異世界日帰り漫遊記!

御結頂戴

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古代要塞アルカドビア、古からの慟哭編

48.変容するもの

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 クロウもカウルノスも、垂直の崖になったような部分や折れ曲がり鼠返しのようになっている所も構わず、腕と足の筋力だけでするする登っていく。

 だが、頂上である城に辿り着くのは容易ではない。
 かなりのスピードなのに、それでもアクティーが何をしでかすかと思うと気が気ではなくて、つい自分に出来る事は無いかと探してしまう。ああもう、こんな時に“大地の気”か土の曜気をクロウにあげられたら、きっと助けになるんだろうけど……しかし、今の俺は謹慎中なのでその戒めを破るわけにはいかない。

 何かが起こる前に、どうか間に合いますように。
 そんなことを願いながらふと上を見上げる。

 ……が、俺の願いはどうやら届かなかったようだ。

「なっ、なに、急に動きが……!」

 先ほどから小さく振動していた巨大ヤドカリ。
 だが、今回はその震えがその場に留まっている時のものではなく、巨大な乗り物が動いた時のような空気の抵抗を伴った大きな揺れを感じた。

 ヤバい。ヤドカリが何らかの動きを見せようとしている。
 だけど何をしようとしているんだ。

 やっとのことで大きく曲がった膝部分から腿のあたりに乗り上げ、俺とクロウが同時に頂上である【アルカドビアの城】を見上げると。

「な……ん、だ……あれは……」

 ヤドカリの少しなだらかに下がった腿節にしがみ付きながら、クロウが呆然と呟く。
 だが、その言葉すら吐き出せない俺は答えることも出来ず、ただ、自分の目の前で展開されている光景に目を向いて絶句するしかなかった。

 ――――そこにあったはずの、城。

 だがその城は頂点から次々に「城」を形作っていた土の煉瓦を浮かせ、まるで幾つもの小さく細長い竜巻を作るように浮き立っていく。

「城が……」

 ……城の全てが崩れはじめ、小さな欠片になった城の欠片がそれぞれ別の竜巻になって柱のように連なって。
 もう、城の名残なんて囲っている城壁ぐらいしか見えない。

 俺が目を凝らすと、複数の竜巻と化した城の瓦礫は橙色に包まれ、暴風の内部で次々に繋がろうとしていた。……まさか、別の形に変えようってのか!?

「ツカサ、これは……」
「う……うん……」

 この光景は見たことがある。
 かつて、クロウが俺に見せてくれた、家々の煉瓦を何千と巻き上げて次々に家屋を作り上げていく、魔法みたいな光景。それと同じだ。

 けれど今見ている光景は、あんな幻想的で胸が躍るような光景じゃない。
 なにか「出来てはいけないもの」が出来上がるのではないかと言う、悪寒。それが体の内部を冷やし、熱い外気との温度差でどっと汗が噴き出した。

 やばい。何がヤバいのか分からないけど、このままではいけない気がする。
 なんだか、あの見慣れた橙色の光の集合体が、怖い。意志が含まれた土の曜気は、俺が知らない感情を練りこんでいるようで、それがこの先に惨劇が起こるのではないかという不安を更に煽った。

「くっ……クロウ、なんかイヤな予感がする! 早くアクティーの所へ……!」
「う、うむっ!」

 驚き固まっていたクロウは、俺の言葉に即座に反応して立ち上がる。
 そうして俺の重みなど存在しないかのように、ヤドカリの緩やかに斜めった腿節の上を城へ向かって駆け出した。

 邪魔者は高所ゆえの強風と振動だけだが、気を抜いたら落ちてしまう。
 だがクロウはそれをものともせず一気に付け根部分まで駆け上ると、城壁の下部を支えている土台……いや、【古代アルカドビア】の地下通路などがあった、土に覆われているままの部分に到達した。

 そうだ。
 この巨大ヤドカリは、土に埋もれたままの地下通路の遺跡の上に、城壁とお城が乗っかってる構造で、恐らくその通路は……俺達が敵地と化した城から脱出した時の経路でもあり、アクティーとクラウディアちゃんが逃げた道だったはず。

 ヤドカリの光る目のように見えていた部分は、通路を照らす光が円状になっていたからだという話だったが……足の部分からでは、遺跡が見えない。
 全てが土に覆われている。

 だが、クロウはそのまま壁のように立ちはだかった壁に突進し始めた。

「ちょっ、くっ、クロウ!? ぶつかるぞ!」
「安心しろツカサ、どうやら下半分は影響が及んでいない」

 そう言いながら、クロウは小さく詠唱を呟き……――――

 思い切り壁に向かって吠えた。

「――――ッ!!」

 至近距離で聞いた鋭い咆哮に、思わず肩を竦める。
 だがそんな暇もなく、再び体が浮き上がった。

 何が起こったのかと無意識に閉じた目を開くと……橙色の光に包まれた剥き出しの土の壁が、まるでキノコのように平べったい台を伸ばし、俺達の足場となって、どんどん上へと押し上げてくれているではないか。

 こ、これは……即席の土のエレベーター……!?

 本当に、クロウの発想力には驚かされる。
 だけどこれも土の曜気をハンパなく使用するはずだ。本当に大丈夫だろうか。

 一抹の不安を覚えながらも、俺達は城壁へと降りる。
 そして、改めて至近距離から見た光景に……また、言葉を失った。

「なんだ、これは……」

 クロウが困惑したような、呆気にとられたような声で城壁に片膝を突き屈む。
 警戒してその場に腰を下ろしたが、しかしどうすべきか困惑しているようだ。

 さもありなん。何故なら、俺達の目の間遠広がっていた光景は……

 なんと説明して良いのか分からない、不可解な形に治まった異物。
 空き地と化した広い台地にいくつも出来た、中央に「目」のある不可解な半円形の岩の集団が、アクティーを中心に散らばっていた。

 ……まるで、網目のように等間隔にぎっしり並んでいて、遠くから見るその光景は無意識に嫌悪感を覚えさせる。
 何だか、地面から数えきれないくらいの大きな眼球が露出しているみたいだ。

 あまりの気味の悪さに鳥肌を立てたが、俺はその怖気を振り払って観察した。

「目……いや、あれって……渦巻き……じゃなくて、矢のまと……?」
「マト?」

 そう。目のように見えていた半円形の岩たちの「目」は、円を重ねた弓矢の的のような形をしているのだ。しかしその目は、よく見ると中央に向けて窪んでいる。
 しかも重なった円は外から中へ下るような段差があって、瞳孔に見えていた中央の穴は、まるで……何かを内側から射出するような……――――

「まさか、あれ……っ」
「どうしたツカサ」
「クロウやばい、アレは多分射出機だ!! あんなにたくさんの岩から何かが戦場に射出されたら、防げない!!」
「なにっ……!?」

 俺の返答になってるかどうかも分からない強張った大きな声に、クロウが再び岩の目の群れに振り返る。そうしてすべてを理解したのか、熊の耳と髪の毛をざわつかせ空気を孕んだかのように膨らませた。

 猫が毛を逆立てる時のように、緊張で浮き立っている。
 クロウも、あれが「投石器のようなもの」だと理解したことで、一気に状況が悪くなったことを理解したのだろう。地上戦ならまだ耐えきれた兵士達も、空中から来る攻撃までは対応が出来ないかもしれない。それに、下手したら王都を破壊される可能性がある。

 こんな膠着こうちゃく状態で直接王都を狙われたら、兵士達には防げない。
 住民が避難している区域にまで、危険が及ぶかもしれないじゃないか。

 しかもまだ、ヤドカリの動きが止まっていない。このまま投石をしながら戦場にヤドカリで乗り込まれたら、今度こそ止めきれないだろう。きっと、酷い事になる。

 その際に受ける被害は、考えたくもない。
 今度こそ、取り返しのつかない事になってしまう。

「どうしよう……」

 つい、言葉が口から漏れる。
 重い空気のまま、未だ動かないアクティーを見下ろしていると――クロウが不意に、話しかけてきた。

「…………ツカサ、ここに居てくれ」
「っ……クロウ……?」

 俺を城壁のてっぺんにある通路に降ろし、クロウが立ち上がる。
 だが、その表情はどこか浮かない顔をしていた。
 緊張でも焦りでもない、今の状況とは別の懸念を抱いているかのような横顔だ。

 何故そんな表情をするのか眉根を寄せた俺に、クロウは振り返らないまま、ぽつりと問いかけるように呟いた。

「ツカサ。お前は……オレが、どんな姿になっても……好きでいてくれるか」
「え……」

 橙色の瞳だけが、こちらを見る。
 雄々しくも端正な顔立ちをした褐色の横顔は、太陽の光に照らされて眩しい。
 思わず状況を忘れて息を呑んだ俺に、クロウは続けた。

「オレはお前に対して、何度も過ちを犯した。その時の荒ぶる姿は……お前にとって見たくないものかもしれない。だが、今は……好きで、いてくれないだろうか」

 ――――過ちを犯した、荒ぶる姿。

 それってもしかして……雄山羊のように捻じ曲がった二つの角を生やして、爪や牙すらも鋭くなってしまった、あの魔王のような姿のことだろうか。
 確かに、ああなった時のクロウは荒ぶっていて、俺を傷つけた。

 だけど今更そんなことを考えるなんて。
 …………いや、今だからこそ、そう思うのかもしれない。

 きっと、ここから先のクロウは……
 “本当の姿”で、本気になって戦うつもりなのだ。

 その姿を見せたくないから、今まで封じていたのかも知れない。けれど、今はその力が無いと誰も守れないと悟ったのだろう。だから、俺に問いかけているんだ。
 クロウが隠し続けてきた、見せたくなかった武力を再び見せて、また俺が怯えたり距離を置いたりしないか、と。

 ……まったく、こんな状況でそんな事を考えるなんてどうかしてるよ。

「ふふっ……」
「……ツカサ……?」

 不安そうに、クロウが顔をこちらへ向ける。
 だけど俺は笑みを崩さず、振動で転げないようその場に座ったまま、クロウの大きく武骨な手を両手で握ってニッと笑って見せた。

「何度も言わせんなよ。どんな姿だろうと、クロウはクロウだよ。俺の大事な仲間で、もう離れてほしくない……大事な、クロウだ」

 だから、心配はいらない。
 今のアンタなら、その「魔王」の力も上手く使えるだろう?

 そう言うようにクロウの顔を見上げると、相手は一瞬驚いたように目を大きく見開いたが――――やがて、ハッキリと分かるほどに嬉しそうに笑顔を浮かべた。

「ツカサは……肝心な言葉ばかり、ハッキリと言ってくれるんだな」
「ん……?」

 肝心な言葉ばっかり、って……それどういう意味?

 一瞬よく解らなくて面喰ったが、思考停止した俺に構わず、クロウは腰を屈めて。
 そして、俺をギュッと抱きしめ――――ついでに、首筋をぺろりと舐めた。

「んぎゃあっ!? ちょっ。なっ、なになになにしてっ」
「ツカサが許してくれたら、オレは二度と迷わない。……だが、もしオレが感情を抑えることが出来ず、戻れなかったら……その時は、ツカサがまた止めてくれると信じている。……だから、許してくれ」

 何を言いたいのか、ハッキリとは理解できない。
 だけど、俺の首筋に顔を埋めてきたクロウの体は熱を持っていて、クロウよりもチビな俺に対して必死に縋り付いて来ているみたいだった。

 ……あの魔王化、やっぱり……クロウの感情が高ぶって暴走した時になってしまう“あまり見せたくない姿”なんだろうか。

 今までの事で少し予想してはいたが、クロウのこの深刻そうな様子を見ると、それが正しいのかもしれないと思ってしまう。
 だけど。

「……おう。任せとけ。俺が許すから、アンタは何も気にせず戦ってこいよ」

 俺が今クロウに伝えることが出来る言葉は、これだけだ。
 そう。クロウが覚悟を決めて「見せたくない姿」で戦おうと言うのなら、俺はクロウの仲間として一緒に責任を負ってやろうではないか。

 そして暴走するかもしれないと不安に思うなら、俺がその不安を取り除く枷になる。
 俺にだって、出来る事は有るんだ。なに、魔王化したクロウなら二度も相手にしてるんだ。無事である保証はないけど、しかしクロウを止められるのは事実上の不死身であり、クロウとの距離が最も近いと自負している俺しかいないだろう。

 ……な、なんか、ちょっと言い方がヘンで恥ずかしさが無くもないけど。
 でも、クロウが弱い部分を見せて信頼してくれているのは間違いないんだ。

 ならば俺もその信頼に全身全霊で返すのみ。
 どんなことをしてでも止めるのが誠意と言う物だ。

 ――――まあ、その時は……約束を破る事になるかも知れないけど、魔王化して暴走したクロウを抑え込む事態になれば、カウルノスですら危ういだろうし。

 なら、チート能力を持つ俺がやるしかないよな。

 ブラックにも食らいつく武力を持つ奴の相手なんて、他の人に任せられない。
 いや……俺が、クロウの仲間だから……任せたくないんだ。

 だから気にせず、自信を持って力を発揮してくればいい。
 この場を治めることが出来るのは、クロウしかいないんだから。

 そう思い、クロウの顔を見返すと、相手はふにゃりと嬉しそうな顔で笑った。

「ツカサ……大好きだぞ……!」
「っ……!?」

 な、な、なにまた急にっ。なんでそんな顔するんだよ!
 どうしてアンタはそう、ブラックとは違う方向で心臓に悪い……って、俺が慌ててる間に立つなっ。ああもうマイペースな熊さんだなあもう!

「じゃあ、行ってくる。……ツカサ、頼んだぞ」
「……! ……おう!」

 さっきの態度からすぐに雄々しさを取り戻し、高所ゆえの強風にも負けず立つ背の高いクロウ。その姿に俺は一瞬目を奪われたが、俺は強く頷きを返した。
 すると、クロウは未だ上機嫌だったのか俺に微笑むと姿勢を直し、城壁の下に広がる風景を睨んだ。

「ウ゛ゥ……」

 クロウの喉から、獣のうなり声が聞こえる。
 そのまま勢いよく地面を蹴って下方の大地へ飛び出したクロウを追って、通路から少し身を乗り出し下を覗き込むと。

「あ……!」

 強風に髪を靡かせながら飛ぶクロウを、強い橙色の光が包み込むのが見えた。












 
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