異世界日帰り漫遊記!

御結頂戴

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邂逅都市メイガナーダ、月華御寮の遺しもの編

  マッサージとはなんですか2

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「…………えーと……全部って言うか俺の専門は肩たたき……」
「じゃあツカサ君には早速癒して貰おうかな~っ。おい熊公、このあばら家は風呂も有るんだろうな」
「ム……あばら家ではない、ちゃんと館と呼べ。もちろん風呂はあるぞ。王宮のものと引けを取らない……いや、負けず劣らずのものだ」
「ほーう、じゃあ見せて貰おうじゃないの。あ、ロクショウ君、留守をよろしくね。熊どもが来たら、ちゃんと隠れるんだよ」
「キュー」

 あ、あれ。なに、なんだこの言葉の洪水は。
 っていうかなんでロクショウだけお留守番なんだよ。ロクだって一緒に風呂に……いや待てよ、今ブラックは風呂の有無を確認したんだ?
 えっ、俺も風呂に入るの。なんで?

 や、ヤバイ。オッサン二人の話がどんどん進みすぎて、もうどこを気にしたらいいか分からなくなってきたぞ。だけど猛烈に嫌な予感がする。ここで流されたら、とんでもない事態になるような嫌な予感が……こ、ここは絶対に切り抜けなければ……。

 ――――と思ったのだが、あれよあれよと言う間に浴場に連れ込まれ、二人がかりで服を脱がされてしまった俺は、ものの数秒で浴場に放り込まれてしまった。

「え……」
「いやぁ~楽しみだなーツカサ君のマッサージ」
「まさじ? うむ。楽しみだまさじ」
「マッサージだクソバカ熊」

 間抜けな会話を吐き捨てながら、脱衣所からオッサン二人が入ってくる。
 生温いモザイクタイルにへたり混んでいた俺が見やると、あられもない姿の二人は何故か勝ち誇ったように仁王立ちで体を見せつけて来た。

「さーて、色んな所のコリをほぐして貰おうかなぁっ」
「風呂は常時湧いてるから床も温かいだろう。寝そべっても問題ないぞ」
「うぐ……っ」

 そ、そういえば、素っ裸に剥かれて放り込まれたので、今まで寝てたんだ。
 慌てて起き上がるが、見せつけおじさん達の姿に思わず声が引っ込んでしまう。
 だ、だってこの角度で見上げると、その……顔より、い……イチモツがすごく近い所にあるというか……っていうか隠さずに近寄って来んなっ、隠せばか!

「ねえツカサ君、早速しようよぉ」
「だーっ、ま、まずは体を洗えよ! 俺も洗うから!」
「ムゥ……ましさーじというのは前準備が有るのだな……」

 いや普通はそうじゃないんですけど、アンタらが謎に張り切って俺を風呂に連れて来るからこうなるのよ。
 っていうか三人で風呂って時点で嫌な予感しかしないんだが、まあ俺が取り合わずに普通のマッサージをしてやればいいだけなのだ。風呂なんて一緒に何度も入っているんだし、もう気にしないようにしよう。

 そう思い、俺は洗い場に座ろうとした……のだが……。

「え……あれ……洗い場は……?」

 いつもなら、鏡のない銭湯の洗い場みたいな場所が風呂場にはあるのだが、この館の浴場には不思議な設備が設置されていた。
 なんというか……子供用のプールというか、浅い足湯というか……。学校で足などを消毒する謎の水場が広くなった感じだ。これはどういう場所だろうかと思っていると、クロウが説明してくれた。全裸で。

「ム……そういえばこんな感じだったな……。ツカサ、ここでは液体で体を洗う」
「液体? 石鹸とかサボンの実じゃないの?」

 人族の貴族などは、サボンの実という石鹸のように泡立つ果実を使っていた。
 ペリディェーザでも同じような感じだったので、ここでもそうだと思っていたんだけど、どうやら違うらしい。クロウは洗い場の端にいくつか置いてある壺に手を突っ込んで、中身を取り出した。……でろんとした、ちょっと粘り気がある透明な液体を。

「なにそれ、なめくじの粘液?」
「ちょっ……」

 なぜそんな恐ろしい事を言う、と、ブラックに突っ込もうとしたのだが、意外なことにクロウはその言葉にコクリと頷いてしまった。

「まあそんな感じのモノだ。水辺近くにいるモンスターから採れる、体に害のない液体だな。あまり泡は立たないが、汚れが良く取れるし保存も利くのだ」
「えぇっ、ホントに粘液なんだ……。でも、体に害がないならまあいいか」

 洗い場があるのは、粘液がタイルに流れて足が滑るのを防ぐためかな。
 確かにコレがボディソープだったら、どこに垂れてるかも分かりにくいもんな。簡単に手に入るモノだからこそ手放せなくて、結果的にこうなっちゃったんだろう。

 そう分かればそこまで難解ではない。
 俺も洗い場に入ると、足首まであるお湯を確かめ、壺から液体を取った。
 ……うーん……なんかこの液体、物凄く別のモノに似てるんだが……まあいいか。

「これを体にまぶして擦ればいいの?」
「ウム」
「はーっ……ったく、しょうがないなぁ」

 ブラックもようやく洗い場に入って、三人で横一列になり体をこする。
 とろりとした液体は不思議と冷たくて、ねっとりと流れて行く感覚が微妙だったが、それも擦っていると控え目な泡が立って来て気にならなくなった。

 原理は良く分からんが、泡が立つのはありがたい。もしかすると、このねっとり感が砂を吸着して洗い流してくれるのかもな。そりゃ手放せないはずだ。
 頭も洗えると言うので三人で全身液体塗れになり泡を纏うと、お湯が出てくる場所から湯を汲んで一気に洗い流した。

「ふー……意外とさっぱりするんだねえコレ」
「オレも久し振りの感覚だ。……コレは、ここでしか使ってないものだからな」

 そう言いながらブラックとクロウは頭を振って軽く水気を飛ばし、前髪を後ろへ撫ぜつける。何も隠さないその姿に、不覚にも俺は一瞬心臓がギュッとなってしまった。
 ど、ドキとかじゃないぞ。ときめいてはいないからな。

 でも、その……適度に筋肉がついた、どこもかしこも男らしいブラックと、褐色の肌がお湯で光っている筋骨隆々のクロウの姿は……お世辞抜きで、格好よく……は、ある……っていうか……。

 その、い、いつもは近場で見てたり、座った状態で横一列に並んでたから、こんな風に立ってる二人を風呂場で見るのは初めてだし、なんかこう……い、いつもと違うと、妙に意識してしまうというか……うううなんか自分が気持ち悪くなってきた。
 ともかく、早くここでマッサージを受けさせて風呂から脱出せねば。

「えーと、それで……マッサージなんだけど……肩もみとかで良いなら、お風呂の中でやってもいいんだけど……」

 そう言うと、二人が俺に目を向けて来る。
 だけど、その視線は顔を見たかと思うと何故か下の方へと視線が落ちて、ゆっくりと上がってくる。その二つの視線がどこを見ていたか分かって、俺は慌てながら股間を両手で隠した。

「んもう、ツカサ君今更隠さなくてもいいのに」
「おっ、俺のことはどうでもいいんだよっ! とにかくマッサージするんだろ!?」
「そうだな。では……どうするんだブラック」

 クロウがブラックの方を見やる。髪を完全に降ろしたせいか、ボサボサの長髪から水滴が零れて、肌を伝って落ちて行く。
 その行方をつい目で追ってしまって、変な場所を視界に入れてしまい俺は思わず目を背けてしまった。

「じゃあ……体が冷えるのもなんだし、足はお湯に付けながらお願いしようかな」
「え……あ、う、うん……」

 とりあえずは、普通のマッサージをしようと思ってくれてるのかな?
 ならば断わる理由は無いと思い頷くと、ブラックはニンマリと笑った。

 ……う……なんか、意味深な笑みだな……。

 でも、例によって例のごとく髪を降ろしたブラックは妙に格好良く見えて、胸の鼓動に嫌な気持ちが掻き消されてしまう。明らかにやらしい感じの笑みだったというのに、こんな格好のせいで俺は警戒もできなかった。

 く、くそ……っ。髪が長くてウェーブがかってるだけで、なんでこう眩しくなるんだ。
 なんかもうズルイ。存在自体がずるいっ。

 なんで髪を降ろしたオッサンにときめいちまうんだと自分で自分をポカポカ殴りたかったが、そこはぐっと堪えて二人と一緒に湯船へとむかった。
 ……ちょっと泳げるくらい広いお風呂だけど、なんか縁が階段状になってて、中心が凄く深いな。プール程度は有るんじゃなかろうか。

 もしかすると、ここの人達は獣モードの姿でお風呂に入ったりもするのかな。
 だから、ある程度の大きさの獣が入っても平気なように深いのかも。まあ浅瀬の所が長く取ってあるから、俺達みたいな普通の人間サイズでも問題ないんだけど。

「ふぃー……どっこらせ……っと」

 お湯に足を付けて、ブラックが座る。
 どこに行けばいいのかと迷ったが、クロウが俺の肩を抱きお湯の中に入らせた。
 だけど、ブラックの目の前に立たせてどうするんだろう。

「こっち側から何を揉めばいいんだ? 肩なら後ろから揉んだ方がいいんだけど」
「そうだなぁ……じゃあまずは、僕の膝に座って腕を揉んでよ。ロクショウ君に何度も乗ってツカサ君を抱いてたから、ちょっと疲れてるんだ」

 なるほど、それなら仕方がない。
 いくらブラックだって、何度も何度も数時間ずっと人を抱えていたらそりゃ疲れるし、筋肉痛にもなるよな。しかも俺のお守りだし……これは俺が解消せねばならない。

 けどちょっと待て、膝に乗れってのはどういうことだ。

「いや、あの……この状態で膝に乗るのはちょっと……」
「なに今更恥ずかしがってるの。僕達は何度も何度もセックスして、肌を合わせてるじゃない。あっ、それともぉ……ツカサ君が僕の逞し~いカラダに欲情して、その子供おちんちんを勃起させちゃうから膝に座れないとか……」
「んなワケあるかぁッ!!」
「じゃあ問題ないな。オレもして貰いたいから早く座れ、ツカサ」
「ちょっ、ちょっとクロウっ……うあっ……!」

 よっぽどマッサージしてもらいたいのか、クロウは俺の腰を掴んで無理矢理に進ませると、そのまま引き上げて強引にブラックの膝に座らせてしまった。
 いつもは服がクッションになってるのに、今は素肌のせいでダイレクトにブラックの足の固さを感じてしまって反射的に体がビクついてしまう。

 だ、だって、なんか凄く生々しいというか、その……服の上なら全然気にならないのに、素肌だとブラックの足にしっかりした筋肉がついているのとか、しっかりと太い骨がある感触が伝わって来て……そ、それが、ブラックの素足なんだと思うと、そこに俺が素っ裸で座っているのが、どうも恥ずかしくて……。

「ふふ……ツカサ君、なんだかお尻がもじもじ動いてるみたいだけど……」
「う……べ、別に、何でもないってば……」
「じゃあ、ほら……僕の腕、優しく揉んでくれるよね?」

 そう言いながら、右腕を俺の目の前まで上げるブラック。
 クロウほど顕著な筋肉はついていないけど、それでも「鍛えられてるんだな」とすぐに分かるほどの、引き締まって太くなった腕。

 大人の男の象徴がはっきり見える腕に、俺は羨ましいような憎らしいような、それとは別の居た堪れないような妙な気分を覚えつつ、腕を揉み始めた。

「最初は二の腕ね」
「お、おう……」

 脇の近くに手を移動して、二の腕を触る。
 けど、俺のとは全く違う感触だ。普通に固い。俺の二の腕は筋肉の兆しも無くむにむにして情けないのに、ブラックの二の腕は引き締まっていて筋肉で分厚い。

 弾力が段違いだ。
 ……普段あんまり気にしてなかったけど……でも、凄いなこれ……。
 俺も鍛えたらこう言う風に格好良い二の腕になれるんだろうか?

 でも、こんだけしっかりしてたら揉んでも疲れが取れてるか分かんないな。

「ブラック、気持ち良い……?」

 すぐ傍にある顔をちらりと見ると、相手は俺の横顔をじっと見つめていたみたいで、潤んだ菫色の瞳を細めている。
 思わず息を飲んだ俺に、相手は気持ちよさそうに口角を上げた。

「うん、すっごく気持ち良い……ツカサ君、ホントに揉むの上手だね。その調子で腕の方もお願いできるかな」
「そ、それなら良いけど……下もだな。分かった」

 肘の内側も親指で回すようにゆっくり揉みほぐし、下の方へ手を動かしていく。
 もうその頃になると俺も腕のマッサージに集中してしまい、ついついその硬い腕を熱心に揉み込んでしまっていた。

 うーん、やっぱどこもかしこもすげえ厚みだ。
 筋肉って硬いばっかりだと思ってたけど、やっぱ弾力がありつつ柔らかいんだな。
 ブラックの場合は骨太でもあるから、指の腹で揉むと骨のゴツさが分かってちょっと驚いてしまう。……まあでも確かに、骨が太い方が強そうだよな。

 牛乳は嫌いじゃないけど、俺ももっとカルシウム取った方がいいんだろうか。

「あ~……気持ちい……ツカサ君、掌が終わったらもう片方もお願いね」
「おうっ、まかせとけいっ」

 お風呂場のせいで汗が出て来るような気がするが、それはそれで新陳代謝が活発になってるってことだから良い事だよな。
 あとでもう一度汗を流すか……なんて思いつつ、俺は体の向きを変えようと、一度膝から降りた。

「っ……」

 すると、水分のせいなのか……なんだか、自分の肌とブラックの足がひっついてたみたいになって、肌が弾かれたような感覚に俺は思わず腰を引いてしまう。

 膝に乗っかった俺の尻やら裏腿やらが水分ではりついてたんだろうか。
 少しヒンヤリしたソコに、今更恥ずかしくなってきた。

「ツカサ君早くぅ」
「お……おう……」

 考えたら、何で俺素っ裸でマッサージしてるんだろ……。
 いや、考えるんじゃない。普通じゃないマッサージの方がヤバいんだから。

 ブラックが邪念なしで付き合ってくれてるんだから、それで良いじゃないか。

 そうは思うが、もうこの状況が俺にとってはだいぶ恥ずかしい。
 自分がやっている事を至近距離で見られて、クロウにだってこんな事をしている裸の自分を見つめられているんだと思うと、体が勝手にカッカしてきてしまうのだ。

 だけど、今体を勘違いさせるわけにはいかない。
 俺は恥ずかしさをなんとか堪えると、逆を向いて再び膝の上に座った。
 そうして、腕を揉む。すると、ブラックが声をかけて来た。

「あれ? ツカサ君も何だか疲れてるんじゃない?」
「え? そうかな……」
「移動続きだったし無理もないよ。僕が疲れてるんだから、ツカサ君はそれ以上なんじゃない? 折角して貰ってるんだし、僕もツカサ君の事マッサージしてあげる」

 ちょっと待て、なんか聞き捨てならないことを言われた気がするんだが。
 つーか別に俺は疲れてない――と、言おうとしたのだが。

「なら、オレも手伝うぞ」

 横からクロウのそんな声が聞こえて、咄嗟にそちらに意識を向けてしまった。
 その瞬間。
 完全に視界を外していた方向から粘着音と共に、耳を塞がれた。

「ッ……!? やっ、ぁっ、なに……ぃっ……!」
「ツカサ……」
「ぅあぁっ!?」

 み、耳の中で何か動いてる、う、うう、なんかふーふー言ってて頬に風が……っ、あ、ああ、これ、ブラックの顔が近くにあるんだ。俺、み、耳の中舐められて……っ!

「オレも、ツカサの耳をほぐしてやるぞ……」
「やぁあっ! ひっ、い、ぃやだっ、両方舐めるなぁあ……!

 ブラックに耳の中を舌でねっとり舐められて思わず腕を離してしまう。だが、ブラックは俺の腰を捕えて離してくれない。そのうえ、クロウまで俺の肩を掴みもう片方の耳へと舌をグッと捻じ込んでくる。

 二人がかりで押さえつけられて、逃げ場がない。
 思わず顔が痛いくらいに熱くなるが、そんな俺を逃さず両方の耳から粘着質な水音が別々に頭の中に流れ込んで来て、俺は無意識に足をグッと閉じてしまった。

 いやだ、はずかしい。どっちの耳からもねちょねちょって恥ずかしい音が聞こえて、体の中まで舐められているみたいな感じがする。
 意識を逃そうとするのに全然逃げられなくて、耳だけにいたずらをされているのに、それでもブラックとクロウに舐められているんだと思うと体が勝手に動いて、お腹の奥がぎゅうっとなってしまう。

「や、ぁ、ああぁっ、やだっ、それやだ、って、う、ぁ、あぁあ……っ!」
「んふ……ツカサ君の耳、すっごい凝ってるよ……舌で穴をたっぷり舐め回すと、顔の筋肉がヒクヒクするのが分かるもん」
「そうだな……ちょっと舐めるだけでこうなるなんて、筋肉が張っている証拠だ。もっと舌で解してやらねば……」
「も、もぉいいっ、俺はもう良いってばぁっ!」

 声がダイレクトに頭に響く。
 舌のせいで耳の穴の中に質量を持って入って来てるみたいで、それがいつもよりもいやらしく思えてしまい、また下半身が変な感じになる。

 こんなので感じてるなんて、思いたくない。ゾクゾクするのを勘違いしてるだけだ。
 そうは思うけど、人間ってのは悲しい生き物で、ゾクゾクする感覚だけでも勃起してしまうような性質を持っているのだ。

 快楽じゃないのに勘違いしてしまうなんて、我ながら敏感すぎる体で嫌になる。
 だけど、そんなことを思って悲しんでいる場合じゃない。

 こんなことで反応してるなんて知られるのは絶対に避けたかった。

「おねがっ……も、もう俺の事は、いい、から……っ」
「ほんとぉ? ツカサ君のやらしい耳の穴、まだ凝ってるカンジなのに……?」
「ぶ、ブラックの方が凝ってるっ、凝ってるからぁ! だからも、もぉ……っ」
「そう? じゃあ今度は……もっと凝ってる所、解して貰っちゃおうかなぁ。……それで、良い? ツカサ君、ほぐしてくれる……?」
「する、するって……! だ、だからっ、だからもう耳やめてぇえ……っ」

 このままじゃ不名誉な事になる。こんなので勃起したくない。
 必死に訴えると、ブラックは数秒止まった後、クロウと一緒に舌を離した。

 は、はぁ……っ、はぁ……な、なんとか尊厳は保った……。

「じゃあ、ツカサ君……今度は全身で、僕の凝って張っちゃってるココ……たっぷりと解してくれるかなぁ……?」

 ブラックの手が俺の両脇に差し込まれて、軽く持ち上げられる。
 だけど俺はもう抵抗する気力も無くて、なすがままになってしまった。

「う、ぁ……や、やだ……これ……この座り方……」

 ブラックの足が開いて、俺も強引に足を開かされる。
 隠したかった下半身がブラックの前に曝されて、向き合う形で座る格好になった。

 思わずカッと顔に熱が昇るが、そんな俺の前でブラックは山賊っぽい下卑た笑いを浮かべながら……いつの間にか完全に勃起していたソレを、見せつけたのだ。

「いつもみたいに口で癒してくれてもいいんだけど……マッサージって、色んなやり方があるんだよね。……だから、今日は……体全体で、僕を癒してよ」
「う……ぇ……?」

 どういう意味だろう。
 思わず戸惑ってしまうが、ブラックはニタニタと意地悪く笑うだけで。

 そこに、クロウがまた顔を近付けて囁いて来た。

「ツカサの体全体で、肉棒を扱けばいい。きっと、物凄く気持ちが良いだろうな」
「え……えぇ……」

 全身で、に……にく……い、いや、あの、ソレを……しごくって……。
 どういう……。

 …………いや、その……想像、出来ない訳じゃない。

 だけどその行為は俺がやることではなくて、たぶん泡のお姫様というお仕事をするお姉さんがやることだ。きっと、そういうことなのだ。
 俺じゃ平ら過ぎるし棒もあるんだし、絶対にそんなの気持ち良くないはずだ。

 なのに、やれというのか。

 意味がやっと分かってブラックをちらっと見ると。

「僕のこと癒してくれるよね。ツカサ君」

 駄目押しのように、有無を言わさぬ笑顔でそう言われてしまったのだった。









※遅れてしまった…申し訳ない(´;ω;`)ウッ
 マシサージが特殊プレイすぎて続いてしまいました
 スケベ大好き 話がすすまなくてすまねえ
 
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