異世界日帰り漫遊記!

御結頂戴

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豪華商船サービニア、暁光を望んだ落魄者編

  暗黒の海を渡るもの2

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 船長室からそっと抜け出し、一度部屋に戻った俺達は、混乱する人々を避けながらやっとのことで船尾までやって来た。

「ふぅ……それにしても凄い混乱だな……」
「無理もないさ。夜とは言え明かりの下で帳簿を整理していた商人も多かったろうし、そいつらが騒げば自然と他のヤツも起きちゃうからね」

 普通なら就寝していた人達も、この騒ぎのせいで巻き込まれちゃったのか。
 そのまま寝ていたら騒ぎを知らずに済んだろうに……なんだかちょっと可哀想だ。でも、船に異変が起きたのに騒ぐなって方が無理な注文だろうし、こうなってしまうのも仕方がないのかも知れない。

 しかし、今からコトを起こそうとしている俺達としては、こうも騒ぎになって甲板にも大勢の人が出て来ているのはかなりマズい事態だった。

 なんで甲板にいるのか不明だが、逃げようとしていたのだろうか。
 いや、混乱した心を落ち着けようと外の空気を吸いに来たのかも知れない。

 まあ確かに新鮮な空気を吸いたいよな……いくら広々としてホテルみたいな客船と言っても、こうなったらやぱり息が詰まる感じがするだろうし。
 にしても……多過ぎてちょっと困ってしまう。

 どうしたもんかと思いつつ、隠れるようにして船尾へ向かうが、そこにもやはり人が居て、こっそり何かをしようという雰囲気ではなかった。

「うーん……どうしたもんか……」

 ざわつく周囲を見ながら腕を組んでいると、不意にブラックが肩を抱いて来た。

「え、ちょっ、ぶ……」
「しーっ。……ツカサ君、こっち来て」

 甲板が薄暗い事を良い事に、ブラックは俺を暗がりに連れ込む。
 薄暗いとはいえ、甲板には船の内部からの明かりが漏れて来ており、出入り口などは明るく明暗が分かれている所がある。そのせいか、一層暗い所は真っ暗に見えて確かに誰にも見つからないような気もするのだが……。

 しかし、ここで何をするのだろう。
 そう思った途端、ブラックは俺を抱き締めて来た。

「っ!? ぶ、ブラック……っ」
「あは……今日はツカサ君のこと抱き締めてないから、すっごく興奮しちゃうなぁ」
「あ、あのなあ!」
「良いから……ツカサ君、僕にぎゅっと捕まっててね……」

 そう言われて、渋々抱き締めようとすると――ブラックはいつもとは違う貴族の外套を広げてその中に俺を誘いこんでくる。

 目の前に現れた白いシャツに少し戸惑いながらも体を合わせると、薄いせいなのかブラックの程よく起伏を感じる分厚い体を感じてしまい、思わず固まってしまう。が、ブラックはそんな俺を外灯で包み込むと、そのまま再びぎゅうっと強く抱きしめた。
 う、うわっ、ちょっとっ。なんでまた抱き締めるんだよ!

 っていうか、そんなに強く抱きしめられると――――

「舌を噛まないように、しっかり口を閉じててね」
「え……」
「地を離れ、噴き上がる風の如く跳べ――――【ウィンド】……!」

 低い声で、小さく詠唱が聞こえた。刹那。
 地面が急に消えたと同時に内臓が浮き上がる独特な感覚が襲ってきて、思わず目の前の大きな体に縋りつく。ゴッと大きな音が耳を舐めて、息が詰まるような苦しさを覚えたがどうにも出来ない。ただブラックの体にしがみついているしかなかった。

「……っとと……。ツカサ君、もう大丈夫だよ」
「うぐ……ぅ……え……?」
「んへへ……こ、このままぎゅってしてたいのぉ? い、良いよ、このままイチャイチャ」
「わーっ、バカバカ! 違うだろ!!」

 俺らはイチャつく為に甲板に来たんじゃないだろと離れる。が、すぐに背後から強風が襲ってきて、俺はブラックの方へ押し付けられてしまった。
 どういう事かと背後を振り返るが……今まで見えていた船尾が見えない。
 見れば、自分達の周りにはぐるりとカーブした木製の囲いがあって、その向こうには限りの無い空と水平線が見えていた。……ええとこれ……つまり……。

「マストの見張り台? でも……ここだって船員がいるはずじゃあ……」

 強風に髪を乱されつつブラックを見上げると、相手はニッコリと笑って。

「ここに【ウィンド】で跳び上がって来た瞬間に眠って貰ったから大丈夫!」

 あっけらかんと指さすそこ……ブラックの背後には、いかにも寝苦しそうに気絶した船員さんが……ってなにやってんだお前はー!!
 大丈夫なのかと慌てて巨体の向こうの相手を見ようとするが、ブラックはそんな俺の行動を阻止しようとさらに抱き締めて来る。

「ちょっ、おまっ……だから強く抱きしめるなって! そんなにしたら……っ」
「ッキュー!」
「あっ……!」

 もぞもぞと俺の服が動き、中から勢いよく黒い影が飛び出てくる。
 それが誰かなど、最早説明する必要も無い。

「キュキューッ! グギューッ、キュッキュ!」
「あててて、ごめん、ごめんってロクショウ君」

 強く押し付けられて潰れるかと思った、と言わんばかりに尻尾でブラックの頭をペシペシと叩くご立腹の黒いトカゲヘビちゃんは、もうそれだけで優勝の可愛さだ。
 思わず鼻の頭が熱くなってしまったが、今はそれどころじゃないと頭を振って、俺はプンプンしている神レベルでキュートなロクショウを引き寄せた。

「ごめんなロク、苦しかったろ?」
「キュゥ~、キュ~」
「ったく、お互い甘いんだから……」
「なんか言った?」
「何でもないない。とにかく……さっさと始めようか。混乱している今がやりやすいし」

 俺とロクの訝しげな目に構わず、ブラックは囲いの縁に手をやって下を見やる。
 遥か遠い場所になってしまった甲板には、未だに人がうじゃうじゃしていて、みんな興奮して騒いでいるようだった。確かに、今のこの状態だったら何か違和感を覚えても気のせいだと思ってくれるかもしれない。

 しかし……いざやるとなると、少し申し訳ない気もする。
 だって、この作戦には……ブラックがあまり使いたくない【幻術】が必要だし……。

「ん? ツカサ君どしたの」
「いまさらだけど……大丈夫か? その……お前に、こんなこと頼んで……」

 そう言うと、ブラックはすぐに嬉しそうな顔になって俺の頬にキスをする。
 わっ、お、お前急になにやってんだっ。

 思わず顔がカッカしてきて頬を抑えると、ブラックは笑みを崩さずに俺の肩を抱き形を確かめるように何度もさすった。

「ホントに今更だなぁ。……でも、大丈夫。ツカサ君が僕の力を求めてくれるの、僕は凄く嬉しいんだよ。だから気に病む事なんて何もないさ」
「アンタが、そう言ってくれるなら良いけど……」

 な、なんか、至近距離で見つめられると恥ずかしい。
 こんな場所でキョドる暇なんてないと自分でも解っているんだけど、ブラックに面と向かってこういう事を言われるのは、やっぱり何だか苦手だった。
 だって、その……俺の今の言い草だと、ブラックの決心を疑ってるみたいだし……そんな事を言ってしまった自分が恥ずかしいと言うか、それと同時にブラックの事を頼りにしてるってのが別の意味で何か居た堪れないと言うか、う、うう……。

「っあぁああツカサ君たらもうっ、我慢してるのにそうやってモジモジするから僕だって興奮しちゃうじゃないかぁあああ」
「ギャーッ!! ごめんごめんごめんなさい分かったやろう頼みますううう!」

 なんでお前は変な所で興奮するんだ。俺がちょっと反省してたってのに。
 申し訳なさが消し飛んでしまったじゃないかと睨むと、ブラックは緩んだ笑みで顔を蕩けさせながら、俺を再びぎゅっと抱きしめて来た。

「ツカサ君……へへ……好き……」
「だ、だから……こんなことしてる場合じゃないんだって……」

 とは言え、俺も何だか変なのかブラックの顔から目が離せなくて。

 ……いつも見てる顔なのに、何だかドキドキしてくる。
 高所の強風が緩くうねった長い赤髪をはためかせていて、つい見入ってしまう。
 伊達眼鏡の奥の青い瞳は本当は綺麗な菫色なのだと考えると、何故か胸が苦しくなった。そんな場合じゃないのに……改めて見る、相手は……格好、よくて。

 あまりに自分と違い過ぎてムカムカしてくるが、そんな俺を愉しげに見つめながら、ブラックは歌うように何かをぶつぶつと詠唱し始めた。

「あ……」

 あの時と――――食堂で発動させた時とは違う、綺麗な紫色の光の粒子が、周囲に散って行く。ブラックの体を包むように現れたオーラのような光も、禍々しさなどは見えず、闇の中から現れた綺麗な光のような温かさを覚えた。

 どうしてそう思うのかは分からない。
 だけど……嬉しそうに俺を抱いて空を見上げながら詠唱するブラックと、その相手が発言させている紫の……いや……菫色の光は、夢みたいに綺麗で。

 思わずロクショウと一緒に見入っていた俺の目の前で、菫色の光は船全体を覆い――――半透明の大きな鳥籠の檻を顕現させた。

「うわぁ……っ!」

 菫色の光で作られた、輝く鳥籠の檻。
 船をすっぽりと包み込んできらめくソレは、俺の世界で見かけるイルミネーションのように綺麗で輝いている。夜空の星すら霞むその光につい見惚れてしまった俺とロクだったが、ブラックはそんな俺達にクスクスと笑いつつ肩を叩いて来た。

「ほらほら、僕が“吊り輪”を作ってあげたよ。今度はロクショウ君に頼まないと」
「あっ、そ、そうだった……ロク……大変だと思うけど、お願いできるか?」

 いつの間にか俺の頭の上に鎮座していた相手に頼むと、ロクは長い首を俺の顔の前に落としてきて、もちろんと言わんばかりにキュウッと鳴く。
 その可愛さに思わず鼻の奥から込み上げて来るものがあったが、俺はよろしく頼むとロクショウのつるりとした頭を撫でた。

「キュキューッ」

 小さなコウモリ羽をパタパタと動かして、ロクショウが檻の隙間から抜け出すと空へあがっていく。メインマストの高さまで見上げると、そこにはクリスマスツリーの頂点にある星のように起立する大きな輪っかが見えた。

 その鳥籠の“吊り輪”に向かってロクショウは勢いよく上昇し、金の光の粒子を周囲に散らしながら宙で一回転する。その瞬間。

 上空で風が巻き起こり、それが船にかかる強風を打ち消す。
 一瞬で静まり返ったその空の上で――ロクは【準飛竜】の姿に変わっていた。

「はぁあ……っ。いつみても格好いい……!」

 黒い鎧兜のような竜の顔に、がっしりとした体。前足は細いが後足はドラゴンらしくどっしりとしていて大きい。背面を覆う闇よりも黒い鎧鱗は、不思議な光につやつやと輝いていた。本当に、ロクショウはどんな姿でも最高だ……!

 もう耐え切れず鼻を両手で押さえてロクの勇姿に眼を潤ませる俺に、格好良過ぎるロクショウは緑青色の瞳を嬉しそうに笑ませて、小さなお手手を振ってくれる。
 うぐうううう可愛すぎるぅうううう!

「ツカサ君、落ち着いてツカサ君……」
「ロクぅううう頑張れぇええええ!!」

 竜の姿で声を出せば気が付かれてしまうので、ロクは俺の声援に再び手を振る。
 そうして、メインマストの上に鎮座する吊り輪を持ち――――

 遥か向こうに見える灯台を見据え、ゆっくりと大きな翼を動かし進み始めた。

「――――っうおお!? なんだ!?」
「船が、船が動いてるわ! でもどうして……」
「灯りはどうした、船が回復したのか!?」

 遥か下にある甲板からは、悲鳴とも喜びともつかない声が次々に挙がる。
 彼らは船が動いている事に驚いて周囲を見ているようだが、どうして進んでいるか判らないようで、それぞれが必死に首を動かし騒いでいた。

 だが、残念だが彼らにはこの巨大な鳥籠とロクショウの姿は見えないだろう。
 何故なら、甲板にいる人々は自覚も無くブラックの【幻術】にかかっている。だから、この「触れる事の出来る幻術の鳥籠」にも気が付く事が出来ないし、上空で吊り輪を持って船を前進させているロクショウを確認する事も出来ないのだ。

 ブラックの【幻術】は、人を傷付けることが出来ない代わりに、想像しうる全ての物を“触れられる幻”というデタラメな存在にして出現させる事が出来る。
 そしてそれは、ブラックが認識できる範囲の者全てに見せる事が出来るのだ。

 これだけでもトンデモな【紫月のグリモア】の能力だけど……俺は、今までその対象を選り分けられる事に気が付いていなかったんだよな。
 でも、今日のブラックのアレでその事を知ったから、こんな荒唐無稽な方法を二人にお願いしたのだ。誰にも知られずに、気が付かれずに出来る方法だからと。

 それにしても、こんな風に幻想的な術になるなんて思ってなかった。

 月夜にドラゴンが運ぶ鳥籠の船。
 考えてみれば、これ以上にないほどファンタジーじゃないか。

「……綺麗だなぁ……」

 思わずつぶやくと、ブラックが笑って俺の頭に頬擦りをして来た。

「ふふっ……僕の【幻術】で、そんなこと言ってくれるの……ツカサ君だけだよ」
「ええ、そうかぁ? こういう使い方したら絶対みんな思うって! アンタの術ってさ、自覚ないだろうけどすっげーんだからな?」

 この世界は魔法の世界だけど、本当の「魔法」を使えるのはアンタだけだろう。
 俺はチート能力を使う事は出来るけど、それはあくまでも自然の力を用いた物で、こんな風にデカい鳥籠なんて一瞬で作る事は出来ない。人に夢を見させるデタラメな幻想が実現するとすれば、それはブラックの術くらいしか存在しないだろう。

 だから、アンタが本当の「魔法使い」なんじゃないのかな。
 こんな夢みたいな……綺麗な光景を見せられる奴なんて、アンタしかいないよ。

「ホント、すっごい綺麗……!」

 何だか妙に嬉しくなって笑ってしまう。そんな俺を、ブラックは不意に強く抱きしめて来た。どうしたのかと思って振り返ると、ブラックは頬にキスをして来る。
 ちくちくしはじめた顔で、何度も何度も、くすぐったいキスを。

「ちょっ……ぶ、ブラック……?」
「ツカサ君……あぁ……もう、そうやって僕のことすぐ焚き付けるんだから……っ」
「な、なにゅをたきつけ……っ、う、や、やめぉっへ」

 喋ってる間もキスされるので頬を押されて上手く話せない。
 だけど、嬉しそうな……泣きそうな声を出されたせいか、振りほどけなくて。
 強く、強く抱きしめられて苦しかったけど、そんなブラックの事が気になってしまい、俺は柄にもなく目の前で組まれている逞しい腕に手を添えた。

 その行動に、ブラックは唸って俺の頭に顔を埋める。
 なんだか堪えているみたいだったけど、すぐに落ち着いたのか息を吸って、再び俺の顔の横に自分の顔を寄せて来た。

「とにかく……これで、次の島までは到着できるね。でも……この船が動かなくなった原因を調べて解決しないと、いつまでもベーマスには辿り着けないだろうね」
「そ、そうだな……早く到着しなきゃいけないのに、困るな……」
「…………どうして船の動力が消えちゃったんだろうね」

 俺をすっぽりと覆うように体を寄せるブラック。
 だけど、その声は真剣で……どこか、不穏な空気を感じ取り警戒しているようで。

「……俺達も、調べなきゃな。いざって時に行動出来るように」

 その「行動」が、どんな物になるのかは今は分からない。
 けれどもし、それがギーノスコーの調べていた一件と関わりがあるとしたら。
 もし……俺達にも関わってくる「原因」だとしたら。その時どうすればいいのだろう。
 俺は、ギーノスコーに理性的に協力できるのだろうか。

 ――――考えて、俺は言い知れない苦しさを覚えた。








※ツイッターの宣言通り遅くなりました(;´Д`)オサワガセシマス

 
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