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神狼鎮守タバヤ、崇める獣の慟哭編
3.そんな試練は聞いてない
しおりを挟む狼族の聖地【タバヤ】の宴は、素朴ながらも実に楽しいものだった。
もう昨晩の事になってしまったけど、朝の支度をしている今でも昨日の楽しさを思い出して、ちょっとウキウキしてしまう。そんな場合じゃないのは重々承知してるんだが、久しぶりに肩の力を抜いて楽しめる出来事だったので、つい思い出してしまうのだ。
特別珍しいものがあったワケでもないし、この【タバヤ】でも宴の料理は基本的に肉だとか酒ばかりで、パーティーというより焼肉会みたいなモンだったけど、それでも夜に焚かれたキャンプファイヤーみたいな大きな篝火は綺麗だったし……その周囲で、簡素だが独特な衣装を着て楽しげに踊る狼達を見るのは、凄く楽しかった。
獣の姿になった人も、獣人の姿のままになった人も、みんな笑顔だったもんな。
子供達も俺達の方に近寄って来てくれて、和まずにはいられなかったよ。
……まあ、相も変わらず、俺の所には妙齢の女子狼さんは来てくれなかったんですけどね! 仕方ないね獣人は人族より弱肉強食だからね!
この世界のメスっ子な女子は、ブラックやクロウみたいなオス感モリモリのオッサンの方に靡いちゃうから仕方ない!
ウッ……い、いや、泣いてない。泣いてないぞ。
子供の中には女子もいたから、女子全員に無視されてたワケじゃない。お婆ちゃんとか奥さんが構ってくれたから、俺が女子に嫌われているとかそういうんじゃないし、俺が甲斐性なしなのが悪いんだけども!
でも、既婚女性とお子さんだけが俺に優しいのがつらい。うう。
…………ご、ゴホン。
まあ、その、ソレは置いといて。
ともかく炎と狼の踊りという素敵な夜を体験させて貰ったワケだが……そんな夜を一層幻想的にしてくれていたのが、集落のいたるところにある【色祝石】だった。
なんとあの石、夜になると、うすぼんやりとした白い光を宿すのだ。
ランプの明かりより弱い程度の光だけど、でもあれだけ大きな水晶が光ると光量を気にするより神秘的な感じが勝って、とても綺麗だった。
ベーマス大陸では大地の気もほとんど浮き上がって来ないから、なんだか久しぶりに自然の気が発する光を見たようで、つい癒されてしまった。
【色祝石】がどういう鉱石なのかは未だによく分からないけど、狼達が大事にするのも何となく頷けちゃうな。まあ、綺麗だから大事にしてるってだけじゃないだろうけど。
しかし……あのファンタジー極まる金色の光が無いと違和感があるなんて、だいぶ異世界に馴染んじゃったなぁ……。
良い事なのか悪い事なのか分からんが……まあ、今みたいにオッサン達の朝支度を当たり前に手伝ってるのよりは普通なのかも知れない。
…………全く違う雰囲気の所に来て、仲間が大変な試練を受けなきゃ行けないと言うのに、緊張感も無くこんな事をしているのもどうかと思うが。
けど、緊張してるよりはいいのかな?
普通に考えて「こちらの暗殺計画を考えている兄貴と、王様になる為の試練を受けます」って危険すぎて緊張せざるを得ないし、相手がこちらを敵視しているのを見て固まってしまうよりは、こう言う風にゆるゆるしている方が臨機応変に対応できそうだから、このくらいがちょうどいいのかも知れない。
まあクロウは怒りんぼ殿下が暗殺しようとしてるなんて知らないんだけどな。
……なのに二人で試練を受けるって危ない気もするんだが、もう決まってしまった事を覆す事など出来ないので仕方ない。
狼達を束ねる“天眼魔狼王”のヴァー爺がまだ試練内容を発表してないので、何をするのかは俺達には分からんけど……クロウ達が二人きりにならない試練である事を祈るばかりだ。
昨日の事を思い出して癒されるのも良いけどそろそろ気を引き締めないとな――――なんて思っていると、廊下をドタドタ走ってくる音が聞こえて、俺達の部屋に誰かが飛び込んできた。いや、誰かなんて言うまでも無くすぐに相手が分かる。
シーバさんだ。
朝も早よからクロウの元部下であるシーバさんが飛び込んできたのである。
ちょっと興奮気味だけど、一体どうしたんだろうか。
「みなさんおはようございますザンス!」
「……朝から元気だなシーバ」
「そりゃもう、昨日の今日ですから! それよりみなさん、早く集会場へ。ヴァー爺が試練の内容をお決めなすったザンスよ!」
試練の内容を、決めた。
その言葉に、今までぽやぽやしていたオッサン達の雰囲気が急に引き締まる。
ついでに俺も背筋を正してしまったが、シーバさんは気にせずまくしたてた。
「詳しい事はあちらで説明があるみたいなので、早く行きましょうっ。さあさあ!」
一刻も早く行かねば、と言わんばかりに、シーバさんは腰が重いクロウの腕を取りムリヤリ立ち上がらせると、俺達にも来るように促す。
いつもはクロウに対して一歩退いて頭を垂れている印象のシーバさんだったのに、こんなにハッスルしてるなんて……よっぽど興奮してるんだな。
クロウの背中を押すシーバさんの背中を見つつ、俺とブラックとロクショウは二人を追うように集会場へと移動した。
あ、集会場ってのは昨日俺達がヴァー爺と出会ったあの広い部屋だ。
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そんな事を思いながら集会場に入ると、そこにはもう既にヴァー爺と殿下が座って待っていた。あれっ、いつの間にここに来たんだ。意外と早起きなのか。
ピロ車ではずっと部屋に籠ってたから分からなかったな、と今更な事を思いつつ、俺達も同じように座ると、ヴァー爺はコホンと一つ咳をした。
「みな揃ったようじゃの。昨日の今日でナンじゃが、先に試練の内容を伝えておこうと思って集まって貰ったぞ。準備の間ヤキモキさせるのもナンじゃからのう」
「……それで、内容はどういうものなのでしょうか」
一応目上の人には敬語を使えるらしい怒りんぼ殿下が訊く。
ヴァー爺はもっふりとした白髭を扱くと、まずウムウムと頷いた。
「お前達も知っておるだろうが、代々のアルクーダ国王を決めるこの“三王の試練”は、その都度試練の内容が変わる。気まぐれで決めると言うのではなく、その時の国王候補の人となりと見て、その国王候補に“求めること”を行わせるのじゃ」
「その試練で、国王に相応しい人物かを見る……ということですか」
「うむ。……無論、この試練一つでその者の全てを知る事は出来んが……それでも極限の中での行動は、その者の心の一部を曝け出す。その者の理性も、倫理感も、変える事の出来ぬ性根すらも浮かび上がってくるのだ」
ブラックの問いかけに頷き答えたヴァー爺の言葉は、なんだか不穏だ。
極限の中での行動って、クロウにもそういう事をさせるんだろうか。
ただでさえ暗殺計画を企てられてるってのに、このうえサバイバルなことをさせられたらクロウが危険だよ。頼むから、漫画でありがちな「どちらかが死ぬまで出られない部屋」みたいなバトルロワイヤルはやめて下さい。
せめて、俺達が常時クロウを応援できる試練にしてほしいけど……そんな甘めの試練にしてくれるものだろうか。
弱肉強食がモットーの獣人族だから、そう甘くは無いかもしれないな。
獣人族の試練って字面だけでも、もう何か凄い厳しい試練になりそうだし、保護者参観みたいに見守るのは軟弱だって思われそう。
でも、そうでなけりゃ俺達だっていざって時にクロウを守れないしな……。
もし二人きりでしか出来ない試練を言い渡されたらどうしよう。
そんな不安につい顔を歪めながら、ヴァー爺を見やると――――何故か相手は俺の方を見て、目だけをフッと笑ませた。
えっ。なに、どうしたんですか。何で俺を見て笑うの。
もしかして心配し過ぎって感じで笑われちゃったのかな。
だとしたら恥ずかしいな、とか思っていると。
「ま、能書きはこれくらいにして本題を言うかの。今回の“三王の試練”は――――
二日の間、そこのツカサ坊を盗り合う試練じゃ」
………………。
うん? 今なんて?
ヴァー爺、今……俺をとりあう試練とか言わなかった?
それどういう試練。どういうことなの。俺も参加しなきゃ行けないタイプなの?
「いや、あの……天眼魔狼王、それはどういうことですか?」
「なんじゃい、お前さんもヴァー爺と呼んでよいのじゃぞ赤毛の坊」
「……どういうことか、説明して頂きたいのですが」
明らかにイラッとしたようだけど、年上なので敬うブラック。多分内心は大変ゲスい感じになっているんだろうけど、大人としてまだ立派である。
俺も冷静になりたいところだが、さっきの試練内容が理解出来ず目を白黒させる事しかできない。クロウと怒りんぼ殿下も、目を丸くして固まっているみたいだった。
そんな俺達をぐるりと見て、ヴァー爺はホッホと笑うとまた髭を扱いた。
「なに、難しいことではない。ある一定の範囲内を狩場とし、そこで二人にはツカサ坊を奪い合って貰うんじゃよ。無論、食料としてではないぞ? ツカサ坊はいわば、竜にとっての宝物じゃ。しかも、とても扱いにくい……のう。その宝を奪い合い、三日目の朝まで掴んでいれば試練は達成じゃ」
「あの、それはつまり……ツカサ君も試練に参加するって事ですよね?」
「宝物係としてじゃがの。しかしここまで適任もおるまい? 持ちやすい体格で、運びやすい体重じゃし、何よりお主達の重要な存在じゃ。クロウクルワッハ様にとっても、本気で挑むきっかけになるじゃろう」
確かに、俺はこの中で一番取ったり投げ回せたりしそうな体格ですけど、俺は自分をラグビーボールにしてくれと頼んだ覚えはないぞ。
しかも二日間振り回されまくるなんて冗談じゃない。クロウはともかく、片方は不穏な怒りんぼうだし、どう考えてもイヤな予感しかしないんだけど。
しかし、そんな懸念を偉いお爺ちゃんに言えるはずも無い。
ブラックほど口が回るはずも無い俺は、ただ口をパクパクさせるだけだった。
だが、その間にも話は進んで行ってしまう。
俺を道具にさせまいとブラックは何とか話を変えようとしてくれたが、質問のたびにヴァー爺はのらりくらりと躱し、結局俺を取り合うルールを変えようとはしなかった。
ぐおおお……分かっちゃいたけどお年寄りは頑固だ……。
「質問はそれくらいかの? まあお主の心配する気持ちはわかるが、これは大事な“三王の試練”じゃ。仲間を大事に思うのであれば、これが一番良いと思うがの」
そう言いながら、ヴァー爺はおもむろに立ち上がると、ブラックの目の前まで歩いて来る。どうしたんだろうと見上げると、相手は腰を屈め……なにやら、ブラックの耳元で囁いたみたいだった。
途端、ブラックは目を見開き、すぐに離れたヴァー爺を見る。
その表情は真剣で、何かを悟ったような顔だったが――ヴァー爺はそんなブラックに好々爺の笑みを見せて、踵を返した。
「まあとにかく、狩場の準備も一日は掛かる。その間に詳しい決まりごとを組んでおくゆえ、今日はみなゆっくりとしておるがいい」
そう言うと、ヴァー爺はそのまま奥の部屋へと引っ込んでしまった。
……後に残るは、殿下とシーバさんと俺達だけだ。
しかし殿下は話が終わるなりさっさと部屋の方に戻ってしまった。
「…………俺、ホントに参加するの?」
「うーん……」
俺の呟きに、ブラックが唸るような声を漏らす。いつもなら反対反対と子供みたいにダダをこねるのに、今日のブラックは何故か考え込んでいるみたいだ。
さっきヴァー爺に何か言われていたけど、そのせいなんだろうか。
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「ツカサ……大丈夫か?」
――試練に巻き込まれたけど、イヤじゃないのか。
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「ムゥ……」
いつになく不安なのか、クロウは俺の体を退き寄せ抱きかかえて来る。
その不安は、何に対してのものなのか気になったけど……今の混乱した俺では、ちゃんと向き合ってやれそうにない。
ブラックが気付いて俺とクロウを慌てて引き剥がすまで、俺は今さっき決定した事を反芻するぐらいしか出来なかった。
→
※ちと遅れてしまいました(;´Д`)スミマセン…
今章は展開がスピーディーなはず…
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