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七鳴鐘楼モンペルク、月蝕は混沌の影を呼び編
さあ、かつての話をしようじゃないか2
しおりを挟む「…………ライクネスの国王に会いに行くのも“それ”が理由か」
ブラックが、静かに問う。
動揺しているだろうにそれでもすぐ立て直した姿に、ローレンスさんは笑みを深くすると、これみよがしに足を組み替える。
一度話を区切る事で、こちらに「落ち着け」と促しているのだろう。
それを理解したブラックは再び席に座ると、紅茶の入ったカップに口を付けた。
「うん。相変わらず洗練された所作だね。見ている方も気持ちがいい」
「……質問の答えは」
あからさまにイラッとして眉間に皺を寄せるブラックだが、それがわざとの発言だという事も理解しているのか、敢えて無視をして言葉を重ねる。
軽く怒った方が冷静になるってのも変な話だけど、ブラックの場合は動揺するよりもイラついていた方が良いらしい。
……まあ確かに、ブラックって怒ってても絶対どこかで冷静な部分があって、色々と考えてるもんな……。
そういうトコが、一級の更に上である【限定解除級】の器ということなんだろうか。
曜術師って自分の感情で威力が変わるから、動揺したり混乱したりする事こそが命とりな部分もあるもんな。これがプロというヤツなのだろう。
今更ながらにブラックの大人な部分に内心感心している俺に気付かず、二人は話を次の段階に進めていた。
「今の質問に対する答えなら『そうだ』かな。まあ他にも色々とあるんだけど、君達の事で話があるのは確かだね。そしてその話の根本は、盗難事件にある。……かの遺跡の伝承については、いずれ教えるべきだとは思っていたけれど」
「世界協定の裁定員として?」
「そう。……だけど、本音を言えば今ではないと思っていた。あまりにも多くの問題を含んだ話だからね。ベーマスでの君達の報告を聞いて、そう言ってもいられなくなってしまったけれど」
ベーマスでの俺達の報告。
つまり、それは……。
「ベーマスに土の【アルスノートリア】が居たからですか」
俺の問いかけに、ローレンスさんは「御名答」と言わんばかりに微笑んだ。
「いいね。話が早い」
お褒めの言葉を頂いてしまったが、気分は重い。
“七人の黒曜の使者”の話だけでもだいぶ落ち込むレベルだっていうのに、それらが【アルスノートリア】の事とも関わっているなんて、頭がこんがらがりそうだ。
出来れば順を追って簡単に説明してほしいな……。
そんな俺の願いを聞いてくれたのかどうか、ローレンスさんは続けた。
「我が国の贋金を発端としたギオンバッハの事件、そしてサービニア号で金の属性たる【アルスノートリア】の【皓珠】が消滅した報告の次に、間も置かず獣人の国である【アルクーダ】を転覆させようとしていた土属性の【礪國】が、君達の手によって消滅した。……短期間に二件の明確な目撃証言がある。例え、これが全て『偶然』だとしても……どうしたって、気が付く事だろう。『あまりにも、彼らの計画が“今を狙って起こり過ぎている”な』とね」
確かに……そうだ。
何が原因で切っ掛けか分からないけど、でも……最近の俺達の旅には、何故だか彼らの影がちらついていたように思う。
明確に「彼らのうちの誰か」とは言えないから保留にされているんだろうけど、俺達は【皓珠】のリメインと【礪國】のアクティーの他に、恐らく「使者を蘇生させる能力」を持っている“月の曜術師”の【アルスノートリア】と何度か出会っている。
ここ最近の異変に駆り出されて出会うのが彼らなのだから……確かに、ローレンスさんの言うとおり「今を狙って彼らが行動している」ような気がする。
……でも、じゃあ、なんで「いま」なんだろう。
あの遺跡の話もどうして「いま」じゃないと駄目なんだ?
俺達が過去の【黒曜の使者】の悲劇を知る事に、どんな意味があるんだろう。
【聖女の光球】が盗まれた事件と何か関係があるのか?
…………いや、もう、ここまで来たら関係があるんだろうけど。
でも、そうは思いたくなかった。最悪な事態なんて考えたくも無かったから。
だけど、ブラックは話を早く終わらせたいのか、果敢に攻め込んでいく。
「要するに、僕達に“かつての悲劇”を見せたのは、【アルスノートリア】が活発に動き出したからってことで良いんだな」
「概ねそうだね」
「……で、その【聖女の光球】を盗んだのも【アルスノートリア】だと?」
「この話の流れで別の存在を犯人と仮定する方が突飛かも知れないねえ」
ハハハ、と朗らかに笑いつつ、ローレンスさんは場の緊張など物ともせずお菓子のクッキーに手を伸ばす。
この状況でお菓子を食べるのは胆力が凄すぎる……。
そのせいでまたブラックの顔に青筋が浮いてしまったが。
あの、どうか、穏便にお願いしますよ。
「で、でも目的は何なんです? それに【黒曜の使者】でもなければ封印を解けない光球を持ち去って、何をしようとしてるんでしょうか」
たまらず、話を進めるために俺の方から質問すると、相手は口に入れたクッキーを紅茶で飲み下し、ふうと一息ついた。
そうして、また再びこちらを見やる。
「今は何とも言えないね。だが、今まで散々趣味の悪い悪事を働いてきた者どもだ。意図も無く盗み出すなんて考えられないだろう。だからこそ、彼らと密接に関わる君達を駆り出す羽目になったんだ」
「だが、それはイデラゴエリの遺跡の話と何の関係も無いだろう」
「いやあるよ? 大ありだ。だってあの【聖女の光球】は――――
“七人の黒曜の使者”の一人が命を賭して作ったものなんだから」
………………。
七人の黒曜の使者って……あの、ヒナコさん達の……。
彼らのうちの木属性に相当する人が、黒髪の乙女だったってのか。
そんな……いや、でも……それなら説明がつく。
最初に「異邦人の仲間」と一緒に現れた【黒髪の乙女】は、故郷に帰るために旅をしていると言っていた。
考えてみれば、この世界に送り込まれる【黒曜の使者】は基本的に一人だ。複数の人間が転移してくることは普通ありえない。俺は最初、その事に何とも思わずスルーしてたけど……異邦人の仲間なんて普通出てくるはずが無いんだ。
【黒曜の使者】だろうとは思ってたけど、彼らが七つの属性に能力を分散させられていたのなら、【黒髪の乙女】が木の曜術しか使えなかったのも納得がいく。
「使わなかった」んじゃなくて「使えなかった」んだ。
だから、水を出すことも炎を支配し返すことも出来なかったんだよ。
いや、でも……アマイアという令嬢の暴走で死んでしまったんだよな。
【緑国歴程】の話を聞く限り、アマイアはいい人だったはず。
ヒナコさん達を追い回していた【グリモア】の一人には思えない。
なのに……彼女の業火によって、【黒髪の乙女】が死んだんだよな……。
……それって、ちょっとおかしいような気がする。
【黒曜の使者】は、基本的に【グリモア】に殺されなければ死ぬことが出来ないはずだ。その制約は、使者の役割が七人に別たれても生きているはず。
酷いことをされたまま逃げてきたヒナコさんは、エショーラ領で隠遁生活を送る内に回復していたようだった。なら、彼らは俺と同様“不死”だったに違いない。
…………あれ、じゃあ、どうして【黒髪の乙女】は死んだんだ……?
ああもう、また謎が増えてしまった。
【聖女の光球】が“七人の黒曜の使者”の一人によって作られたのは解ったし、それを【アルスノートリア】が持ち去ったってことは納得したよ。
それを説明するために、過去の“七人の黒曜の使者”の話を知る必要があったって事も、理解は出来たけど……それでもやっぱり、モヤモヤする。
ブラックも同じ気持ちだったのか、不機嫌そうに言葉を返した。
「だとしても虚偽の依頼で遺跡に向かわせた意味がわからん。口頭で説明すれば、何もかも簡単に済んだじゃないか」
うんうん、そうだよな。
ローレンスさんの話なら、俺だって納得して聞いたはず。
わざわざ嘘をついてまで重要な遺跡に向かわせた意味が分からない。
そんな遺跡、人に情報を漏らしたが最後、荒らされかねないってのにさ。
……しかし、そんな俺達にローレンスさんは「やれやれ」と肩を竦める。
「それじゃあ、答え合わせが出来ないだろう。私が今まで隠していた情報と、君達が見つけた情報を合わせなければ、正確な事実であると言う証拠にはなるまい」
「証拠?」
聞き返したブラックに、ローレンスさんは再び表情を変える。
あの、何か含んだところのあるような口だけを微笑ませる笑みに。
「見たんだろう? あの遺跡で……七人の黒曜の使者の名前を」
「……!」
「どんな名前だったかな。その中にこういう名前の女性は居たかい? カオリ。そう、コバタ カオリという不思議な名前の女性は」
ああ、そうか。
ローレンスさんは、遺跡の“中身”を把握していたんだ。当然、伝承のことも知っていたし、書斎にある本の内容もなんとなく予想していたのかも知れない。
点字は読めなくたってアーラットさんの一族が正確に伝えてきた伝承には、他人に話す必要のない“思い出”もあっただろうし、その中に【黒髪の乙女】につながる情報が隠れていた可能性もある。
きっと、ヒナコさんは旅立つ前に色々と話してくれていたんだろう。
だからローレンスさんは、最初からあの遺跡の真実に気付いていて……
俺達以外の人間が気付かないように、あんな妙な依頼をしてきたんだ。
それを最初から教えてくれないのは、ちょっと意地悪な気もしたけど……アレは、俺達が自分で見つけなければいけない事だったんだろうな。
すべては、俺達の目を、過去の陰惨な結末に向けさせるために。
でなければ、今こんなに【黒曜の使者】と【グリモア】の危うい関係について考えることも無かったワケだしな……。
「確かに、その名前は在った。……だが、それを知ってどうなる? 【聖女の光球】が消えた事件と直接関係あるのか? あんな下らない過去を教えたのは何の嫌がらせだ」
「まあ待ちなさい。君は本当に他人に興味がないねえ」
そう言いつつ、ローレンスさんは組んだ足を解いて、懐から何かを取り出した。
綺麗に折りたたまれたなにかの紙だ。それを開き確認すると、相手はテーブルに紙を置いて、再び口を開いた。
「……これはあくまで私の推測であって、杞憂であってほしいと願っているんだがね。もしかしたら彼らは……【死者蘇生】だけでなく、人を完全に操り得る力を持っているのかも知れない。そしてそれは……君達にも、及ぶ可能性があるのではないかと」
人を、完全に操る……。
……そういえば、この世界には視覚を騙す【幻惑術】は在るけど、人の心を完全に操るような術は聞いた事が無いような気がする。
ブラックの【グリモア】による【幻術】だって、アレは幻を実体化するだけで「人を操る」というような凶悪な効果は持っていなかった。
考えてみれば、精神に作用する術なんて今までなかったように思う。
禁忌になっているんだろうか?
だとすれば、それを易々と乗り越える【アルスノートリア】にそういう能力があっても不思議じゃないし、リメインや、ラクシズの街で暴走したフェリシアさんを言葉巧みに操ったのも、その力が作用したって事になるかもしれない。
でも……リメインたちの話を聞く限り、そんな風には思えなかったけどな。
「ただ口が上手いってダケ……じゃ、ないんですか……?」
「そうであって欲しいけどね。だが、こういう事は常に最悪を考えていた方が対処する方法が増える。君達から報告を受けた【皓珠】の件も、ただ言葉が巧みなだけと思いたいが……人を誘導するのに、そこまで簡単に行くものかと言う疑問もあるんだ」
もう、微笑んではいない。
何かを真剣に考えて視線をテーブルへ落とす一国の王様に、俺は無意識に背筋を伸ばす。確かに、リメインやフェリシアさんの様子は尋常じゃなかった。
それに、アクティーも……。
………………。
もしそうだとしたら、怖ろしいことだ。
「だからね、私は“そのような事が在り得るのか”を問いに、陛下の許へ向かっているんだよ。もしそうであれば、非常にまずいことになるからね」
「……非常にまずいこと?」
「相手は、曲がりなりにも『七つの悪心【グリモア】を斃すために作られた魔導書』だ。であれば、当然君達に対して有効な力を持っているだろう。そしてそれが……ツカサ君にも効果をもたらす可能性だってあるかも知れない」
真剣なその言葉に、横に居るブラックが息を呑んだ。
あまりにもはっきりと聞こえるほどの驚きに、俺は思わず相手の横顔を見る。
しかしブラックは瞠目して固まっているのか、こちらを見返してはくれない。
何に対してそんなに驚いているのかと俺は目を瞬かせたが……やがて、ブラックは驚きを隠せないまま、声を絞り出した。
「まさか……アイツらが、ツカサ君を使って【聖女の光球】の守りを解こうとしていると言いたいのか……!?」
――――…………え……。
俺を使って、【聖女の光球】を解くって……どういうことだ。
いや、待て。落ち着け俺。
今の話を考えると……こうか?
――【アルスノートリア】は、人を操る能力を持っている可能性がある。
もしローレンスさんのその懸念が真実であれば、【聖女の光球】を強奪した理由は、あの光球の封印を解く事である可能性が高い。
だが、【聖女の光球】は【黒曜の使者】でも無い限り解除することは出来ない。
だから……彼らは人を操る術を使って俺を利用し、光球の封印を解こうとしている……って、ことでいいのか?
なら、アイツらは……。
「随分回り道してしまったけど……まあ、そういうことだね……。それに、人を操る事が出来るなら、君達【グリモア】の誰かを操って無益な殺し合いをさせる事も可能かも知れない。実際、歴史が【グリモア】の陰惨な過去を覚えている。そうならない保証はどこにもないだろう? だからこそ、私は用意をしたんだ」
「…………」
紅茶は、もう冷めてしまった。
だがその残りを一気に飲み干したローレンスさんは、真剣なまなざしを俺達に向けて、もう一度念を押すように強い語気を含んだ言葉を俺達に放った。
「君達は、仲がいい。だが、だからこそ簡単に壊れてしまう事だってある。……常に、最悪を想定するなら……どれほど目を背けたくなる事実も、知っておくべきだろう」
特に、【黒曜の使者】と【グリモア】が、本来どういう関係にあるのかを。
――――そう言いたげなローレンスさんの表情は、一国の主であることを象徴するかのように、冷静でなんの表情も見えない。
感情を悟らせない、人の上に立つ人間の表情。
それだけ、重い言葉なのだ。
「……彼らが、いつ君達に対して行動を起こすかは分からない。私としては、杞憂であってほしいと願っているがね。……しかし、確かめねばならない。ライクネスの国王陛下は、ありとあらゆる曜術の情報を持っておられる。人の心を操る術に関しても、何か情報があるかも知れない」
「だから、急にこんなことを……」
「国主卿行脚」は、俺達の為でもあったのか。
言葉を零す俺に、ローレンスさんはようやく薄く微笑む。
「彼らが何故、今になって動き出したのかは、分からない。だが、事を起こし始めた以上、私は【世界協定】の裁定員として黙って見ているワケには行かないのだよ。……この大陸の平和を保つために」
国同士の戦争と言う言葉すら忘れてしまいそうになるほど、平穏な大陸。
それを脅かす存在が現れたのなら、【世界協定】は動かざるを得なくなるのだろう。
――――そう。
かつて俺が転移してきた時、彼らが俺の抹殺をブラックに頼んだように。
「…………俺達は、これからどうすればいいんでしょうか」
問いかける俺に、ローレンスさんは笑みを深めた。
「君達は本当に、賢いね」
それがどんな意味を含んだ言葉かは、あまり考えたくない。
だって、深く考えてしまえば……ローレンスさんすら、俺達の敵になってしまうのかも知れないと思い悩むことになってしまいそうだったから。
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