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古代要塞アルカドビア、古からの慟哭編
23.こんなことしてる場合じゃないんだが※
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――――どこかから、声が聞こえる。
『……――――を、呼べ……』
知らない、声。
今まで聞いた事もない……いや……あるのかも知れないが、わずかな記憶の中だったせいで、覚えていないのかも知れない。
だが、声は俺の迷いなど気にせず語りかけ続けてくる。
『己が力を欲するものを、呼べ』
おのが……ええと……なに、言ってるんだ。
なんか難しくてよく分からない。
『その身を守るに足るものが現れし時、真名を呼び誓いを立てよ。跪かせ永久の契りを交わせ。それこそが連綿と受け継がれし本来の理。地の果てと果てに別たれようとも、決して解けぬ契約の証』
う、うう、頼むからもう少し簡単な言葉でお願いします。
よく分からない。頭がボーッとして、全然入ってこないんだよ。
何かを教えてくれているのは分かるのに、理解がおっつかない。自分でも変だとは思っているのに、直接頭に入ってくるような声が何を言っているのかハッキリと理解することが出来なかった。
『那由多を越えし吾子、己が神性を自覚せよ。末席なれど吾子は……――――』
あこ?
アコって誰だろう。女の子の名前かな……。
……でも、なんだろう。
この人の声……前は怖いだけだったのに、今は……――――
「っぁ……ぅ……う……」
なんだろう。なんか、変だ。
体が酷く熱い。眠くてぼんやりしてて、また意識を手放したいと無意識に考えているのに、その熱くて違和感のある“何か”が許してくれない。
眠いのに、眠れない。
だんだんとその熱さや体の違和感が、どこから来るのか分かってくる。
「ぅ、あ……あ、ぁ……」
なんか、腰のところが、あつい。
熱いだけじゃなくて、へんなとこが苦しくて……ぁ、あ……なんか……股間全体が、なんか、え、えっちな感じでじんじんして、きゅうってなって……っ。
「ッ、ぅ、あぁ……あ、ツカサ君……っ、ツカサ君……っ!!」
「――――――ッ!?」
ドッ、と、腹を強く突かれた衝撃で、今度こそ一気に目が覚める。
あっ、あぁっ、お゛っ、おなかの中からこれ……ッ。
「んはっ、ぁ……あっ、ツカサ君やっと起きてくれたんだねえっ!!」
「んんんんん!?」
目を開いたら、裸のおっさんが……ってかブラックが、至近距離にいた。
いやそれだけじゃない。なんかおかしい。お゛がっ、あ゛っ、あぁ!
「はぁっ、はっ、つ、ツカサ君っ、もう……っ、こ、こんな時に起きるなんてぇ……っ! ベッドの上で何度もセックスしたのに起きないからっ、お、おほっ、お風呂で……っはぁあっ、つ、ツカサ君のトロキツ雌穴気持ちよすぎるぅう……っ」
「らんぇっえあぁっ! あぐっ……ちょっぉ゛っ、ひっ!? お゛ぐっぅ゛っ、やっ、あ゛っ、あぁあ゛っ! ぅ゛ぐっ、ぅ゛……ら、ぇっ……そっ、ぉ゛、らえ゛ぇえ゛……!」
背中が、硬くてぬるい床に当たってる。
体は汗をかいたよりびしょびしょになってて、目に涙じゃない水が落ちてくる。
視界を霞ませているのは、俺の眠気だけじゃない。これは、湯気だ。
そうだ、ここは風呂だ。
でもなんで。どうして俺は風呂でブラックとこ、こんな、こんなこと……っ!
「やっぱり前立腺? それともココかな、挿れてすぐのここいっぱい擦られると気持ち良くなって意識が戻ったの? でもやっぱり奥だよね、ツカサ君の一番奥のココを、僕の恋人ペニスでごちゅごちゅ叩いたから精液噴き出しながらおはようしてくれたんだよねぇえっ! あはっ、はっ、あはっあははは! 嬉しぃいっ、はっ、はふっ、も、もっとしてあげるっ、ツカサ君の雌穴いっぱい犯して気絶しないように精液いっぱい出してお腹いっぱいにしてあげるねええっ!」
「ん゛あぁあっ!! うぐっ、ん゛っ、んぶっ……はっ、はぁっ、は、ぁあっ、あ゛ぁあっ! ち、がっあ゛……あぁああ……!」
お゛っ、おなかナカからごつごつされて苦じい゛……っ、う゛、うぅう゛っ、や、やめろって、もう良いからって言いたいのに、ブラックのおちんちんが奥まで来て、い゛……い、っぱい、ごちゅ、ご、つ、されて……なにも、言えない……っ。
考えたいのに、おちんちんが俺のナカをいっぱいにして、い、いっぱい、ぜんぶ、頭がおかしくなるとこぜんぶ、ブラックにごりごりされて、こすられて――――
「あぁっ、はっ、あぁあっ、いくっ、イクよねツカサ君、ナカがぎゅうってなってるよっ、僕のペニスを一生懸命締め付けてびくびくしてぇえっ! ぼっ、僕もいくっ、ぅ、あぁっ! ツカサ君っ、ツカサくんん……っ!」
「~~~~――――ッ!!」
つよい、おっきい腕に、ぎゅっとされて。
それがいちばん、おなかの、おくをぎゅうってして…………。
「っ……はぁっ……は、あ……あぁあ……あぁ……し、幸せ……搾り取られるぅ……。ツカサ、く……ぅ……うぁ、し、締め付け、ほん、と、すご……っ」
「んっ、ぅ……んん、ん……っ」
みみに、ぶ……ぶらっくの、声がぞくぞくする……っ。
ぶらっくの、ブラック、の、声だけ、じゃなくて……熱い息や、柔らかいのと硬いのが半々の腕とか、肌、とか……それに、大人の証の……その……もじゃもじゃ……と、とにかく、ぜんぶ、全部……胸もお腹の奥もおかしくして。
だから、お、俺のせいじゃないのに、ずっとナカに一杯……まだ、ブラックのが出てる……ブラックにぎゅってされてたら、そのせいでなんでかまたナカが反応して、締め付けちまうから、だからこんな……っ。
「あぁ~……まだ出る……っ。ツカサ君のナカ、セックス専用雌穴すぎるよぉ……これじゃあ僕の精液全部搾り取られちゃうぅ……!」
「う……うぅ……ぁ……はぁっ……っ……はぁ……ぁ……も、もう、や……っ」
ぐ……ぅ……ぐうう……なにが、し、絞りとられちゃう、だ……。
なんかもう、ブラックの言ってることの語尾全部に、うざったいハートマークが乱舞している気がする……。ていうか、フキダシが出てたら確実にそうだ。
こっちは、ぅ……ま、まだ、体がおかしいのに、余裕ぶりやがってぇえ……っ。
「あは……ツカサ君、激しめセックスしても気絶できなかったね! ってことは、元気になってくれたんだ……よかったぁ……」
「っ……」
ばか、やだバカスケベこっち見るな凝視するなあ!
な、なんでお前、そんな嬉しそうな顔でこっち見てくるんだよ。ずるい、こんなの、俺がやったって絶対ドキリともしないのに、ブラックがやるだけで全然違うなんて。
でもやっぱり、こんな……こんな、オスって感じ丸出しの格好いい顔で笑われたら、そりゃ誰だってドキッとするのは、仕方ないとおもうし。
それに、濡れて顔に張り付くうねってキラキラした赤い髪とか、無精髭ついてるのに全然マイナスになってないずるい顔立ちとか、それに……じっと見てくる……菫色の、綺麗で宝石みたいな瞳の、大人の形をした目、とか……。
…………う、ううううなんで俺はこんなド変態を褒めてるんだよっ!!
違わい褒めてないわい俺は、だから、こういう美形ヅラに凝視されて微笑まれたら誰だってキュッてなっちゃうだろって言いたいだけで!
「ふふ……ツカサ君……好き……」
「っわぁ! だ、だからもうやめっ……っていうかこれなに、何してんだよアンタ!」
何が起こってるのか分からない。
というかそもそも、俺はジャルバさんと一緒に畑にいたはずではないか。
それで、なんか背後にいると思ったら急に体が痛くなって、異物感が来たと思ったら、ソレがとどまったような動いたような感覚が来て、それで……。
…………つまり、刺された……っぽい……?
ともかく、あの時俺は気絶したんだろう。
だったらあの時は間違いなく異常事態だ。敵が攻めてきたのかも知れない。
それなのに、なんでコイツは今俺を好き勝手にズコバコしてるんだ。
まさかアレで「実は何事もありませんでした」って事はあるまい。きっと、敵が攻めて来たんだろう。なのに、ここで悠長にこんなことしてていいのか。
いや、その……多分、ブラックは……え……えっちすることで、俺に曜気をムリヤリ充填させて、自己治癒能力を促そうとしてくれたんだろうけど。
でもあの、冷静になってくるとこの状況は色々思う所がありましてね!?
「んもう、難しい顔しないでツカサ君。今からちゃんと説明してあげるから」
「……じゃこれ抜いて」
「今抜いたらツカサ君のトロイキしたキツキツ雌穴でまた勃起しちゃう」
「お前本当エロ漫画みたいなセリフ回しやめろ。……じゃ、じゃあ……動かさないならこのままでも良いから、今どうなってんの……?」
ブラックの返答に背筋が寒くなってしまったが、正直に申告したのは偉い。
俺は正直もう一回あの勢いでガツガツやられたらたぶん死ぬだろうと予想しているんだが、このまま動かさないなら鎮まるまで俺も待ってやる。
待ってやるから動かすなよ。
絶対に動かすなよ!!
そんな強い念を込めた眼差しで睨むが、ブラックは俺の視線に何故か照れ照れと目尻を下げながら、俺を抱きしめたまま説明しだした。
「えっとね……ツカサ君が刺されて倒れた後、犯人の侵入者を追ったり、土の事で色々あったりして……ともかく厳戒態勢が敷かれるようになったんだ」
詳しい事はお風呂あがってから話すね、と言いつつ大まかな概要を言ってくれるが、まあそうなるだろうという感想しかない。
爺ちゃんやクロウ達が刺されなかっただけ良かったけど……でも、賊に入られたのは事実だもんな。こうなっては、のんびりしてはいられないだろう。
これで厳戒態勢にならなきゃおかしすぎるくらいの展開だったが、いくらなんでも俺だってそのくらいは予想できるんだからな。
なに。なんですか。俺をそんなバカだと思ってたのかお前は。
この! このスカポンタン、スケベおやじ!
「それくらい俺だって予想つくわい!
「いてて、ごめんごめんて。ポカポカしないで~えへへ~」
「だまらっしゃい!」
力を入れて本気で頭叩いたろかと睨むが、ブラックは全く怖がらない。
それどころか、先ほどより更に顔を緩めてでろでろになりやがった。
「もう……だから、それからみんなはどうしたって聞いてるんだよ」
みんなが無事なのか、もう戦は始まってるのか。
それが聞きたいんだがと再度睨む俺に、ブラックはニッコリ笑ってみせた。
「安心して。まだ戦は始まってないし、他の奴らは誰も襲われてないから。まあでも、そろそろ例の巨大要塞が見えて来たし……」
「う……や、やっぱり近付いてたのか……。じゃあ、これからまた会議なのかな。敵が襲撃してきたワケだし、対策とかするんだよな? クロウも会議に行ったのか?」
こういう状況になると、クロウが丁度いいタイミングで風呂場を覗いてきたりするのだが、今回は誰も入ってこない。
ロクはきっと疲れてるだろうから寝ているとして……クロウが来ないのは変だ。
なんだかんだでクロウもブラックと同じくらいスケベだし、近くにいるんならこんなことを無視してるなんてないんだからな絶対。俺には確信があるんだ。
ここで乱入してこないなら、きっと重大な用事があるのだろう。
そう予測した俺に、ブラックは興味なさそうな顔をすると事もなげに答えた。
「あぁ、熊公なら父親のとこじゃないか? 王族は全員出払ってるし……まあ、熊公は、伯父やら父親との話があるだろうからな」
「……そっか……? あ、じゃあ、ジャルバさんも無事ってことか。今は【五候】の人達に事情聴取でもされてるのかな……」
だとすると、俺も話を聞きたい。
俺が殺されかけた場面を見ていたのはジャルバさん一人だ。
なら、彼はきっと犯人を見ている。
顔は分からなかったにしても、何か手がかりがあるかも知れない。
ちょっとシャクだが俺もそれなりに回復したし、今から話を聞きに行くくらいなら問題は無いだろう。……ブラックが、これ以上何もしなければ。
ともかく、早く俺も【五候】の人達の元に行かなきゃなと思ったんだが。
「んー? それはどうかなぁ」
「どうかなって……どういうこと。会議してるんじゃないの?」
まだ日付が変わって無いなら、今後の対策とかを立ててるんじゃないのか。
そう返した俺に、ブラックは意外そうに目を丸くした。
「えっ、厳戒態勢になったから、その【五候】どもも、巨大要塞を監視するためにそれぞれ王都の門にある物見の塔に行ったよ? だから会議なんてしてないと思うけど」
「ちょぉおおっ!? お、お前っ、そんな大変な時に何してんだよ!」
「セックス!!」
「元気よく言うな!!」
「え……じゃあ、精液満杯疑似孕みセックスの方がよかった……?」
「なんでお前の脳みそはそういうヤバい単語がすらすら出てくるの?」
もうなんか怖くなってきた。
どういう思考回路をしてたらそんな勢いよく隠語を連発出来るんだ。
スケベ猿と言われた俺だって恥じらいくらいは持ってるのに。
やっぱオッサンか。オッサンだからこんな感じになるのか。
「あっ、セックスって言ったらツカサ君のナカがちょっとキュッてなって、また気持ちよくなってきちゃった……」
「わーバカバカ! 抜けっ、は、早くぬっ、う゛、うあ゛ぁっ」
「ああんっ急に引っこ抜こうとしたら……っ」
ギャー!! なんでまたちょっと成長させてんだお前ええええ!!
く、くそ、ちくしょうっ、腰が痛いし足がガクガクしてて上手く抜けないっ。
すぐにでも脱出したい、いやさせたいのに、なんでこんな……ああもうっ、ブラックが俺を好き放題してるからこんなことにいぃい!!
「お゛っ、おぉっ、つ、ツカサ君それらめっ、あぁあっ勃起しちゃうぅっ!」
「ひぐっ、ぅ、うううう……! も、もぉ……お、おま゛ぇ……おぼえてろよ……!」
緊迫した状況だっていうのに、なんだこの人に知られたくない乱痴気騒ぎは。
くぅう……こ、今回だけは、誰も入ってこなくてよかった……。
回復させてもらったのは感謝してるけど、これはやりすぎなんだからな。
コレを抜いたらもう、絶対しばらくえっち禁止なんだからなこのー!
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