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飽食王宮ペリディェーザ、愚かな獣と王の試練編
7.それぞれの矜持
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「…………武人に二言は無い。お前達を正式に俺の侍従として認める。……だが、それはあくまでも“三王の試練”の間だけだ。人族を侍らせるなど変態の所業……! 寒気がする!! それに俺はお前らの指示には従わんぞ。……絶対にだ!!」
あっ、はい。
……って、つい相手の勢いに虚無の頷きを返すところだった危ない。
俺は心の中で頭を振って我に返ると、えらく豪勢なでっかいベッドに胡坐をかいている怒りんぼう殿下を改めて見やった。
――ここは、怒りんぼ殿下……ではなく、カウルノス・カンバカラン殿下の寝所。
つまりは殿下の私室だ。
案外片付いていて物が少ないが、それでも王族だからかやっぱり壁も柱も派手でキラキラしているし何より何もかもがデカい。背が高いからなのか、それとも熊の姿で動くことが多いのか、ベッドはキングサイズ以上だし、どうも「大きいサイズの家具がある部屋」と「普通の家具の部屋」に分かれていて部屋が多いのだ。
本当にプライベート空間な造りだけど、植物で彩るでもなく最低限の家具くらいしか置かれてないってことは、怒りんぼに似合わずミニマリストとかなんだろうか。
そんな関係のない事を考えてしまったが、とにかく王様(仮)の部屋に入れたって事は、その時点で俺とブラックはカウルノス殿下に認められたのは間違いない。
まあ手当もしたし、えっちな服のお姉さん達にも「ありがとうねえ」と褒めて貰えたので、全体的に「相手に近付く」という作戦は成功だったのだろうが……しかし、俺達が運んできたってのにこの言い草は頂けない。
ほぼブラックのおかげだが、俺も手伝ったんだぞ、アンタをベッドに乗せるの。
ルードさんも手伝ってくれないってのに、ホントに重くて大変だったんだからな。
それなのに、起きてもブスッとしてるし、数十分沈黙してるかと思ったらお礼の一つも言わずにこんな宣言をしてくるなんて……どういう教育を受けたんだ。
王族だからコレも当然だってのか。コレが普通なのか獣人の王族は。
「ほーう、負けたクセに居丈高なクソ熊だな。もう一度戦うか?」
ブラックが睨むと、殿下は増々イヤな臭いを嗅いだ犬みたいにギュウッと鼻に皺を寄せると、フンッとばかりに顔を逸らした。
「……武人に二言は無い」
あれ。ブラックに言われると、ちょっと大人しくなった。
……やっぱり勝負に負けたから、言う事を聞こうって意識が働いてるのかな。
だったらもうちょっと落ち着けば理性的な話が出来るのでは……などと考えていると、ルードさんがえっちな服を着たお姉さん達と一緒にやってきた。
いやまあ、えっちな服って俺も着てるんですけどね、同じの……。
「兄上、水と果実を持ってまいりました」
そう言って、ルードさんはお姉さんに手で合図する。
すると、お姉さんは金の大皿をベッドに置いた。ちょっとお行儀が悪い気もするが、まあなんかカリフな感じの王様が寝そべってブドウを食べる的なシーンを見た事あるし、案外そういうのはオッケーなのかも知れない。
だけど、カウルノス殿下は「いや、いい」とお姉さんを掌でとどめた
「腹は減っていない。……何故か知らんが……」
「おや、珍しい。今の兄上は、まだ本調子ではないはず。でしたら、果物やメスを抱く事が第一では? 無理をしてはいけませんよ」
「うるさいな! とにかくいらん、メスどもは下がらせろ!!」
グァウと今にも噛みつかれそうなほどの獣の威嚇する声を発した殿下に、お姉さん達はビクッと体を震わせたが、ルードさんが「仕方ないなぁ」と言わんばかりに溜息を吐いて、彼女たちを下がらせた。
ドアのない部屋がゆえ、お姉さん達の足音が聞こえなくなるまで数十秒かかったが、それを確認してから再びルードさんがカウルノス殿下に向き直る。
「……それで、ツカサさん達を侍従として傍に置いて下さるのですね?」
「不本意だが仕方あるまい。……まあ、この不潔男に関しては、獣人族の軟弱者より実力がある。父上が仰っていた事は、受け入れよう」
あくまでも王族として話すその言葉に、ブラックが不機嫌そうにフンと鼻息を吐く。
ま、まあ、イラッとするのは分かるけどこれは仕方ないよ。爺ちゃん達にも色々事情が有るんだろうし、王族ってのはイゲンも必要なんだろう。
「だが、この不潔男に負けたのは俺のせいではない! 本来の力が戻っていれば、このような駄肉ばかりの弱小人族などに遅れは取らなかったのだからな!」
なにクソてめえふざけんなちょっと殴らせろコラッ。
ブラックのどこが弱小だどこがっ!
「ツカサ君落ち着いて落ち着いて」
ブラックに背中をさすられて、ビクッとして我に返る。
ハッ……あ、危ない危ない……ブラックに対してあまりにも的外れな事を言われたから、つい怒ってしまった……な……なんか今になって恥ずかしくなって来た……。
顔が熱くなってきた気がするが気のせいだ。
今の行動を気付かれてやしないだろうなと熊二人を窺うと、二人は今まで一体何を話していたのか、いつの間にか口論を始めていた。
「だからっ、それはお前が首を突っ込む話ではないだろう!! 俺より弱い弟の癖に一々政にでしゃばるんじゃない!」
「武力は腕力のみにあらずという王の言葉を忘れたのですか! 私はこの国のことを一番に考えて申し上げているだけで、出しゃばるなんてことは一度も……」
「いま現にでしゃばっているだろうが! 人族などに組しおって!」
「父上の望みをかなえる事の何が下賤な行いなんですか!!」
え、えええ……さっきまで冷静に話し合っていたのに、なんでいきなり喧嘩を始めちゃってるんだ。しかも凄い個人的な言い合い……。
どうしたんだろうと困惑していると、ブラックが俺に耳打ちをしてくれた。
「さっきの“本来の力”ってのが切っ掛けになって、武力が戻ったの戻ってないのって言い合いになっちゃったんだ。で、ソレに関して弟のルードルドーナが出しゃばってるとかいう話になったワケ」
な、なるほど……カウルノス殿下的には、そこまで世話を焼かれるほど弱ってないと言いたいのかな。でも、実際問題何とも言えない状況だから、ルードさんが色々と動いちゃってるんだろうし……それが気に入らなかったって感じなのかね。
要するに、自分が色々弱体化してるってのを認めたくないのか。
……うーん……そういう意地を張る気持ちは分かるけど、カウルノス殿下って、今は王様の地位を保留にされてるんだから、そりゃ周囲の人が心配するのは仕方ないんじゃなかろうか。ルードさんだって、兄であるカウルノス殿下に王様に戻って欲しいから、俺達の手を借りようって思ったんだろうし……。
けど、自分の力に自信を持ってるとソレも認めたくないものなのかな。
俺は運動音痴だから、絶対的な腕力なんて持ったこともないので分からないけど、自分がそうだと考えてみたらすぐには受け入れられない物なのかも知れない。
相手からすると、アリにパンチされて負けたみたいなもんだろうし……そんな感じに思ってたなら「嘘だッ!」て思うかもだしなぁ……。
でも、俺達でこの兄弟喧嘩を止められるものだろうか。
なんかどんどんヒートアップして行くし。
「そもそも五候が揃わぬうちから政など笑わせる! 誰もお前を認めていないから、円卓に集まらんのだろうが!」
「それは今から集めればいい話です、そもそもアーティカヤの長は既に私に決まっていますし、ここにはナーランディカ卿も滞在中ではないですか!」
「ハッ、形だけのカシラか? 人族臭い恥知らずのナーランディカに政のなんたるかが分かると言うのか。獣人の為の政を舐めているとしかいいようがない!! お前がその口で国の事を語るというのなら、武力で五候を集めて見せろ! 解ったら、今後俺のことにお前が口を出すな!!」
牙を剥いて、吼えるように声を発するカウルノス殿下。
さっきまで昏倒していたとは思えないほどの凄まじい迫力だ。
そんな相手に気圧されたのか、ルードさんは一歩退いた後……実に口惜しそうな顔をして、改めて頭を下げると俺達を見やった。
「…………では、私は下がりますのでお願いしますね、ツカサさん。ブラックさん」
そう言うと、俺達の返答を待たずに去って行ってしまった。
「…………えーと……」
ど、どうしよう。
目の前で喧嘩された後って、どう取り繕ったらいいのか分かんないよな。
でも、大人の対応で去って行ったルードさんを追いかけても仕方ないし……後で話をしに行くことにして、とりあえず俺達はカウルノス殿下に向き直った。
……俺達の本来の目的は、王座の下に隠されていると言う【銹地の書】だ。
なんとしてでもこの怒りんぼ殿下に再び王座に就いて貰わねばならないのだから、こちらを優先すべきだろう。何だかモヤモヤするが仕方がない。
とりあえず、殿下と仲良くなっておかないとな。
「それで、殿下……今後の事なんですが……」
「あ゛ぁッ!?」
ヒイッ、メンチきられちゃった。
で、でもこのくらい、いろいろ経験してきた俺にはへっちゃらだもんね。こんなのよりも怖い思いしたし、オバケより怖くないんだから負けないぞ。
こっちだって修羅場をくぐった冒険者なんだってことを見せつけてやる。
そんな事を心の中で思いつつ、俺は必死に冷静さを保ち続けた。
「俺達は、陛下を手助けする……という話を受けたのですが、具体的にどのような事が助けになるのか教えて頂きたいんです。……何もするな、というのはナシで」
この殿下ならそんな事を言いそうなので、あらかじめ足止めしておく。
すると、まさにそう思おうと思っていたのか相手は「ウグッ」と声を詰まらせたが、俺の横に居るブラックをチラリとみると、頭をガシガシと掻いて息を吐いた。
「…………先程、弟との話を聞いていたならわかると思うが……今の俺は、先の戦のせいで大幅に力を削られている。負けたのもそのせいだ」
「だから? 力が戻るまで待てってこと?」
「そうじゃない。……いや、そうかもしれんな……」
「……?」
なんだか急に勢いを失くしてしまった相手を見やると、カウルノス殿下は自分の恥を曝すかのように顔を歪めて悔しそうにしながら、言葉を続けた。
「俺は、戦で卑怯者どもから傷を負ってから……ずっと力がもどらんのだ。この、大地の恵みをもたらす【ペリディェーザ】で療養していても、いつものようにならん。無論、弟や普通の獣人族には十分対抗できるが……王としての力が、戻ってこんのだ」
「それって……あまりにも、力を失い過ぎたから……?」
「……わからん。だが、由々しき事態だ。今となっては、切り札の獣化はおろか二角獣化してもいつもの半分しか力が出ん。……俺の最大の恥だが、しかし……父上がお前達に頼んだということは、この恥の話をしろと言うことでもあるのだろう」
「だから、僕達に話して協力しろ、と」
言いにくい事をなんとか言い切った相手に、ブラックがさらりと返す。
まったくもって興味が無いような冷めた言い方だが、しかし同情的な言葉でないのが相手にとっては救いだったのか、怒る事は無かった。
その代わり、今の状況が歯がゆいのか眉間に皺を寄せながら歯軋りをする。
「……俺は、獣王として選ばれた。偉大な父上に選んで貰ったのだ。だから、早く力を取り戻さねばならない。だが、その方法が全くわからん……いつも以上にメシを喰い、メスを何度抱いても満たされんのだ……! もう、どうすればいいのか見当もつかん。これでは……試練すら、認められぬかも知れん……。父上はそれを心配して、人族に何か知恵は無いかと思いお前達を遣わしたのだろう」
ドービエル爺ちゃんは、それを知ってて俺達にあえて頼んだのか。
獣人ではどうにも出来なかったけど、俺達に頼んだらきっとどうにかなるのではって思ってくれたんだろうな。それを殿下も理解しているから、こんな悔しそうな表情をしながらも、ちゃんと話してくれたんだ。
それに……この人が、ただの傍若無人な王様ではないことも分かったよ。
言動は色々ムカツクけど、この人もちゃんと王様として頑張ろうとしてたんだ。
戦に出た時だって、誇り高い獣人として戦おうとしたからだろうし……今だって、王の座に就いている爺ちゃんを怒るどころか「父上に選んで貰った」なんて、尊敬するかのような事を言っている。きっと、根っからの分からず屋じゃないんだ。
そもそも、この人にだって、事情ってもんがあるワケだしな。
俺達と同じで、切羽詰まった事情が。
…………別に断る気なんてサラサラなかったけど、相手にも一本と折った芯があるのなら、俺だってスジを通して約束を果たしてやろうじゃないか。
俺はブラックと顔を見合わせると、再び殿下を見た。
「わかりました。俺達に何が出来るのかは、やってみないと分かりませんが……殿下の力が完全に戻るように、精一杯協力させて頂きます!」
そう言うと、殿下は目を丸くしたが……ただ、こくりと頷いた。
よし、なんとかこれで協力して貰えそうだ。
…………しかし、絶対的に悪い人ってわけでもないのに、どうして殿下達はクロウの事を臆病者と言って虐げるような真似をするんだろう。
クロウもクロウで怖がって、部屋から出ようとしないし……。
いったいどういう事なんだろう。
今のカウルノス殿下ならクロウと会っても良いんじゃないかと思ったけど、やっぱり原因が分からない限りは距離を取った方がいいのかな。
兄弟の事なんて、他人にはわからないことだし……。
とりあえず、今日は話だけ聞いてクロウとロクショウの所に帰ろう。
そう思いつつ、俺は殿下に力強く頷いて見せたのだった。
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