異世界日帰り漫遊記!

御結頂戴

文字の大きさ
上 下
869 / 957
麗憶高原イデラゴエリ、賢者が遺すは虚像の糸編

  隔てられた世界を感じて2*

しおりを挟む
 
 
 …………ここで、素直に教えていいものだろうか。

 でも、別に「光明真言こうみょうしんごん」は誰かに懇切丁寧こんせつていねいに教えて貰ったんじゃなくて、俺がちゃんと自分で復唱して覚えただけだ。
 そりゃ、最初はシベに答えを教えて貰ってたけどさ。

 けれどもそれならブラックの言う「教えて貰った」とは違うはずだよな。
 俺自身が、自分で覚えたんだ。
 そう言えばいい。……良い、はずなんだけど……。

「じっ……じぶん、で……ふくしょっぉっう゛っ、ぅぁあっ! やめっ、い、いまそれしないでえっ……!」
「自分で復唱して覚えた? ……僕が言いたいのはそうじゃ無くて……ツカサ君に、宗教の専門的な言葉を教えたヤツがいるんでしょって話だよ。……ソイツ、ツカサ君のナニ? おともだち? それとも……」
「ひう゛ぅ!? やっぁ゛っあぁあ!」

 ヤダ、いやだ、そんな先っぽグリグリするなあ……!!

 腰がびくびくして、おかしくなる。汗が出る、こ、こんな状態のままひっつくのやだ。
 変になってるのブラックに知られる、このままだと、ホントに無理……っ!

「ソイツ、ツカサ君にとってどんな人なのかなぁ。僕知りたいなぁ」
「わかっ、ぁ゛っ、ひぐっ、ひっ、ぃう……言うっ、言うからぁあ!」

 なんとか声をしぼすけど、叫んでるみたいになってしまう。
 だって、ブラックが先端だけ手でおおって、にちゃにちゃって変な音させるから。
 て、てのひら、で、いっぱいこするから……っ!

「じゃあ教えてくれる? 名前とか、ツカサ君との関係とか……」
「ぁ、う゛……うぅ……言うから、も……こ、これ、やめて……!」
「だーめ。しっかり抱きしめててあげるから、ちゃんと答えて? ほら、思い出しやすいように、の方を向いてさあ」

 だ、だから……それがイヤなんだって。
 こんな、もう、隠せないくらい勃起して、先走りが凄くれてるのが分かるくらい、おちんちんになすりつけられて、すごく最低な格好してるのに。

 なのに……こんな、こんなカッコするとこじゃない、建物の前で……っ。

 ……うう……こんなことしてたら、戻った時にシベの顔見らんないぃ……。

「ツカサ君?」

 ダメ押しみたいに、ブラックがささやいてくる。
 くそ……ちくしょ……もう、バカ、しらない、全部知らない……!

「と……とも、だち……友達、っ、に、ぃ……お、おしえ……っ、へ……もらっ、ぁっぅ、ぅあぁっ……!」
「友達? へぇ~。どんな名前? どんなヤツなの?」
「ひぐっ、ぅ……うう……し……シベ、って……ヤツで……っ。あっ……あたま、ぁっあぁっ……! よく、て……!」

 そうだ。
 シベは、頭が良くて優等生だ。しかも、俺が知らない事を色々知っている。
 別荘とかナントカってのの前に、アイツは博識なんだよ。だから俺は、シベだったらと思って、あの謎の図形を見せたりして……。

「シベ、ね。……そっかぁ。頭いいんだぁ。もしかして……ツカサ君、あっちの世界で、そのシベって奴と……凄く親しくしてるの……?」
「ふあぁあっ!? ひっ、ぃああっ、い゛っ。いぎなっあ゛っあぁあ!!」
「そのシベくんは、どのくらい頭がいいの? 僕よりたよりになる? ねえ。ツカサ君」

 答、え……られ、ない……っ。
 ブラックがいっぱいいじるから、そっちにばっか意識がいって、おちんちんをいっぱいこすられて頭が気持ちいいのに塗りつぶされて、声が変になってしまう。

 なんだっけ、ちゃんと答えたんだっけ。
 ああ、もう、ブラックが、お、俺のおちんちん、いっぱいいじめるから……っ!

「つーかーさー君? ねえ、どうして最初に、その友達とかいう“シベ”とやらの話をしてくれなかったの? もしかして……僕に話せないような関係だった?」
「ちがっ、ぁっ、違うっ、違うぅ! らって、やっ、ぁっやや、こじぐっなるからぁ……!」

 そうだよ。それ以上でもそれ以下でもない。
 アッチの世界での俺の状況を話すとブラックが心配するだろうから、だからシベの事も話さない方が良い思って黙ってただけなんだ。

 別に、変な関係じゃない。
 いやまあ悪友だし、今は事情があって変なことにはなってるけど。
 でも、ブラックがかんぐるような関係じゃない。それは確かなのに。

「ややこしくなる? ……時間のズレといい、シベとやらのことを話さなかった事といい……やっぱりツカサ君、僕に何か隠してるよね」

 手が、やっと止まる。
 でもブラックの声がやけに低くて、いつもみたいに俺を楽しんで弄んでいるようには思えなかった。……なんだか、怒っている……みたいな……。

「ブラ、ック……」
「……僕には、アッチの世界のこと、話してくれないの? どうして隠すの。あっちの世界と関係ないから? 僕に話してもどうにもならないから……?」

 怒っているような、悲しそうな声。
 俺を抱きしめている片腕がさっきよりちからを増した気がして、俺は反射的に体をビクリと震わせてしまう。

 頭がぼうっとしていてしっかり考えられていないような気がするけど、でも、ブラックが悲しんでいるのは確かだ。
 そんなつもりは無かったけど、隠し事をしていたせいで傷つけてしまったらしい。

 ……でも……確かにそうだよな。
 大事な人に頼って貰えないのは、さびしいし悲しい。それに、何も言って貰えないのは、信用されてないからじゃないかって、そこまで思ってしまう。

 俺だって……ブラックに同じことをされたら、悲しいだろう。

 …………心配かけたくなかったから、そのせいで、必要以上に色んなことを隠してしまっていたのかも知れない……。

 そう思うと申し訳なくなり、俺はあらい息を呑みこみブラックの腕に手をえた。

「ごめ、ん……。でも……アンタに、心配かけたくなくって……関係ない話して、変にヤキモキさせたくないって、思ったから……」
「……だから、友達の話もしてくれなかったの……?」
「う、うん……だって、シベはただの友達なのに……変に話題に出したら……あ……アンタが、ヤキモチ焼くんじゃないかって、思って……」

 本当の理由は違うけど、でもこれも本音だ。
 ブラックの性格なら俺が「シベに教えて貰った!」と褒めれば褒めるほど機嫌が悪くなるだろうし、痛くもない腹を探って来ただろう。

 けど正直、俺とシベはまったくそんな関係に成り得ない。
 俺は女の子が好きでイケメンは嫌いだし、シベはノーマルだ。それに、お……俺は、ブラックと、こいびと……どうし……だし……。

 だ、だから、気が合う友人以上の関係には成り得ないのだ。
 でも、まあ……そんなこと言ったって、ブラックが向こうの世界に行けない以上不安はあるよな。俺だって、もし逆の立場なら嫉妬していたかもしれない。

 その……やっぱりブラックって、モテるし……。

 だから、つかったつもりだったんだけど、逆効果だったんだな。
 必要な事だけ話せば良かったのに、変に全部隠したからいけなかったのか。

「…………ホントに、そのシベって子とは友達?」

 ねたような口調で聞いてくるブラック。
 俺はいまだに息が整わなかったけど、しっかりうなずいてやった。

「い……いけ、すかない、けど……悪友……っ。頭、いいし……何でも知ってる、から、教えて貰って……でも、ブラックの方が……色々、知ってるから……」

 それは間違いないはずだ。
 ……だって、シベがいくら優等生だと言っても、何千冊もの本の記憶を覚えたままにしておけるはずがない。それに、冒険者としての知恵があって俺達より年上で経験豊富なブラックなのだ。童貞の俺達が勝てる要素はないだろう。

 顔とかだって……お、俺からすれば、ブラックのが、格好、いいし……。

 …………って、俺、なにをそんなに褒めてるんだよ。
 は、恥ずかしくなってきた……。

「ツカサ君……そんなに僕のことを……」

 う……そ、そうだ、コイツ俺の心を読むんだった。
 じゃあ、今の気持ちもしっかり筒抜けだったんだろうか。あああ、また恥ずかしい!

「だ、だからそういうんじゃなくて! ホントにダチなだけなんだって……っ」
「うんうん、そうだよねえ。僕がいるんだもんね。ツカサ君は、誰よりも僕が頼りになると思ってるから、そんな可愛いこと言ってくれたんだよねえ……! ああっ……ちょっと安心したらまた興奮してきちゃった……」

 ……正直今ので安心できたんだろうかと不安だったのだが、俺の本心は伝わってしまったのか、ブラックが再び元気になり始めた。
 そうして、今度は何を思ったのか俺のケツに手を這わせてきて。

「やっ……ぶ、ブラック今は……っ」
「ああっ……ツカサ君……ツカサ君は僕だけ、僕だけの恋人……っ」
「ふあぁっ!?」

 ブラックは再び俺の股間に手を伸ばすと、また俺のおちんちんを指で弄び始める。だけど今回はそれだけじゃなくて……ダダ漏れしている先走りをたっぷり絡ませると。そのまま手を俺のケツへと持って行こうとするではないか。

 こ、これ……こんなの、間違いなく……っ。

「ブラックっ……! こ、ここでするのは……っ」
「大丈夫、ちゃぁんとほぐすから。ツカサ君が全部ワケわかんなくなっちゃうくらい、メス穴をいっぱいにして僕達が恋人同士だっていう実感を分かち合おうねえ!」

 そ、そうじゃなくてっ、違う、俺が言いたいのはそんなことじゃない!
 つーか分かち合わなくても充分感じてます、こんな事してる時点でもう俺としてはいっぱいいっぱいにコイビトしてるんだってば!

 なのにっ……ひっ、ゆ、指が尻の谷間に入ってくる。
 濡れてる指がすぼまりにぴったり張り付いて来て、ぐって、お、押してきて……っ。

「やっ……こ、こんなとこでするのやだぁ……っ」
「大丈夫、大丈夫だよぉ、ツカサ君……。アッチに帰っても忘れられないように、この場所でたくさんメス穴を犯して僕とのセックスを記憶に刻み付けてあげるから……!」

 だーもー、全然落ち着いてないぃ!
 俺がアンタを思って反省したさっきの気持ちはなんだったんだよ!

 あ、アンタがシベを気にしてると思ったから、だから俺だって出来るだけ誠意をしめしたのに。なのに結局、こんな罰当たりな場所でえっちするなんて……――

「っあぁあ! やっ、あ゛……指、ぃ゛……!」
「そのうち、気にならなくなるよ……だって、ツカサ君は今からたくさん絶頂することになるんだからね……。ふっ、ふふっ……いっぱい気持ち良くなろうね……!」

 不穏ふおんな事を言われながら、太くて大きな指がナカに差しこまれる。
 どうにか反論しようと思ったけど、そうなるともう無理だった。

 体がもう、覚えてしまっている。
 どんなに「向こうの世界」の雰囲気がある場所に居ても、俺の体はもうブラックとのえっちを覚えてしまっていて、体がどうしようもなく反応してしまうんだ。
 俺はもう、普通じゃない。ブラックのメスにさせられてしまったんだ。

 だから、こんな……罰当たりなのに……また、おちんちんが元気になってる。

 …………俺、あっちに戻っても、もうしばらくお寺に行けない……っ。

 ブラックに触れられるとどうしても勝てなくて。理性も、ゆるんでしまって。
 どんどん俺の中のまともな意識が消え去ってしまう。

 正気に戻ったら絶対に頭を抱えるのに、なのに、もう。

「ツカサ君……早く挿れたいよぉ……っ」

 耳元で、切なそうな低い声を吹きかけられたら――――
 考えていることが、全部吹き飛んでしまった。













 
しおりを挟む
感想 1,052

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

無名の三流テイマーは王都のはずれでのんびり暮らす~でも、国家の要職に就く弟子たちがなぜか頼ってきます~

鈴木竜一
ファンタジー
※本作の書籍化が決定いたしました!  詳細は近況ボードに載せていきます! 「もうおまえたちに教えることは何もない――いや、マジで!」 特にこれといった功績を挙げず、ダラダラと冒険者生活を続けてきた無名冒険者兼テイマーのバーツ。今日も危険とは無縁の安全な採集クエストをこなして飯代を稼げたことを喜ぶ彼の前に、自分を「師匠」と呼ぶ若い女性・ノエリ―が現れる。弟子をとった記憶のないバーツだったが、十年ほど前に当時惚れていた女性にいいところを見せようと、彼女が運営する施設の子どもたちにテイマーとしての心得を説いたことを思い出す。ノエリ―はその時にいた子どものひとりだったのだ。彼女曰く、師匠であるバーツの教えを守って修行を続けた結果、あの時の弟子たちはみんな国にとって欠かせない重要な役職に就いて繁栄に貢献しているという。すべては師匠であるバーツのおかげだと信じるノエリ―は、彼に王都へと移り住んでもらい、その教えを広めてほしいとお願いに来たのだ。 しかし、自身をただのしがない無名の三流冒険者だと思っているバーツは、そんな指導力はないと語る――が、そう思っているのは本人のみで、実はバーツはテイマーとしてだけでなく、【育成者】としてもとんでもない資質を持っていた。 バーツはノエリ―に押し切られる形で王都へと出向くことになるのだが、そこで立派に成長した弟子たちと再会。さらに、かつてテイムしていたが、諸事情で契約を解除した魔獣たちも、いつかバーツに再会することを夢見て自主的に鍛錬を続けており、気がつけばSランクを越える神獣へと進化していて―― こうして、無名のテイマー・バーツは慕ってくれる可愛い弟子や懐いている神獣たちとともにさまざまな国家絡みのトラブルを解決していき、気づけば国家の重要ポストの候補にまで名を連ねるが、当人は「勘弁してくれ」と困惑気味。そんなバーツは今日も王都のはずれにある運河のほとりに建てられた小屋を拠点に畑をしたり釣りをしたり、今日ものんびり暮らしつつ、弟子たちからの依頼をこなすのだった。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい

金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。 私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。 勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。 なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。 ※小説家になろうさんにも投稿しています。

ある少年の体調不良について

雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。 BLもしくはブロマンス小説。 体調不良描写があります。

兄たちが弟を可愛がりすぎです

クロユキ
BL
俺が風邪で寝ていた目が覚めたら異世界!? メイド、王子って、俺も王子!? おっと、俺の自己紹介忘れてた!俺の、名前は坂田春人高校二年、別世界にウィル王子の身体に入っていたんだ!兄王子に振り回されて、俺大丈夫か?! 涙脆く可愛い系に弱い春人の兄王子達に振り回され護衛騎士に迫って慌てていっもハラハラドキドキたまにはバカな事を言ったりとしている主人公春人の話を楽しんでくれたら嬉しいです。 1日の話しが長い物語です。 誤字脱字には気をつけてはいますが、余り気にしないよ~と言う方がいましたら嬉しいです。

処理中です...