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飽食王宮ペリディェーザ、愚かな獣と王の試練編
2.現王様のたのみごと
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ドービエル爺ちゃんに言われて謁見の間にやって来た俺達は、早速話を聞く事になった。爺ちゃんは何故か昨日よりも一回り人間の身長に近付いているが、アレはやっぱりアレなんだろうか。
お、奥さんたちに頑張って貰ったってヤツなんだろうか……。
そこが気になって何故か自分の方がちょっと恥ずかしくなってしまったが、そんな事を考えている場合じゃないよな。は、話をちゃんと聞かないと。
「むぅ……すまんな、朝から呼び出してしまって」
「で、用事ってのは何なんだよ」
「この蛮人っ、陛下になんて口のきき方を……!」
「ああ、良い良い。この子らはわしの恩人なのだ。それに……まともに戦えば、お主も無事ではすまんぞ? アンノーネ」
象耳眼鏡お兄さんのアンノーネさんがブラックの言葉遣いを咎めたが、爺ちゃんがフォローしてくれる。……なんかこの流れ、チートもの小説で見たことあるな。
実力者の口調に寛大な王様ってあるあるだけど、実際にやると周囲に不敬罪って言われないかとヒヤヒヤしちゃうよ。まあ爺ちゃんはそんなことしないけどさ。
にしても……ホントに何の用事なんだろう?
ドービエル爺ちゃんを見やると、相手は頷いて話を切り出した。
「うむ……それなのだが……昨日、お主たちは我が息子の一人、カウルノスの話を聞いたかと思うのだが……」
「王権挽回を手伝えって話だったら断るぞ」
「まっ、まだそこまで言うておらんだろう!? なぜ先読みして断るのだぁっ」
ですよね俺もそう思います。
しかしブラックは相手の事など気にせず、慌てる爺ちゃんに容赦なく言い返す。
「いやこの流れだとそういう話にしかなんないだろ」
「だとしても話くらいは……」
「断る」
「フゥウン……」
「あっ、こらっ、惰弱人族め! 国王陛下をションボリさせるとは何事だ!!」
アンノーネさんが思わず怒るが、ブラックはどこ吹く風だ。
というか爺ちゃん、せっかく雄々しくて格好いいのにションボリする顔文字的な顔で肩を落とすのはどうかと。威厳より中身の熊さんの可愛さ出ちゃってますよ。
中身を知っている俺はつい和みそうになってしまったが、今のドービエル爺ちゃんは厳つい筋肉お爺ちゃんだ。落ち着け、早まるな俺。
なんとか思考を元に戻しつつ、俺はブラックの袖を引っ張った。
「ブラック、気持ちはわかるけど話くらいは聞こうよ……な?」
「ヤダ! 今日はツカサ君にたっぷり甘やかして貰う予定だったのに、朝っぱらから面倒臭そうな話を聞かされるなんて我慢出来ないよ!」
「お、お前なぁ、人前でそういう事を言うなとあれほど……っ!」
慌てて口を閉じようとするが、その前に爺ちゃんがまあまあと窘めてくれる。
こっちの方がかなり高圧的なふるまいをしていると言うのに、爺ちゃんは本当に人が出来てる王様だよ……なんか本当に申し訳ない。
今度こそブラックの口はしっかり塞いでおきますんで、と無精髭だらけのチクチク顔を手でなんとか抑えると、ドービエル爺ちゃんはホッとしたような顔をして、すぐに元の威厳のありそうな表情に戻ると話を切り出した。
「ツカサ達には、約束を果たせず迷惑を掛けているのだと我々もわかっておる、だがどうか聞いて欲しい。これは、アルクーダの未来にも関わる事なのだ」
「王座の挽回が……ってことだよね。でも、王の試練を乗り越えたら、あの……クロウのお兄さんは再び王様に戻れるんだよね? 俺達がそれに関わったら逆に邪魔する事にならないのかな」
俺の言葉に、アンノーネさんが「そうだとも」と言わんばかりに頷く。
まあこの人は人族が嫌いだからな……。爺ちゃんはそうじゃないけど、しかし獣人族のそういう性質は爺ちゃんだって把握しているはずだ。
だったら、あの怒りんぼのクロウのお兄さんを俺達が手伝っても、悪い方向にしか行かないんじゃないのかな。
そんな俺の考えに、爺ちゃんも頷いた。
「うむ……確かに、他の獣人達の嘲りは避けられぬだろう。だが……今のカウルノスでは、ハッキリ言って王の試練は越えられぬ。しかし……わしが手助けするわけにも行かんのだ。そもそも……この事態を招いたのはわしなのだから」
「え……」
今の事態って……あの人が王様の資格を一時剥奪されちゃったこと?
それって、ついこの前やっと治まったって言う内乱――というか、正確には他の国(群れ)が襲って来ていたらしい普通の戦らしいが――で資質が疑われちゃったからという話だった気がするんだが、爺ちゃんがどう関わってるというんだ。
よくわからなくて首を傾げると、アンノーネさんが説明してくれた。
「実は……先の戦は、我らの国の獣王たる“二角神熊族”を昔から目の敵にしている“嵐天角狼族”が挑んで来たものなのですが、その時に予想外の種族が相手の味方についていましてね。巧妙に隠されていた情報だったが故に、我々も後手後手に回りいつもとは違い劣勢を強いられていたのです」
「あの狼どもだけなら、わしの子供達どころか妻達でも充分倒せたのだ」
ドービエル爺ちゃんの言葉に、全くだとアンノーネさんは頷く。
なんだか名前からして厳つそうな種族みたいだけど、爺ちゃん達からしたら昔から返り討ちにして来た種族って感じなのかな。
ロウって言うからには狼なんだろうけど、熊と狼が砂漠で戦うなんて、ちょっと変な感じだ。まあそれを言ったら象さんが居るのも珍しいんだけどさ。
そんな俺の考えを知らず、相手は続けた。
「そう。我らの国王であれば、彼奴らなど恐るるに足らなかったのです。しかし、今回カウルノス様は大規模な戦は初陣で……しかも諜報部隊が掴み切れなかった情報に虚を突かれ、予想以上に戦を長引かせてしまったのです」
「だから人族の国に難民が出てたんですね……」
俺の言葉に、ドービエル爺ちゃん達は同時に頷く。
その表情は苦々しい……というか苦労した感じの表情で、本当に予想外で大変な戦だったんだろうなと感じさせた。
誰だって、そういう事態になったら泡食っちゃうよな。
特にあのクロウのお兄さんだったら……慌てる……っていうより、思い通りに決着が付かなかった事に怒り狂って場が混乱しちゃってそうだ。
「そう……か弱い国民を人族の大陸に送らねばならぬほど、この国の経済は一時、危機的な状況を迎えていました。……今回の戦は、それほど劣勢だった」
アンノーネさんは、クッ……とでも言いたげに拳を胸に当てる。
だが、次の瞬間――――びっくりするぐらい目を輝かせて、両手を広げて見せた。
「ですがっ!! そこにっ、ドービエル・アーカディア獣王陛下がっ! 勇ましくも凛々しく神々しいその姿を戦場に現されたのですッ!! それからはもう戦神烈破、剛壁霧消の勢いで敵陣を圧倒的で美しい力でなぎ倒しっ、あれほど膠着していた戦場を爪輝かしいその拳一つで全て治めておしまいになられたのですううっ!!」
「モガモゴ」
「ブラックしっ! お黙りっ」
なんて言ったかは察して欲しいが、まあだいたい悪口だ。
でもその……正直俺も、アンノーネさんの熱狂的な様子はちょっと怖い……。
獣人は力を最高の物として考えるらしいけど、こ、この感じは……ハタから見てると、圧倒されて「お、おう」ってなっちゃうというかなんというか。
他の獣人もこんな感じなのかな。いや違うと思いたい。
……と、ともかく……ドービエル爺ちゃんが長く続いた戦を終わらせたんだな。
「って……爺ちゃんが相手を退けたんなら、つまり……父さんが、息子の活躍すべき場所を取っちゃったってこと?」
変な言い方に成っちゃうけど、でもそういう事だよな。
だから、クロウのお兄さんが王位を一時剥奪されちゃってるんだよな?
ずっと戦って、出し抜かれたせいでピンチになってて、それで地軍が疲弊している時に、デウス・エクス・マキナ的に超強力な父親が出張って来て、全部終わらせて戦に勝利しちゃったってなれば……そりゃ……確かに、国民や臣下の人達は「やっぱり王様はドービエル様だよな!」となってしまってもおかしくない。
むしろ、力こそパワーなこの大陸では、それが正しいとも言われたはずだ。
一番強い人が王様になるんなら、そりゃドービエル爺ちゃんが再び王座について、代理ながらも国を動かす事になっちゃっても仕方ない。
だって、ホントに爺ちゃん一人で戦局を変えちゃったんだもん。
そんな圧倒的な力を見せつけられたら……そりゃ、なあ……。
うわぁ、でも、そう考えると……クロウのお兄さんにはちょっと同情しちゃうかも。
つい顔を歪めてしまったが、ブラックはそんな俺の手を外して言葉を継いだ。
「……つまり、お前のせいでせっかく継承した王位がぐちゃぐちゃになったんだな?」
アッ……ぶ、ブラック、そんなハッキリと……!
しかしその通りだから何と言っていいものやら……ドービエル爺ちゃんやアンノーネさんも、そう言われて「その通り」とばかりに弱り切った顔になっちゃうし。
「…………わしが後方支援に回っていれば、カウルノスの実力を疑問視する声など出て来なかっただろう。……だが、久しぶりに帰って来た故郷が荒れていて、わしの愛しい妻と子供達が苦しんでいると知ったら、どうにも止まらなくてな……」
しょぼん、と熊耳を伏せてしまう爺ちゃんの耳飾りの音色を聞きながら、アンノーネさんも同じように耳を動かし鈴を鳴らす。
あまり耳で感情を表さないようにしている人達なのに、このことはそれだけ彼らを落ちこませる事だったようだ。
「陛下は獣王として立派な行動をなさいました。しかし、それとは別にカウルノス様の実力について納得させられなかったのは、我々臣下の落ち度なのです。……たった一つの要素で計略を解かれたのも、カウルノス様を補佐できなかった我々に責任があります。戦とは、一人で行うものではないのです。ですから、なおさら……」
「そのうえ、父親に戦果を持って行かれて息子が反抗期って感じか」
「ヌゥ……」
ああ、また爺ちゃんの顔がションボリしてしまっている。
でもそこに関しては、クロウのお兄さんの気持ちも分かるだけにつらい。
……正直、自分が頑張らなきゃ行けない戦場に、自分より遥かに高性能な身内が出て来て全部持って行っちゃうとか……男としたらマジでプライド傷付くよな。
ライバルや兄弟ならまだしも相手は父親って、そんなの本当にキツいよ。
クロウ並の年になって、ちゃんと色々出来るようになったって自信を持ってただろうに、ピンチに陥って自信を無くしかけてる時に父親に勝利されるんだぞ。
そんなのマジでみじめでプライドがボロボロになっちゃうじゃないのさ。
王様に祭り上げられたからには、あのお兄さんだって自分の力を信じていただろうに、その力が及ばず満身創痍の状態だったんなら……なおさらエグい。
自分の父親に、苦戦していたはずの相手をばっさばっさと薙ぎ倒されたら、なんかもう目も当てられない。
親に尻拭いをさせるってのは、マジで心がしんどくなるだろうな……。
自分が戦えるものだって思ってたら、なおさら……うう、考えるだけでつらい。
でも、ドービエル爺ちゃんだって息子や国を守りたい一心で戦ったんだ。その王に相応しい心根を責める事なんて誰も出来ない。
だからこそ……こ、こんなことになっちゃったんだろうな……。
「…………なんか、みんな頑張ったのに……ままならないんだな……」
「そうだの……。あの戦以来、カウルノスの力は疑問視されてしまうし、わしも息子に避けられてしまうし……本当にもう、どうしたらいいのやら……」
「で、僕達は結局どうしたらいいんだよ」
あっ、そうでした。
そう言えば爺ちゃんは俺達に何か頼みごとをしたいんだっけ。
話の結論は「クロウのお兄さんを再び王座に戻すのを手伝って」って話だったが、今の話がどう繋がるんだろうか。
爺ちゃんの顔を見やると、相手はションボリしつつ肩を落とした。
「出来ればわしが手伝ってやりたいのだが、この状態ではままならん。もうすぐ試練を見極める“最も古き群れ”の三王がやってくるが、今の状態のカウルノスでは厳しい試練に身が入らず失敗してしまうかも知れない。だからこそ、ツカサ達にあの子の事を頼みたいのだ。せめてあの子が万全な準備を出来るように、と」
「でも、俺達あの人に嫌われてる気が……」
それに、クロウはさっきからお兄さんの名前が出る度に、熊耳をピクピクと反応させながら目を逸らしちゃってるし。これ、クロウはお兄さんに会いたくないんだよな。
だとしたら、出来れば俺はそのお願いを遠慮したいんだが。
あの人なら一人で乗り越えられそうだし、俺からすればクロウの事を弱いとか言うムカツクおっさんなんかより、クロウやブラックやロクショウ達が健やかで居てくれる方を優先したいわけだし。
クロウが怖がってるなら、俺は手伝いなんてやりたくない。
しかし、俺の気持ちを読み取ったのかドービエル爺ちゃんは畳みかけて来る。
「そ、そこをなんとか……っ! わしは、ツカサの素晴らしい優しさやその特異な力を充分に知っておる。それに、……クロウクルワッハが昔よりも強くたくましくなった事や、ブラック殿の底知れぬ力も……。だからこそ、その力を貸して欲しい。この国を助けると思って……どうか、頼まれてくれぬか……!」
「で……でも……」
そう言われたって、あの人を助けるってのはな……ブラックだって「ヤダ」と言わんばかりに首を振ってるし。クロウも目を逸らしたままだし。
……やっぱり無理だよなぁこれ。
断った方がお兄さんも安心なんじゃないか、と思ったのだが――――
眼鏡を光らせたアンノーネさんが、会話に割って入って来た。
「……ドービエル国王陛下は、カウルノス殿下に再び王位を取り戻して欲しいと考えておられます。つまり、陛下は今後二度と国王になるつもりはないのです」
「で? それがなんだって?」
ちょっとイラついてるブラックの声。だが、相手は怯まない。
それどころか更に眼鏡を光らせて、トドメのように言葉を放った。
「……もし、カウルノス殿下が保留になっている王座を取り戻せない場合……この国は、他の王位継承権を持つ王族の争いで、今度こそ“内乱”になります。長い闘争になるでしょう。カウルノス殿下のご兄弟だけでなく、他の王族も名乗りを上げるはず。そうなれば……困るのは、貴方がたでは?」
「…………!」
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「試練を滞りなく行う手伝い……して頂けますよね?」
ニッコリと笑う、象耳お兄さん。
もう俺達には頷く以外の選択肢は無かった……。
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