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古代要塞アルカドビア、古からの慟哭編
王位を廃して残るもの2
しおりを挟むだが、あわや大惨事になると俺が息を呑んだその時。
「なんだ貴様は!!」
「ッ……!!」
急に爆発音がして、カウルノスの体がさっき居た場所から離れている。それどころか、空中で三つ巴だった緑狼とアクティーも元いた地点から吹き飛ばされていた。
なんだ。何が起こったんだ?
俺の目には、三人の中央でいきなり光が閃いて爆発音がしたように見えたが……もしかして、カウルノスが炎の“特殊技能”を使ってわざと暴発させ、その勢いで距離を取ったんだろうか。良く見てみると、落下し始めたカウルノスの服には煤が付いていた。ぐうっ、やっぱりか……!
そういう機転は素直にすごいけど、敵もろともで怪我なんかしたらクロウやマハさんが心配するじゃないか。武人だから平気だと言われるのは理解してるけど、平気で自爆みたいな手を選ぶのはやめてほしい。
だけど、今のはそうでもしないと避けられなかったのか。
もしそうなら、カウルノスにとってアクティーは厄介な相手という事なのかな。今の「なんだ貴様は」って言葉も、焦ってる感じみたいだったし……。これはヤバイんじゃないのか。カウルノスは次期国王だぞ、万が一致命傷を負わされたら、本当にアルクーダが揺らぎかねない。
クロウもそう思ったのか、俺を抱えたまま兄貴に向かって叫んだ。
「兄上、彼女は操られています!! 国王の命を狙っている!!」
出来るだけ簡潔に、分かりやすいように叫ぶクロウ。
その意図が伝わったのか、カウルノスは俺達を見てハッとし、自分を睨んで唸り声を上げているアクティーを見やった。
「なるほど……。お前、我が弟らと面識があるようだな。俺に近付く策略の一つか? だとしたら、到底許せることではないぞ」
ああっ、なんか勘違いしてる!
違うよ、そうじゃないんだって。アクティーは別に俺達を利用しようとして知り合ったワケじゃ……って、説明が長くなりそうで全部を伝えるのが難しい!
だけど、このまま勘違いさせていたら今度はアクティーが危ない。
「か、カウルノス違うよ! アクティーは操られてるんだって、彼女はこんなこと本当は望んじゃいないんだ!」
「仮に心はそうであろうが、今俺に牙を剥けていることに変わりは有るまい? それに……操られるほど心が弱い武人であれば、今ここで俺が殺してやった方がこの女も本望だろう。……って、こいつ女なのか」
いーまーさーらー気付くんじゃないよ!!
つーかこの人本当獣人らしい獣人だなあもう! いや、クロウが人族に思えるほど優しいだけで、他の人は弱肉強食だから厳しい視点を持ってるんだろうけども!
でも、今はその「弱肉強食」で名誉を守ってやったとしても、救われないんだよ。
彼女は本当の願いを思い出すことを望んでいる。
もしこのままカウルノスがアクティーを殺してしまったら、その願いはもう二度と叶うことなどないかもしれない。そんなのダメだ!
「くっ、クロウ、頼む! アクティーをどうにかしてカウルノスから引き剥がしてくれ!」
咄嗟に自分を抱えているクロウの顔を見上げるが、クロウは武人として戦いに割り込んでいいのか迷っているようで、さっきの自信満々な顔が嘘みたいに少し気弱な雰囲気を醸し出してしまっている。
「ヌ……だ、だがツカサ、兄上はオレよりきっと強い……」
ああ、また「オレなんて」って言いたげなセリフを言おうとしている。
そう思い、俺はクロウの言葉を掻き消すように思い切り声を張り上げ遮った。
「クロウなら、殺さずにアクティーを止められる!!」
――――何一つ疑ってなんていない。
アンタの力が凄いのは、俺が一番よく知ってる。今さっきもそうだったじゃないか。
それに、カウルノスとも渡り合った力を持っているだろう。なのに、今更気弱になるなんて、俺が許さない。全部任せてくれって言ったのに、二の足を踏むなんて絶対に許さないんだからな……!!
「ツカサ……」
橙色の瞳が、何故か水分を含んだように潤んでいる。
日差しに光る宝石みたいなその瞳に、俺は心の中で思っている事を隠さずにそのまま吐き出した。
「俺の願いは、自分の願いだって言ったの……アンタじゃないか……!」
何もさせたくないと言うなら、男らしさを見せてくれ。
……こんなことを言う俺の方がわがままだっていうのは分かっている。だけど、俺はクロウなら出来るって思ってるんだ。俺の願いを叶えてくれると言った事を、アンタが気弱になって二の足を踏んだとしても信じてる。
だって、アンタは強いんだ。
もう周りに認められていない、可哀相な子熊じゃないんだよ。
なにより……俺が、ブラックが、その力を認めている。
とんでもない力を持つブラックと並び立つ男だって、アンタもそのレベルだってことを、俺だけじゃなくてブラックだって認めてるんだ。
カウルノスには悪いけど。
でも……俺は、クロウの強さを信じる。
殺すんじゃない、アクティーを救ってくれる結末をアンタがくれるんだって。
そう信じてるから……!
「…………全部、分かるな……」
「え……」
思ってもみない呟きに、俺が目を丸くすると。
クロウは何とも言えない切なそうな嬉しそうな顔で微笑んで、俺を抱く腕の力を少し強めた。
「ツカサが考えていることが、全部判る。……オレは本当に、幸せ者だ」
そう言い終わるやいなや。
いきなり顔に風が強く打ち当たって来て、俺はクロウが走り出したことを知った。
相手の顔はもう俺を見ていない。アクティー達の方を凛々しく睨んでいた。
だけど。
「そうだった。オレは、ツカサの願いを……愛しいメスの願いを叶える男になったんだ。ならば……愛しいメスが見ている前で、気弱になる方が恥だ……!!」
語気を強く発し、クロウは人間のモノのように見える喉で唸り声を上げる
そうして、未だに睨み合っているカウルノスとアクティーの間に割り込もうとした。
が――――
「おいおいおい!! 俺様の事を忘れんじゃねえよクソ熊どもがァ!!」
俺がその声に反射的に顔を向けた刹那、すぐ間近に見知らぬ筋肉質の腕があり、その手から鋭く伸びた爪が俺に向けられて留まっているのを見た。
いや、振り下ろされる瞬間だったのかもしれない。
だが俺が認識するより前にクロウが動いたのか、俺を腕で支えたまま手を使って、緑狼――自称“二角神熊族”のライバルである“嵐天角狼族”の次期長……乱暴者のウルーリャスを制止していたのだ。
「っ……」
「ほーう? クソ廃王子の分際で、また俺様に牙向けようってのか軟弱熊」
「……お前の腕を止めた時点で、その認識は間違っている」
クロウが怯まずに言い返すと、ウルーリャスはピクリと片眉を上げる。
だが、ぐぐ……と力を込めても動かない自分の腕に気が付いたのか、先ほどの俺達を見下すような視線をやめて、腕を振り払うと二、三歩距離を取った。
「まあ、ちったあ食える肉になったってことか? だが関係ねえよ、テメェはさっさと俺様のためにそのメス置いて逃げりゃいいんだ。廃王子なんざこの王様気取りのクソ熊ともう縁もゆかりもねえんだろ? クズならクズらしくさっさとどっかに行っちまえよ」
そんな事を言いつつ、小指で耳をほじってあからさまにクロウを侮辱する緑狼。
なにが廃王子だ、アンタに何が判るってんだよ。
クロウが強くなったことなんて一目見ればわかるだろうに、それを認めもしないで、自分の事ばっかり言って自惚れやがって……っ!
「お前なあっ……!!」
思わず口が出そうになった。
その、俺を押しとどめて――――クロウが、冷静に返した。
「オレのメスはオレの物だ。お前などに渡さん。それに、お前のようなデイェルの強さに溺れた獣になど、オレも兄上も負けん」
「クロウ……!」
はっきりと、クロウが言い返した。
……っていうかちょっと待って、い、今なんか、物凄い宣言を……っ!?
「あンだとぉ……このクソ熊があぁっ!!」
うわっ、考えてる場合じゃない狼が襲ってきた!
どどどどうすればっ……――――
「よく言ったクロウクルワッハ!! それでこそこの俺の弟だッ!!」
カウルノスの声。
その大きな声が聞こえた刹那、俺達に襲い掛かろうとしてきた緑狼の頬を、大きい拳が打って吹き飛ばした。……えっ……ぱっ、パンチ……!?
凄く早いパンチ……お、俺程度じゃ見逃してしまう所だった……っ。
「兄上!」
「……フン。特殊技能に溺れた、か……。確かにヤツは嵐の能力で、強くなった気がしているようだな」
そう言いながら、カウルノスは緑狼のウルーリャスを鼻で笑ってクロウを見る。
だけど、カウルノスの表情に先程の嘲りは無い。
クロウの顔を見つめる兄の表情は、薄らと微笑みを浮かべて、どこかこちらを信頼しているみたいな明るさがある。
そんな兄の顔に少し面喰って目を丸くしている弟に、兄は嬉しそうに目を細めた。
「だが、お前は違う。“ディオケロス・アルクーダ”として、お前は身体的な強さをここで見せつけ、そして己のメスを守る心の強さも見せた。……それでこそ、我らの立派な血族だ。……まあ、俺が言えた義理ではないんだがな」
「いえ……そんな……」
クロウが照れる。
身内に褒められた時にしか見せないような、遠慮するような照れ方だ。
そんな弟にフッと笑って、カウルノスは目敏くアクティーとウルーリャスを見た。
「…………何やらよく解らんが、お前達があの女を生かしたいと言うのは分かった。だが、俺は国を守る者としてそう言った判断は下せん。だから……お前達が、始末をつけてこい。今回だけは、俺が直々に協力してやる」
「カウルノス……」
……今、こんなことを思うのは失礼かもしれないけど……。
でも、前のカウルノスと比べると、今の方がクロウの事をもっと考えてくれるようになったのが分かって、つい心がぎゅっと締め付けられてしまう。
二人が互いの武力を認め合ったからなのだと思えば、更に心が熱くなった。
そんな俺に、カウルノスが更に言葉をかけてくる。
「ツカサ。尊竜様は今、お姿を変えて王都付近で戦っておられる。もし手におえないならば、手を貸して頂いた方が良い。……万が一の時は……――――」
尊竜……それは、俺の相棒であるロクショウの事だ。
カウルノスが、そのロクショウに関して何か言いかけた。その時。
「――――――!!」
大人しくこちらを睨んでいただけのアクティーが、また吠えた。
だが、その咆哮は止むことなく響き、次第に周囲を揺らし始める。これも、【礪國】が操る土の曜術なのか……!?
身構えた俺達だったが、アクティーはそのまま大口を開けたまま、ギラギラと光る瞳でこちらを睨みつけ……急に、その場から消えた。
「ッ!? なにっ、消えただと!?」
「兄上落ち着いて下さい、これは多分……術で上に……!」
「上? ちょ……ちょっと待ってクロウ、上って……」
――――俺達の頭上には、蓋をするような巨大な城の底が見えている。
これは、ヤドカリのような岩の足に支えられた【古都アルカドア】の城の底だ。今も、俺達を大きな影の中に包んで太陽から隠している。
今は動いていないけど、でも、アクティーが「上に行った」ってことは……。
「うわぁっ!!」
や、やばい。足が、俺達を囲むように地面に突き刺さっていた足が、震えてる!
咆哮による振動のせいじゃない、これは砂漠から動こうとしている。でも、動きが前のような緩慢な動きとは違う。
まるで、もっと小さなものみたいに機敏な動きで、動き出して……。
い、いや、これヤバいぞ。
もしかしなくても、コレは再びアクティーが王都に向かおうとしてるんだよな!?
そんなのダメだ。早く、なんとしてでも止めないと……!!
「クロウ!」
「ウム、オレ達も今から登ろう!!」
「チッ……王都を再び狙わせるわけにはいかん、俺も行くぞ!」
クロウはカウルノスと頷き合って、それぞれ別の方角へ走り出す。
だが、別に逃げるわけではない。クロウは俺を抱えたまま軽く跳び上がり、詠唱を唱えてヤドカリの足に小さな出っ張りを作って、そこを正確に跳び上がっていく。
対するカウルノスは、己の腕力と脚力だけで巨大な岩の足にしがみつき、筋肉質の長身だと言うのにするするとヤドカリの足を登っていた。
……やっぱり、どっちも凄い。
「ツカサ、必ず止めて見せるからな……!」
「……うん……!」
クロウの負担にならないように、俺も協力してクロウの首にしがみ付く。
その行動に、クロウはムフッと変な興奮したような大きな息を噴いたが、俺は気にせずに、早く城へ到達できるよう気を抜かずにその体勢を維持し続けた。
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