異世界日帰り漫遊記!

御結頂戴

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麗憶高原イデラゴエリ、賢者が遺すは虚像の糸編

  テント(本物)を立てよう2

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「それにしても、こんな風に野宿するのも久しぶりだなー」
「キュ~」

 青々とした草原を踏みしめながら川がある場所まで歩く。
 といっても、川はさほど遠くない場所にあるらしい。

 アーラットさんに貰った周辺の地図によると、遺跡がある場所が高台にあって、その下の方に川が流れているっぽい。距離的には歩いて10分くらいだろうか。わりと近いな。

 高原の川ってそういえば見たことないけど、どういう場所なんだろう。
 そう思いつつ地図に従って丘を少し下ると、それほど遠くない前方に、独特な川の線が見えてきた。おおっ、わりと川幅がある、大きめの川だ。

「へ~、綺麗な川だな!」
「どうやら水も汚れてないみたいだね。どこで水をんでも良さそうだ」
「キュー!」

 おお、日差しを受けてキラキラ輝く川に、ロクちゃんも大喜びだ。
 うんうんそうだよな……今まで砂と荒野の世界にいたから、やっぱり自分の故郷の森にあったような川があると嬉しいんだよなぁ……。

 無邪気にはしゃぐ可愛さ天元突破てんげんとっぱのロクに癒されつつ、俺とブラックは川のそばまで寄って、その場に腰をかがめた。

「うわー、めちゃくちゃとおってる! 川の水もヒンヤリしてるなぁ」
「にしても……独特な感じだねえ、この川……」

 確かに、ブラックの言うとおり、川の構造は普通とは少し違うみたいだった。

 この高原はゆるやかな斜面になっている感じだけど、地図を見てみるとなんだか段々畑だんだんばたけみたいな感じで層になっているらしい。長年土や草がしげってるからか、ほぼ段になっている感じはしないけど、自然にこうなってたなら不思議な山だな。

 まあそれはともかく、この広めの段々のおかげで川はゆるやかに流れているワケだ。そんな構造のおかげか、段のふちのところには決まって小さな池のような“まり”が出来ていて、下流から登ってきたのだろう魚なんかが暢気のんきに泳いでいた。

「おお、なんか階段っぽい噴水みたいになってるな」

 俺が素直に感想を言うと、ブラックも同じことを思っていたのかうなずく。

「この地図の通りに、段差が発生してた所に池が出来てるみたいだ。……なーんか人工的な感じがするけど……これも遺跡の付属物なのかなあ」

 確かに……言われてみるとおかしい気もしてくる。
 川を見渡してみると、遠くにる池はどれも同じような大きさだし、その池の周りには決まって水草やガマの穂っぽい植物が生えてるし……なんか、この川だけ人の手が入っているようにも思える。

 遺跡を作った人が普段から使っていた川だとしたら、利便性を高めるためにこんな風な川に作り替えたんだろうか。
 にしても、段差ごとに小さな池を作る理由が判然はんぜんとしないなぁ。

「魚を育てる……とか? 綺麗な水だし別にどこで水をんでも一緒だろうから、こんな風に池を作る必要もないだろうし」
「そんな所かなぁ……。まあ、今は気にしても仕方ないね。水をんじゃおうか」
「だな。魚が入らないようにしないと」

 この涼しい気候の中で水遊びをするのは少しヤバい感じがしたので、俺は素直に皮袋を持つ手だけを水に沈めた。うう、ひゃっこい。
 夏場だとこの冷たさはありがたいけど、高原じゃむしろ危ない感じもするぞ。

 こんなに冷たい川を泳いでいるなんて、魚も我慢強いよなぁ。
 ……にしても、全然逃げないなこの魚たち。

 周囲には草原や低木しかないので、ずいぶんと狙われやすい所で泳いでいるなと思ったけど、標高が高い山だから敵が少なくて警戒心が薄いのかな。

 というか……そういえばの話なんだが、この世界でモンスターや人類っぽい種族以外の鳥なんて見たことないんだよな。
 その鳥モンスターもワリと大きいし、小魚なんかには目もくれなさそう。もしかしたらこの世界の魚は外敵が少ないのかもしれない。こっちの世界じゃ虫だってデカいんだもんな。

「魚がいるなんてヤな川だなぁ……いやでも、ちゃんと調理すれば魚って美味しいんだっけ……?」

 俺の隣でブラックがぶつくさ言いながら同じように皮袋に水をためている。
 一瞬、なんの話かと思ったが……そういえばこの世界の魚は適切な処理をしないとかなりマズくなっちゃうんだっけ。

 ファランさんという師匠に魚のさばき方を教えて貰ったので、俺なら美味しく調理する事も可能なんだが、その方法は人族の大陸ではほとんど知られていないらしい。
 こっから東にる島国なんかだと普通の事らしいので、食べられないわけじゃないんだが……まあ、正しく処理できずにマズくなってしまった魚を知っているなら、この反応も仕方ない。

 魚ってこの世界じゃあまり食べたことないし、ブラック達も馴染みがないっぽいので、美味しく食べられる事を知ってもまだまだ魚に苦手意識があるのは仕方なかろう。
 偏見へんけんってのは根強く残っちゃうものなのだ。
 ……なら……そうだな、せっかくだし魚料理を作っても良いかも。

 肉も良いけど、しっかり魚も食べないと駄目だよな。
 特にブラックはもうオッサンなんだから、肉ばっかりじゃ栄養がかたよるに違いない。俺がちゃんと肉以外のものをらせるようにしないと。

 ブラックって自分の体には無頓着だから、たまに心配になるんだもんな。酒だってガバガバ飲むし、食べ物も肉ばっかりだしさ。……そのくせ適度な筋肉のイイ体ってのもせないが。

 あっちょっとイラッとしてきた。
 俺にその筋肉ちょっと寄越よこせマジで。

 …………いやいや落ち着け。嫉妬している場合ではない。
 ここは俺が大人になって、オッサンの食を影から支えてやらねばな。
 ……って、なんで俺が母さんみたいな事をしてるんだ。いやまあ、ブラックが病気にでもなったら心配するのは俺なんだし……べ、別にいいけど……。

 ともかく、魚だ。魚を食べさせてやらないとな!

「よし、じゃあ今日は魚料理作ってやるよ!」
「ええ~!? 魚じゃなくて肉にしようよおっ、せっかく用意して貰ったんだし! すぐに食べないと腐っちゃうよ!?」
「肉は【リオート・リング】に入れて保存してるから一日くらい大丈夫だって! それにさ、魚を食べられるようにしておけば、いざ魚だけしか食べものがないってなった時も安心だろ? せっかくある程度は自由に出来るんだし、今のうち慣れておこうよ。俺が美味しく料理するからさ。……な?」

 下から顔を覗き込むようにしてブラックを見やると、相手は不満げな顔をしたままでくちをモゴモゴと動かしていたが……俺の提案ももっともだと思ったのか、ぎこちなくコクリとうなずいてくれた。子供っぽい仕草だが、それほどイヤというワケではないらしい。

 うんうん。こういう所はブラックも大人だよな……なんて思いつつ、ブラックの顔を見ていると、不意に相手が俺を上目遣うわめづかいで見つめてきて。

「ツカサ君が美味しくしてくれるなら、魚も我慢して食べる……」

 菫色すみれいろの綺麗な瞳をうるませて、俺にそんな、思いもよらない事を言ってきた。

「ぐっ……」

 な、なにその発言……っ
 上目遣いで目をウルウルさせながら言われても、お、オッサンにそんな事されても、全然ドキッとかしないんだけど。ドキッとかしてないんですけど!!

「でも、味付けは濃いのが嬉しいなぁ……。そういうの作ってくれるよね? ね? あと絶対肉がいっぱい入ったスープも作ってくれる約束でしょ、ね……?」
「わーもー分かった分かったから顔を近付けてくるんじゃないってば!」

 隣にいるだけでも充分近いだろうに、なんでお前はそう顔を近づけようとして……ってコラコラコラくちとがらせるな、キスして来ようとすんなーっ!!

 やめなさいとタコになってるブラックのくちを手でふさぐが、相手はかまわずにちゅっちゅとてのひらに吸い付いてくる。ぎゃーっ! やめろばかー!

「ん~ツカサ君のやわらかいてのひらおいし~」
「バカばか何してんだお前はっ、美味しくないから吸うなー!! も、もう終わりっ! もう帰るからな俺は!」

 皮袋に水をたっぷり詰め込んだ俺は、慌てて立ち上がりブラックから距離を取る。
 その勢いで手からくちが離れてしまったブラックは、うらめしそうに俺を見上げていたけど……そんなのもう関係ねえ。

 俺はたぷたぷの皮袋を抱えて足早に遺跡へと戻った。

 …………正直、その……さっき、掌を吸われて、変なとこ……というか、反応したらマズい所がちょっとだけ、反応しちゃったというか……。

「………………」

 ……う、ううう、だって、だって仕方ないじゃんてのひらって敏感なんだもん。
 俺のせいじゃないぞ、ブラックの野郎が変な所ばっか触って来るから、そんなつもりもなかったのに変な気分になっちゃうんだよ。

 ロクもいて、そんな雰囲気でもなかったのに。
 なのに、ようやく気を張らなくていい日常が戻って来たんだと思ったら、急にブラックに触れられることを意識しちゃう自分が居て……物凄く、はずかしい。

 緊張感が抜けちゃうと、人ってこんな風になっちまうんだろうか。

 てのひらを吸われただけで、変にブラックとの……その……そ、そういうコトを意識しちゃうなんて……なんか、俺の方がスケベになってる気が……。

 …………い、いやいやそんな事ないはず。絶対に違うはず。
 今のはブラックが急に触れてきたせいで、俺は別にいつもそういうコトをしたいとか思ってるわけじゃないし、そもそもブラックが急に近付いてくるのがワル……

「つーかーさーくんっ」
「びゃぁあっ!!」
「んもー、色気のない悲鳴だなぁ。さっきは少しちゅっちゅしただけで、あーんな可愛い顔で真っ赤っかになってくれたのに……」

 お、おっ、おまっ、急に背後から抱き着いてくるヤツがあるかっ!!
 皮袋を落としそうになったじゃねーかこのっ。

 あと別に赤くなってない!!

「だーもー抱き着くなって! 皮袋落としそうになっただろ!?」
「え~? こんなのいつもの事なのに……ツカサ君てば、何を意識しちゃってるのかな~? ふ、ふふふっ、ふへっ。やっぱり、ぼ、僕とセックスするの意識しちゃった? ツカサ君のおなかとココ、きゅうって熱くなっちゃったぁ?」
「ひっ……」

 ブラックの指が、シャツ越しに腹の上を歩いて下腹部に触れてくる。
 だけどそれだけじゃなくて、指の股を開いた手は俺の股の間にぐっと潜り込んで、事もあろうか無遠慮に股間を包んできやがったのだ。

 思いっきり悲鳴をあげたかったけど、急所を触られてるせいで息しかでない。
 そんな俺を背後から笑って、ブラックはさらに深く抱き寄せてくる。

「あは……ちょっと熱持ってるね。ツカサ君もやっぱり……僕と二人きりになったら、スケベなこと考えてくれるんだ……嬉しいっ」
「ち、ちが、これは……っ」
「僕もほら、ツカサ君のさっきの可愛い顔見たらこんなになっちゃった」
「んん゛っ!? や、あっ、ばか、ばかばかばか押し付けるなあ!」

 違う、と否定したかったのに、ハッキリ言う前にケツの谷間にヤケに熱くて硬い物がぐいぐい押しつけられてしまい、反論すらできなくなる。
 抱え込まれて、そのうえブラックの両足にはさまれたせいで身動きが取れなくなった俺に、ブラックは遠慮なくズリズリとテントを張った股間を押し付けてきた。

「ふひっ、ふへへぇっ、つ、ツカサ君のせいでココもテント張っちゃった……ね、ねえ、もうこれツカサ君が手やくちたたんでくれないとおさまんないよっ、余分よぶんなテントがずっとツカサ君の前に出て来ちゃうよぉ!?」
「オヤジギャグやめろおおおお」

 つーかオヤジギャグというかこれセクハラ、立派なセクハラだろ!!

 頼むからやめてくれ、と引き剥がそうとするが、全然離れてくれない。
 こんなところをロクに見られでもしたら恥ずかしくて死にそうになるってのに、この背後のオッサンはお構いなしに俺のケツにテントを突っ込もうとしてきやがる。

「ツカサ君っ、ねぇ一回っ、一回でいいからぁっ」
「っ、あ……もっ……だから、やめ、ろってぇ……っ!」

 段々と、顔が熱くなってくる。
 純粋で可愛いロクがどう思うのか考えたら恥ずかしくて仕方なくて、どうしたらいいのかと考える余裕もなくなってくる。

 そうこうしているうちに、遠くから「キュー」と可愛い声が聞こえて来た。

 ああ、一足先に戻ってきた俺達を追って来たんだ。
 置き去りにしてしまったようで申し訳ないと思うと同時に、こんな恥ずかしい醜態を見られたらと思うともう、お、俺は……。

「はぁっ……ハッ、ね、ツカサ君……っ、夜で良いから一回だけ……っ」
「わ、分かった、分かったから……! だから離れろって!」

 ロクが来ちゃう。
 その事だけが気になって、気付けば俺は……了承してしまっていた。

 ……ああ……あああ……やっちゃった……。

「へへっ……や、約束だからね……!」

 言質を取ったとみるやいなや、ブラックは抱き締めをゆるくして、ただ単に抱き着いているだけをよそおう形に変える。
 それと同時に、ロクが遺跡の中に入ってきた。

「キュー! ……キュキュ?」
「あっ、ろ、ロクちゃん……あ、これ、が、ガマの穂? ガマの穂みたいなの持って来たのか? 気になっちゃったの?」
「キュ!」

 何か麩菓子ふがしのようなものを持っていると思ったら、ロクはガマの穂みたいな植物が気になって、それを持ってくるためにちょっと遅れてしまったらしい。
 「これなーに」と俺達に見せてくるロクに可愛さを感じながらも……俺は、いまだに尻にゆるく触れているブラックのソレに、体中イヤな汗をじっとり掻いてしまっていた。










※いつもイイネとエールありがとうございます!
 めちゃやる気に繋がってます!( ;∀;)

 
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