異世界日帰り漫遊記!

御結頂戴

文字の大きさ
上 下
888 / 952
七鳴鐘楼モンペルク、月蝕は混沌の影を呼び編

  さあ、かつての話をしようじゃないか2

しおりを挟む
 
 
「…………ライクネスの国王に会いに行くのも“それ”が理由か」

 ブラックが、静かに問う。
 動揺しているだろうにそれでもすぐ立て直した姿に、ローレンスさんは笑みを深くすると、これみよがしに足を組み替える。

 一度話を区切る事で、こちらに「落ち着け」とうながしているのだろう。
 それを理解したブラックは再び席に座ると、紅茶の入ったカップにくちを付けた。

「うん。相変わらず洗練された所作だね。見ている方も気持ちがいい」
「……質問の答えは」

 あからさまにイラッとして眉間にしわを寄せるブラックだが、それがの発言だという事も理解しているのか、えて無視をして言葉を重ねる。
 軽く怒った方が冷静になるってのも変な話だけど、ブラックの場合は動揺するよりもイラついていた方が良いらしい。

 ……まあ確かに、ブラックって怒ってても絶対どこかで冷静な部分があって、色々と考えてるもんな……。
 そういうトコが、一級のさらに上である【限定解除級】のうつわということなんだろうか。

 曜術師って自分の感情で威力が変わるから、動揺したり混乱したりする事こそが命とりな部分もあるもんな。これがプロというヤツなのだろう。
 今更いまさらながらにブラックの大人な部分に内心感心している俺に気付かず、二人は話を次の段階に進めていた。

「今の質問に対する答えなら『そうだ』かな。まあ他にも色々とあるんだけど、君達の事で話があるのは確かだね。そしてその話の根本は、盗難事件にある。……かの遺跡の伝承については、いずれ教えるべきだとは思っていたけれど」
「世界協定の裁定員として?」
「そう。……だけど、本音を言えばと思っていた。あまりにも多くの問題を含んだ話だからね。ベーマスでの君達の報告を聞いて、そう言ってもいられなくなってしまったけれど」

 ベーマスでの俺達の報告。
 つまり、それは……。

「ベーマスに土の【アルスノートリア】が居たからですか」

 俺の問いかけに、ローレンスさんは「御名答」と言わんばかりに微笑んだ。

「いいね。話が早い」

 お褒めの言葉を頂いてしまったが、気分は重い。
 “七人の黒曜の使者”の話だけでもだいぶ落ち込むレベルだっていうのに、それらが【アルスノートリア】の事とも関わっているなんて、頭がこんがらがりそうだ。

 出来れば順を追って簡単に説明してほしいな……。
 そんな俺の願いを聞いてくれたのかどうか、ローレンスさんは続けた。

「我が国の贋金にせがね発端ほったんとしたギオンバッハの事件、そしてサービニア号で金の属性たる【アルスノートリア】の【皓珠こうじゅ】が消滅した報告の次に、かず獣人の国である【アルクーダ】を転覆てんぷくさせようとしていた土属性の【礪國れいこく】が、君達の手によって消滅した。……短期間に二件の明確な目撃証言がある。例え、これが全て『偶然』だとしても……どうしたって、気が付く事だろう。『あまりにも、彼らの計画が“今を狙って起こり過ぎている”な』とね」

 確かに……そうだ。
 何が原因でけか分からないけど、でも……最近の俺達の旅には、何故だかの影がちらついていたように思う。

 明確に「彼らのうちの誰か」とは言えないから保留にされているんだろうけど、俺達は【皓珠こうじゅ】のリメインと【礪國れいこく】のアクティーの他に、恐らく「使者を蘇生させる能力」を持っている“月の曜術師”の【アルスノートリア】と何度か出会っている。

 ここ最近の異変に駆り出されて出会うのが彼らなのだから……確かに、ローレンスさんの言うとおり「今を狙って彼らが行動している」ような気がする。

 ……でも、じゃあ、なんで「いま」なんだろう。
 あの遺跡の話もどうして「いま」じゃないと駄目なんだ?

 俺達が過去の【黒曜の使者】の悲劇を知る事に、どんな意味があるんだろう。

 【聖女の光球】が盗まれた事件と何か関係があるのか?

 …………いや、もう、ここまで来たら関係があるんだろうけど。
 でも、そうは思いたくなかった。最悪な事態なんて考えたくも無かったから。

 だけど、ブラックは話を早く終わらせたいのか、果敢かかんに攻め込んでいく。

「要するに、僕達に“かつての悲劇”を見せたのは、【アルスノートリア】が活発に動き出したからってことで良いんだな」
おおむねそうだね」
「……で、その【聖女の光球】を盗んだのも【アルスノートリア】だと?」
「この話の流れで別の存在を犯人と仮定する方が突飛とっぴかも知れないねえ」

 ハハハ、とほがらかに笑いつつ、ローレンスさんは場の緊張など物ともせずお菓子のクッキーに手を伸ばす。
 この状況でお菓子を食べるのは胆力たんりょくが凄すぎる……。

 そのせいでまたブラックの顔に青筋が浮いてしまったが。
 あの、どうか、穏便おんびんにお願いしますよ。

「で、でも目的は何なんです? それに【黒曜の使者】でもなければ封印を解けない光球を持ち去って、何をしようとしてるんでしょうか」

 たまらず、話を進めるために俺の方から質問すると、相手はくちに入れたクッキーを紅茶で飲み下し、ふうと一息ついた。
 そうして、また再びこちらを見やる。

「今は何とも言えないね。だが、今まで散々趣味の悪い悪事あくじを働いてきた者どもだ。意図も無く盗み出すなんて考えられないだろう。だからこそ、彼らと密接に関わる君達を駆り出す羽目はめになったんだ」
「だが、それはイデラゴエリの遺跡の話と何の関係も無いだろう」
「いやあるよ? 大ありだ。だってあの【聖女の光球】は――――

 “七人の黒曜の使者”の一人がいのちして作ったものなんだから」

 ………………。
 七人の黒曜の使者って……あの、ヒナコさん達の……。

 彼らのうちの木属性に相当する人が、黒髪の乙女だったってのか。

 そんな……いや、でも……それなら説明がつく。
 最初に「異邦人の仲間」と一緒に現れた【黒髪の乙女】は、故郷に帰るために旅をしていると言っていた。
 考えてみれば、この世界に送り込まれる【黒曜の使者】は基本的に一人だ。複数の人間が転移してくることは普通ありえない。俺は最初、その事に何とも思わずスルーしてたけど……異邦人の仲間なんて普通出てくるはずが無いんだ。

 【黒曜の使者】だろうとは思ってたけど、彼らが七つの属性に能力を分散させられていたのなら、【黒髪の乙女】が木の曜術しか使えなかったのも納得がいく。
 「使わなかった」んじゃなくて「使えなかった」んだ。

 だから、水を出すことも炎を支配し返すことも出来なかったんだよ。

 いや、でも……アマイアという令嬢の暴走で死んでしまったんだよな。
 【緑国歴程】の話を聞く限り、アマイアはいい人だったはず。
 ヒナコさん達を追い回していた【グリモア】の一人には思えない。

 なのに……彼女の業火によって、【黒髪の乙女】が死んだんだよな……。

 ……それって、ちょっとおかしいような気がする。

 【黒曜の使者】は、基本的に【グリモア】に殺されなければ死ぬことが出来ないはずだ。その制約は、使者の役割が七人にわかたれても生きているはず。

 酷いことをされたまま逃げてきたヒナコさんは、エショーラ領で隠遁いんとん生活を送る内に回復していたようだった。なら、彼らは俺と同様“不死”だったに違いない。
 …………あれ、じゃあ、どうして【黒髪の乙女】は死んだんだ……?

 ああもう、また謎が増えてしまった。
 【聖女の光球】が“七人の黒曜の使者”の一人によって作られたのはわかったし、それを【アルスノートリア】が持ち去ったってことは納得したよ。

 それを説明するために、過去の“七人の黒曜の使者”の話を知る必要があったって事も、理解は出来たけど……それでもやっぱり、モヤモヤする。
 ブラックも同じ気持ちだったのか、不機嫌そうに言葉を返した。

「だとしても虚偽きょぎの依頼で遺跡に向かわせた意味がわからん。口頭こうとうで説明すれば、何もかも簡単に済んだじゃないか」

 うんうん、そうだよな。
 ローレンスさんの話なら、俺だって納得して聞いたはず。

 わざわざ嘘をついてまで重要な遺跡に向かわせた意味が分からない。
 そんな遺跡、人に情報をらしたが最後、荒らされかねないってのにさ。

 ……しかし、そんな俺達にローレンスさんは「やれやれ」と肩をすくめる。

「それじゃあ、答え合わせが出来ないだろう。私が今まで隠していた情報と、君達が見つけた情報を合わせなければ、正確な事実であると言う証拠にはなるまい」
「証拠?」

 聞き返したブラックに、ローレンスさんは再び表情を変える。
 あの、何か含んだところのあるような口だけを微笑ませる笑みに。

「見たんだろう? あの遺跡で……七人の黒曜の使者の名前を」
「……!」
「どんな名前だったかな。その中にこういう名前の女性は居たかい? カオリ。そう、 という不思議な名前の女性は」

 ああ、そうか。
 ローレンスさんは、遺跡の“中身”を把握はあくしていたんだ。当然、伝承のことも知っていたし、書斎にある本の内容もなんとなく予想していたのかも知れない。

 点字は読めなくたってアーラットさんの一族が正確に伝えてきた伝承には、他人に話す必要のない“思い出”もあっただろうし、その中に【黒髪の乙女】につながる情報が隠れていた可能性もある。
 きっと、ヒナコさんは旅立つ前に色々と話してくれていたんだろう。


 だからローレンスさんは、最初からあの遺跡の真実に気付いていて……
 俺達以外の人間が気付かないように、あんな妙な依頼をしてきたんだ。


 それを最初から教えてくれないのは、ちょっと意地悪な気もしたけど……アレは、俺達が自分で見つけなければいけない事だったんだろうな。

 すべては、俺達の目を、過去の陰惨な結末に向けさせるために。
 でなければ、今こんなに【黒曜の使者】と【グリモア】のあやうい関係について考えることも無かったワケだしな……。

「確かに、その名前はった。……だが、それを知ってどうなる? 【聖女の光球】が消えた事件と直接関係あるのか? あんなくだらない過去を教えたのは何の嫌がらせだ」
「まあ待ちなさい。君は本当に他人に興味がないねえ」

 そう言いつつ、ローレンスさんは組んだ足をいて、ふところから何かを取り出した。
 綺麗に折りたたまれたなにかの紙だ。それを開き確認すると、相手はテーブルに紙を置いて、再びくちを開いた。

「……これはあくまで私の推測であって、杞憂きゆうであってほしいと願っているんだがね。もしかしたら彼らは……【死者蘇生】だけでなく、を持っているのかも知れない。そしてそれは……君達にも、およぶ可能性があるのではないかと」

 人を、完全に操る……。

 ……そういえば、この世界には視覚を騙す【幻惑術】はるけど、ような術は聞いた事が無いような気がする。
 ブラックの【グリモア】による【幻術】だって、アレはまぼろしを実体化するだけで「人を操る」というような凶悪な効果は持っていなかった。

 考えてみれば、精神に作用する術なんて今までなかったように思う。
 禁忌になっているんだろうか?

 だとすれば、それを易々やすやすと乗り越える【アルスノートリア】にそういう能力があっても不思議じゃないし、リメインや、ラクシズの街で暴走したフェリシアさんを言葉たくみに操ったのも、そのちからが作用したって事になるかもしれない。

 でも……リメインたちの話を聞く限り、そんな風には思えなかったけどな。

「ただくちが上手いってダケ……じゃ、ないんですか……?」
「そうであって欲しいけどね。だが、こういう事は常に最悪を考えていた方が対処する方法が増える。君達から報告を受けた【皓珠こうじゅ】の件も、ただ言葉がたくみなだけと思いたいが……人を誘導するのに、そこまで簡単に行くものかと言う疑問もあるんだ」

 もう、微笑んではいない。
 何かを真剣に考えて視線をテーブルへ落とす一国の王様に、俺は無意識に背筋を伸ばす。確かに、リメインやフェリシアさんの様子は尋常じゃなかった。
 それに、アクティーも……。

 ………………。
 もしそうだとしたら、怖ろしいことだ。

「だからね、私は“そのような事がり得のか”を問いに、陛下のもとへ向かっているんだよ。もしそうであれば、非常にまずいことになるからね」
「……非常にまずいこと?」
「相手は、曲がりなりにも『七つの悪心【グリモア】をたおすために作られた魔導書』だ。であれば、当然君達に対して有効な力を持っているだろう。そしてそれが……ツカサ君にも効果をもたらす可能性だってあるかも知れない」

 真剣なその言葉に、横に居るブラックが息をんだ。
 あまりにもはっきりと聞こえるほどの驚きに、俺は思わず相手の横顔を見る。

 しかしブラックは瞠目どうもくして固まっているのか、こちらを見返してはくれない。
 何に対してそんなに驚いているのかと俺は目をしばたたかせたが……やがて、ブラックは驚きを隠せないまま、声を絞り出した。

「まさか……アイツらが、ツカサ君を使って【聖女の光球】の守りをこうとしていると言いたいのか……!?」

 ――――…………え……。
 俺を使って、【聖女の光球】をくって……どういうことだ。

 いや、待て。落ち着け俺。
 今の話を考えると……こうか?

 ――【アルスノートリア】は、を持っている可能性がある。
 もしローレンスさんのその懸念けねんが真実であれば、【聖女の光球】を強奪した理由は、あの光球の封印を解く事である可能性が高い。

 だが、【聖女の光球】は【黒曜の使者】でも無い限り解除することは出来ない。

 だから……彼らはを使って俺を利用し、光球の封印を解こうとしている……って、ことでいいのか?

 なら、アイツらは……。

随分ずいぶん回り道してしまったけど……まあ、そういうことだね……。それに、人を操る事が出来るなら、君達【グリモア】の誰かを操って無益な殺し合いをさせる事も可能かも知れない。実際、歴史が【グリモア】の陰惨いんさんな過去を覚えている。そうならない保証はどこにもないだろう? だからこそ、私は用意をしたんだ」
「…………」

 紅茶は、もう冷めてしまった。
 だがその残りを一気に飲み干したローレンスさんは、真剣なまなざしを俺達に向けて、もう一度念を押すように強い語気を含んだ言葉を俺達に放った。

「君達は、仲がいい。だが、だからこそ簡単に壊れてしまう事だってある。……常に、最悪を想定するなら……どれほど目をそむけたくなる事実も、知っておくべきだろう」

 特に、【黒曜の使者】と【グリモア】が、本来どういう関係にあるのかを。

 ――――そう言いたげなローレンスさんの表情は、一国のあるじであることを象徴するかのように、冷静でなんの表情も見えない。

 感情をさとらせない、人の上に立つ人間の表情。
 それだけ、重い言葉なのだ。

「……彼らが、いつ君達に対して行動を起こすかは分からない。私としては、杞憂きゆうであってほしいと願っているがね。……しかし、確かめねばならない。ライクネスの国王陛下は、ありとあらゆる曜術の情報を持っておられる。人の心を操る術に関しても、何か情報があるかも知れない」
「だから、急にこんなことを……」

 「国主卿こくしゅきょう行脚あんぎゃ」は、俺達のためでもあったのか。
 言葉をこぼす俺に、ローレンスさんはようやく薄く微笑む。

「彼らが何故、今になって動き出したのかは、分からない。だが、事を起こし始めた以上、私は【世界協定】の裁定員さいていいんとして黙って見ているワケには行かないのだよ。……この大陸の平和をたもつために」

 国同士の戦争と言う言葉すら忘れてしまいそうになるほど、平穏な大陸。
 それをおびやかす存在が現れたのなら、【世界協定】は動かざるを得なくなるのだろう。

 ――――そう。
 かつて俺が転移してきた時、彼らが俺の抹殺をブラックに頼んだように。

「…………俺達は、これからどうすればいいんでしょうか」

 問いかける俺に、ローレンスさんは笑みを深めた。

「君達は本当に、賢いね」

 それがどんな意味をふくんだ言葉かは、あまり考えたくない。
 だって、深く考えてしまえば……ローレンスさんすら、俺達の敵になってしまうのかも知れないと思い悩むことになってしまいそうだったから。














 
しおりを挟む
感想 1,046

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

側妻になった男の僕。

selen
BL
国王と平民による禁断の主従らぶ。。を書くつもりです(⌒▽⌒)よかったらみてね☆☆

その男、有能につき……

大和撫子
BL
 俺はその日最高に落ち込んでいた。このまま死んで異世界に転生。チート能力を手に入れて最高にリア充な人生を……なんてことが現実に起こる筈もなく。奇しくもその日は俺の二十歳の誕生日だった。初めて飲む酒はヤケ酒で。簡単に酒に呑まれちまった俺はフラフラと渋谷の繁華街を彷徨い歩いた。ふと気づいたら、全く知らない路地(?)に立っていたんだ。そうだな、辺りの建物や雰囲気でいったら……ビクトリア調時代風? て、まさかなぁ。俺、さっきいつもの道を歩いていた筈だよな? どこだよ、ここ。酔いつぶれて寝ちまったのか? 「君、どうかしたのかい?」  その時、背後にフルートみたいに澄んだ柔らかい声が響いた。突然、そう話しかけてくる声に振り向いた。そこにいたのは……。  黄金の髪、真珠の肌、ピンクサファイアの唇、そして光の加減によって深紅からロイヤルブルーに変化する瞳を持った、まるで全身が宝石で出来ているような超絶美形男子だった。えーと、確か電気の光と太陽光で色が変わって見える宝石、あったような……。後で聞いたら、そんな風に光によって赤から青に変化する宝石は『ベキリーブルーガーネット』と言うらしい。何でも、翠から赤に変化するアレキサンドライトよりも非常に希少な代物だそうだ。  彼は|Radius《ラディウス》~ラテン語で「光源」の意味を持つ、|Eternal《エターナル》王家の次男らしい。何だか分からない内に彼に気に入られた俺は、エターナル王家第二王子の専属侍従として仕える事になっちまったんだ! しかもゆくゆくは執事になって欲しいんだとか。  だけど彼は第二王子。専属についている秘書を始め護衛役や美容師、マッサージ師などなど。数多く王子と密に接する男たちは沢山いる。そんな訳で、まずは見習いから、と彼らの指導のもと、仕事を覚えていく訳だけど……。皆、王子の寵愛を独占しようと日々蹴落としあって熾烈な争いは日常茶飯事だった。そんな中、得体の知れない俺が王子直々で専属侍従にする、なんていうもんだから、そいつらから様々な嫌がらせを受けたりするようになっちまって。それは日増しにエスカレートしていく。  大丈夫か? こんな「ムササビの五能」な俺……果たしてこのまま皇子の寵愛を受け続ける事が出来るんだろうか?  更には、第一王子も登場。まるで第二王子に対抗するかのように俺を引き抜こうとしてみたり、波乱の予感しかしない。どうなる? 俺?!

俺だけ永久リジェネな件 〜パーティーを追放されたポーション生成師の俺、ポーションがぶ飲みで得た無限回復スキルを何故かみんなに狙われてます!〜

早見羽流
ファンタジー
ポーション生成師のリックは、回復魔法使いのアリシアがパーティーに加入したことで、役たたずだと追放されてしまう。 食い物に困って余ったポーションを飲みまくっていたら、気づくとHPが自動で回復する「リジェネレーション」というユニークスキルを発現した! しかし、そんな便利なスキルが放っておかれるわけもなく、はぐれ者の魔女、孤高の天才幼女、マッドサイエンティスト、魔女狩り集団、最強の仮面騎士、深窓の令嬢、王族、謎の巨乳魔術師、エルフetc、ヤバい奴らに狙われることに……。挙句の果てには人助けのために、危険な組織と対決することになって……? 「俺はただ平和に暮らしたいだけなんだぁぁぁぁぁ!!!」 そんなリックの叫びも虚しく、王国中を巻き込んだ動乱に巻き込まれていく。 無双あり、ざまぁあり、ハーレムあり、戦闘あり、友情も恋愛もありのドタバタファンタジー!

義兄の愛が重すぎて、悪役令息できないのですが…!

ずー子
BL
戦争に負けた貴族の子息であるレイナードは、人質として異国のアドラー家に送り込まれる。彼の使命は内情を探り、敗戦国として奪われたものを取り返すこと。アドラー家が更なる力を付けないように監視を託されたレイナード。まずは好かれようと努力した結果は実を結び、新しい家族から絶大な信頼を得て、特に気難しいと言われている長男ヴィルヘルムからは「右腕」と言われるように。だけど、内心罪悪感が募る日々。正直「もう楽になりたい」と思っているのに。 「安心しろ。結婚なんかしない。僕が一番大切なのはお前だよ」 なんだか義兄の様子がおかしいのですが…? このままじゃ、スパイも悪役令息も出来そうにないよ! ファンタジーラブコメBLです。 平日毎日更新を目標に頑張ってます。応援や感想頂けると励みになります♡ 【登場人物】 攻→ヴィルヘルム 完璧超人。真面目で自信家。良き跡継ぎ、良き兄、良き息子であろうとし続ける、実直な男だが、興味関心がない相手にはどこまでも無関心で辛辣。当初は異国の使者だと思っていたレイナードを警戒していたが… 受→レイナード 和平交渉の一環で異国のアドラー家に人質として出された。主人公。立ち位置をよく理解しており、計算せずとも人から好かれる。常に兄を立てて陰で支える立場にいる。課せられた使命と現状に悩みつつある上に、義兄の様子もおかしくて、いろんな意味で気苦労の絶えない。

【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた

きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました! 「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」 魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。 魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。 信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。 悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。 かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。 ※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。 ※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

処理中です...