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魔境山脈ネイリ、忘却の都と呪いの子編
4.狼だらけで狼不在
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まさか初日に暗殺はすまいと思っていたが、怒りんぼ殿下もそこらへんは常識的だったようで、夜になってもクロウを強襲するような素振りは見せなかった。
今日はビジ族相手に戦ったしケガもしたので、疲れただけかも知れないが……でも何事も無く無事に終わったので、俺としては胸を撫で下ろさずにはいられない。
ブラックが常時【索敵】で殿下や周囲を見張ってくれているらしいけど、いくら物凄く強いブラックだって休憩は大事だからな。いざって時までは、気を緩める時間くらいは取らせて貰わないと。
まあ、そんな風に緩めすぎてたら危ないんだけど……今日は大丈夫なハズ。
そんなワケで、俺達は殿下を上の部屋に通し、三人でまた囲炉裏みたいな設備を囲んで胡坐をかいているのだが。
「……実際、どう? ブラックから見て、どのくらい強いと思う?」
ヒソヒソ話をするみたいにして、火が焚いてある囲炉裏の上で顔を近付け今日の事を振り返る。「敵を知れば百戦危うからず」ってことわざみたいなのもあるし、殿下の力量を知るのが最初の一歩だよな。
半分くらいの力、とは言っていたけど……実際に戦ったブラックからするとどうなんだろうか。俺とクロウが評価を固唾を呑んで見守っていると、ブラックは難しげな顔をしながら、顎の無精髭をぞりっと指でなぞった。
「うーん……僕よりは、まだ劣るとは思うけど……今のアイツなら前回みたいに数分で決着って感じにはならないだろうね」
「それって、いい勝負するってこと?」
「認めるのはシャクだけど、まあそんな感じ。ただ……あのクソ殿下、確か特殊技能を五つか六つか持ってるんだろ? それを使わなかったのが引っかかるな」
「というと……油断ならないってことか?」
疑問ばっかり返してしまっているが、ブラックは律儀に答えてくれる。
こういうトコ律儀というか真面目なんだよなあ。……い、いや別に、こんなことぐらいで嬉しくなってないからな。
「使わないにしろ使えないにしろ……あのクソ殿下は、自分の力の事を良くも悪くもちゃんと把握してるよ。半分なら半分なりの力を使えるように制御している。……何考えてるのかワケわかんないバカだとは思うけど、油断はならないね」
クロウが隣にいる手前、ここで「その慎重さを考えると、暗殺をするにしても簡単な失敗なんぞしなさそうだ」とも言えず、ブラックは俺に目で伝えて来る。
炎の明々とした色に真剣な紫色の瞳が揺れていて、男でもドキッとしてしまう。
こんな至近距離だと、さすがに心臓に悪い。ちょっと離れて、俺は平静さをなんとか装いながら息を吐いた。
ブラックが思った以上に気を使ってくれてるんだから、俺もクロウに「暗殺」を気取らせないようにしないとな。
「そっか……それなら……あの“三王の試練”の一個目も出来そう……なのかなぁ」
「何が試練のお題目になるかは、直接告げられるまで分からないらしいけど……まあ力勝負だったら普通に大丈夫そうだね。……あのクソ殿下が、文句言わずツカサ君の美味しい料理を食べてたら、の話だけど」
言葉に棘があるなぁ……。
でも、料理と言えばアレだ。アンノーネさんや妙に聡いチャラ牛王がいたので挑戦出来なかった「料理に曜気を籠める」という方法を、今こそ試す時かもしれん。
共犯者というと外聞が悪いが、今ここには幸いな事に俺の仲間しかいない。
悪巧み的になってしまうが、試練が始まる前に試してもイイかもな。……といっても暗殺の可能性を完全に抹消してからだが。
「うーん……色々と難しいなぁ……」
自分で呟いていて「なにが?」とか言われそうな台詞だったが、しかしクロウは俺の言葉を聞いているのかいないのか、何故か深く考え込むように俯いている。
だけど、落ちこんでいるのではなくて、どうやら腕を組んで熟考しているようだ。
何を考えているのかよく分からず、ブラックとロクショウと一緒に顔を見合わせたが、なんだか聞くに聞けない雰囲気で数秒沈黙が続く。
そんな中、ようやく俺達が見つめている事に気が付いたのか、クロウはいつもの無表情で俺達を見渡した。
「ム……どうした」
「いや、お前がどうしたなんだが」
「ウム? ああ、ちょっと……考えることがあってな」
大人っぽい返しをするクロウの何かが癪に障ったのか、ブラックはこめかみをヒクリと苛立ちにひきつらせながら嫌味な笑みで返す。
「ハァ? ツカサ君舐め回す事しか考えて無さそうなお前が考え事?」
「おいブラックやめろ、さすがにそこまでは無いだろ」
「いやまあ舐め回したいとは常に思っているが」
「思ってるのかよ」
なんだよ庇って損したじゃねーか!
本当にこのオッサンどもは真面目な話の時も変な事ばっか言いやがって……っ。
「まあそれは当然の事として」
するなするな、舐め回したい宣言を当然の事にするな。
大のオッサンが真顔で言うセリフじゃないだろ。
「オレが考えていたのは、山にいる【天眼魔狼族】の“群れ”に会った時のことだ」
「会った時のことって、どういうことだよ」
「かつて部下に聞いた話によると、その【天眼魔狼族】というのは、呪術を得意としている獣人の中でも特殊な存在だ。腕は確かだが、彼らは変わり者で……獣としての性よりも群れの掟を重んじるのだそうだ」
「サガより掟? 理性的で良いじゃないか。それのどこが問題なんだよ」
ハッキリ結論を言え、と睨むブラックに、クロウは口をへの字に曲げた。
「問題はその掟だ。……彼らは客人を通しはするが、群れの土地に入ったものには必ず独自のしきたりを徹底させる。それを破れば……」
「まさか、死ぬ、とか……」
「そういうこともあるらしい」
ヒエッ……。
なんですか、その怖いしきたりが残る村みたいなお話は。
やめてくれよ俺は怖い映画も苦手なんだよ。なんで夜に囲炉裏を囲んでそんな話を聞かなきゃなんないんだ頼むから別の話をしてくれ眠れないだろ!
なんで俺を怖がらせる事を言うんだ、と必死に震える体をガクガクしながら抑えて強がっていると、クロウは思わしげな雰囲気でフムと熊耳を動かした。
「……こういう時に、シーバが居てくれれば助かるんだがな」
シーバさんって……あの人か。イケメン銀髪狼さんなのに、口調も声も「ザンス」で昔の「骨と川でスネな男」的な声をしているあのシーバさんか……。
額の横一文字の傷すら気にされないほど、性格も顔も体格もイイというまさに残念イケメンな狼男をすぐに思い浮かべ、俺はちょっと気が遠くなる。
が、今はそんな時ではない。
シーバさんが居てくれたら助かるってどういうことなんだろう。
まさか狼だからつながりがある、とか?
「シーバさんは、その【天眼魔狼族】の事を知ってるのか?」
「ああ。オレはシーバから話を聞かせて貰った。……アイツは、元々はその“群れ”に追従している【灰狼族】の一人だったらしい。だが、一人前になりたいと山を下りて、アルクーダに兵士として入って来たのだ」
「そうだったんだ……スクリープさん達も似たようなモンなの?」
「ウム。……とりあえず、シーバがいれば“しきたり”が変わっていないかどうか、確認が取れるのだがな。……あいつは一度、群れに報告しに戻っているだろうし」
あ、今はぐらかされた。
話の内容からして、クロウもどうやら王族として暮らしていた時は、部下を持つ……多分、護国武令軍という部隊の何かを指揮していたっぽいんだけど……そこらへんは未だに教えてくれてないんだよな。
クロウにとっては、あまり話したくない過去なんだろう。
でも、金毛の巨大な猿であるスクリープさんや、隻腕青髪虎のタオウーさんなんかの凄く強そうな人達を部下にしてたワケだから……凄いと思うんだけどな。
人族の大陸について来てくれるくらい、あの大勢の獣人さん達はクロウに対しての忠義が厚かったんだし。シーバさんだって、今もクロウを凄く尊敬してるワケだし。
……とはいえ、クロウもそれは理解してるんだろうけど、それでも色々あるから過去の事を話してくれないんだろうけどな。
まあでもクロウが部下に慕われているのは間違いない。
ともかく、シーバさんは【天眼魔狼族】がいる【灰狼族】の群れの人だったんだな。
今はその事に集中して話を進めよう。
「連絡手段ってないのかな?」
「難しいだろうな。シーバがどこに居るのか分からないし、分かっていたとしても、今からでは返事が来る前にナイリ山脈に到着してしまうだろう。……とはいえ、海征神牛王陛下が、みすみす武神獣王候補を殺すとは思えんが」
「案外、あのクソ殿下がサクッと死んでくれたほうが、跡目争いも起こらないからって放り出したのかもよ。武力があるってんなら、お前の弟も相当だろうしな」
弟って、ルードさんこと賢竜殿下のルードルドーナさんか。
あの人も、クロウを暗殺する事に対して積極的だったけど……ブラックが言うんならかなりの実力者なんだろうな。ブラックって、中途半端な実力の奴にこういうセリフは絶対に言わないし……。
「ルードルドーナか。……そうだな、弟は頭が良い。武力のうち、体術と知力に加えて特殊技能も優れている者はそういない。兄上がいなければ、ルードルドーナが国王の座に就いていただろう」
「…………」
俺には……嫌われてても相手を貶そうも考えないアンタが、一番王様になるべき人に思えるんだけどな。それだけじゃダメなのかな。
クロウだって、頭も良くて強くて……あの二人よりもずっと優しいのに。
……いや、でも、王様になって貰ったら困るな。ずっと一緒に居るって約束したのに守れなくなっちゃうじゃん。人族の俺じゃ絶対に下々の者扱いになっちゃうだろうし。
王様に相応しいのは間違いないけど、今は忘れよう。うん。
「だが、オレは兄上が国王になるのが一番良いと思っている。……陛下が無策で我々を放り出すとは思えないが……途中の村で話くらいは聞けないものか」
「はーぁーお優しいこって」
「ブラック! ともかく……そういうことなら、寄る予定のある場所で情報収集でもしてみようか。俺達だって危険かもしれないし……相手は王様なんだから、郷に入っては郷に従えって言葉もあるからな」
向こうに歓迎されたいなら、向こうが喜んでくれることを考えるのが一番だ。
怖いしきたりとかはともかく、訪問客としての礼儀ってモンはちゃんとしないとな。
そんな事を考えつつ、俺は今朝改めて確認した旅程を思い返した。
「えーと、確か……ピロピロちゃんのメンテのために寄る街って、カンバカラン領との中継地点だったよな。そこなら山にも近いし、色んな話が聞けるかな?」
「めんて? 良く分からんが、カンバカランほどではないにしろ、流浪の群れなどから話が聞けるかもしれんな。アルクーダと敵対する者は、大概オレ達の領地には立ち入らないものだから」
「あ……そっか、そういえば前の内乱……ってか戦は【嵐天角狼族】との戦いだったんだっけか……。敵対してるならそりゃそうだよな」
あんまりに仰々しい名前すぎて憶えてたけど、ようするにアレって国盗り合戦って事だったんだよな。ドービエル爺ちゃんが治める国土に入らない種族ってのは、そんな感じの人達なんだろう。もしくは、本当に国なんかに興味が無い、旅をして暮らすような種族もいたりするんだろうな。
そういう人なら、今の【天眼魔狼族】のしきたりも知ってるかもしれない。
ブラックもそう思ったようで、さっきの刺々しい言葉はどこへやらで頷く。
「そうだね。そういうはぐれ者の方が、思わぬ情報を知っていることもある。流浪の民や、そういう商人なら山に居る獣人に接触していてもおかしくないしね」
「だな! よーし、それじゃあ次の街で色々聞いてみようぜ!」
「キューッ!」
やっと重苦しい話が終わった事を察したのか、ロクがちっちゃな体を精一杯伸ばして、ロクもお手伝いするよと言わんばかりに飛びあがる。
その可愛さと言ったらもう、鼻の奥から熱い物が込み上げて……っ。
「う、うう、がんばろうべ、ろぐっ」
「ゥキュ?」
「……ツカサ君、獣人だらけだからって街で鼻血噴かないでね?」
「そ、そんなに節操なしじゃねーよ!」
いや、でも、久しぶりの人がいっぱいいる場所だし、どうかな。
可愛い女子やお姉さんの獣人がいっぱい居たら、興奮しちゃうかもしれない……。
「この感じだと噴くな」
「ウム……色々な意味で心配だな……」
「キュ~」
ロクちゃんまで……っ。
俺ってそんなに興奮しているように見られてるんだろうか。興奮具合なら、アンタらの方がヤバいのに。絶対ヤバさではブラック達の方が凄いのに。
「ツカサ君、メスに興奮するのより動物への愛情で鼻血噴くほうが世間ではヤバい人だって思われるんだよ?」
「ぐわーっ、だから心を読むなってばー!!」
→
※ちょと遅れてしまいました(;`ω´)
徐々に更新時間を戻すリハビリ中…!
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