異世界日帰り漫遊記!

御結頂戴

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古代要塞アルカドビア、古からの慟哭編

  誰かの為に2

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 俺は何とか体を起こすと、痛みをこらえながら匍匐前進する。
 そうして、ぎこちなく目の前の足の指に目をやった。

 褐色の足。だけど、その足はクロウのものとは違う。
 ……いや、クロウだったら足舐めても良いってワケじゃないけどさ。でも、こんな嫌な事をするヤツが、クロウと同族なんだなと思うと少し悲しくなるんだよ。

 なんでこんな事をさせるんだろう。
 こっちを侮ってるなら、もう既に見下しているなら、こんなことさせなくたって、アンタの勝ちは揺らがないだろうに。

 そうでないなら、何が引っかかっているんだろう。

「早くしろ」
「…………」

 俺が数秒逡巡してるだけで、なんで機嫌が悪くなるのか。
 ……たぶん、コレを【教導】がやるなら、苦しむ姿を喜び更に言葉でいじめてくるのは確実だろうし、ルードルドーナみたいに怒ったりしないよな。
 じゃあ、コイツは俺を本当に服従だか隷属だかさせたいんだろうか。
 でも、なんで?

 そういう気持ちってどういう感情なのか、よく解んないよ。
 誰かを征服したいなんて思った事も無いし、跪かせたいなんて考えた事も無い。

 そりゃ、まあ、俺だって人間ですから友達を取られたくないとか、他人に執着したりする事はガキの頃から何度か覚えがあるけど。
 でもさ、そういうの服従とかとは全く違うし……縋る事は有っても、そんな寂しくて狂った王様みたいな事はしないじゃんか。

 …………正直、ルードルドーナの事は嫌いだけど……でも、お母さんであるエスレーンさんへの扱いが不当だと思う、ちょっとズレてる思いやりはあるし……それに、父親のドービエル爺ちゃんを尊敬しているのは本当だと思う。
 人の事を想ったりするんだから、優しさを持ってないわけじゃないんだろう。

 だからこそ、コイツが今やってる裏切り行為がよく解らないんだ。

 大好きな人たちを裏切って、国を壊す奴らに味方して、エスレーンさんやドービエル爺ちゃんが悲しい顔をするだろうこんな事をさせるなんて。

 頭ではこれが「いけないこと」だって分かってるんじゃないのかな。
 いや、そう思うからこそ、俺にさせたがってるんだろうか。

 ――――じゃあ、そうしたい理由ってなんだろう。

 こんな場所で俺みたいなザコ一人に懸想して、本来の目的であろう「カウルノスを食べる」という目的すら放棄してる理由は、何なんだ。
 きっと、足を舐めさせる服従行為の先に在るのかもしれないけど……。

 ……今は、こっちに意識を向けさせるのが最優先事項だ。

 俺は痛む肺で軽く息を吸うと、顔を近づけて――ざらつく足を舐めた。
 ぐうう……す、砂でじゃりじゃりするっていうか、単純に屈辱だ。さすがに漫画みたいに先端をガッツリなんてのは、いくら俺でも出来ないので、恐る恐る親指の爪の所を舐める。……獣人の足の爪って、よく見たら獣の爪みたいに膨らんでて少し尖ってるからか、指を直接舐めるよりは不快に感じなかった。が。

「ふっ、はははっ、何を選んで舐めてるんですか家畜のクセに図々しい!!」
「あぐっ!!」

 震える舌で人舐めし、ザラつきを不快に思いながら舌を収めた瞬間、下顎が急に上がり、歯を砕かんばかりの勢いでガチンと鳴る。
 が、勢いが止まらず俺は激痛と共に打ち上げられた。

 なにが、起こっ……て……っ。

「そんなに嫌か? しかし……残念だ。あまりに悔しそうだったので、惰弱なメスらしく舌を噛み切らせて安らぎを与えてあげようと思ったんだが」
「がはっ、ぁ゛、ぐ……っ、~~ッ、ぁ……あ゛……っ!」

 歯が欠けるかと、思った。
 あごが痛い、口が動かない。骨が痛みと痺れて歯の感覚がない。も、もう、無くなったかと思ったけど、口の中を血の味が急激に満たして歯が存在する感覚を知る。
 でも、顎が動かない。ボタボタと流れ落ちる血が、口から盛大に流れていく。

 それが、いつの間にか俺の首を掴み上げていたルードルドーナの手に伝った。
 ああ、そうか、俺首も締まって喉も痛かったんだ。

 顎が動かないのは、呼吸も、苦しいから……っ。

「まったく、人族というのは美味そうな血肉の匂いをさせるのが始末が悪い。……が、お前もこれで理解しただろう。兄上も、あの“出来損ない”よりも、私の方が上だと」
「……っ……ぅ゛……」

 何を言っているのか、分からない。
 頭がぼーっとして、なんかもう、睨むしかできなくて。

「そうだよ。ああそうだ、なんで……なんで、私の方が強いのに、母様の方が他の奴らより強いのに、何故、何故何故何故なんでどうしてッ!! どうしてお前らはいつもいつもいつもいつもこの乱暴者の筋肉ダルマと出来損ないを気にかけるんだ!!」

 …………あれ……なんで、だろう……目の、まえが……金色に、光ってるよう、に、見える……。これは、るーど、る……ど……な……。

「お前らもそうだ……ッ!! 厄介者がやっと消えたと思ったら帰って来るなり延々とクロウクロウクロウ!! 追放された軟弱物が、何故今更掻き乱す、どうして……っ、どうして……どうしてやっといなくなったのに邪魔をするんだあぁああ!!」

 意識が、黒く塗りつぶされそうになる。
 痛みすらなくなって一気に全ての力が抜けた、すると。

「ッ……!」

 ドッ、と、鼓膜に直接衝撃と音が来て、頭が痛みだす。
 う゛っ……ぅ……これ……下、に……落、とされ……。

「ッ……く……なんの、つもりですか……っ、兄上……!」

 血が俺自身の頭や体にも飛び散ったのか、なんだか暖かくて痛みが引いて行く。
 ……ああ、そうだ。俺の血って浄化する作用があったんだっけ……そっか、俺自身には効果がないと思ってたけど、体にかかれば別なんだ……。

うん……気が付いたら、顔全体の痛みもだいぶ軽くなっている……血が足りなくて頭はボヤッとしてるけど、さっきよりはだいぶマシだ。
 やっと、周囲がはっきり見えて音もちゃんと聞こえてくる。

 なんなら、さっきよく解らなかったルードルドーナのセリフまで蘇ってきた。

 確かコイツ、金色に光ってて……そしたら急に感情的な事を言い出したよな。俺達が帰ってきたことで、自分達の邪魔になったとかなんとか。
 けどそんな感情的な言葉、初めて聞いたぞ。

 …………もしかして、さっきの金色の光って……。

「それ、は……こっちのセリフだ……っ、ルード……!! 貴様っ、何故俺達を……」

 カウルノスの声だ。
 無事だったのかと何とか首を動かして声がした方を見ると、カウルノスも地面に突っ伏していたが、片手を懸命に伸ばしてルードルドーナの方へ向けていた。
 恐らくアレは、カウルノスが持っている特殊技能デイェルの「炎」を発したんだろう。

 ルードルドーナを見やると、俺を掴んでいた右手の甲が確かに焦げていた。
 さすがに強力な攻撃は兄弟として出来なかったみたいだけど、それでもカルウノスの炎はかなりの威力だったらしい。うう……お、恩に着る……っ。

 だけど今はそれどころではない。
 本当に、何で急に俺達を襲いに来たのか。

 それが知りたくて見上げた俺に気付いたのか、ルードルドーナは瞳を動かして何度か逡巡するように動かしたが……しかし、口を噤むことなく答えた。

「決まっているでしょう。今ここで兄上を殺してしまえば、やっと私の番だ。一度狼どもに負けた兄上では、国の運営は務まらないんですよ。そもそも、国政などあなた一人で出来るはずがない。私と母上ならできる。だから、貴方は要らないんですよ」
「お前……っ。そんなことを思ってたのか……」

 だけど、カウルノスはあまり驚いていないようだ。
 そりゃまあ、目を丸くしてはいるけど……でも、下剋上は獣の常だし、人族が考えるよりこの世界は「欲しいものを力で奪う」という行為に忌避感が無い。

 そんな「弱肉強食」の世界だから、身内がこんな事を言ってもカウルノスはショックを受けなかったに違いない。いくら優しい熊の一族とは言え、やっぱ血の半分は野生のサガを大事にしてる種族なのは変わりないんだもんな。

 ……まあ、多分クロウやドービエル爺ちゃんがカウルノスの立場なら、凄くショックを受けたとは思うけど……それはともかく。

 ルードルドーナもそれは承知していたのか、実の兄を睨みながら己の牙を噛んだ。

「そんなこと? ……ハッ……兄上はそうでしょうね。長兄であり第一王妃の子である貴方は、常に王になる期待をされ鍛えられてきた。戦竜などという二つ名を貰い、王になる事を疑わず周囲の者がどう思っているか考えもしなかった……ッ!!」

 カウルノスは、クロウに少し似た武骨で真面目な表情のまま黙っている。
 でも、俺は心の中で「違う」と言いたかった。

 俺はカウルノスの本当の苦労を知ってるわけじゃないけど、でも、この人が期待を受けたなりに苦しんで努力してたのを知ってる。
 それはクロウも見ていたし、きっと……アンタも見ていただろう。

 なのに、今更自分勝手な感情で責めるなんてどうしたんだ。

 そう、思って――――俺は心の中で首を振った。

 ……いや……どうしたんだ、じゃない。きっとこれは……今までルードルドーナ自身が抑え続けてきた、独りよがりだけど誰かに理解して欲しかった気持ちなんだ。
 最初、カウルノスと二人で仲良くクロウを殺そうとしていた時は、兄弟の仲は決して悪くなさそうだった。というか、むしろ並び立つ存在として一対の敬称を付けられて、二人とも満足していたはずだ。

 きっと、その仲良くしていた時の気持ちは嘘じゃないんだろう。
 でも嫉妬や不満は、信頼や愛情だけで押し隠せるものじゃない。

 仲良くしていても、周囲から優劣を付けられればどうしたって歪んでしまう。
 兄や弟を慕う気持ちの中に嫉妬があったって、全然おかしくないんだ。

 俺だって、友人にしょっちゅう嫉妬してるもん。……カウルノスやルードルドーナの隠していた劣等感は、俺よりきっと深刻な感情なんだろうけど……でも、俺にだって少しは理解できる。
 そういう気持ちは、自分で抑え込む以外にどうしようもないんだよな。

 けど……それが、動機だって言うんだろうか。
 たかが嫉妬だけでここまで実の兄を追い詰めようとは思わないはずだ。

 ……だったら……――――。

 数秒考えて、俺はついさっき考えていた事を思い出し、ハッとした。
 頭の中で不完全ながらも色々な事が繋がっていく。

 俺達との話で妙な表情をしたあの時、そして……見知らぬ誰かと会話や彼の部屋に在った【リン教】の経典と、母親への異常な敬愛。
 そして、カウルノスの過去や、戻ってきたクロウへの凄まじい殺意を思い出し――

 俺は、一か八かで会話に割り入った。

「自分、達を……ッ、ゲホっ……ちゃんと、した……強い、獣人、として……見て……欲し、くて……力を……認めて、欲しかった……のか……」

 まだ、上手く言葉を発することが出来ない。
 だけど、そういう事なんじゃないのか。

 クロウが兄弟の力をうらやみ弱い獣人と言われ傷付いていたように、カウルノスが色々な人に守られるクロウに嫉妬し憎んだように、アンタも同じことで苦しんで、その結果こんな事をしちまったんじゃないのか。

 自分達が見せたい能力を認めて貰えない。
 周囲に「王になる人だ」と期待して貰えない。
 気にかけてくれる人でさえ、自分より弱い者を優先してしまう。

 理由や切っ掛けは違えど、兄二人が持っていた感情をこの人も持っていた。
 誰も悪気があったわけじゃないからこそ、抱え込んで捻じれてしまった感情をずっと持て余して……その結果、爆発してしまった。

 だからアンタは、クロウに味方する俺をこんなに傷つけて「分からせようとした」し、兄であるカウルノスに取って代わって、自分の力を見せつけ認めて貰おうとした。

 …………そうなんだろう?

「人族、風情が……なにを……」
「……そう、か……。ルード……お前も、やはり兄弟だな……」
「ッ……!」

 カウルノスの低く静かな声に、ルードルドーナは目を見開いてカッと興奮する。が、未だ動けないカウルノスは冷静で……しかし、少し悲しそうな声で続けた。

「すまない……許せ、ルード……。俺は今まで、自分の事ばかりで……お前達が、何を……思い……何に、苦しんでいた、のか……考える、事も……出来なかった……。お前が、聞けば……怒るに、違いないが、しかし……俺は、お前達の方が……愛されていると、思い……一方的に、憎しみを抱いていたのだ……」
「え……」

 ルードルドーナの動きが止まる。
 カウルノスが自分に謝罪したことで驚き、少し戸惑っているようだった。

 しかし長兄である相手は薄く微笑み、弟を見続ける。

「…………俺達には、話し合いが……必要だった……。だが、こんな風に無理矢理に王座を奪ったとて……お前は、喜べないだろう。……賢竜とも呼ばれた、頭の良いお前だ。父上を尊敬し知略を磨くことを選んだお前なら、王座を奪うのであれば誇り高い戦いを、一対一の名誉に満ちた戦いを望むはず……」
「ぁ……わた、し……私は……」

 カウルノスが起き上がり、胡坐をかいて戦闘の意志が無い事を示す。
 そんな兄の真摯な思いを知って、ルードルドーナは今度こそ明確に動揺し、僅かに一歩後退る。だがカウルノスは追うことなく、ルードルドーナの顔を嘘偽りのない真剣な表情で見つめながら、赤の強い夕陽色の瞳を閃かせた。

「兄弟であり、立派な武人であるお前達の気持ちを考えず、ただ定められたまま王座に就いた俺にも責任がある。……だからルード、王座が欲しいと言うのなら、己の力――特殊技能ではない、純粋な武人の力を認めて欲しいと言うのなら、この馬鹿げた戦を終わらせた後で、純粋に試合しあおう」
「兄、上……」

 なんだか、ルードルドーナの言葉がたどたどしい。
 でも、決して嫌悪してるわけじゃない。今まで抑え込んでいた気持ちを、真っ向からすべて受け止められて、きっと混乱しているんだろう。

 その毒気を抜かれたルードルドーナの姿は、なんだか幼い子供のように見えた。

「俺は約束を違えない。……もし俺が王座を譲るなら、筆頭はお前だ。……クロウクルワッハともども不甲斐ない兄だが……悔いのない、正々堂々とした“おさ”を決める戦いに……お前も、応えてくれるか」

 少し、苦笑したような……くすぐったげな、カウルノスの表情。
 そんな兄の姿を見て、ルードルドーナは瞠目したまま睫毛を震わせていた。

「兄上……っ。私は……あぁ……私は、わたしはなんてことを……っ」

 だけど、今度はそれだけじゃなくて。

「え……」

 ちょっと待て、ルードルドーナから金色の光が出てきてるぞ。
 これってもしかしなくても“大地の気”だよな。薄いけどきっとそうだ。でも、何で。
 ……いや、これってやっぱり……俺の血のせい……なのか……?

 だとしたら、ルードルドーナから大地の気が漏れたのって“浄化”されたからって事で間違いないよな。

 けどそれって、つまり……ルードルドーナは、今まで呪われてたか――――

「王子、困るんですよねえ。今ここで

 ……え。
 何、今の声。

「ルード!!」
「え……!?」

 カウルノスの強張った声が耳に届き、とっさにルードルドーナの方を向く。
 すると。

「かっ……は……っ」

 血が、顔にかかる。
 だけどこれは俺の血じゃない。これは……

 いきなり腹部から出血した、ルードルドーナのものだった。

「ちょっ……る、ルードルドーナ!?」

 俺は慌てて起き上がり、ふらつきながら近寄る。
 だがそれでも遅かったのか、ルードルドーナはその場に膝をついた。

 ヤバい、俺が思ったよりかなり血が出たんだ。いや、これは腹部に深い傷を負ったからなのか。ああもうそんなのどうでも良い、早く手当てしないと!!

 とにかく治療だと思い、俺はルードルドーナのすぐ横に座ると、腹部にどんな怪我を負っているのか観察しようとした。
 だが、その前にルードルドーナは倒れてしまう。

「ルードっ!! くそっ、なんだ、何が起こった!!」

 未だに動けず、ずりずりと張って移動するしかないカルウノスが混乱している。
 確か、カウルノスもクロウと同じくらい早く動けるし、そんな素早い動きを目で負えるくらい動体視力が超人的だったよな。

 それでも分からなかったってことは、敵に襲われたんじゃないのか?
 でも、だったらさっきの声は一体……。

 まさか【教導】……いや、でも、なんだか違和感がある。
 さっきの声は、今この状況でパッと出てこない、誰かの……。

「う゛っ、ぐ……うぅ……っ」
「ッ……!」

 い、いかん、考え込んでいる場合じゃない。
 命の危険が及ぶ前に、なんとかして怪我を手当てしないと。

 仰向けになってくれたのは好都合だ。
 この状態でなら、腹部がどういう怪我をしているのかも判

「おっと。君には別の役割をしてもらうよ。ツカサ君」

 耳元で声が聞こえて、一気に背筋がぞわりと怖気立つ。

 ――――この、声。この言い方。

 そうだ俺、この声聞いた事があるじゃないか。
 これは……――

「まだ何も壊してないのに、守れれちゃ困るんだ」

 そう、耳元で囁かれた。
 認識し、意識を即座にそちらへ向けたが。

 俺の目に映った風景は、今まで居た場所とは大きく異なっていた。

「ツカサ!!」

 クロウの声が、背後で聞こえる。
 だけど俺は放り出された空中で何もできず、せめてもの抵抗のように、空中に浮きながら目の前の光景に目を見開いて息を呑んだ。

 ――少し先に居るアクティーの周囲から、こちらへ向かって一気に飛ばされてくる、目玉砲台から射出された岩石のつぶて

 何が起こったのか分からないけど、これはヤバい。
 今度こそ、死ぬ……!!













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めちゃくちゃ励みになります~!
 
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