異世界日帰り漫遊記!

御結頂戴

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港地区ディナテイル、情けは人のためならず編

14.好きに甘えて抱き着いて※

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 ブラックの体にすっぽりと包まれて、周囲が見えなくなる。
 だけど、それだけでは全然安心なんて出来ない。だってここ、外なんだぞ!?

 いくら倉庫の間の狭い薄暗がりの袋小路だからって、軽く覗けば「誰かが何かしている」とすぐに分かってしまうワケだし、それに、路地を行き止まりにしている背後の木箱だって、いつ反対側から崩されて人に発見されるかもわからないんだ。

 い、いくら人影が見えないからっていっても、倉庫街である以上は、確実に人が来るんだから、そんな場所でえっちな事するとか……っ、い、いや、俺がスケベな想像を勝手にして焦ってるわけじゃないんだぞ!?

 ブラックがいきなりこんな所に連れ込んで抱き締めて来るから……って、俺は誰に弁解してるんだ。ああもう頭がカッカしすぎてワケが分からなくなってきた。
 それもこれもブラックがこんな所に連れ込むからだ。

 いい加減にしろ、と図体がデカい相手を睨み上げるが……ブラックは、ニマニマと嬉しそうに笑って俺を見ているだけで、腕の力を緩めようとしない。
 路地を作る左右の倉庫はやけに背が高くて、そのせいで路地は陰になり、ブラックの顔にも陰が掛かっているのが……その、悪く言うと変態臭く見えてくるわけで。
 その顔を見ると、余計に恥ずかしさと変な感じのもどかしさが体を熱くして、何とかブラックを落ち着かせようと俺は必死で相手をぐいぐい押し剥がそうとした。

「ぶっ、ブラックやだって……! こ、こんな場所でヘンなことするなってば……!」
「ん~? 変なコトってなーに? ……あっ、もしかして……こう言うこと……?」

 そう言って、ブラックは背後に回した手で、思いきり俺の片尻を鷲掴んだ。

「っわぁっ!? ば、ばかブラックっ、だからヤだって……ッ」
「ツカサ君、僕がこうやってツカサ君のえっちな柔らかいお尻にいたずらするの想像してたんでしょ……? ふっ、ふへへ、やだなぁ僕別にそんな気なんてなかったんだよぉ? でも、ツカサ君がこうされたいって思ってるなら仕方ないよね……」
「ちっ、違っ、ぅあ……っ! 広げるのやめろってばぁ!」

 ぎゅっと抱きしめられて、背後も重たそうな大きい木箱の壁で逃げられない。
 そんな状態の俺の尻を、ブラックは思う存分弄り回す。
 なんで手までそんなにデカいんだと思ってしまうほどの、じっとりと汗ばんで熱い大人の手。その大きな手が、俺の片方の尻を五本の指を器用に動かしながら揉んで、尻肉を押し上げたり谷間を広げるように横に引っ張ったりする。

 その度にズボンがぎゅっぎゅと引っ張られて、ヘンな感じで熱を持っている、その、俺の股間、を……刺激してしまっていて……。

「はぁ~、ツカサ君のお尻柔らかいなぁ~……。ズボン越しでも、下から指で叩いたらぷるぷるしてるの分かるよ? こんなんじゃ、ぴっちりしたズボンとか穿かせらんないなぁ……。やらしい想像するのがだーい好きなツカサ君のお望み通り、滅茶苦茶に犯したくなっちゃうもん……」
「だっ、だからそれは違うっ、てば……っ! っぁ、あんた、が……いつも、外でこんな事するから……っ!」

 犯したくなる、と低い声で熱っぽく囁かれるだけで、体がぞくぞくしてしまう。
 外でこんないやらしい事をするのが恥ずかしいから敏感になってるのに、これではブラックが言うように自分が「いやらしい」から反応してるみたいで、さっきから股間をぐいぐいと布で引っ張られているのも相まって、羞恥の余り涙が出そうだった。

 こんな事で泣くなんて男らしくないけど、でも、まんまとブラックの口車に乗せられている自分が悔しいし、刺激に反応してしまう浅ましい自分の体が信じられなくてつい気持ちが揺さぶられてしまうんだから仕方ない。

 どうしたって頭が良くて大人のブラックには口では勝てないのだ。
 だから、今だってえっちなイタズラをされてるわけで……ううう、なんでこう、俺ってヤツは情けないんだ。ブラックにも恋人だからって容赦せず毅然とした態度を取ろうと考えたばっかりなのにこんな事になって……。

 いや、諦めるな。諦めたらそこで試合終了だぞ俺。頑張れ俺!
 と、気を引き締めて毅然とした態度を取ろうとしたのに。

「んふふ……っ、つ、ツカサ君……お尻の谷間にズボンが食い込んじゃったねぇ」
「ぅうっ!? やっ、いやだっバカ、そこ触るなって……っ!」

 ブラックのオタンコナス、俺がやめろって言ってるのになんで触るんだよ!
 頭に来て、背後に手をやり骨太の手首を掴むが、しかしブラックはびくともしない。それどころか谷間を太い指で覆うように食い込ませてきて、指全体でぎゅうっと食い込んだ部分を擦り始めやがった。

 ちくしょぉおおっ、なんで俺が気合を入れた瞬間にそんなことしてくるんだよ!

「ふ、ふへへ……ツカサ君のお尻に挟まれた指、すっごく気持ちい……。もっと僕の指をぎゅぅって締めてくれてもいいんだよ……?」
「んっ、ぅ……うぅう……っ」

 気合を入れて体に力を籠めていたせいで、ズボンと一緒に谷眼へ食い込んできた指が動く感触を余計に感じてしまって、体がびくりと跳ねてしまう。
 そんな俺にブラックは笑いながら、しゅっしゅっとわざとらしくズボンの布地をこするような音を立てて谷間から会陰の方に何度も何度も指をもぐりこませる。

「やっ、いや、だっ……やだってぇ……っ」

 なんでそんなとこまで擦って来るんだよ。
 そこ、何も無いのに指でグッて押されたらお腹の奥が変な感じになるのに。
 なのにそんな風にされたら……っ。

「ん、イヤ? なんでイヤなの? ツカサ君のお尻の谷間と、おちんちんとお尻の間の何も無いココ……指でこすこすしたら、何かダメなの? ツカサ君はえっちなコトを考えてないんだから、僕が触っても感じないはずでしょ……?」
「だっ、だって、そこアンタが変に触るから……っ」

 なんにもない、気にもしていない場所だったのに、ブラックが度々「ツカサ君が女の子になっちゃうトコロだよ」と、何もないはずの会陰の部分を執拗に触って来るから、体がヘンになって、いつの間にかソコをブラックの指で絶妙に刺激されたら、股間の奥からじわじわ覚えのある感覚が湧き起こって来るようになってしまった。

 こんなのおかしいのに、ブラックに触られたら何故か我慢が出来なくなる。
 そんな自分の反応に我慢出来なくて、俺は身を捩った。だけど、ブラックはこっちの抵抗なんてどこ吹く風で、密着した体をさらに押し付けてくる。

 木箱に背が当たって、ガタッと音が鳴る。
 動かしてしまったのかと一瞬心配になる俺にかまわず、ブラックは俺の腹にぐいっと何かを押し付けて来た。熱くて、妙に硬い、なにか。
 一瞬何かわからなかったけど、すぐに“それ”がブラックのモノだと解って、俺は息を呑んでしまった。だって、俺の腹にぐいぐいと当たってるブラックのは……もうズボンの中で膨らんでしまっていて、布越しの筈なのに凄く熱なってて。

「あは……ツカサ君、僕のペニス感じちゃった? おなか、ひくひくしてるね。ツカサ君も、実は我慢出来なくなっちゃってるんじゃない……?」
「そ、そんなこと……っ」
「あるでしょ。足を女みたいにぎゅっと閉じちゃってさぁ。……ほら、ツカサ君の可愛いおちんちんも、お尻揉まれただけで反応してるんだろう?」

 お尻から指が離れて、体を伝いながらブラックの手が前に移動して来る。
 早く止めなきゃと思うのに、全然体に力が入らない。そうこうしている内に、五本の指が足みたいに俺の背中を歩いて、横っ腹をくすぐって、下腹部まで来て。
 慌てて両手でブラックの片腕を掴むけど――――股間をぐっと包み込まれて、俺はあっけなく体を逸らせて反応してしまった。

「っあ……!!」
「ふっ……んふふっ……! つ、ツカサ君……はぁっ、はぁ……ここ、やっぱり凄く熱くなってるねぇ……。膨らんでるけど、これなに? ちっちゃいけど固くなってるよ」
「ぃ、いやっ……ぁっ……触る、な……ってぇ……」
「ツカサ君、反応してないんじゃなかったの……? 僕が手で包んだだけで、ツカサ君のちっちゃいココがヒクヒク動いてる気がするんだけどなぁ~」

 こんな所で俺に強引にやらしいことしてるくせに、ブラックは大きな声を出さないように、俺の耳元でわざと低く囁いて来る。それが一番おなかの奥に来る声なのを理解してるみたいで、俺が顔を背けても耳にぴったり口を付けて、逃すまいとして来る。

「やだっ、も……こ、こんなとこで、するのやだってぇ……っ!」

 チクチクしたりくすぐったかったりするのと、恥ずかしいのと、体が段々ヤバい事になってろれつが回らなくなってきている自分が気持ち悪い。
 なんでこんな絞った妙に高い声なんて出してるんだろう。そう思って余計に恥ずかしさが増すけど、堪えれば堪えるほど声が変になってどうしようもない。

 大きな木箱の壁とブラックの体に挟まれて動けない状態で、こんな場所でヤバい事になりそうな股間を揉まれてるなんて、現実を思い返す度に憤死しそうになる。
 歯を食いしばるけど、ブラックの吐息が顔にかかると顎が震えてしまう。

「ハァッ、はっ……ハァッ……つ、ツカサ君……ね……ツカサ君の可愛いおちんちん、見せて……。僕が隠してあげるから、ズボン脱ご……?」
「ダメ……っ、だって……! こ……こんな、とこでしたら、人が来る……っ」

 いくら人が来なさそうな場所だからといっても、向こう側では沢山の人が働いているわけで……こっちに来ないとも限らない。
 それに、ここは風が吹いて潮の香りがしてくるし、遠くから人の声だって聞こえる。
 そんな場所でえっちなことをしてたら、誰かが声を聴いて来るかも知れない。

「んもー、ツカサ君たら……こういう場所でセックスするの、何回もやったじゃないか。もっと恥ずかしい場所でいっぱいやらしいコトして、ツカサ君も可愛い声で喘いでたの忘れちゃったの? ふふ……ほら、こんな風に恥ずかしい格好して……」
「あっ、ぁ……やだっ、ばか、ダメだってば……!」

 ズボンの留め具が外されて、下着ごと一気にずり降ろされる。
 途端にひんやりとした空気が下半身にまとわりついてきて、俺は反射的に硬直してしまった。体がすごく熱くなってる。だけど、それを自覚すると同時に、こらえ性の無い俺のモノが勃ちあがってしまっていることまで明確に感じてしまい、俺は咄嗟にソコを隠そうと手をやった。

 だが、その両手はブラックに押さえつけられ、ぎゅっと掴まれたまま体の横に無理にくっつけられる。そんなことされたら、どこも隠せないじゃないか。
 焦る俺を見て、ブラックは暗がりでも色濃い菫色の瞳でニタリと笑った。

「ツカサ君の可愛い子供おちんちん、しっかり勃起してるね。やっぱりツカサ君も、僕とココでセックスする想像をして興奮してくれたんだ……。あはっ、はは……うっ、う、嬉しいよぉ……っ!」
「だ、だからそうじゃなくてっ……これはアンタが……っ」
「うんうん、僕がツカサ君と恋人セックスしたいなぁ~って思ったから、ツカサ君も僕にぐちゃぐちゃにされるのを想像して勃起してくれたんだよね! んふっ、ふっ、ふははは……う、嬉しいっ、ツカサ君……!」

 だから違うって言ってるのに、なんでコイツは人の話を聞かないんだ。
 語尾にハートマークを散らしまくる勢いでニコニコしやがって。そんな風に喜んで声を弾ませたって、俺は欠片もそんなこと思ってないし同意もしないんだからな!

 というかもう、この状態は勘弁してくれ……っ。
 こんなの、恥ずかしくて立っていられない……。

「もう……この格好、やめろよぉ……っ」
「ふふっ……自分だけおちんちん丸出しなの恥ずかしくなっちゃった……? だけど、ツカサ君は勃起しててもえっちしたくないって意地張ってるんでしょ? だったら……可愛い恋人に無理強いなんて出来ないなぁ、僕は……」
「……!」

 俺をパンツも引き上げられない状態で拘束しているのを良い事に、ブラックはニヤつきながら、ゆさぶりをかけてくるような事を言う。
 もう足はガクガクして、誰か人が来ないか怖がっているってのに、そんな俺を見て、ブラックは楽しそうに笑って俺に判断を迫ってくる。「すぐに服を着て、熱が治まるのを待つ」という選択肢も与えずに、俺に言いたくない事を言わせようとしているんだ。

 ……こ、ここで……えっちしたい、って……。

「ああ……ツカサ君たらもう汁が零れそうだよ? 外でセックスするの恥ずかしいって言ってたのに、こんなになって……」
「う、う……っ、そんなこと、言わない、で……っ」

 あまりの恥ずかしさに、膝が曲がって来る。ブラックはそんな俺の下半身を楽しそうにジッと見やって、俺の股間に目線が合うように腰を下ろした。

「あっ、ぁ、やだ、ブラックやだ……!」

 しゃがまれたら、隠れる場所が無くなってしまう。
 外の風景が見えて、今まで以上に恥ずかしくて頭が熱でおかしくなる。
 頼むからもうやめてくれと顔に熱を上げながらブラックを見下ろした俺に、相手は目を意地悪な猫のように細めて……べろりと舌を出し、俺のモノの先っぽだけを絶妙に掠るようにして、舐めるようなしぐさをした。

「~~~~~ッ……!!」

 濡れた何かが、ほんの少しだけ敏感な場所に触れる。
 それだけのはずなのに、体が自分でも驚くほどにびくりと跳ねて足が閉じた。
 けれどもう完全に勃起してしまって隠せない俺のモノは、今の衝撃で先走りの汁をたらたらと流しだしてしまい、まるで涎を垂らすようにブラックの目の前で震えて。

「あは……っ! 舐める仕草をしただけなのに、もっとしてぇっておちんちんがヒクヒク反応しちゃったね……ツカサ君はホント体の方が正直者だなぁ」
「ちがっ、い、いま、掠ったっ、かすったから、だから……!」
「掠っただけでこんなに濡れちゃってるなら、口に含んだらどうなるのかなぁ」

 そう言いながらわざとらしく口を開けるブラックに、俺は血の気が引いてるんだか熱を持ったんだかわからない顔で、必死にぶんぶんと首を振る。
 今そんなことされたら、大きい声が出てしまうかも知れない。それだけは嫌だ。

「ばっ……! や、やだ、頼むから、するなら別の場所で……っ」
「でも僕、今すぐツカサ君とセックスしたいんだよなぁ……。ツカサ君が恋人セックスをしたいって言ってくれたら、すぐにでも挿れちゃうんだけど……」
「………………」

 こ、これ……もう、乗った方がいい、のかな……。
 だって、ブラックがスッキリしてくれたら俺だって変に喘がずに済むし、変に色んな所を弄られて前後不覚になるよりかは、そっちのほうがずっといい……のかも。

 ブラックだって、ムラムラしたから俺をここに連れて来たんだし、その……ぼ、勃起、してたし……。俺は別に、大人だから収まるまで待てるし。
 だから、ここで変に意地を張ってこじれるよりかは……。

「ツカサ君、どうする……?」

 俺の逡巡をじっと見つめていたブラックが、ちろちろと舌先を動かしている。
 これ以上、ここで悩んでいたら……誰かが来るかも知れない。
 考えれば考えるほど頭がカッカして来て熱くなってきて、もう面倒臭い心配とかが煩わしいように思えてくる。
 大体、ブラックは俺と、えっちしたいだけなんだし。俺はそもそも、恥ずかしいだけでブラックが嫌とかじゃないんだし。だったらもう、いっそ頷いた方がいいのでは。

 そしたら、ブラックとすぐ。
 すぐに……。

「………………え……」
「ん?」
「……えっち、して……いぃ……」

 何がどうとか俺にどうしろとか、もっと直接言えばよかったのかも知れない。
 でも、そんな恥ずかしい事なんて素面で言えるわけがないだろう。大体俺、いま薬でブラック達の気を散らしてる状態なんだぞ。全然気絶できないんだぞ。
 そんな状態でスケベな誘い方なんて出来るはずが無いだろうに。

 ああでもこんな言い方だと、ブラックがネチネチ何か言ってきそう。
 だってコイツ、いつもベッドの上とか他の場所とかで、俺にいやらしい言葉を言わせようとして来るんだぞ。そんな奴がこんなので我慢出来るはずが無い。

 なんでこんなところで失敗しちゃうんだ、と、とことん情けない自分が恥ずかしくて、思わず素直に涙ぐんでしまった。
 ……のだが。

「っ……! ず、……ズルいよツカサ君……っ!」
「え……」
「そ、そんな、久しぶりのセックスなのにそんな可愛いこと言ってくれちゃって……! も、もうっ、ツカサ君のせいなんだからね……っ!」
「ぅええ!?」

 ブラックは怒ってるんだか興奮してるんだか判断の付かない様子で立ち上がると、俺の目の前で即座にズボンの留め具を外し、下着をもどかしげにずらす。
 すると、まるでボロンと音が出そうなくらいでっかくて赤黒いブラックのが、勢いよく反り上がりつつ飛び出してきて。

 思わず「ヒッ」と声を漏らしてしまったが、ブラックは構わず俺の体を掴むと、くるりと反転させて木箱に手を付けるように姿勢を強要して来た。
 これ、か、壁に手を付いてお尻を突き出す形のやつ……っ。

「ハァッ、ハァッ……はぁっ……! つ、ツカサ君……っ、ツカサくんん……っ!」

 興奮したような声で呟きながら、ブラックがぐいっと俺の尻を左右に開く。
 ただでさえ空気の冷たさに下半身が敏感になっていたのに、開かれた尻の谷間にまで冷たい潮風が触れて来て体が反応してしまう。

「ひぐっ!? い、いやっ、お尻開いたら……っ」
「だ、大丈夫っ、今日は軟膏持って来てるからっ、準備万端だから!!」
「お前なに用意しっ……ぃ゛い゛!? あ゛っ。や゛っ、う゛あぁあ!」

 まさか最初から外でヤる気だったのか、と、問い詰めようとした矢先にいきなり太い何かがナカに入って来たのを感じて、声が引き攣り悲鳴が漏れた。
 だがブラックは俺の声など気にもせずに、ぬるぬるとしたソレ……たぶん、指を差し込み、ナカを慣らすように何度も何度も腸壁に触れながら抜き差しして来る。

 内臓を触られている強烈な違和感と、腹の中から触れて来る大人の太い指の感触が辛くて俺が木箱に縋ると、ブラックは二本目の指を入れて来て更に苛んでくる。
 ぬちゅ、ぬちょ、と水音とは少し違う粘った音が聞こえて来て、体が恥ずかしさにカッと熱くなる。こんな音まで誰かに聞こえてやしないだろうか。

 いや、というか、このままナカに挿れられたら、俺、たぶん……。

「っ……!」
「ん、んn? ふっ、あはっ、あははっ、い、今更口を塞ぐのツカサ君……! はぁっ、はっ……はぁ、い、いいよ……可愛い、ツカサ君……っ!」
「ん゛ん゛ーッ!!」

 ぶちゅっと大きな音がして、三本目が入ってくる。
 ナカを掻き回して、ぬちぬちと動いて、時々一番触れて欲しくない所にふざけたように触れて来る。俺が必死に手で口を塞いでるのに、くぐもった声をもっと出させようとしているのか、三本の指を抜き差ししながら軟膏をぬりたくるように、そこ……前立腺の場所を、何度も何度も滑って来て。

「ん゛ん゛ん゛ん゛!! んぐっ、ふっ、う゛っ、う゛ぅう゛う゛う゛……!!」

 腰がガクガクする。もう、膝が笑って立っていられない。
 涙と鼻水と涎で口を塞いだ手はびちょびちょになってて、息が出来なくなりそうで。
 なのに、ブラックは俺のナカに風を通すように、三つの指で穴を開いて来て。

「はっ、はぁあっ、つ、ツカサ君の雌穴……っ! 軟膏でぬらぬらと光ってて、すっごくやらしいよぉ……っ! た、たまには回復薬とかじゃなくてこういうのでもいいね!」

 よくねえよスットコドッコイ!!
 何でそう一々聞かせなくて良いトコを教えて来ようとするんだよ。
 もう良いから早くしてくれ、もう耐え切れない。これ以上弄られたら、頭が変になる。自分でも声を抑えられるかどうかわからないんだ。だから、もう。

「あは……ツカサ君の顔、真っ赤になって、涙でぐしゃぐしゃで……さっ、最高に興奮しちゃう……っ! ふっふひっ、も、もおいいよね、挿れていいよね……!? 挿れるよ、ツカサ君、ツカサ君……っ!」

 必死に振り返って見たブラックの顔は、興奮して獣みたいな顔で笑っていて。
 恋人とえっちするはずなのに、どうみても誰かを襲っているような変態の顔にしか見えないような表情で。

 そんな最低な顔なのに、俺は……これ以上ないくらい、胸がぎゅっとして。
 散々弄られたせいで開いたソコに、熱くて生々しいものがひたりと触れる事にすら、体を強張らせるどころか甘いような痺れに震わせてしまっていた。

「ぶらっ、く……っ」
「い、挿れるよツカサ君……っ」

 ブラックが俺に抱き着き、覆い被さって来る。
 もう倒れそうな俺を抱えるようにして浮かし、そして。

「――――ぅ、う゛……っぎっ……あ゛……ぁあ゛……!!」

 指とは比べ物にならないほどの、圧迫感。その衝撃に声が上手く出せなくて、息が止まってしまいそうなくらいに体が硬直する。
 だけどブラックは俺を抱えたまま、おちんちんを押し込んで来て、ぎゅっと締まる中を強引に押し開くように奥へ進んでいく。

「うっ、ぐ……っ、あ゛……っ! つ、ツカサく、の……ナカ……っ、いつも以上にキツくて、もうイッちゃいそうだよ……っ!」
「ひ、ぐっ、う゛あ゛ぁあ……っ! あ゛、ぅ゛、う゛ぅう……!!」

 苦しくてつらいのに、ブラックのおちんちんが奥に進むたびに、体がひくひく痙攣して反応してしまう。ぎちぎちに広がってるナカでブラックが動くと、体が揺れた。
 もう、どこまで入ってるのかわからない。
 苦しくて、つらくて、でもお腹の奥が疼くみたいな気持ち良さに頭がぼうっとする。

 足がびくびくして、ブラックが入ってくるたびに足がばたばたしていた。

「ツカサく……う、動くっよ……っ!」
「んぅう!!」

 ずっ、と、軽く退いて、またゆっくり入ってくる。
 その動きにナカが全部持って行かれそうな感覚になって息が詰まる。
 だけどそんな俺をブラックはぎゅっと抱き上げて、大きな手で俺の口を塞ぐと、動きをどんどん激しくしていった。

「ん゛っ、ぐっ、んんんっ、んぅう゛っ、う゛っ、んん゛ぅうう!」
「はっ、ハァッ、はっ、き、気持ち良いっ、はぁっ、あっ、つかさくっ、ツカサくんっ、ツカサ君と恋人セックス気持ち良いっ、気持ち良いよぉ……っ!」

 ぬちぬちという音と、肌がぱちぱち触れ合う音がする。
 もう体は全身汗だくになっているのにその音だけは粘ついているみたいで、それが恥ずかしくて俺は首を振る。だけどブラックの手は俺の口を塞いだまま固定してて、首を動かす事すら許されない。逃げられずに、ブラックのおちんちんが何度も何度も俺の弱い所を突いて刺激しながらずぼずぼ入ってくるのに喘ぎ続ける。

 恥ずかしい、苦しい、そう思うのに、気持ち良いのが強くなってきてそれ以上の事を何も考えられなくなっていく。

 ブラックにぎゅってされて、何度も何度も揺さぶられて、えっち、してて。
 もう、ブラックと繋がってる事しかわからない。

 気持ち良くて、ブラックも喜んでて、ブラックがおれのなかに、いっぱいで。

「ツカサ君っ、ぐ……ぅ、だ、出す……っ、ツカサくっ、ぅ、あぁっ、出すよぉっ、いっぱいツカサくんの中に、精液……ッ!!」
「んぐぅうっ、んっんぅっうっ、んぅううっ、んんん……!!」

 ナカで、ブラックのおちんちんがうごめく。
 それと同時に今まで以上に強く抱きしめられて。それで、俺は――――

「――――~~~~……ッ!!」
「あっ、ぐ……ぅあっ、あ……あぁあ……っ、はっ、はぁっ、は……はぁあっ……」

 頭が真っ白になって、何も考えられなくなる。
 ブラックの気持ちよさそうな声をきいたと同時に、俺は自分の身体から力が抜けるのを感じて目を閉じた。















※(;´Д`)ツイッターで言うてましたが、やはりちと遅れました…
 修正もうちょっとお待ちください…あとでまとめてやります…!
 (終わったらこの文章は消えます)

 
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