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神狼鎮守タバヤ、崇める獣の慟哭編
14.解り合うために1
しおりを挟む――で、説明した結果。
そんなこんなで試練は一旦休憩時間となり、俺達と怒りんぼ殿下はクロウの洞窟へと引っ込むことになった。
殿下は不服そうな顔をしていたが、一応試練を言い渡した相手に従うくらいの理性はあったようで、渋々と言った感じだったが俺達と一緒に座っている。
焚き火の前で明々と照らされる顔は不機嫌面だったけど、さすがに今は落ち着いているみたいだった。冷たい水は頑丈なクマさんでも案外キツかったらしい。
まあ、俺が言うのもなんだが水圧強そうだったしな……あの量の水……。
ってなワケで、俺達は三人で焚き火を囲っているのだが。
「…………」
「…………」
……き、気まずい。
今まで喧嘩してたんだから当たり前ではあるけど、しかしこの空気の重さはいかんともしがたい。オッサン二人分の暗い沈黙がのしかかってくる。
しかし、黙っていたって服が渇くだけで関係は修復されないのだ。
仕方ない……ここは俺が二人の仲を取り持たないとな。
普通はこういうのって大人の仕事だと思うんだが……いやまあ、俺は大人だし?
それに、喧嘩した後の気まずさってのは俺にも理解出来るからな。オ・ト・ナな俺が火の粉を被ってやろうじゃないか。
「えーと……クロウ、殿下、水でも飲む? カバンとか持って来て貰ったから、今ならおやつもあるぞ」
「食べる」
「……む……」
あーあー二人ともブスッとした短い声出して……拗ねた時の態度って、ホント大人でも変わんないモンなんだな。まあ返答があっただけマシか。
俺はロクショウに運んで来てもらったウエストバッグを探ると、繭玉のようなものを取り出した。これはおなじみ【蜂蜜玉】だ。
赤いお目目が可愛い大きな蜜蜂のザクロちゃんが定期的に送ってくれる、美味しい蜜が詰まった玉で、料理に重宝させて貰ってるんだよな。
クロウはハチミツが大好きなので、たまに欲しがるのだ。
無駄遣いをしないように大事に使ってはいるけど、今回はコトがコトだからな。
まずクロウに三つ渡すと、クロウはすぐさま無表情な橙色の目を輝かせて、熊耳をちょっとだけピコピコ動かしながら蜜を舐めはじめた。
そんな弟の様子を横目で見て、殿下は俺を見やる。
不機嫌顔は相変わらずだけど……なんとなく、ハチミツは欲しいんだろうなってのが分かるな。やっぱ熊さんは砂漠に住んでても熊さんなのかも。
玉を同じように三個、掌に載せて差し出すと、殿下はこちらを同じように掌を見せたのでその上に置いてあげた。
が、クロウのように舐めずに一個そのまま口に放り込む。エッ繭ごといくの。
いやまあ、ザクロちゃんの種族【天鏡蜂】が花の蜜を溜めこむときに作る玉なので、天然素材だし蜜が無くなると溶けるし人体に影響はないんだろうけど。
でもこの人王族なのによく簡単に口に入れちゃうよな……。
「あの……毒味とかしなくてよかったんです?」
訊くと、殿下は不機嫌そうな視線だけを寄越して目を細めた。
「……今更だろう。お前のメシなど何度も食っている」
あっ、そういえばそうだった。
言われて気が付いたけど、そもそも俺は役目を仰せつかって殿下のお食事を用意してたんだよな。後半はピロピロちゃんカーに乗ってたから、ブラック達にメシを作る感覚でしか料理してなかったし、もうなんか全然意識してなかったわ。
……いや、相手は仮にも王様なんだから、意識しなきゃいけなかったのでは。
今更ながらにちょっと肝が冷えてしまったが、まあ殿下がヨシとしてくれているんだから、俺は何も言わないでおこう。ヤブヘビは困るしな!
ご、ゴホン。
それより、今は二人のケンカを収めなければ。
もう数時間しかないんだし、こんなことしてたんじゃ試練失格になっちゃうよ。
「えーと……あのさ、殿下……」
「敬称で気安く呼ぶ奴があるか。名前で呼べ」
「えぇ……」
戸惑ったが、まあ、仕方ない。
クロウがツッコミを入れてグチャグチャにならない内に応えよう。
「じゃあ、その……カウルノスさ」
「敬称はいらん」
「……カウルノス、その……今ってさ、俺達しかいないんだよ。他の人は、洞窟の中の事まで見えないと思うんだ。それに……俺がヴァー爺に頼んで、事が収まるまでは監視しないでって頼んだし」
「何が言いたい」
ああもうつっけんどんだなあ。
けど最初から不機嫌な相手なんだから怒っても始まらないか。
息を吸って、俺はカウルノスの目を見た。
クロウと同じような、橙色の瞳を。
「俺は、アンタが何に怒ってて何が不満なのか聞きたい。……クロウも、同じ気持ちだと思う。だから……アンタの本音を聞いたら、少しで良いからクロウの話も聞いて貰えないかな」
「…………」
「アンタの話を否定しようってワケじゃないんだ。……その、さ、ヒトってどんなに相手の事を見てたって、相手が何を考えてるかまで判らないじゃん。怒る原因だってさ、人それぞれだし……だから、納得出来るかどうかはともかく理由を聞くべきなんじゃないかなって俺は思うんだよ」
……もっとも、こういう思想は婆ちゃんのウケウリって奴だ。
でも、婆ちゃんが何を言いたかったのかはバカな俺にも解る。喧嘩ってのは、自分と相手の主張が違う時に起こるモンなんだ。
だから、何故そう思って何故怒ったのかを知らなきゃ本当の解決にはならない。
それがただ感情のままに怒った事でも、その感情はその人にとって「曲げられない何か」から来るものだったりするんだ。
強い信念があるのなら、それを知ったうえで話をしなきゃ相手も折れようが無い。
だから「理由を聞く」っていうのは大事なことなんだ。
お互いが冷静になって解り合うためにも。
……まあ、普段はそんなこと考えていられないし、感情が乗るからこそ和解とかも上手くいかないってのはあるけどな。
俺だって、そういうのは知っててもついつい自分勝手に怒っちゃうし。
でも、今の俺は第三者。冷静な仲裁役なのだ。
今この場所に居る俺にしか出来ない事なら、やるしかない。
「俺が仲裁役じゃ頼りないかも知れないけど、クロウはさ、もう怒鳴られて傷付くオスじゃなくなったんだ。……それを信じて、話してくれないか?」
表情を変えずに俺を見つめる相手を、じっと見返す。
上から目線に感じただろうか。それとも、小賢しい雑魚が何をと思ったのか。
どちらにせよ、殿下にとっての俺は「飼われてるように見える弱いメス」なのだろうから、何を生意気なと言われても仕方ないだろうけど……。
そんな自虐を思いながらも、誠心誠意が伝わるようにと相手の橙色の瞳を見返し続けると――――殿下は視線を下方へと外した。
「……お前達に、何が……分かる…………」
強情な台詞だ。
だけど、この言い方は高慢から来るものじゃない。
「どうせ理解して貰えない。切実だけど、この感情は受け入れて貰えない」という、諦めや弱さに似た気持ちがにじみ出ている。
殿下自身も、自分の言い分に理不尽さを感じてるんだ。
けれどそんなの、誰だって一緒だ。
感情なんて独りよがりで理不尽なものなんだ。
わがままや望みが憤りになるのは、俺だってクロウだって一緒だよ。
みんな、自分の望んだ通りになって欲しいと心の底では思ってる。だけど、それが通じないことは分かっているから……自分の気持ちを吐き出すのは、恥ずかしいんだよな。男であればなおさら。
そんなの、相手に「弱くて情けない奴だ」って思われるに決まってるんだから。
けどさ、それでも……。
「…………なあ、カウルノス。俺さ、実は……自分が望んで作って貰った武器すら、満足に使いこなせないんだ」
「……?」
唐突な俺の言葉に、相手は顔を上げて不思議そうな顔をする。
そんな殿下に、俺は続けた。
「一級品の素材とか使って貰って、期待もかけて貰って、そんでさ……俺もその武器使いこなして格好良く戦ってやるぜ! って思ってたんだけど……俺がヘタクソで、今だに全然上手く使ってやれないんだ。……本当に、作ってくれた人に申し訳ないよ」
あまりに強力な術が射出されてしまうため、最近は練習で打つ事は有っても滅多に使う事が無くなってしまった俺の武器【術式機械弓】は、暴発したら危険だからと神の空間でキュウマに預かって貰っている。
どう制御すれば良いのかも分からないから、手紙での仕様報告もそれが判明するまで待って貰ってる有様だ。……色んな所に手紙を出してるけど、この報告ばかりは毎回気が重い。それくらい、情けないことだった。
そんな近況を聞いた殿下は、最初「何を言っとるんだコイツは」と眉を歪めていたが――――俺が何を言いたいのか、親譲りの聡さで理解してくれたのか、深い息を長々と吐いて髪の毛を片手で掻き乱した。
「…………その程度の“情けない”で、同情が買えると思ってるのか貴様は」
「う……で、でも俺的にはケッコー恥ずかしいことなんだけど……」
「ハァ……」
どうも呆れてしまったらしい。
で、でも仕方ないじゃないか。俺にも王位とかあれば良かったのかも知れんけど、そんなの生まれついての平民の俺が持ってるわけないし!
ついつい顔にカッと熱が上がってしまったが、そんなしょうもない俺の言葉を継いだのは……意外にもクロウだった。
「…………兄上。オレは……兄上が、弟が、羨ましかった」
「……」
「聞いて欲しい。理不尽に思うかも知れないが、オレの本音だ」
真剣な目で殿下を見るクロウに、殿下は向き直ってじろりと睨んだ。
相変わらず目付きが悪いけど……その目はもう、憎しみを含んではいなかった。
「この程度の暴露で話を切り出すとは、お前の話も矮小なのだろうな」
「ああ。兄上からすれば取るに足らない、きっと先程のように『それしきで』と思う感情かもしれない。……だが、聞いて欲しいんだ」
俺の意思を汲んだクロウの言葉に、殿下は少し間を置いたが……再び息を吐くと、クロウに向き直ったまま姿勢を正した。
二人の間には、たき火の炎がゆらゆらと揺れている。
まだ髪や毛並みが湿った二人は、お互いを見つめ合いながら話を始めた。
「オレは、確かに兄上達よりも遥かに劣っていた。オレの唯一の力……【デイェル】である【土の曜術】も、使えはすれど普通の獣人程度だ。……王族であるというのに、そんな能力しかない自分が恥ずかしく、情けなくて仕方が無かった。だから、いつも誇りある獣人として強く居ようと鍛錬に励んだ。弱くとも誇りは失うまいと思って、何者に蔑まれようと……弱くても、鍛錬は欠かさなかったんだ」
当然だろう、というような殿下の表情。
だがクロウは負けずに続けた。
「……弱い獣人は、みっともない。恥ずかしい。子供のオレでも、自分が王族の恥である事を理解していた。……けれど、母上も父上も……マハ様達も、オレを叱責などしなかった。王族達も……オレを排斥しようなどと思いもしなかった……」
「それはそうだろう。お前は父上の子だ。子煩悩な父上に進言するものはいまい」
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クロウを「甘やかされている」と言っていたけど、そういう部分が気に入らなくて、今までずっとクロウのことを憎んできたのかな。
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「……みな、オレを王族として敬ってくれた。だが、それが……それが、オレには……とても、悲しくて、つらくて、怖くて……たまらなかった……」
「なッ……!! なにを戯れたことを……ッ」
「父上たち以外は、オレを見下して見放していたからだ!!」
「――っ!?」
殿下が怒る前に、クロウが怒ったような鋭い大声を発する。
洞窟の中で声が短く反響したことに硬直する俺と殿下に、クロウは珍しく悔しそうに歯噛みをすると下を向いて顔を隠してしまった。
「……甘さ甘さだと、兄上は言う。……だが、アレは違う……ツカサがくれた甘さとは、全く違う……父上やマハ様達は優しかったから分かる。王族達は……子供のオレを見ながら……『いらない子だ、どうでもいい』と思っていた……」
「…………」
「それにみな、父上ですら、オレに期待しなかった。期待するのは酷だという優しさで何も、何も制限して鍛えようとはしなかった……だがそれは優しさなのか!? 放任して自由に遊ばせる事が優しさだと、兄上は思うのか!!」
「それ……は……っ」
初めて聞いた、独白。
聞いた事のない、責めるような強い声。
だけどこれは間違いなくクロウの声だ。クロウの、本心なんだ。
けど、その独白は俺の胸を引き絞る。想像すればするほど心臓が痛くなった。
……クロウは子供の頃、そんな風にして育てられたのか。
そんな風に……――周囲の目に、押し潰されていったのか……。
「クロウ……」
強さを求められる獣人の世界で、クロウは「強くなくても良い」という特別な優しさを与えられる事で……密かに、傷付いていたなんて。
…………いや、でも……そうだよな。
それで救われる子もいると思う。だけど、クロウはそうじゃ無かった。
今だって、殿下と同じように「獣人の誇り」を大事にしている。武人として最も重要な事だって、いつもいつも、俺にだってそんな姿をいっぱい見せてたんだ。
クロウは、武人として期待されたかったんだよ。
だけど……優しいドービエル爺ちゃんも、マハさんも、子供であるクロウを悲しい目に遭わせないようにと、武人としての期待をしなかった。
それは決してクロウを貶めたかったからじゃない。大事な子を守りたいって気持ちで、それで……結局……クロウを、傷付けてしまってたのか……。
そんな。
そんなのって、ないよ。
誰も悪くないのに。相手を思いやっての事なのに、傷付けてしまったなんて。
だけどそれは間違いなく過去に起こったことなのだと、クロウは叫ぶ。
気が付けばクロウは――――掠れた声で強く訴えながら、涙を流していた。
「オレは期待されたかった。兄上のように立派な武人になれると、王に足る人物にもなれると言われ、父上や母上、みんなに期待をされたかった……! だから、どんな鍛錬もねだった、望んだ! だがそれでも……っ
……それでも、弱いと判断したオレを……兄上のように……
期待をかけた、厳しい訓練をしてはくれなかった……」
――ドービエル爺ちゃん達も、きっと純粋な親心や優しさで、クロウのことを守ろうとしたんだろうと思う。その頃は力の使い方もおぼつかなかった子供のクロウを見て、力に期待するのは危ないと思い別の方法で愛そうとしたんだと思う。
けれどそのせいで、クロウが一番望んでいた「誇り高い獣人になりたい」という思いを、閉ざす事になってしまったんだ。
たぶん、そのせいでクロウに対する周囲の目は更に凍えて行ったんだろう。
この子供には期待する価値が無い。そんな、大人の獣人らしい価値観によって。
…………ああ。そうか。だから、クロウは最初“ああ”だったのか。
……あの時。
まだクロウとしっかり仲間になってなくて、クジラ島で酒に酔ったクロウが俺を襲ってきた時、クロウは俺の優しさを「苦しい」と言い、泣いていた。
嫌いになってくれれば離れられるのにとしきりに言いながらも、最後は子供のように「おいていかないで」なんて悲しいことを呟いて、俺に縋りついて来て……。
――……今なら、少しだけ理解出来るような気がする。
あの頃のクロウは、優しさも孤独も怖かったんだ。
誰にも期待を掛けられず、追いかける物が離れて行く怖さを知っていた。
だからあんなに必死になって、子供みたいに……俺に、嫌われようとしたのか。
望めば望むだけ苦しくなるのなら、その優しさに怯えて失う事を恐れるくらいなら、いっそ「相手は自分が嫌いだ」と思えば……もう淡い期待も希望も抱かなくて済むのだと、知って……いたから……。
「クロウ……っ」
あの時の事を思い出して、胸が痛くなる。
クロウが泣いていた時の顔や、今の苦しそうな声を聞くと、その場にとどまっている事すら出来なくて。俺は思わずクロウに近付いて膝立ちになり、その俯いた頭を両腕で抱き寄せてしまった。
そんな俺の腰に、クロウは腕を回して頭を密着させて来る。
シャツの背中をいつも以上に握り締めて皺を作るクロウの思いは、どれほどのものなのだろうか。でも、考えてもきっと俺には分かってやれないのだろう。
だからこそ、せめて……望まれるのなら、苦しい時は傍に居てやりたかった。
「…………オレが弱いのが、いけなかったのは……解っている……わかっているが、それでも……それでもオレは……兄上のように、期待して、ほしかったんだ……」
お前は王に足る素質がある。
誇り高く強い獣人になれる素質がある。
だから、厳しい修行をしよう。
兄が期待されそう言われたように、嘘でもいいから自分もそう言って欲しかった。
子供のようにそう呟いて、クロウは俺の胸に顔を押し付け涙を流す。
今まで聞いた事が無かった、クロウの本音。誰にも理解して貰えないと思っていたから言えなかった、子供じみた素直な感情。
確かに、誰かに笑われるほど自分勝手なわがままかもしれない。
だけど俺は……そんな切実なクロウの思いを、ただ受け止めてやりたかった。
「……俺の、ように……か……」
「…………カウルノス……」
呟いた相手に顔を向ける。
するとそこには、先程まで怒り狂っていた怒りんぼ殿下ではなく……何故か、憑き物が落ちたかのような顔をしている目を伏せた相手が座っていた。
その表情に、いつもの不機嫌な様子はない。
威厳を保とうとする気合も、イライラしているような動きも無かった。
「兄上……」
ゆっくりと顔を上げたクロウは、鼻を啜っている。
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「…………それほど、良い物でも無い。だが、期待をされなかったらと思う気持ちは……今の俺ならば、理解出来る。悔しい事だがな……」
そうしていると、クロウよりも年上なのが少しわかる。
今はどうしてだか、殿下がクロウの兄である事を強く感じられる気がした。
「兄上も、そう思われるのですか」
問いかけたクロウに、殿下は覇気を失った目をゆっくり瞬かせ頷く。
そうして、語り出した。
→
※クジラ島の話は、第一部【波乱の大祭編15.一番に慣れない苦しみ】参照。
【デイェル】は獣人達の言葉で特殊技能を意味します。
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