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港地区ディナテイル、情けは人のためならず編
19.唐突な波乱1
しおりを挟む※二話連続更新。
今日は朝から雨で、期末テストだというのに憂鬱な日だったのだが、昼からは天気が持ち直したようで学校から出ると雲の隙間から夏空が見えていた。
今日も非常に不安の残るテストだったが、気のいい悪友たちのおかげで、なんとか解答欄を埋められた。……といっても俺程度の学力ではソコソコの回答率だったので、そこを考えると非常に不安なんだが……まあ、終わってしまったんだからぐちぐちと悩んでいても仕方が無い。
ともかく! 今日はテストはもう終わり、終わりなのだ!
――――ってなわけで、俺は昨日電話で話した通り、異世界に行く前にヒロと一緒に近場のショッピングモールに来て、おやつのついでに今はフードコートの端の席でちょっとだけ明日の予習をしているのだが……――――。
「まさか、三人とも部活と用事で来られないとはなあ」
シャーペンを唇の上に乗せて動かしながら、俺は後頭部で手を組む。
なけなしの小遣いで買ったいちごシェイクとハンバーガーはとっくに食べてしまい、今は無料の水で元気な胃袋を抑えている状態だ。
それもこれも、楽しいショッピングモールまで来て勉強しているからなのだが、それを提案してくれたのは隣にいるヒロなので、俺も無碍には出来ない。
なので、俺達は今フードコートで真面目にお勉強をしているのである。
まあ、勉強っつっても俺が教えて貰う一方通行なんだけども……。
「……あ。つーちゃん、ここちょっと違う……」
「え? どこどこ?」
退屈しのぎにシャーペンをいじっていると、ヒロが俺のノートを見て指摘して来る。
ノートを覗き込むと、ヒロの指が罫線の一点をなぞった。
「転写が行われるのはRNAで、翻訳されて作られるのがタンパク質だよ」
「んんん……?」
ヒロが言っている事がよく解らず首を傾げると、相手は説明してくれる。
いつもと違ってかなり流暢な言葉で。
「タンパク質の合成は、RNAが……えーと、RNAっていうのはね、つーちゃんの好きな漫画? とかでいう“武器を合成するためのレシピ”みたいなもので、そのレシピに、アミノ酸っていう材料を色々くっつけて、たんぱく質を作るんだ。これを【翻訳】っていうんだよ。そのRNAのレシピのコピー元が、DNA……遺伝子。だから、転写」
「なるほど……あーるえぬえーとでぃーえぬえーを逆に書いてんな俺……」
授業できっちりノートをとったつもりだったんだが、どうも寝ていたらしい。
だってもう生物の授業とか、人体の所なんてチンプンカンプンなんだもの。植物の観察で校外学習できると聞いたので生物を選択しただけだったのだが、まさか植物以外の事も勉強させられるなんて思ってなかった。
……いや、良く考えたら「生物」なんだし人体の事も学ぶんだったろうけど、それは昔のおバカな俺に説教して欲しいと思う。でも化学だともっと俺は苦しんでいただろう気がするので、とりあえず基本は覚えるだけの生物で良かったと思いたい……。
粛々とノートを直して赤線を引きつつ、俺は新ためてヒロを見る。こちらの視線に気が付いたヒロは気恥ずかしいのか顔をほんのり赤くして視線を落としたが、俺は感謝の念に堪えなかった。
いやあ、本当にヒロも頭が良くて助かったよ。
普段は尾井川やシベが教えてくれるのだが、実はヒロも結構な学力だ。確か、今年行われた“公開処刑”の中間テストでは、学内で十位くらいに入っていた。
その学力を考えれば、俺に教える事なんて造作も無い事なのだろう。
「ヒロ~、ほんと付き合ってくれてありがとなぁ」
素直に礼を言うと、ヒロは顔を真っ赤にして恥ずかしそうに頭を下げる。
「ん、んん……だ、だっ、だって、つ、つーちゃんは、ぼ、ぼくの大事な友達、だもん」
異世界でも見劣りしないくらいに長身で大柄なヒロが、恥ずかしそうに肩を縮めて背中を曲げる。前髪でギリギリ隠れそうな太い困り眉と切れ長の三白眼は、そんな事をしなければ男らしい美形だろうに……ほんとヒロってば恥ずかしがり屋だな。
でも、そんな純粋なヒロを見るのはちょっと嬉しい。
なんせ、ヒロってば昔っから全然変わってないんだもんな。
「ふふふ、もっと胸を張れよ。なんてったってお前は公か……中間テスト十位圏内の実力なんだからなっ」
「か、か、かいっ……かい、かぶりすぎ、だよぉ……」
いやいや、あの“公開処刑”テストで上位に食い込むなんてそうそうないからな。
それはお前の実力だよ。まあでも謙遜するのもヒロらしいけどな。
笑いながら、俺は水をごくりと飲んだ。
……因みに“公開処刑”という不穏な名称は、もちろん学生だけが使っている。
なんで処刑かっていうと、俺の学校の中間テストはちょっと変わっていて、学校に入ってすぐだったり学年が上がってすぐの俺達に、問答無用で「前年の総ざらえ」のテストをさせるのだ。そう、文字通り前学年の教科、全部を。
それを処刑と言わずになんとする。覚えてないわ去年の四月のことなんぞ。
しかも、そのテストは、ただの学力検査だけでは終わらない。
なんと、このテストは上位百位以内の人間の名前が掲示板に張り出され、それの結果によっては学校内でのカーストが露骨に変わったりしてしまうのである。
これが、この中間テストが“公開処刑”と言われる主なゆえんなのだ。
もちろん、俺みたいな気楽な一般生徒はなにも気にしてないし、百位以下の名前は公開されないから、戦々恐々としてるのはシベみたいに地位や名誉が有る家の奴らばっかなんだけども……そこが色々と問題らしいんだよなあ。
シベが言うには、彼らは庶民に負けるとなんかハブられたりするみたい。
万年赤点の俺には関係ない話だし、シベもあんまり言いたがらないので、詳しくは聞いてないんだけども。
ま、それはおいといて。
シベみたいな奴らが必死になって勉強してるテストに、急に入って来てそんな成績を残せちゃうんだから、ほんとにヒロってば凄いのだ。
なんか……ずっと昔から知ってる奴の実力が認められるのって、自分の事じゃないけど嬉しいよな。仲良くしてるヤツであるならなおさら。
だから、俺としてはヒロの頭の良さは嬉しいことなのだ。……まず先に自分の学力に対して嘆けとか言われそうだが、そこは素直に喜ばせてほしい。
「つ、つ、つーちゃん、に……褒められる、と、てっ、照れちゃう……」
「おう照れろ照れろっ。へへへ……こんなに分かりやすく教えてくれるんだし、今日はクーちゃんも来られれば良かったんだけどなぁ」
普段はオドオドして吃音癖も酷いヒロだけど、勉強したり俺と二人きりだったりする時は落ち着くのか、あんまりどもったりしないんだよな。
だから、クーちゃんもヒロに教えて貰ったらすぐ分かったかもしれない。
そう言うと、ヒロは何故か口元の笑みを弱くして、俺を見返してきた。
「ほ……他の、三人、は……よ、用事が、ある、らしい……から……」
「なー、残念だよなあ。まあ尾井川はインターハイの練習だし、クーちゃんも美術部のアレとかソレもあるからなあ。……シベは……アイツなんで一人で帰ったんだ?」
今日のテストはそれぞれの選択教科でバラバラだったんで、ヒロが他の三人を呼びに行ってくれたのだが、全員用事が有るってんだもんなあ。
まあそろそろ夏休みも近いし、部活やってる人達はそれぞれ何かの用事でテスト後は部室に行ったりしてたから別に変ではないけど。でも、シベは何なんだろう。まさかあの先輩達に呼び出されたとかじゃないよな……。
すこし心配になっていると、ヒロが慌てて付け加えて来た。
「あ、あのっ、ほ、奉祈師部、くんは……家の、よ、用事……だって……」
「家か~……まあアイツの家も色々ありそうだもんな」
なんの会社をやってるのか、とか、なんの金持ちなのか……という部分は、まったく知らない。だからシベの事もあまり分かってないんだけど、あんだけデカい会社なら色々と気苦労も有るのだろう。言ってみればシベは御曹司みたいなもんだし。
俺達には計り知れない事情と言うものがあるに違いない。
まあ俺はシベに世話になってるから、そこらへんは何も言えないんだが……。
なんせ、俺が初めてこっちの世界に帰って来た時には、警備が厳重な病院を紹介して貰ったし、その入院費もタダにしてくれたからな。そのうえ、マスコミやら何やらの騒ぎが収まるまで、俺を自家用車で毎日通学させてくれたし。
ぶっちゃけ、シベには足を向けて寝られないほどお世話になっているので、こういう時はシベを困らせないように振る舞うしかない。
なので、二人きりというのはちょっと寂しいが、一人よりはマシか。それに、そういやヒロと二人きりで出かけるなんてそういやガキんとき以来だもんなあ。
「べ、勉強、このくらいにしようか。遅くなっちゃうもんね」
「おっ、そうだな。もうバーガーおかわりする金もないし……」
待ってましたと机の上を片付ける俺に、ヒロはクスリと笑う。
「ふふっ……つ、つーちゃん、昔っからくいしんぼだよね」
「そうかぁ? 俺以上に食いしん坊なヤツなんて、いっぱいいるけどな~。そいつらと比べると、俺は普通普通!」
なんせ異世界には俺がドンビキするくらい食べる奴らばっかりいるからな。
それを考えると、俺は小食なほうだろう。慎ましいとは俺のことに違いない。
くだらない軽口を叩いて二人で二人で笑いながら、俺達は後片付けをして本来の目的である文房具を選びに専門店へと向かった。
学校が近いお蔭か、このショッピングモールには文房具の専門店が有るので、俺の学校の奴らもよく買いに来てるんだよな。女子がなんかキラキラしてる……えーと、ラメとかいうのが入ってるインクのペンなどをお洒落アイテムとして持ってるが、ああいうのも売っているらしい。文具にも色々あるのだ。
そんなものを改めてそぞろ見ながら、俺はヒロが買い物が終わるまで店内で商品などを確かめて時間を潰していた。
お試しのメモ用紙にラメ入りのペンでドラちゃん書いちゃろ。
いや難しいな。シンプルなキャラってなんで難しいんだろ。
……じゃなくて、普通に楽しんでたらダメだよな。帰ったらすぐに異世界に行くために家を出るんだから、何か外出するための口実でも考えておかないと。
いや、帰りはヒロと別れるんだから、その足で引き返すのもアリかな。ちょっと遅くなっちまうかもしれないけど、最近は注目される事もなくなったしな……。
「でも、こういう時に限ってヘンなことが起こるしなあ……。うーむ……やっぱ明日に伸ばしたほうがいいのかな……遅くなるとそれだけ危険な気もするし」
シベや尾井川に迷惑を掛けないようにしようと思った手前、すぐに危険度が高そうな事を実行するワケにはいかないよなあ……。やっぱ明日改めて尾井川に相談するのが一番いいよな。ちょっと遅くなるけど、一時間程度ならまだあっちも夜のはず。
「……にしても、一日で一時間経過か……考えてみると楽だな……」
時間を出来るだけ都合が良いように調整してくれたキュウマにも感謝だなあ。
……そうだ、今度クッキーをあいつにも持って行こう。最近はノートやら教科書やらの簡単なつくりのものなら持ち込めるようになってきたし、たぶんクッキーとかも平気だよな。日頃のお礼についにお菓子を持って行けるようになるというワケだ。
でもキュウマってクッキー好きなんだろうか。
そういやアイツのことほぼ知らないな、俺……。知っていることと言えば、アイツが純正ハーレムを作ってたと言う羨ま憎たらしい情報くらいだ。でも、甘い物には興味があるような素振りだったはず。
うーむ、そこんとこも今度詳しく……
「つーちゃん、なに考えてるの?」
「ひえぇっ!? あっ、あ、な、なんだヒロか……いや、ちょっとな」
背後から低い声に襲撃されて思いっきり驚いてしまったが、声の主はヒロか。
気を取り直して振り返ると、相手は何故か少し不満げな顔をして俺を見ている。どうしたんだろ。俺が気付かなかったのにションボリしてるのかな。
見上げると、ヒロは少し口を尖らせて一歩俺に近付いた。
「……文房具、買ったから……帰ろ? あんまり遅いと、つーちゃんのお母さんたちが心配するだろうし……」
「お、おうそうだな! そういや結構長い時間勉強しちゃってたみたいだし……」
ペンを置いてヒロに近付くと、まだ不満そうな顔をしていた相手は少しだけ雰囲気を緩める。よくわからないけど、俺の何かを許してくれたようだ。
「ま、また、二人で遊びにこよ……テストとか、お、終わったら……」
「んっ、そうだな。ヒロと遊ぶのもホントに久しぶりだし!」
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なので、ヒロとだけでなく全員一緒に遊ぶ日も作りたいな。別荘がおじゃんになっても、そうしたらヒロだって尾井川達に慣れてくれるかもしれないし。
「にしても……俺、今回は赤点回避できるかなあ……」
「ふふ……だ、大丈夫、だよ……。つーちゃん、頑張ってるもん……」
「ひろぉ、お前はいいやつだなぁ」
隣を歩くヒロを見上げると、もうその顔は嬉しそうな笑みに染まっていた。
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