異世界日帰り漫遊記!

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断章 かつて廃王子と呼ばれた獣

12.自分には無かったもの

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   ◆



 初めての遠征……いや、討伐は、酷いものだった。

 何が酷いと取り立てて騒ぐ話ではない。きっと他の獣人たちはすでに通り越した感情なのだろう。もしくは――――こんな感情など抱かないのかもしれない。

 だが、クロウクルワッハにとっての“残党狩り”は、しばらく夢に見るほどのがたい陰惨な光景だった。

 ――――かつてという悪しき地位を定義した猿族の一派。
 その残党は今も各地へ散らばり、再び天下を取ろうと策を練っていたようで、王都のみならず主だった領都でも襲撃事件が度々たびたび起こっていた。

 いまだに情勢は不安定な状況で、せっかく奴隷から解放した獣人達を奪われる可能性もある。相手は狡猾な猿ゆえに、どんな心配をしても足りないほどだった。

 そんな中で、規模を拡大していた残党の一派を発見し、今回の討伐するとなったのだが……この討伐は、今まで教えられてきたこととまるで違っていた。

 戦が終わり新設された、王子が率いる【護国武令軍ごこくぶれいぐん】という軍隊。
 その栄誉ある第一大隊【ファルシュ・バーン】に配属されていたのは、かつての戦にいてドービエルの指揮下に居た若き兵士達や、第一王子のカウルノスに厚い信頼を寄せる者達。そして……奴隷から解放されちからを付けた新たな臣民。

 彼らは「王の敵を徹底的に殲滅せんめつする」という信念のもと一丸となり、獣そのものの獰猛どうもうさと強さを持つ、王国でも一目置かれる“群れ”になっていた。
 国民の中にはこの軍に所属する兵士に憧れを持つ者もいたという。

 そんな彼らの中に入り込んだクロウクルワッハは、当初「士気が高く、練度も凄い。まさに一流の兵士だ」と関心や尊敬を持っていた。

 しかしその尊敬は、恐怖に塗りつぶされることとなる。

 下級兵士として猿の残党を殲滅せんめつする作戦に参加したクロウクルワッハは……彼らの獣としての残酷な本能と、いつまでも身の内を焼き続ける猿達への憎しみを見ることになったのだ。

 ――――その切っ掛けは、猿どもの残党が潜む荒野の岩城。

 滅多に人が近寄らない南部の“灼熱地獄”と呼ばれる地帯の中、そこだけが灼熱を避けられる特殊な地帯に、猿どもは隠れ住んでいた。
 まるで天地を逆さまにしたような、砂漠より一層焼ける熱砂の地面のもと、滝のような汗を流しながら兵士達は猿どもの根城になだれ込んだ。

 岩を削って作った、巨大な牙城。
 その内部にひそんでいた猿の残党に戦いをいどんだ兵士達は、まさに勇ましかった。

 だが、時を経るにつれて段々とその様子が変わってくる。

 ……クロウクルワッハが知る「獣人としての戦い」は、ただ「相手を食らうために戦い、その命に敬意をもって肉を食らいとむらう」という、従来通りの考えだけだった。

 だから、兵士達は猿どもをたおすと同時に彼らを食らって弔うのだという、甘い考えを無意識に持っていたのだ。
 しかし、実際の「討伐」は…………その思想とは、まるで違った。

(なんだ、これは。吐き気がこみあげてくる……っ)

 自分でもわかるほどに、顔から血の気が引く。
 怒号と悲鳴の中で見た光景は、凄惨なものだった。

 ――――猿どもと戦い、討ち取った。そこまではいい。

 だが、そのあと。
 そのあとの兵士達は、決して猿どもを食らおうとはしなかった。

 許す事も無く、ただ、そのヒトとしての形が肉塊に変わるまで、その大猿の体が何の意味もなさない「肉色の何か」に変わるまで、徹底的に蹂躙じゅうりんしたのだ。
 男オスも女オスも関係なく、向かってくるメスであればためらいもなく。

 ただただ、憎しみと怒りに満ちた形相で彼らは復讐を果たし続けた。

 ……そこに誇りや正義と言ったものは何もない。

 すでに、猿達によって「奴隷」という家畜より酷い最底辺の地位を味わった兵士達の一部は、誇りなどとうに失っていた。
 自尊心を破壊され、今も自分の誇りを探す者達の怒りが、そこにあったのだ。

「う゛……っ……」

 自分が相手をしていた猿も、怒り狂う兵士の集団に奪われた。
 城の中が血に染まるまで、肉塊が「食べるのにも適さない状態」になるまで、兵士達は圧倒的な力でもって猿どもの城を制圧してしまったのだ。

 ――――とてもじゃないが、正気ではない。

 その怒りを理解はできる。同情をしていいというのなら、素直にしただろう。
 だが、これが他人の持つ激しい怒りの感情なのだと思えば、その狂気にすら思える憎しみの衝動に、クロウクルワッハは嘔吐おうとせずにいられなかった。

 戦場でそのような姿を見せるなど、恥の上塗りだろう。

 だが、初めて人の狂気を垣間見たクロウクルワッハには耐えられなかった。

 様々な冷たい目や憎しみの目を向けられるのには慣れ始めていたが、しかしその先に在るものは知らなかたのだ。

(こんなものは……知らない……っ……)

 ……他者から蹂躙された憎しみは、激しい怒りになる。
 その怒りは絶えず燃え続け、決して相手は許されることなど無い。

 ――――自分も、そんな怒りを買っているのだろうか。

 そう思うと、現状の凄惨な光景と恐怖が綯交ないまぜになり、クロウクルワッハの精神を限界まで揺さぶり、兵士達の「軟弱物」という視線が再び息苦しさをあおった。

 ここで嘔吐するオスなど、足手まといの弱者でしかない。
 やはりお前は、使えない役立たずの親殺し。

 そんな責めるような視線が、さらに精神を追い詰める。

 クロウクルワッハの心に新たな傷を刻むのには十分だった。

「殿下、地下牢を発見しました!! 拉致されたと思しき孕み腹のメス達と、猿どもの同類が収監されています! いかがいたしましょう!」
「メスどもは保護しろ。腹の子も適宜てきぎ望むようにしてやれ。猿どもの同類は、城の外に連れてこい。ここは猿どもの薄汚い血で臭くてかなわんからな」

 じっとりと手についた血を振り払い、カウルノスが外へ出ていく。
 熱砂のほうがマシだとでも言いたいのだろうが、長い間暗がりに繋がれていた者にとっては、これも一種の拷問になりえる。

 クロウクルワッハはこの場で何かを言うのに戸惑ったが、しかし熱砂にひざを焼かれ苦しむ姿を想像すると心苦しくなり、他の兵士に交じって牢の同類を引率することにした。

(私に出来る事は何もないかもしれない。だが、同類の猿どもに認められず牢の中に入れられていた猿の気持ちは……私にも、分かるかも知れない……)

 そんな、浮ついた考えが有った事も否定はできない。
 しかし頭の中をめる思いは、今は一刻も早くあの血肉の惨状から逃げ出してしまいたいという、臆病な思いからだった。

「……この場では、貴方様が一番お強いのでしょう。でしたら、このけがらわしい猿は、貴方様が鎖をめて連れて行ってください」

 整えられてもいないいびつな階段を下りた先、檻だけはしっかりと作られている洞穴の牢獄に辿たどくと、兵士達から冷たくそう言われた。
 彼らは猿族に触れたくもないのだろう。まあ確かに、そう扱われるほど猿族は残虐な事を行ってきた。「良い者もいる」と言われても、その悪感情はぬぐえぬに違いない。

 クロウクルワッハは拒否もせずうなずくと、檻の中に入れられている者に目をやった。

「…………お前達を今から捕虜として外へ連れ出す」

 事前に教えられた「軍隊の兵士としての基礎」である言葉をもちいつつ、見るも哀れなほどに痩せた白い頭の猿達に話しかける。
 最早もはやメスよりも弱いのではないかと思われるほど痩せたオスの猿達は、こちらの姿をただじっと見つめている。落ちくぼんだ眼は、ふとすればにらんでいるようだ。しかし、クロウクルワッハが敵意を感じる前に、彼らの中でも一回り以上大きく骨が太そうな中年の猿が、震えながら四つん這いでよたよたと前に歩み出てきた。

「処刑でしょうか。ならば、お願いがあります。……私の持つ情報と、この首を引換えにして、この者達を解放してはいただけないでしょうか」
「なに……?」

 血と垢と汚れで薄汚れふくらみを失った髪を垂らしながら、大猿は頭を下げる。
 その様子に周囲の猿達は必死に頭を振っていた。

「この者達は、奴隷を秘密裏に解放していた者達です。今回も、ここにいるさらわれたメス達を救出しようとして潜入し、裏切り者として囚われました。私は、彼らをひきいていた立場の者です。ですから、どうか……どうか、大将の方にお慈悲を……」
「…………」

 クロウクルワッハが何も言わず黙っていると、歩くだけで骨が折れそうなほどに痩せた猿達が、大猿の男をかばうように這いつくばってかこってきた。

「どうか、どうか熊の兵士よ。私達の命はいい。だがこの方は崇高なお方だ、どうか私達の命でこの方を助けて下さい」
「そうです、私達は処されても良い、だが中将様は決して誰も、弱い獣ですらも、我が物にしようとしなかった。気高く誇り高い方です、ですから我々の命を代わりに」
「どうか、どうか……勇敢な熊の兵士よ、貴方がたが奴隷を解放すると言うのなら、その慈悲を持って、正しきものに正しきさばきを……!」

 口々に言うのは、おのれ命乞いのちごいでは無く中将と呼ばれた大猿の命乞いだ。
 しかし大猿はその言葉を否定し、ただクロウクルワッハを見つめてきた。

 無言で、己の命を差し出すのが一番だと訴えかけている。
 この場の猿達は誰も、自分だけが助かろうなどと考えてはいなかった。

 …………そんな者達に、自分がどう罰を与えられるというのか。

(私は母上を見殺しにした。母上を守れなかった。己の命惜しさに動けなかった、頭も体もおろかで幼い最下層の獣だ。……そんな私が、彼らを処刑するために外へ運び出すというのか。こんな、嘘の匂いひとつない必死な者達を……)

 相手が嘘をついているかどうかなど、子供の頃からとっくに嗅ぎ分けていた。
 誰もが心の中で自分を軽蔑していると知っていたクロウクルワッハは、王宮で様々な人に会う内に、彼らが自分に嘘をつき甘い言葉を言うくせ把握はあくしていたのだ。

 獣人も、人の姿をしていればどうしても嘘を吐く時に微かな変化を見せてしまう。
 元より嘘を吐く必要などほぼ無かった本能に生きる種族だ。弱肉強食の掟と異なる行動をすれば、どうしても「ぎこちなさ」が出てしまう。

 それを、クロウクルワッハは昔から嗅ぎ分けてしまっていた。

 だが、彼ら痩せこけた猿はどうだろうか。
 死ぬ寸前であっても、彼らは自分を偽らない。それどころか必死なにおいを隠しもせずに、どうにか他人を生かそうと無様になっても懇願していた。

 ……きっと、それだけの「誇り高い行動」を、この中将の大猿はしめしてきたのだ。

 だからこそ、このような追い詰められた場面においても、自分のために動いてくれる信頼に満ちた仲間がいる。

(私とは、まるで違う。……腫物はれもののように扱われ、嘘の言葉で擁護される私とは)

 ――――うらやましい。
 そう、初めて思った。

 誰かのために行動すれば、誰かのために強くあれば、こうも愛されるのだろうか。
 人を守るためにおのれの死をいとわずに行動すれば、こんな嫌われた自分でも、誰かが評価してくれるのだろうか。それが例え己を憐れんだ行動だとしても……いつかは、嘘をつかず……自分を愛してくれる他人が、見つかるのか。

 誇り高く、強く、立派な武人であれば。

「…………兵士、さま?」

 その方法を知りたい。
 ほうけた顔で自分を見上げている猿達は、知っているというのだろうか。

 彼らもまた正義であれば、教えてくれないだろうか。
 誰も、その“成り方”をクロウクルワッハには教えてくれない。

 だけど、嫌われ者であっても誇り高い彼らなら。
 クロウクルワッハの事を知らない彼らなら、どうか……――――

「…………中将、と言われていたな。お前、名は何と言うんだ」

 もう、感情を載せる事すら出来なくなった無表情な声。
 その音に少し不思議そうな顔をした猿達だったが、大猿はこちらの意図が分からずとも軽く頭を下げて、胸に手を当ておのれの身分を名乗った。

「私は、スクリープ……かつて【俊剛金猿しゅんごうきんえん族】の群れにおいて“中将”などと呼ばれていた……何も出来ず、多くの罪を犯してしまった、おろかなオスでございます」

 胸を張って名乗れる名前がある。
 おのれあやまちを口にしてもまだしたってくれる部下がいる。

(ああ、うらやましいなぁ……)

 ただただ、このスクリープという男の武人たる姿が、羨ましかった。











 
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