異世界日帰り漫遊記!

御結頂戴

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飽食王宮ペリディェーザ、愚かな獣と王の試練編

  君のためなら俺は2

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「んむ」
「っ……! ぅ……んん……っ」

 俺が後悔している間も、クロウは吸い付きを緩めない。
 それどころか、吸い付く合間に舌を出して、下から軽く舐め上げて来る。熱い息だけでも勘弁なのに、そんな事をされたら乳首は簡単に勃ってしまうわけで。

「ツカサの乳首……いつ見ても可愛らしいな……」
「だ、だからそういうコト言うなってば……! てか舐める意味!」
「乳首を勃起して貰わねば存分に吸えんだろう。乳吸いの本分は乳首に吸い付くことと言っても過言ではないのだぞ。舐めて勃起を促すのは当然だろう」
「そりゃそ……うん……? いや、そうなの……?」
「そうだぞ」

 ええ……そうなのかなあ、なんか騙されている気がするなぁ……。

 でも俺はおっぱいなんて赤ん坊の時しか吸ってないし、その記憶もないし、悲しいかな女の子とのお付き合いもなかったから解からん。
 というか、異世界の常識だとしたらもっとわからん。

 けど考えてみると、そりゃたしかに突起物がなかったら吸えないもんな。
 恥ずかしいけど、乳首を勃たせるのは当然の事なのかも知れない。
 ……とはいえ、これが本当に子熊のやることなのかという疑問は残るんだが。

「クロウ、やっぱこれちょっとおかしっ、ぃあ、ぅっ、ば、ばかいきなり……っ!」
「甘えたい衝動はいつも突然くるのだ」

 のだ、じゃないのだ。
 口調がお堅いせいで時々ゆるキャラみたいな喋り方になるな、クロウは。

 しかし何かを言おうにも、わずかに膨らんだ乳首をクロウが唇で挟み込んだ事で、全て吹っ飛んでしまう。急な刺激に驚くが、俺が立て直す前に相手は乳首を完全に勃起させようとして舐めながら吸い付き始めた。

 そんな事をされたら、体がおかしくなる。
 毎度毎度触られてるんだから慣れても良いのに、俺の体は感覚までもが初期値に戻ってしまうのか全然慣れてくれない。目の前に相手がいて、俺に“そういう意図”で触れているんだと思うと、恥ずかしさと居た堪れなさでどんどん体が勘違いして、下の方も変な感じになって来てしまう。

 男の体は快楽に弱いんだから仕方ないだろと自分に言い聞かせたって、それでもブラックやクロウに自分の体を舐められたり弄られたりすると、どうしようもない。
 だって、やっぱその、え、えっちな事をするのはやっぱり……っ。

 ……いや、その、これはえっちなことじゃないはずなんだけど……。
 ああもうでもこんなの、オッサンに無い乳吸われてるのなんてえっちな事じゃん、俺とクロウの関係じゃ普通にえっちなことにしか思えないじゃんかああああ!

「クロっ、う、やっぱそのっ、これは……っ……」
「んん。オレが寝るまで我慢してくれないと困るぞツカサ」
「だ、だって、っぁ、そ、そんな舐められたら……っ」

 胸元でクロウの髪がサワサワしてくすぐったい。
 左胸は、ずっとクロウの手が緩く揉んでいて、それだけならまだ良かったのに……乳首が緩く勃起したせいで、揉みながら掌でわざとぐりぐり弄って来て。

 それだけでも刺激が強すぎるのに、クロウは俺の乳首を執拗に舌で嬲る。
 押し潰したり、絡めるように包み込んできたり、ちろちろと舌先で弄ったり。吸うのも、強く吸ったり何度も小刻みに吸って来たりして、息が休まらない。
 クロウが胸になにかするたびに、俺は体をびくびくと跳ねさせてしまっていた。

 こ……こんなの……だめだ……。
 舐められて吸われるのだって刺激が強いのに、どっちの胸もいじられると、さすがにもう我慢が出来なくなってくる。
 恥ずかしさを勘違いする体がジワジワと熱くなって、俺の股間も熱を帯びてくるのが分かってしまう。それが、余計に恥ずかしさを増してどうにもならなくなる。

 だけど、こんな事で感じているなんて知られたくなくて、俺は無駄な事とは分かっていながらも両足をぎゅっと閉じて我慢する。
 でも、そんなことで収まるなら俺もクロウもえっちな事になんてならないわけで。

「やっ、あ、もっ……どっちも、ぃ、いじるのや、だ……っ」
「何故だ。やっと勃起してきたのだからこれからが本番だぞ」
「だ、だって、ぇ……こんな、やっぱ……こ、こどもがする、ことじゃな……っ」
「ふむ? ……ああ、そういうことか」

 ちゅ、と、いやな音を立てて乳首から口を離したクロウが、俺の顔を見る。
 恥ずかしいのに、目を背けられない。

 そんな俺に、クロウは薄く口元に笑みを浮かべると胸を弄っていた手を離し、見せつけるように下へと持って行く。
 手が、向かう先。分かり切っているからこそ、余計に顔がカッと熱くなる。

 もう痛いくらいに発熱しているのに、それでも俺を更に煽ろうとしているのか、クロウは笑みを深めながらゆっくりと互いの体の間に手を差し込んで、俺の裸の上半身を指で伝うように進んでいく。

「ぅ……う……」

 指が、自分の肌をぐっと押している。
 ……分かっていた事だけど、大きい。大人の男の手だと改めて思うと、ナニを誰とやっているか考えてしまって自爆してしまう。なのに、クロウはそんな俺の事を楽しんでいるのか、手をゆるゆると動かしていく。その手が、ズボンの上に乗って。

「子熊のように甘やかして欲しい、と言ったが……ツカサはどうやら、子供扱いはしてくれないようだな」

 詰るようにそう言って、クロウは――俺の股間を、その大きな手で覆った。

「っあ……!」
「熱いな……こんな風になっては、オレを子供扱いすることも出来ないだろう」
「そっ、それは、アンタがあんなしつこく吸うから……っ」

 やだ、も、揉んだらダメだって!
 なんで足閉じてるのに簡単に指を捻じ込んでくるんだよ、包むな、そ、その状態で揉んだらもっと大変な事になるからダメなんだってばぁ……!

「やらしい顔になってきたぞ、ツカサ……。ふ……乳が出ない代わりに、こっちでオレを育ててくれるのか?」
「ばっ……! ちがっ、やっ……ぁ、ああっ、やだっ……そこ揉むなぁっ! え、えっちなことしないって言ったのに……っ!」

 なにをオヤジ丸出しな発言をしてくれてんだと流石に怒るが、しかしそんな俺を更に追い詰めようとしているのか、クロウはズボンの上から指で俺のモノの先端をぐっぐっと軽く押して刺激しながら、緩急をつけて股間を揉んで来て。
 そんなのもう、耐えられるはずがない。

「もうズボンが大きく膨らんでしまったぞ。これは、肯定と受け取っていいんだな?」
「う、ぅう……」

 ちくしょう、なんで俺はこんなに敏感なんだよぉ……。
 ただ甘やかして寝るだけだったのに、こんなに簡単に勃起しちまうなんて。クロウがワザとらしくやったとしたって、堪え性が無さすぎだ。
 なんでこう俺はオッサン達の策略にホイホイのっちまうんだろう。もしかしてこれが大人のズルさって奴なのか。そうだ、そうにちがいない。

 だけど、今気付いたってもう遅いワケで。

「脱がすぞ、ツカサ」
「…………」

 こうなったら、もう俺の返答なんて無意味だろう。
 クロウの主食の一つは、その……俺の……あ、アレだ。
 ギラついた橙色の目で俺を見て来る相手が何を考えているかなんて、何度も今の状況みたいな事になってるんだから解からないはずがない。

 だけど……知っていればそれはそれで、また恥ずかしいわけで……。

「オレも、久しぶりにツカサを味わいたかったから嬉しいぞ」
「……そ、そういうこと言うなってば……」

 恥ずかしいけど、こうなってしまっては否定も出来ない。
 もうウダウダ言うより、雰囲気にのまれて早く済ませてしまったオフが楽だと自分に言い聞かせて声を絞ると、クロウはくつくつと喉で笑って、簡単に俺のズボンと下着を脱がしてしまった。

 部屋の中の涼しい空気が肌にひたりと張り付いて、俺を冷やしてくる。
 自分のズボンの中でどれほど熱が籠っていたのか分かってしまい、居た堪れなさにシーツを握ってしまった俺に、クロウは嬉しそうに笑うと足を掴んだ。
 また、グッと指が肌に食い込んでくる。痛くは無いけどしっかりと相手の指の力強さを感じてしまって、鼓動が早くなった。

 そんな俺をじっと見つめながら、クロウは俺の足を開いて、間に入ってくる。
 もう、足が閉じられない。

「自分から頼んでおいてなんだが……やはりオレは、ツカサにこうやって、大人として甘やかして貰うほうが嬉しいようだな」
「っ……ぅ……い、いまさら……」
「ふ……そうだな。だが、大人として子供のように甘やかされるのは、なんだかクセになりそうだ。ツカサに甘やかされながら胸を吸うのは気分が良い」
「だっ……」

 だからそういう事を言うなって言ってるだろ!
 なんでアンタはそういうことを真顔でサラッと言えるんだよ、いや笑顔だけどさ。今のクロウの顔は笑顔なんだけどさあ!

 でも面と向かってそんな破廉恥な事を言う必要はないじゃないか。
 俺を余計に居た堪れなくさせたいのかと苦労を睨むが、相手は俺の気持ちを読み違えているのか、目を嬉しそうに細めて見せてから下を向く。
 そうして……躊躇いも無く、俺の半勃起したモノを口に含んだ。

「っぅうう……!」
「外からは部屋の声が聞こえにくくなっているが、大きい声だと流石に聞こえるぞ」
「~~~っ!」

 何でこんな時に言うかな。
 つーか口に入れながら喋るな頼むから!

 あ、あんたの息が下腹部に吹きかかるのだけでも恥ずかしいのに、髪でさわさわと触れられたり、こ、声で口の中が動くのが変な感じで……っ。
 ああもうなんでこんなことで体が反応しちまうんだろう。
 でも急所なんだから仕方ないんだ、ソコを刺激されたら感じてしまうのは当たり前で、だから俺は……っ。

「んん……もうビクビクしてきたぞ。今日は早いな?」
「そっ、ぁ……う、やぁっ、あ……んぅ……っ」
「恥ずかしがることは無い。オレの手や口で悦んでくれるのは、オレも嬉しい……。今ツカサが触れるのを許してくれるのは、オレとブラックだけ。こうして悦ぶのもそうだ。だから……それが、嬉しい……」
「く、クロウ……っ」

 確かに、そうだ。
 触れられても、拒絶しようなんて思わない……どころか、こんな風に恥ずかしいコトになってしまうのは……ブラックと、クロウだけだ。
 怖いとも思わず震えもしないのは、二人だけ。

 こんな風に……何も考えず、ただ相手の事だけ見ていられるのも……。

「…………」
「ツカサ?」

 ヨダレだか何だか分からない液体で濡らした口を離し、首を傾げるクロウ。
 この恥ずかしい状況でのあざとい行動にすら、どきんとしてしまう。

 今日は、あんなに恥ずかしくて怖い事をされたのに。それでも、ブラックやクロウにこうして触れられても……怖いどころか、どきどきして。
 相手の手が自分の体を伝う事に、怖さよりも恥ずかしさばかりが溢れて。

 ……ああ、俺って……やっぱ、アンタらだけには甘くなっちまうんだな。

 でも、何故か今日は――――その自嘲が、少し嬉しかった。

「…………い、いいから……」
「ん?」
「いいから、く、食うんなら……早く食えって……! 恥ずかしいから……っ」

 なんだか、顔が見れない。
 嬉しいとは思うけど、同時にそんな自分がやっぱり恥ずかしくなってくる。

 だって、そ、それってつまり……俺が……二人の事を、すごい意識してるって言う、ことな……ワケだし…………。
 …………ぐ……ぐぅう……。

「ツカサ、可愛い……」
「んぅうっ……や、ぁ……あぁあ……っ」

 可愛い、なんて、同じ男に言われて嬉しいはずもない。
 なのに俺の体はクロウからの言葉に喜んでいるかのように動き、再び口に含まれると、簡単に反応してしまう。大きくてぬるぬるした分厚い舌がゆっくり絡みついて俺のモノを扱いて来て、その刺激の強さに腰が浮く。

 自分でも、何でこんな風になるのかよく分からない。
 だけどクロウに舐められたり吸われたりすると、すぐに耐えられなくなってくる。
 イヤとかじゃなくて、気持ち良くなってる自分が恥ずかしい。クロウに、二人に変な自分を見せてしまってるんだと思うと、余計に体がおかしくなる。

 今日は、男に触れられても嬉しくなかった本来の自分をまざまざと見せつけられたからこそ、二人の事は特別なんだと感じてお腹の奥がきゅうっとなって。
 どれだけブラックとクロウのことが特別なんだと思うと、もう、クロウにお、おちんちんを舐められてるのが、耐え切れなくなってきて。

 いつもはもうちょっと耐えられたはずなのに、もう。

「なんだ、もう出そうなのか? ……ふふ、ツカサも切羽詰まるほどオレとの“えっちなこと”に感じてくれているのだな。いいぞ、たっぷりだしてくれ……」

 ハァハァと荒い息を漏らしながら、クロウは俺のおちんちんを吸う。
 ずるる、と恥ずかしい音が鳴って、吸われる刺激で体が一気に緊張する。

「やぁああっ! ひぐっ、ぅ、も、やっ、いぅっ、う、うううぅ……!!」

 ぐっ、と、息が詰まる。
 お腹に力が入ったと同時、俺は腰をがくがくさせて……射精してしまった。

「ん、んん……。んむ……やはり、極上の味だな」
「はっ……はぁっ、は……はぁ……」

 息がうまく出来ない。
 ドキドキが治まらなくてベッドに沈み込んだ俺に、クロウは口の周りを舐めながら顔を突き合わせて来た。

「ツカサの、オレに対する気持ちが籠っている。特別な味だ」

 そう言って、にっと笑うクロウに、俺は顔の熱が爆発して顔を背けてしまった。
 だからそんな事を面と向かって言うなと言っているのに、なんで言うんだ。精液の味とか知りたくない……っていうか、そもそもあの、気持ちが籠ってて美味いとか、ソレは普通料理に使う台詞っていうか……!

「も、い、良いからそういうこと言うなって……っ」
「何故だ? ツカサがオレを好いてくれているのが分かるのは嬉しいぞ。……こんなにオレを思ってくれるのは、ツカサしかいない。だから、言いたいんだ。愛妻の料理を褒めるのと何も変わらないぞ」
「だから俺は料理じゃないんだってば!」

 つーか、た、体液の場合は、喜んだり恥ずかしがったりで美味くなるって言ったのはアンタだろ。そりゃ満足でしょーよ!
 でもそれ料理じゃないからな、えっちなことは下拵えじゃないからな!?

 毎回美味い美味いと感想を言われるけど、今日は何故かいつもより恥ずかしい。
 頼むから変な事を言うなと涙目になると、クロウは笑って俺の髪を撫でた。

「二番目のオスでも、ツカサはオレのことをこんなに思ってくれる……」
「うぅ……」
「ツカサがいてくれるから……オレは、頑張れる」
「……え……?」

 少し声のトーンが変わったのを感じて、思わずクロウの顔を見る。
 すると、相手は穏やかな笑みを口元に浮かべて、俺の頬に手を当てた。

「…………ずっと一緒にいる約束を、オレも守りたい。だから、頑張る」
「クロウ……どうした……?」

 なんだか、笑っているのに少し悲しんでいるような気もする。
 さっきまでの変な空気など無くなってしまったクロウに、つい心配な気持ちが湧いて問いかけると……相手は、汗ばんだ俺の裸を抱き締めて来た。

 クロウの服が擦れて、熱っぽい体がぞわぞわする。
 だけど、今の相手に離れろとは言えなくて。

「……このままだと、ブラックにすぐ勘付かれるな。オレが風呂に抱いて行ってやる」
「う……うん……」

 もしかして、俺とブラックが部屋から出ている間に何かあったのだろうか。
 だけど、こういう時のクロウは聞いても教えてはくれない。きっと、言うべき時が来るまで教えてはくれないだろう。

 だけど、なんだか……今回ばかりは、ちょっと心配な気がする。
 ……クロウが、何か変な事に巻き込まれてないと良いんだけど……。

 心配になってクロウの顔を窺う俺に、相手はフンスと鼻息を噴いた。

「洗うとさすがにブラックに殴られるから、風呂場の前で待つぞ」
「ええ……アイツもそこまで懐が狭くはないと思うぞ?」
「いや狭い。鼠の額より狭いぞブラックの心は」
「うーん……」

 そう言われるとちょっと言い返せない。
 アイツの“障壁”っていうバリアみたいな効果がある付加術の範囲って、思いやりが足りないから、発動範囲が3センチあるかどうかって感じだったんだもんな。
 俺は甘やかされてるけど、ヒドいといえばヒドいやつではあるし……って、今の会話で煙に巻かれた気がするが、やっぱり聞かれたくないんだろうか。

 真面目なクロウのことだから、何か話せない事情が有るんだろうな。
 なら、聞きはしないが……大丈夫かな、ホントに。

 お姫様抱っこという恥ずかしい格好で甘んじて運ばれながらも、俺はずっと無表情に戻ったクロウの顔を見上げていた。










※ツイッターで言うてた通り遅くなりました(;´Д`)スンマセン
 ねんどまつのまものでちょくちょく更新時間がブレてますが
 ご了承ください……_| ̄|○おたのもうす

 
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