異世界日帰り漫遊記!

御結頂戴

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飽食王宮ペリディェーザ、愚かな獣と王の試練編

17.誰だって怒られたくはない

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   ◆



「良かったわねぇ、ツカサちゃん! 海征神牛王陛下に“お情け”を頂けるなんて……しかも、自分の料理だけで代償も無いなんて本当に誇らしいことよ!」

 カーラさんが、さきほどの俺の最悪な体験を目いっぱい褒めてくれている。
 俺は控えの間の休憩机に突っ伏しているのだが、おそらく彼女は俺を慮って「アレは名誉な事なので、恥ずかしいことではないのよ!」と一生懸命俺を気遣ってくれているのだろう。だがその優しさが今はつらい。

 うう、こういう時に文化の違いってのを感じちゃうなぁ。
 外国じゃほっぺにキスが親愛の証で挨拶なんて話もあるけど、俺はそんな文化のある国に生まれてないので戸惑ってしまう。それと一緒で、この国のえっちなことに関するオープンさは俺には非常につらいのである。

 だって。だってさ、人前であんなっ、恋人でもないのにキスって!!
 俺が芸人でテレビとかで美味しく調理して貰えるってんなら男とキスだってやるんだろうけどさっ、でもアレってそういうのじゃないじゃん!
 しかも何一つ良い事なくて、ただ目上の奴にキスされただけじゃん!?

 そ……それに……ブラックにもクロウにもガッツリ見られただろうし……っ。

 ……う、う……うぉお……戻りたくない……オッサン達の所に戻りたくないよう……これもう絶対何か言われるじゃん、何なら「またオスを調子に乗らせて! ツカサ君はメスの自覚が無い!」とか言われて何かされるヤツじゃんかああ……。
 勘弁してくれ、王様相手にどう避けろっつうんだ。

 いや、つーかむしろ俺は被害者だろ。
 今回は流石に怒られる理由なんて無いぞ。俺は仕事をちゃんとやろうとしてただけで、その結果あんなことをされただけで……そもそも俺が駆り出された理由ってのは、あのセクハラ牛王に最初に好印象を与えておくことだったわけだろ?
 だったら、この状況は目的を達成したと言える……はず。

 でも、そのせいでキスされるとか聞いてないぞ。
 ジャルバさんを恨む気はないが、どうせならもうちょっと牛王陛下についての情報を知りたかったよ……はぁ……。

 まさか“三王”という権威ある存在の一人が、あんな俺様野郎だったなんて。知っていたならもうちょっと警戒したのに。
 もう何を言っても遅いんだけどさあ。

 でも、カーラさんは俺を慰めてくれているのだ。
 認識の違いはあるけど、でも俺に優しくしてくれているんだから応えないとな。
 ロクと触れ合えない今は、カーラさんだけが俺の癒しだ。

「励まして下さってありがとうございます……でも、誉れってどういうことですか?」

 ともかく、今は落ちこんだ姿を見せるべきではないだろう。
 これ以上カーラさんに気を遣わせては悪いと思い、俺は体を起こすと相手がさっきから言う謎の台詞について問いかけた。

 すると、カーラさんは一瞬意外そうに目を丸くしたが――すぐに何かに気が付くと、俺に対して実に申し訳なさそうな顔をして頭を撫でて来た。
 はわわっ、そ、そんなことされたら幸せになっちゃいますぅう。

「ごめんなさい、うっかりしてたけどツカサちゃんは人族だったのよね。だったら、私達の“当たり前”に驚いてしまうのも無理ないわ……気が利かなくてごめんね」
「いえ、そんなこと……。でも、アレで誉れってのは、よく分からなくて……」

 知らん相手にキスされて喜べってのはちょっと。
 ……いや、王様に気に入って貰えたってんなら、普通の人は喜ぶのかも知れないが、そんなもん側室とかに呼ばれなかったらただの火遊びと一緒じゃないのか。
 王様に気に入られたからって、それは「いろんな意味で」良い顔をしてたって一面を相手に気に入られて、ちょっかい掛けられただけなワケだし……。

 そんな軽率ナンパ野郎なんて、俺が女でもキスされたくない。
 つーか、あんなことを公の場でやられたら、いらぬ誤解や嫉妬を招きそうだ。
 そういう意味でもサイアクなのに、なにが“誉れ”というのだろうか。いや、獣人族の文化的には意味のある行為なのかも知れない。カーラさんがあれほどまでに喜んでくれるんだから、なんか意味があるんだよな。

 内心憤りたっぷりだったが、カーラさんには悲しい顔をさせたくない。
 なので、何故誉れだったのかと問うと、相手はすんなり答えてくれた。

「私達メスにとって、王族のオスに目を掛けられる事は勿論名誉な事なのだけど……その中でも、特別喜ばしいことがあるの。それが、あの海征神牛王陛下に、指先一つでも触れて頂けることなのよ」
「それは……ドービエル爺ちゃん以上に……?」
「ふふっ。愛する人との触れ合いは、名誉とは違う幸せね。まあ確かに、武神獣王と言うならあの人のお情けも名誉な事なのだけど……残念ながら格が違うわ」

 自分の主人でもあるドービエル爺ちゃんより、あの牛王が格上だというのか。意外な事をハッキリ言うカーラさんに、俺は少し驚いてしまう。
 だがそれは「当たり前のこと」なのか、カーラさんは続けた。

「海征神牛王陛下は、どの“最も古き群れ”よりも古い存在……たった一人の存在と言えど、その生きた年月の長さと圧倒的な武力で誰よりも尊敬されているお方なの」
「え……ひ、ひとり? 海征神牛族って種族は他に居ないんですか」
「そうよ。伝承によれば、あの方は最初からたった一人と言われているわね。……他にも水牛族は居るから、そういう人達が陛下を慕って結果的に群れになっているのだけれど……」

 たった一人だけの種族。
 そんな状態で、ドービエル爺ちゃん以上に長い年月を生きて来た。

 ……なんだか寂しい感じもするが、獣人族から言わせると「戦ってなお長く生きる事」は、とてつもなく尊敬できることらしい。
 確かに、獣人族っていさかいをケンカで済まそうぜってな文化だもんな。
 あんな風に若々しいまま長い時間生きていれば戦う事も何度も有っただろうし、王と言うならもっと周囲に狙われていただろう。それを返り討ちにして今も元気にアイスをパクついてるんなら、そりゃまあ獣人からすれば凄い人には違いない。

 そんな相手から触れられた……というのは、獣人のメスには凄い事なのだろう。
 うーん……アイドルに肩をポンてされて嬉しさに失神するみたいなモンかなあ。

 気持ちは分かるけども、その程度で名誉と言っていい物だろうか。そんな風に考えイマイチ納得出来なかった俺に、カーラさんは更に説明した。

「だけど、それだけじゃないのよ。陛下に触れられた者は……その力の恩恵に、ごくわずか触れる事が出来る。その恩恵は人によってさまざまだけど……でも、ツカサちゃんの場合は口吸いだものっ、きっと素晴らしい贈り物を授かっているはずよ!」
「お、恩恵?」
「そうっ! とはいえ、人族にも有効なのかはわからないけど……でも、あの陛下にそこまでして頂けるなんて、滅多にないことだもの。きっと、他の臣下の人達も一目置いてくれるはずよ」

 あっ、なるほどそういう効果もあるのか。
 だけど……逆に「なんで人族ごときが」とか言われたりしないかな?

 しかし、俺の「名誉」を心から喜んでくれているカーラさんに、そんなネガティブな事を言えるはずもなく。
 本当に少し風当たりの強さが和らいでくれればいいのだが……と思いながら、俺は「そうですよね!」と頷くしかなかった。



 そんなこんなで、宴の後片付けをしている間にすっかり夜になってしまった。
 だが、宴はまだまだ終わる様子が無い。カーラさんに「もう大丈夫よ」と言われて先にあがらせてもらった俺は、トボトボと道を歩いていた。

「はぁー……憂鬱だ……」

 この王宮の人達はほとんどが宴の間に集まっているから、今なら何を使用が聞き耳を立てられる心配もないだろうが……しかし部屋に戻るのが怖い。
 なんでって、絶対に怒られるか詰られるかするからだ。あのオッサン達が。

 …………そりゃ、まあ、自分の好きな奴が他の奴にキスされてたら、俺だって……モヤモヤするし、恋人は俺なのにって思うけど。
 でもさ、ブラックの場合は大人じゃん。やむを得ずってのも有るかも知れないし……相手の気持ちを疑う訳じゃないけど、俺みたいなちんちくりんなんていつ愛想をつかされるか解らないんだし、今だってこんな体たらくなんだから文句を言えるかどうかっていうか……う、うう、いかんまたネガティブになってきた。

 はぁあ……ああいう時にうまく回避できていれば、俺も一人前だって胸を張れたんだろうけど、現実は厳しいなぁ。
 ……こんな風に悩んでいても時間が過ぎるだけだし、仕方ない。
 覚悟を決めて部屋に戻ろう。

「情けねえなぁホント……」

 浮気する気持ちすらないのに強引にキスされて怒られるって、理不尽ではあるし、女の子がそれをされたら力づくでやった相手が悪いっていえるけどさ。でも、俺は男で本来なら相手を振りほどけるんだ。そのつもりで生きて来たのに、実際そんな場面になると俺は「この世界の誰より腕力が非力」で、全然抵抗できなくて。

 こんな体たらくじゃ、いつか本当に愛想つかされるかも……はぁあ……。

 肩を落としつつ歩いたが、しかしこれ以上情けない姿を見せるのも嫌だったので、俺は自分達が滞在している部屋が近付くと姿勢を正して……ちょっと逡巡したのちに、窺いながらゆっくりと部屋に入った。

 …………あれ、人の気配が無いな。

 なんだか静かなことに気が付いて周囲を見渡すが、誰かが居る感じも無い。
 まさかまだ宴の間に居るのかと思ったけど、俺が仕事から解放されるよりだいぶ前にもう二人の姿は見当たらなかったしな。

 いったいどうしたんだろう。どこに行ったんだ?

 何だかちょっと不安になって、寝室に行こうかと思い足を踏み出した瞬間。

「うわっ!?」

 急に体が浮き上がり、傾いだ。
 何かに躓いてバランスを崩し、慌てて足で踏ん張ろうとするが、地面が無い。
 いや、そうではなく俺の足が宙に浮いているんだ。そういえば……何だか体が何かにガッチリと捕えられているような気がする。ま、待てよ。これってまさか……。

 …………振り返るのが怖い。
 だけど、このにおいと体格と、体に感じる相手の腕や体の感覚は……嫌と言うほど覚えがある。それはまさしく……。

「つーかーさーくん。つーかまーえた」
「…………」

 ああ、この視界の端に見える赤くて鮮やかなうねった髪は、見覚えがある。
 っつーか、もう確実にブラックじゃん。俺ブラックに抱き着かれてるじゃんかっ。

「んもう、帰りが遅いから心配したよ」
「あ、あの、ブラック……」

 相手はいつもの調子だが、これはもう謝った方がいいだろう。
 この声の感じはいつもの「ツカサくぅうん!」とか言って抱き着いて来る時のブラックではない。絶対に何か腹にイチモツをもってる。

 だけどそれが何かを聞くのが恐ろしい。
 どうなるのか考えたら体がぞわぞわしたが、俺は必死に抑え込んだ。

「なぁにツカサ君。どしたの?」
「あの……ご……ごめ……むがっ」

 もう先に謝るしかないかも知れない、と先制を取ろうとした俺の口を、ブラックが手で覆って塞ぐ。なにをするんだと背後にいる相手の顔を見やると。

「ツカサ君、何か二人っきりで話したい事があるよね? だったら……扉がある場所で、お話しようよ。ちなみに……この王宮で扉がある場所って、お風呂か厠しかないみたいなんだけど……ツカサ君はどっちがいいかな?」
「……」
「どっちがいい?」

 口を覆う手がゆっくり遠ざかって、俺に答えを促す。

 ……その「どっちが良い」は、何に掛かる言葉なのだろうか。
 いや、どの道ロクでもないことには違いない。

 だけど、背後で言い知れぬ黒いオーラを漂わせながらニッコリと笑うブラックには、逆らう事など出来そうになくて。……ていうか、逆らったら絶対にもっと酷いコトになるだろコレは。わかるぞ、俺には分かる。
 こういう時のブラックは、もうかなりヤバいのだ。

 …………だとすると、今の「どっちがいい」も、最早意味としては……。
 うう……どっちもイヤだけど……狭い個室ってか、トイレだけは絶対に嫌だ。
 誰かが入ってくる可能性が高すぎるし……なにより、ヤバい事になった時に、相手が更に恥ずかしい事を強要してくる可能性もある。

 だったらもう、選択肢なんて最初からないような物だった。

「ふ……風呂……。風呂に、入りたい……」
「お風呂? ふふ……そうだね、トイレじゃ座れないもんねえ。じゃあ、今日は一緒にお風呂に入ろうねツカサ君っ。いやぁ久しぶりだな~ツカサ君とお風呂なんて!」

 上機嫌な感じで喜んでるけど、絶対違うぞ。
 この感じは相当怒ってる。大人の顔で表情を抑え込んでるんだ。

「…………じゃ、じゃあ俺、着替えの服を……」
「だーめ。それ、せっかく脱ぎやすいんだから今日はソレ着てよう? ね、ツカサ君」
「…………」

 ――――風呂場でやる事が本当に会話だけだったらいいんだが、そんな事はないんだろうな。絶対に……。

 風呂場で何があるにせよ、俺は従う事しか出来そうにない。
 ……ああ、せめて酷いことになりませんように……。









※最近眠気が凄くてちと遅くなりました…(;´Д`)スミマセン

 
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