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麗憶高原イデラゴエリ、賢者が遺すは虚像の糸編
隔てられた世界を感じて2*
しおりを挟む…………ここで、素直に教えていいものだろうか。
でも、別に「光明真言」は誰かに懇切丁寧に教えて貰ったんじゃなくて、俺がちゃんと自分で復唱して覚えただけだ。
そりゃ、最初はシベに答えを教えて貰ってたけどさ。
けれどもそれならブラックの言う「教えて貰った」とは違うはずだよな。
俺自身が、自分で覚えたんだ。
そう言えばいい。……良い、はずなんだけど……。
「じっ……じぶん、で……ふくしょっぉっう゛っ、ぅぁあっ! やめっ、い、いまそれしないでえっ……!」
「自分で復唱して覚えた? ……僕が言いたいのはそうじゃ無くて……ツカサ君に、宗教の専門的な言葉を教えたヤツがいるんでしょって話だよ。……ソイツ、ツカサ君のナニ? おともだち? それとも……」
「ひう゛ぅ!? やっぁ゛っあぁあ!」
ヤダ、いやだ、そんな先っぽグリグリするなあ……!!
腰がびくびくして、おかしくなる。汗が出る、こ、こんな状態のままひっつくのやだ。
変になってるのブラックに知られる、このままだと、ホントに無理……っ!
「ソイツ、ツカサ君にとってどんな人なのかなぁ。僕知りたいなぁ」
「わかっ、ぁ゛っ、ひぐっ、ひっ、ぃう……言うっ、言うからぁあ!」
なんとか声を絞り出すけど、叫んでるみたいになってしまう。
だって、ブラックが先端だけ手で覆って、にちゃにちゃって変な音させるから。
て、てのひら、で、いっぱいこするから……っ!
「じゃあ教えてくれる? 名前とか、ツカサ君との関係とか……」
「ぁ、う゛……うぅ……言うから、も……こ、これ、やめて……!」
「だーめ。しっかり抱きしめててあげるから、ちゃんと答えて? ほら、思い出しやすいように、おてらの方を向いてさあ」
だ、だから……それがイヤなんだって。
こんな、もう、隠せないくらい勃起して、先走りが凄く垂れてるのが分かるくらい、おちんちんになすりつけられて、すごく最低な格好してるのに。
なのに……こんな、こんなカッコするとこじゃない、建物の前で……っ。
……うう……こんなことしてたら、戻った時にシベの顔見らんないぃ……。
「ツカサ君?」
ダメ押しみたいに、ブラックが囁いてくる。
くそ……ちくしょ……もう、バカ、しらない、全部知らない……!
「と……とも、だち……友達、っ、に、ぃ……お、おしえ……っ、へ……もらっ、ぁっぅ、ぅあぁっ……!」
「友達? へぇ~。どんな名前? どんなヤツなの?」
「ひぐっ、ぅ……うう……し……シベ、って……ヤツで……っ。あっ……あたま、ぁっあぁっ……! よく、て……!」
そうだ。
シベは、頭が良くて優等生だ。しかも、俺が知らない事を色々知っている。
別荘とかナントカってのの前に、アイツは博識なんだよ。だから俺は、シベだったらと思って、あの謎の図形を見せたりして……。
「シベくん、ね。……そっかぁ。頭いいんだぁ。もしかして……ツカサ君、あっちの世界で、そのシベって奴と……凄く親しくしてるの……?」
「ふあぁあっ!? ひっ、ぃああっ、い゛っ。いぎなっあ゛っあぁあ!!」
「そのシベくんは、どのくらい頭がいいの? 僕より頼りになる? ねえ。ツカサ君」
答、え……られ、ない……っ。
ブラックがいっぱい弄るから、そっちにばっか意識がいって、おちんちんをいっぱいこすられて頭が気持ちいいのに塗りつぶされて、声が変になってしまう。
なんだっけ、ちゃんと答えたんだっけ。
ああ、もう、ブラックが、お、俺のおちんちん、いっぱいいじめるから……っ!
「つーかーさー君? ねえ、どうして最初に、その友達とかいう“シベくん”とやらの話をしてくれなかったの? もしかして……僕に話せないような関係だった?」
「ちがっ、ぁっ、違うっ、違うぅ! らって、やっ、ぁっやや、こじぐっなるからぁ……!」
そうだよ。それ以上でもそれ以下でもない。
アッチの世界での俺の状況を話すとブラックが心配するだろうから、だからシベの事も話さない方が良い思って黙ってただけなんだ。
別に、変な関係じゃない。
いやまあ悪友だし、今は事情があって変なことにはなってるけど。
でも、ブラックが勘ぐるような関係じゃない。それは確かなのに。
「ややこしくなる? ……時間のズレといい、シベくんとやらのことを話さなかった事といい……やっぱりツカサ君、僕に何か隠してるよね」
手が、やっと止まる。
でもブラックの声がやけに低くて、いつもみたいに俺を楽しんで弄んでいるようには思えなかった。……なんだか、怒っている……みたいな……。
「ブラ、ック……」
「……僕には、アッチの世界のこと、話してくれないの? どうして隠すの。あっちの世界と関係ないから? 僕に話してもどうにもならないから……?」
怒っているような、悲しそうな声。
俺を抱きしめている片腕がさっきより力を増した気がして、俺は反射的に体をビクリと震わせてしまう。
頭がぼうっとしていてしっかり考えられていないような気がするけど、でも、ブラックが悲しんでいるのは確かだ。
そんなつもりは無かったけど、隠し事をしていたせいで傷つけてしまったらしい。
……でも……確かにそうだよな。
大事な人に頼って貰えないのは、寂しいし悲しい。それに、何も言って貰えないのは、信用されてないからじゃないかって、そこまで思ってしまう。
俺だって……ブラックに同じことをされたら、悲しいだろう。
…………心配かけたくなかったから、そのせいで、必要以上に色んなことを隠してしまっていたのかも知れない……。
そう思うと申し訳なくなり、俺は荒い息を呑みこみブラックの腕に手を添えた。
「ごめ、ん……。でも……アンタに、心配かけたくなくって……関係ない話して、変にヤキモキさせたくないって、思ったから……」
「……だから、友達の話もしてくれなかったの……?」
「う、うん……だって、シベはただの友達なのに……変に話題に出したら……あ……アンタが、ヤキモチ焼くんじゃないかって、思って……」
本当の理由は違うけど、でもこれも本音だ。
ブラックの性格なら俺が「シベに教えて貰った!」と褒めれば褒めるほど機嫌が悪くなるだろうし、痛くもない腹を探って来ただろう。
けど正直、俺とシベはまったくそんな関係に成り得ない。
俺は女の子が好きでイケメンは嫌いだし、シベはノーマルだ。それに、お……俺は、ブラックと、こいびと……どうし……だし……。
だ、だから、気が合う友人以上の関係には成り得ないのだ。
でも、まあ……そんなこと言ったって、ブラックが向こうの世界に行けない以上不安はあるよな。俺だって、もし逆の立場なら嫉妬していたかもしれない。
その……やっぱりブラックって、モテるし……。
だから、気を遣ったつもりだったんだけど、逆効果だったんだな。
必要な事だけ話せば良かったのに、変に全部隠したからいけなかったのか。
「…………ホントに、そのシベって子とは友達?」
拗ねたような口調で聞いてくるブラック。
俺は未だに息が整わなかったけど、しっかり頷いてやった。
「い……いけ、すかない、けど……悪友……っ。頭、いいし……何でも知ってる、から、教えて貰って……でも、ブラックの方が……色々、知ってるから……」
それは間違いないはずだ。
……だって、シベがいくら優等生だと言っても、何千冊もの本の記憶を覚えたままにしておけるはずがない。それに、冒険者としての知恵があって俺達より年上で経験豊富なブラックなのだ。童貞の俺達が勝てる要素はないだろう。
顔とかだって……お、俺からすれば、ブラックのが、格好、いいし……。
…………って、俺、なにをそんなに褒めてるんだよ。
は、恥ずかしくなってきた……。
「ツカサ君……そんなに僕のことを……」
う……そ、そうだ、コイツ俺の心を読むんだった。
じゃあ、今の気持ちもしっかり筒抜けだったんだろうか。あああ、また恥ずかしい!
「だ、だからそういうんじゃなくて! ホントにダチなだけなんだって……っ」
「うんうん、そうだよねえ。僕がいるんだもんね。ツカサ君は、誰よりも僕が頼りになると思ってるから、そんな可愛いこと言ってくれたんだよねえ……! ああっ……ちょっと安心したらまた興奮してきちゃった……」
……正直今ので安心できたんだろうかと不安だったのだが、俺の本心は伝わってしまったのか、ブラックが再び元気になり始めた。
そうして、今度は何を思ったのか俺のケツに手を這わせてきて。
「やっ……ぶ、ブラック今は……っ」
「ああっ……ツカサ君……ツカサ君は僕だけ、僕だけの恋人……っ」
「ふあぁっ!?」
ブラックは再び俺の股間に手を伸ばすと、また俺のおちんちんを指で弄び始める。だけど今回はそれだけじゃなくて……ダダ漏れしている先走りをたっぷり絡ませると。そのまま手を俺のケツへと持って行こうとするではないか。
こ、これ……こんなの、間違いなく……っ。
「ブラックっ……! こ、ここでするのは……っ」
「大丈夫、ちゃぁんと解すから。ツカサ君が全部ワケわかんなくなっちゃうくらい、メス穴をいっぱいにして僕達が恋人同士だっていう実感を分かち合おうねえ!」
そ、そうじゃなくてっ、違う、俺が言いたいのはそんなことじゃない!
つーか分かち合わなくても充分感じてます、こんな事してる時点でもう俺としてはいっぱいいっぱいにコイビトしてるんだってば!
なのにっ……ひっ、ゆ、指が尻の谷間に入ってくる。
濡れてる指が窄まりにぴったり張り付いて来て、ぐって、お、押してきて……っ。
「やっ……こ、こんなとこでするのやだぁ……っ」
「大丈夫、大丈夫だよぉ、ツカサ君……。アッチに帰っても忘れられないように、この場所でたくさんメス穴を犯して僕とのセックスを記憶に刻み付けてあげるから……!」
だーもー、全然落ち着いてないぃ!
俺がアンタを思って反省したさっきの気持ちはなんだったんだよ!
あ、アンタがシベを気にしてると思ったから、だから俺だって出来るだけ誠意を示したのに。なのに結局、こんな罰当たりな場所でえっちするなんて……――
「っあぁあ! やっ、あ゛……指、ぃ゛……!」
「そのうち、気にならなくなるよ……だって、ツカサ君は今からたくさん絶頂することになるんだからね……。ふっ、ふふっ……いっぱい気持ち良くなろうね……!」
不穏な事を言われながら、太くて大きな指がナカに差しこまれる。
どうにか反論しようと思ったけど、そうなるともう無理だった。
体がもう、覚えてしまっている。
どんなに「向こうの世界」の雰囲気がある場所に居ても、俺の体はもうブラックとのえっちを覚えてしまっていて、体がどうしようもなく反応してしまうんだ。
俺はもう、普通じゃない。ブラックのメスにさせられてしまったんだ。
だから、こんな……罰当たりなのに……また、おちんちんが元気になってる。
…………俺、あっちに戻っても、もうしばらくお寺に行けない……っ。
ブラックに触れられるとどうしても勝てなくて。理性も、緩んでしまって。
どんどん俺の中のまともな意識が消え去ってしまう。
正気に戻ったら絶対に頭を抱えるのに、なのに、もう。
「ツカサ君……早く挿れたいよぉ……っ」
耳元で、切なそうな低い声を吹きかけられたら――――
考えていることが、全部吹き飛んでしまった。
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