘束されてしまった。
その間に、舌が耳の穴の中に入ってくる。
「~~~~ッ!!」
自分で小指を突っ込むのとは違う、生ぬるくてぬめった感覚。
それだけでも体がぞわぞわして、くすぐったさに耐えかね下腹部に力が入った。
また体が勘違いする。だけど、今はそれに流されている場合ではないのだ。今度と言う今度は、ブラックの思惑通りになってたまるか。
腿にぐっと力を込めて何とか感覚を押し殺しながら、俺は離れようと限界まで首をブラックの顔から遠ざけようと動いた。
けど、そんな俺の努力をあざ笑うかのように、ブラックの舌は易々と追ってくる。
俺が体を傾げてまで逃げようとしても、相手は絶対に逃さないつもりなのか腕の力を強め一層耳を弄り回してきて。
「ハァ……はふっ、ん……つかひゃくん、耳も弱ひれぇ……」
「喋るな……っ、あ゛っ!? やっ、ばかっ手ぇ入れるなって!」
耳が弱いんじゃなくて、アンタが変な事をするから反応しちまうんだよ!
そう返したかったが、俺がツッコミを入れる前にブラックは服の中に手を入れてきやがった。裾から潜り込んで、指を足のように動かしながら胸の方へと迫ってくる手は、俺の体の感触を確かめるように肉を軽く押し込んでくる。
その指が一つ一つ動いて胸の方へ近付いてくる動きは、スケベオヤジのソレだ。
俺が一々反応するのを楽しんでやがる。
だけど、そう理解していても、他人に服の下の素肌を触られる感触は慣れなくて。
反応すればブラックの思うツボだから必死に我慢しようとするのに、耳を舐め回されそのうえ密着しているこの状態ではそれも敵わない。
耳に直接流し込まれるいやらしい音と、熱。顔にかかる吐息は酒のにおいがして、何より抱きしめられていることで心臓がどうしようもなく早鐘を打つ。
これで服の中に手を突っ込まれて触れられたら、そりゃ嫌でも反応しちまうよ。
なんでこう、コイツは俺を追い詰めるんだ。
毎度毎度シチュエーションと言い触り方と言い、これが思い人に対する行為なのかコンチクショウ。でも、ブラックの“愛情表現”を知っているからこそ、そういう風に相手を責める事も出来ない。このオッサンはそういうヤツなんだ。
でも、限度ってもんがあるだろ限度ってモンがあああ。
「ここで、すんの、やだっ、てば……! このっ、離せよバカっ変態ぃ!」
「そんなのツカサ君がよく知ってることじゃない。今更?」
「いまさ……ぁっ、いっ、いやだそこっ」
指が、胸までたどり着く。
だけどそれだけじゃ終わらなくて、指は俺の乳首の先端を軽くトントンと叩くと、焦らすがごとく乳輪の縁をなぞるように指を動かし始めた。
う、うう、こんなの何てことない、はずなのに。
それなのに、恥ずかしいのとブラックに密着されてえっちなことされてるせいで、体が熱くなってこんな事でも下腹部に力が入ってしまう。
直接触れられて執拗に舐め回されている耳と、ぎりぎりの縁を優しく撫でる指。
どちらか一つでも体がぞくぞくするのに、同時にされたらお腹の奥の熱がむず痒い感覚を伴って、徐々に股間に侵食してきて。
ヤバい。このままだと、興奮してるように思われてしまう。
ああもう、なんで男の体ってのは、くすぐったい刺激程度でも簡単に股間が膨らんじまうんだよ。違うんだよ、これは気持ちいいんじゃないんだってば。
でも、そんな言い訳をブラックが聞いてくれると思えない。
むしろ俺を勃起させるために、こんな恥ずかしい事をしてきてるんだ。
それを知っているせいで、また体が過敏になってしまう。
「俺を興奮させてセックスに持ち込みたい」という相手の意図が分かるからこそ、余計にブラックの手の動きに反応してしまうようになってしまっていた。
だけど今回は負けたら確定で恥をかかされるんだ。
そんなの絶対に嫌だー!
「っふふ……変態だって思ってるのに、ツカサ君は僕のこと好きなんでしょ……?」
「ぅ……うぁ、あ……そん、な……こと……」
「好きじゃないと、ツカサ君はこんな風に体を熱くしたり、乳首もこんないやらしく勃起させたりしないもんねえ。ほら、乳輪のトコをぷにぷにするだけで乳首の硬さが指に伝わってくるもの」
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「ひっ……ぅ、っん、んん……っ、でも、こんなの……っ」
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「っう゛!?」
「あはっ! おっ、思わずお尻をきゅっとして、前屈みになっちゃったねえ!」
興奮を隠しきれないような笑い声と吐息を零して、ブラックは少しカサついた唇をわざとらしく動かしながら、俺の耳に卑猥な言葉を吹き込んだ。
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「~~~~……っ」
「ツカサ君、僕のこと大好きだもんねぇ。僕が見つめたら露骨に顔を赤くして、僕にだけいつもメス丸出しの可愛くてやらしい顔してくれるんだもん……。変態だって思ってるのに、そんな僕が好きで仕方なくて、ペニスで雌穴をこじ開けられてメスの体にされちゃったんだよねえ」
ほら、ここをさ。
そんな言葉を至近距離で吹きかけられ、また尻に熱い物が押し付けられる。
上二つの刺激だけでも苦しいのに、お前は更に俺を追い詰めるのか。
いや、違う、こんなので反応する俺の方がおかしいんだ。
だって、デカい何かが尻に押し当てられてるだけなのに、それなのに……ブラックの言うとおり、お腹の奥がぎゅうっとなって熱くなってるなんて。
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……こんな状態のままだと、もうどうすることも出来なくなってしまう。
それは痛いほど解っているのに、逃げられない俺の体はどんどん火照って行って。
もう、ブラックの熱っぽい言葉に、弱々しい反抗しか出来なくなっていた。
「う……や……もぉ、やだ、ってぇ……っ」
足が、震える。
太腿に力を入れて耐えているはずなのに、もう今じゃそれも怪しい。
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でも、やっぱり変態プレイは嫌だ。
野外のだって認めたつもりは無いんだが、でもいざ「声を出せ」って言われたら、絶対にやりたくない。人に「自分がえっちなことをしている」と知られるのは、考えられないほどに恥ずかしいことだった。
……なのに、嫌がる俺をブラックは容赦なく追い詰めてきて。
「イヤなの? でも、僕は変態なんだし……普通のイチャイチャセックスと同じように、ツカサ君が恥ずかしがって泣いて嫌がるセックスもしたいって気持ち、ツカサ君は知ってるでしょ……?」
「しっ、知らないぃ……っ」
いや、知ってるけど、でも言葉にされると拒否したくなるんだよ。
だってそんな、ハイそうですって認めたら、俺まで“そういうプレイが好き”みたいになっちゃうじゃねーか。それだけは違う。
ブラックの事は許容してても、そこは俺は素直にイヤなんだからな!?
ああでも、頭では考えられるのに声に出てこない。
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「知らない? おかしいなぁ……ツカサ君は、僕のこと変態って思ってくれてるんでしょ……? だったら、ぜ~んぶ知っておかないと……」
「っぅ……や、ぁ……っ」
「ツカサ君はぁ、その変態な僕にいっぱい、何度も何度も犯されて……乳首も雌穴もオスにすぐ媚びちゃう体になった挙句に、自分から変態のお嫁さんになることを受け入れたんだよ……。ふふ、ふっ、あはっ、あははっ、だっ、だからねえっ、ツカサ君は、もう一生僕のもの……っ! 恋人いや婚約者になったからには、僕とのこういう変態セックスも受け入れられるようにならないと……っね!」
「っあぁあ! ひっ、や、だっ、あぁっ……!」
興奮のあまり早口で捲し立てられた言葉の最後、同意を求めるような発声と共に、俺の乳首をきゅっと指で挟んで捏ねてきたブラックに、俺は完全に隙を突かれて声を上げてしまう。
咄嗟に口を閉じようとするけど、でも、もう遅かった。
「ほらっ、ほらほらほらぁっ、ツカサ君の勃起乳首、僕の今の言葉でもっと硬くなっちゃってるっ! あははっ、ああっ、ツカサ君の胸柔らかっ……」
「~~~ッ!! もっ、やだっ……揉むなぁ……!」
乳首を弄られるだけでもつらいのに、ブラックはもう片方の手もシャツの中に入れてきて、放っておかれていた方の胸を執拗に揉み始める。
そんなとこを揉んだって何のふくらみも無いってのに、それでもブラックは女性のような胸があるかのように、掌も使って肉を寄せ集めてきて。
「んふっ、つ、ツカサ君の胸……っ、もっとメスらしく取り返しがつかな……いや、しっかり育つように、揉みまくってふんわりして控えめに膨らんだおっぱいにしなくっちゃね……!」
「そんなの望んでない、ぃっ……う、ぅうう……っ、も、やだ……やだってばあ……!」
耳には、未だにブラックの唇がひっついている。
声を逃す方法がない。吹きかけられるぶんだけ体内にその痺れるような低い響きが直接伝わってきて、下腹部の奥が熱くおかしくなる。
それを自覚するたび居た堪れなくなるのに、こんな風に両胸を弄り回されて、お、お尻にはずっとブラックの硬いのが触れていて……どんどん、その硬いのが上に張って大きくなってきて。
こんなの、どう耐えろっていうんだ。
俺、元々ブラックの声に弱いのに。くすぐったいのや、刺激にも弱いのに。
それなのにこんな事されてたんじゃ、逃げられない。
拒否しなきゃいけないのに、声すらもう震え始めて出てこないんだ。でもこのままだと、変態えっちばっかりすることになる。
そんなの恥ずかしくて死んじゃうってば……!
もう、そんなことぐらいしか考えられなくて、俺は勝手に出て来そうになる汁を鼻で啜って必死に堪えながら、どうにかブラックを押し戻そうと両手で頑張った。
けど……。
「んもう、ツカサ君たら今日はいつも以上に抵抗するねえ。……仕方ない……じゃあ久しぶりに縛っちゃおうかなぁ」
「ひっ……!?」
「ツカサ君、僕に縛られてムリヤリ犯されるのも大好きだもんね!」
「す、好きじゃないぃ!」
それだけはハッキリと言えたけど、でももう何の意味も無かった。
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