515 / 952
飽食王宮ペリディェーザ、愚かな獣と王の試練編
9.アイスと象と好事魔と
しおりを挟む◆
服を元の冒険者服に着替えて一安心し、それから。
アンノーネさんに「調理場を貸してください」と頼むと、なにやら怪訝な顔をされたが意外とすんなり案内して貰う事が出来た。
だけど調理場は一般的な場所じゃなく、何故かハーレムへと通されて、こじんまりとした所で。どういうことかと俺は目を瞬かせるばかりだった。
……まあ、こじんまりとは言え、俺の家の台所より二倍くらい広いんだけども。
この世界でも良く見かける、ちょっとしたお金持ちの家の広い厨房っぽいな。
王宮と言うからにはでっかい調理場が有ると思ったんだが、どうやらそこは普通の人が常に働いているため、部外者の俺は入れなかったらしい。
「ハレムの厨房であれば、限られたしか使えません。それに、ここなら他の賄い方に迷惑をかけることも無いでしょう。私が見張っていてもね」
「…………」
なるほど、俺を見張るためにわざわざハレムの門を開いて連れて来たんですね。
でも、王の家族を守るための場所なのに、そんな理由で部外者をホイホイ連れて来ても良いんですかそれ。俺の場合毒とかそう言う心配しかないって事?
つまり、俺は簡単に押さえつけられる程度の存在だとアンノーネさんに……いや、悲しむな。悲しむんじゃない俺。獣人は力が強いんだ。
そもそも普通の人間は敵わないんだ。そういうことにしておこう。
「それで……何を作るんですか?」
「あっ、えーと……アイスクリームです」
「あ……あい……すくりむ? なんですかそれは……」
怪訝そうな顔をするアンノーネさんに、俺はどう説明するか……というか、俺の術を見せるかどうか迷ったけど、ここで隠していても怪しまれると思い正直に打ち明ける事にした。まずこっちに敵意が無い事を知って貰わないとな。
それに……俺が氷を出せる【リオート】って口伝曜術(作り出した人しか使えない、オリジナル魔法みたいなモノ)は、どうも普通の人じゃ出来ないみたいだし……まあそこらへんは大丈夫だろう。
……フフ。それにしても、俺にしか出来ない氷の曜術って、か、カッコイイよな!
なんかこう、俺ってばやっぱりチートな感じがして……!
「なにをフンフンしてるか知りませんが、早く教えて下さい。そのスグリナントカは危険な物ではないでしょうね」
「スグリじゃなくてアイスクリームです! アイスが氷でクリームは……えーと……牛の乳なんかを加工して作る食べ物というか……」
「メスの母乳を!? 人族は頭がおかしいんですか!?」
「アンタらが血を啜るのと何が違うんスか!!」
そりゃ考えてみれば他の動物のおっぱいを常飲してるって変態みたいだけど、それだって結局動物が相手の血や肉を食べるのと変わんないじゃんか。
なんでオッパイになったら途端に変態になるんだよ!
いや、まあ、ハッキリ言われると変だとは思うけど栄養あるから仕方ないし!
これも異文化ってヤツでしょうがと言うと、アンノーネさんは微妙そうな顔をしながらデカい象耳をぱたんと動かした。
「まあ……確かに、そう言われるとそうですが……一応確認しておきますけど、それは獣人の乳ではないですよね?」
「人族も同族の乳は使いませんよ!? いや好きで吸う人もいるでしょうけども」
「ああ、そういうのは夫婦ならよくある事ですね。人族のオスもそうでしたか」
あっ、やだっ、聞きたくない事を聞いてしまった。
よくあるじゃねーよそっちの方が変態だよ。なに大人がおっぱい啜ってんだ。
「と、ともかく、モンスターのモノなので! 素材や食材扱いはよくあるでしょう!?」
「そう言われるとそうですね。けれど、こちらでは乳のような物が採れるモンスターは見つかっていませんからね……そうか、そういうのも有るんですね」
「因みに……氷は分かります?」
「人族に関する文献の読破は文官としての当たり前の教養ですので、話だけは」
ホッ……そっちは変な方向に話が転がらなくて良かった。
俺は咳払いをすると、改めてアイスクリームの作り方を説明した。
とはいえ、特別凝った作り方ではない。俺の世界のレシピと同じ、生クリームと無塩バターとバロ乳と玉子、それに蜂蜜などの甘味を使った単純なものだ。
バニラエッセンスが無いのが悔やまれるが、今回は仕方がない。
弱火で溶かした無塩バターに、その溶けたものを少し加え「馴染ませた」バロ乳を入れて混ぜる。沸騰させず湯気が出たソレを丹念に混ぜ続けたら、生クリームって奴の完成だ。それを使って、アイスクリームを作る。
クリームさえ作ればあとは混ぜて冷やすだけ。簡単なものである。
……とはいえ、ミキサーがないこの世界じゃかき混ぜるのに苦労するし、前にこのアイスを作った時も、頼りになる【家事妖精】のアイツにやってもらったしな……。
最近は忙しそうだし、ここに召喚したらややこしい事になるので呼べないので、今回は俺が独力でやるしかない。
一通り説明を聞いたアンノーネさんは、不思議そうに片眉を寄せると首を傾げた。
「……人族は本当に不可解な存在ですね。そんな苦労をして食事するんですか?
激しく非効率的です」
「うーん……でも、特別に美味しい物を食べる方が嬉しいし力も湧きません? 果物だけお肉だけってのも味気ないと思いますが……」
「それは貴方がた人族が、本当に美味い肉や果物を食べた事が無いからでしょう。素材が既に美味であるのなら、それを越える必要などないはずです。そもそも、料理などはメスの中でも変わり者がやる部類です。小細工でオスの食事を遅らせるなど、メスの風上にも置けません。肉を美味く焼くメスより尊いメスはいませんよ」
おおう……なんという種族ギャップ……。
ベーマスの獣人は、基本的に戦闘種族だもんな。それに、モンスターと人族の力を併せ持っているから味覚や身体機能はモンスターに近くて、獣人だろうが人族だろうが生肉や血も美味しく感じるみたいだし……そりゃ、料理しなくてもってなるか。
戦う方が大事だから、メシには無頓着ってのもあるみたいだし。
だけど、それこそ種族ギャップなんだから「自分達の食べ方こそ至高」みたいな上から目線はやめてほしいよな。
別に好きじゃなくて良いけど、こっちがやることくらい放っておいてくれよ。
アンタらには迷惑かけてないワケだし……まあ、いまのところは。
ともかく、俺達は俺達で美味いと思った物を喰うからいいんだよっ。
ナルラトさんだって、そう思ったから料理人をやってたんだろうし……って、そういやあの人オスだよな。この場合、オスの料理人ってどういう立場なんだろう。
アンノーネさんの獣人至上主義には少しムカッとしたけど、恐る恐る聞いてみる。
「あのー……だったら、オスの料理人は?」
問いかけると、相手はジロリと俺を見て眼鏡を直しながら答える。
「そんな物好きいませんよ。……居たとしても、この【ペリディェーザ】の賄い方くらいなものですかね。……この王宮では、賄い方もそれを取り仕切る賄い番も全員オスが行うと決まっていますから」
「何故オスなんです?」
「……王族に侍るためのメスは、出来るだけ仕事のない物が好ましいですから」
そう言ってハァ……と深い溜息を吐くアンノーネさん。
えーとそれってつまり……王族はすぐメスに手を出しちゃうから、出来るだけ仕事はオスに割り振ってるってこと……かな?
…………そういえば、ドービエル爺ちゃんはメス……ていうか女好きって言ってたような……。まさか、そのせいでオスが料理人までしなきゃいけなくなったのか。
色々察して見上げると、アンノーネさんは老けた顔をして肩を竦めた。
ご、ご苦労様です。
「あの……じゃあ、アイスクリーム作りますね」
話しているとなんだかドツボにハマりそうだったので、ともかくアイスを作ろう。
アンノーネさんにかまどの火を弱火に調節して貰い、今回はバロ乳に無塩バターの代わりの果実……あの【サフォヤグ】という果実を使う。マジでバターなんじゃないのかと思って試してみたが、案の定無塩バターの代わりを果たしてくれた。
……この世界って本当にわけわかんない植物生えてるよな……。
便利だから何も言うまいが……。
ともかく、手早く生クリームを作って今度は本命に取り掛かる。
そこで取り出したのが……この丸バナナことマルムーサだ。
「また果物を使うんですか。乳に果物なんて合うんですか?」
横から口を出してくるアンノーネさんに、俺はフフンと得意げに答えてやる。
「そこはこの甘味……蜂蜜の出番ですよ! 今回はマルムーサ自体が甘いからそれほど使いませんけど、乳臭さも卵の味や甘さと混ざれば気にならなくなるんです」
まあ慣れは必要かもしれませんが、と弱気な一言を置いて、俺はアイスクリームの素体を作る。立ってるものは親でも使えというので、アンノーネさんにはマルムーサと生クリームと蜂蜜を入れたものをひたすら潰す作業をして貰うことにした。
「俺は卵白を泡立ててから、砂糖と卵黄を混ぜたのと……あっ、いいっすね。混ぜて下さってありがとうございます。そんで、これを加えて混ぜる……」
「……そんなモンスターの汁みたいな物が本当に美味しいんですか?」
「まあ見てて下さいよ」
ホントはこのまま冷やしたり、もいっかい混ぜて冷蔵庫に……なんてことをしなきゃいけないんだけど、ここは俺のチートを使わせて貰う。
アンノーネさんに全てを混ぜたものをかき混ぜて貰いながら――――俺は、急速にアイスが冷えて出来上がる光景を思い浮かべながら詠唱した。
「我が手によりその形を望むものに変えよ――【リオート】……!」
最早手慣れたと言っても良い、イメージの反復と詠唱。
俺が掌を向けた器の中の材料は急激に冷やされていき……ついに、市販のアイスのようにしっかりと固まって来た。
ここまでくれば、もう完成だろう。
淡い黄色が柔らかそうな感じを覚えるマルムーサのアイスは、蜂蜜の色も相まって、なんだか和風な感じもしなくもない。
「これは……! 人族は、氷を出せるというのか……」
「まあまあ……とりあえず、味見してみましょう」
しっかりと固まった俺お手製のアイスクリームは、前回と違って……なんだか、固いのに滑らかだ。どういう味だろうか、と、アンノーネさんと一緒に一口食べてみると。
「……!」
「んんっ、ウマい! バナ……いや、マルムーサの甘さと蜂蜜のコクがなんか大人な感じ……! 砂糖のアイスだともっと甘い感じだったのかなー」
でも、ブラックはあんまり分かりやすい甘さとか嫌いだし……自然な甘さって感じのコッチの方が好きかな。クロウは蜂蜜大好きだしたぶん大丈夫だよな。
ロクだってきっと喜んでくれるぞこれは~!
自分で思っていたより結構美味く出来たので、素直に嬉しい。
器に盛ったら、さっそく【リオート・リング】に入れて持って行こう。そう思い顔を上げると、何故か二口目をすくっているアンノーネさんの姿が。
……あ、あの……それ、俺のツレ達のものなんですけど……。
「あ、アンノーネさん?」
「むっ! あっ、わ、私としたことがっ!!」
いや、私としたことがも何も嬉しそうに象耳をぱったんぱったんさせててアナタ。
何だかんだで美味しいと思ってくれてるんじゃないですか。さっきは料理なんて、とか言ってたくせして……。まあ、美味しいと思ってくれるなら嬉しいけどさ。
たくさん作ったし……少しくらいはおすそ分けしてもいいかな。
「……よかったら、少し食べますか?」
そう言うと、アンノーネさんの眼鏡の奥の目がキラッと光り、大きな象の耳がぶおっと風を孕ませて大きく動き俺の前髪を浮かせた。
「そんなっ、良いんですか……いや、わ、私はこのような変質的なものなどっ!」
「だから直にメスのおっぱい飲むよりマシですってば……」
「…………そうですかね。これくらいワケが分からないモノなら、料理と言うか果実でも誤魔化せるかもしれませんね……」
「……恥ずかしがるくらいなら食べるのやめます?」
なんかブツブツ言ってるのが不憫になって来て辞退しようとすると、相手はバッと顔を上げて必死に顔を横に振る。
色々と心配になってしまったが、それだけ欲しいと思ってくれるのならまあいいか。
料理が美味しいって事を少し解ってくれたと考えれば、ちょっと嬉しいし。
「じゃあ、四人分の器を……――――」
「さっきから煩いぞ。何をしてるんだアンノーネ」
えっ。
あれ、何かこの声、さっき聞いたような。
そう思って振り返った、厨房の入口には…………
怒りんぼ殿下ことカウルノス殿下が、顔を顰めて立っていた。
「わっあっ、で、殿下……! よくぞこのような所に……!」
「…………」
……俺、ただ元気のないクロウと、今日は頑張ったブラックやロクに美味しいアイスクリームを食べさせたかっただけなんだけどな。
なのにどうして、今日はこんなトラブルにばっかり遭遇するんだろうな……。
→
※思ったより時間かかって遅れました(;´Д`)スミマセン
10
お気に入りに追加
1,010
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

その男、有能につき……
大和撫子
BL
俺はその日最高に落ち込んでいた。このまま死んで異世界に転生。チート能力を手に入れて最高にリア充な人生を……なんてことが現実に起こる筈もなく。奇しくもその日は俺の二十歳の誕生日だった。初めて飲む酒はヤケ酒で。簡単に酒に呑まれちまった俺はフラフラと渋谷の繁華街を彷徨い歩いた。ふと気づいたら、全く知らない路地(?)に立っていたんだ。そうだな、辺りの建物や雰囲気でいったら……ビクトリア調時代風? て、まさかなぁ。俺、さっきいつもの道を歩いていた筈だよな? どこだよ、ここ。酔いつぶれて寝ちまったのか?
「君、どうかしたのかい?」
その時、背後にフルートみたいに澄んだ柔らかい声が響いた。突然、そう話しかけてくる声に振り向いた。そこにいたのは……。
黄金の髪、真珠の肌、ピンクサファイアの唇、そして光の加減によって深紅からロイヤルブルーに変化する瞳を持った、まるで全身が宝石で出来ているような超絶美形男子だった。えーと、確か電気の光と太陽光で色が変わって見える宝石、あったような……。後で聞いたら、そんな風に光によって赤から青に変化する宝石は『ベキリーブルーガーネット』と言うらしい。何でも、翠から赤に変化するアレキサンドライトよりも非常に希少な代物だそうだ。
彼は|Radius《ラディウス》~ラテン語で「光源」の意味を持つ、|Eternal《エターナル》王家の次男らしい。何だか分からない内に彼に気に入られた俺は、エターナル王家第二王子の専属侍従として仕える事になっちまったんだ! しかもゆくゆくは執事になって欲しいんだとか。
だけど彼は第二王子。専属についている秘書を始め護衛役や美容師、マッサージ師などなど。数多く王子と密に接する男たちは沢山いる。そんな訳で、まずは見習いから、と彼らの指導のもと、仕事を覚えていく訳だけど……。皆、王子の寵愛を独占しようと日々蹴落としあって熾烈な争いは日常茶飯事だった。そんな中、得体の知れない俺が王子直々で専属侍従にする、なんていうもんだから、そいつらから様々な嫌がらせを受けたりするようになっちまって。それは日増しにエスカレートしていく。
大丈夫か? こんな「ムササビの五能」な俺……果たしてこのまま皇子の寵愛を受け続ける事が出来るんだろうか?
更には、第一王子も登場。まるで第二王子に対抗するかのように俺を引き抜こうとしてみたり、波乱の予感しかしない。どうなる? 俺?!
俺だけ永久リジェネな件 〜パーティーを追放されたポーション生成師の俺、ポーションがぶ飲みで得た無限回復スキルを何故かみんなに狙われてます!〜
早見羽流
ファンタジー
ポーション生成師のリックは、回復魔法使いのアリシアがパーティーに加入したことで、役たたずだと追放されてしまう。
食い物に困って余ったポーションを飲みまくっていたら、気づくとHPが自動で回復する「リジェネレーション」というユニークスキルを発現した!
しかし、そんな便利なスキルが放っておかれるわけもなく、はぐれ者の魔女、孤高の天才幼女、マッドサイエンティスト、魔女狩り集団、最強の仮面騎士、深窓の令嬢、王族、謎の巨乳魔術師、エルフetc、ヤバい奴らに狙われることに……。挙句の果てには人助けのために、危険な組織と対決することになって……?
「俺はただ平和に暮らしたいだけなんだぁぁぁぁぁ!!!」
そんなリックの叫びも虚しく、王国中を巻き込んだ動乱に巻き込まれていく。
無双あり、ざまぁあり、ハーレムあり、戦闘あり、友情も恋愛もありのドタバタファンタジー!

【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた
きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました!
「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」
魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。
魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。
信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。
悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。
かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。
※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。
※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です


性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)

義兄の愛が重すぎて、悪役令息できないのですが…!
ずー子
BL
戦争に負けた貴族の子息であるレイナードは、人質として異国のアドラー家に送り込まれる。彼の使命は内情を探り、敗戦国として奪われたものを取り返すこと。アドラー家が更なる力を付けないように監視を託されたレイナード。まずは好かれようと努力した結果は実を結び、新しい家族から絶大な信頼を得て、特に気難しいと言われている長男ヴィルヘルムからは「右腕」と言われるように。だけど、内心罪悪感が募る日々。正直「もう楽になりたい」と思っているのに。
「安心しろ。結婚なんかしない。僕が一番大切なのはお前だよ」
なんだか義兄の様子がおかしいのですが…?
このままじゃ、スパイも悪役令息も出来そうにないよ!
ファンタジーラブコメBLです。
平日毎日更新を目標に頑張ってます。応援や感想頂けると励みになります♡
【登場人物】
攻→ヴィルヘルム
完璧超人。真面目で自信家。良き跡継ぎ、良き兄、良き息子であろうとし続ける、実直な男だが、興味関心がない相手にはどこまでも無関心で辛辣。当初は異国の使者だと思っていたレイナードを警戒していたが…
受→レイナード
和平交渉の一環で異国のアドラー家に人質として出された。主人公。立ち位置をよく理解しており、計算せずとも人から好かれる。常に兄を立てて陰で支える立場にいる。課せられた使命と現状に悩みつつある上に、義兄の様子もおかしくて、いろんな意味で気苦労の絶えない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる