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港地区ディナテイル、情けは人のためならず編
1.不穏な気配の夏の入り
しおりを挟む七月と言ったら、梅雨も明けてカラッとするイメージがある。
だけど実際は後半までジメジメしてて、天の川なんて見られない事も普通だ。
俺は、毎年それを悔しく思うのである。……だってせっかくのイベントなのに、空が曇りで星が見えないなんてお祭り気分が台無しだし……。
……とはいえ、夏が来てしまったら梅雨の涼しさを恋しく思ってしまうんだけどな。
はあ、早く夏になって欲しいし雨が上がって欲しい。でも暑さは勘弁してくれ。
そんなことを思うワガママな俺は、今年も相変わらず梅雨のジトジトジメジメな空気にすっかりグロッキーになってしまっていた。
正確に言うと、ついに来てしまった期末テストにグロッキーになっているのだが。
「う゛う゛……うぅうううう……」
「ツカサ―っ、テストどーだったネ?」
自分の机の上で頭を抱えて突っ伏す俺のそばに、クーちゃんが近付いて来る。
イタリアンの血が入った陽気な糸目のクーちゃんは、過酷な状況にものともせず、いつもニコニコで元気が良い。もしかして、俺と違って完璧だったんだろうか。
いっつも俺と仲良く赤点補習常習犯なのに、裏切りやがったのか。いや裏切りも何も普通に勉強したんだろうけど、それはともかく。
「……お前の方はどーだったんだよ……」
恨めし気に顔を上げてクーちゃんを見やると、相手はにぱっと笑みを増して。
「いやー、チンチンカンパンだったネ!」
なんかとんでもないことを「たはー」とか頭を掻きながら報告して来た。
ちんちん甲板……いやそれ多分チンプンカンプンだよな。お、お前な、外国の人でも間違えたらヤバい間違え方をするんじゃないよ。
思わずクーちゃんが心配になってしまったが、でもクーちゃんも俺と同じ感じみたいなので、ちょっとだけホッとする。……人の失敗に安堵するのはイケナイ事だが、俺も正直不安しか無かったのでこれは仕方が無いのだ……。
しかし、悪友達だけでなくキュウマにも勉強を教えて貰ったのに、どうして俺は凄く物覚えが悪いのだろうか。俺だって、異世界から帰って来たら教科書読んだり、音読とかしたりしたし、わかんないとこは父さんに訊いてみたりしたのに……。
いやでもほぼ理解出来なかったから仕方ないか……いや仕方ないですませていいのか俺の頭の悪さ。これ本当将来ヤバいんじゃないの。
あまりに出来の悪い自分の結果に将来まで悲観的に考えてしまうが、悲嘆にくれる俺に、後からやってきた尾井川が更に追い打ちをかけて来る。
「おいぐー太……俺が土日を割いてあんだけ教えてやったのに、テストが赤点だってこたぁねえよな……? えぇオイ……久しぶりに……キレちまったよ……」
「やめて! 屋上は勘弁して!」
「ネットミームに反応できる程度には余裕が有るらしいな? よし、お前今日は学校に残れ。俺の乱捕り稽古の相手をやれ」
「もっと勘弁してええええ!!」
やだやだ、柔道茶帯の尾井川に乱捕り稽古なんてされたら俺マジで死ぬ。
乱捕り稽古なんて、前に一度「近所の川を逆流してみたい」という衝動に駆られて冒険心の行き過ぎで隣町まで行ってしまい帰りが暗くなったとき以来だ。死ぬ。
いつもなら背負い投げで済ますのに、尾井川の鬼っ、熟女好き!!
「範囲が狭い。俺のストライクゾーンはルーズソックスから熟女までだ」
「だから何でみんな俺の心の声聞こえるの!?」
頼むから心を読まないでくれと涙目になっていると、尾井川の後ろでまごまごしていたヒロが脇から俺に近付いてきた。
「つ、つ……つーちゃ……だ、だいじょうぶ、だよ……! だ、だって、だって、た、たくさん、頑張ってたんだもん……っ」
「ヒロぉお……お前だけだよ俺を労ってくれるのはぁあ……」
もう感謝のハグでもしたい気持ちでいっぱいだったが、相手は友達だし何より大柄な男でしかないのでグッと堪える。
すると、尾井川がゴホンと咳を零して小難しげに顔を歪めた。
「ともかく……困ったな。俺はインターハイの練習も有るから、これ以上お前らの世話とかしてらんねえし……クーちゃんはともかく、お前が赤点で補習になったら別荘の件が本末転倒になっちまう」
「師匠酷いヨー」
「うーん、どうしたもんかねえ……」
一日目のテストが全て終わったせいか、いつの間にか教室にいた人達もまばらになってしまっている。俺達のしょうもない会話を聞かれていないのは良かったけども、俺ってばどんだけ悩んでたんだよ。うう……。
ついまた頭を抱えそうになっていると――――
「おい、お前ら帰らないのか。早くしないとどやされるぞ」
教室の外から声が聞こえて、四人で一斉に振り返る。と、そこには既に帰り支度をしているシベの姿が有った。ちぇーっチクショウ、これみよがしにイケメンらしくドアのとこに寄りかかりやがって。これだから高身長は!
「……そうだ。お前がいたっけな」
「あ? 何の話だ」
「ちょうどいい。シベ、ちょっとこっちこい」
尾井川が手招きするのに、シベは教室の中を見回して少し遠慮がちにしていたが、すぐにこちらへと歩いて来る。そうして、座っている俺を見下ろしたシベに、尾井川は俺達が思っても見ない事を提案してきた。
「シベ、お前は帰宅部だしこの後も予定はないだろ。だったら、ぐー太とクーちゃんの勉強を見てやれよ」
「はぁっ!?」
眼鏡の奥の切れ長のイケメンアイを丸々と見開くシベに、尾井川は畳みかける。
曰く、別荘の事を計画したのはお前だからとか捨て犬を拾ったお前には責任があるだとか猫を去勢するのも飼い主の役目だとか……おいちょっとまて、なんで勉強の事が犬猫のお世話の話になってんだよ。俺らは犬猫レベルだとでも言いたいのか。
失敬だな! 失敬だなお前は! 俺だって足し算引き算ぐらいできるわ!
わんちゃんねこちゃんより頭いいわさすがに!
「……はぁー……。わかった……流石に全教科を赤点にして落とすのは俺もプライドが許さん。仕方ない、サルどもの世話はこっちで引き受ける……」
「おう、頼んだぞ。せいぜい知恵を付けてやってくれ」
「ウキーッ!!」
尾井川があまりにも酷いので、思わずクーちゃんと抗議の声を上げてしまったが、そんな俺にシベは冷たい目を細めると――――両手を強く握りこぶしにして、唐突に俺の頭をぐりぐりとそりゃあもう力いっぱいに拳で捏ね回してきやがった。
「おーまーえーはー! 俺様が懇切丁寧に猿人レベルでも分かるように書いてやったノートのなにを見てたんだあああああ!!」
「あ゛ーーーーーっ!!」
やめてやめて本当に知能がサル以下になっちゃう!
俺が悪かったですごめんなさい俺が全部悪いんです悪うござんしたあああ!
「シベそのくらいにしろ、マジで頭がバカになるぞコイツ」
「クッ……」
「つ、つーちゃ……大丈夫……?」
うぐううう……あ、頭を擦ってくれるのかヒロ……。俺が女の子だったら惚れてたぞお前の優しさには……あ、でも逆の方が……いや逆はいいかな……昔はともかく、今のヒロが女の子になってるの想像つかない……。
「しかし……図書館で勉強ってのも、このメンツじゃ周囲に多大な迷惑が掛かりそうだな……。仕方ない……お前達、少し待つが車を呼ぶから乗れ」
「えっ」
「シベんちに行くのカイ?」
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そ、そういうおうちって、すっげえ興味あるよな正直……!
「……おい猿、言っておくが勝手に物に触ったり歩き回ったりするなよ」
「名前までサルにしないで!! てかしませんて人の家で!」
さすがに俺も高校生なのでそんな事なんてするわけがないでしょうに。
はあ、俺ってシベに信用無いなあ……まあシベからしたら俺はアホの極みみたいに見えるらしいので、扱いが悪いのも仕方ないんだけども。
でもイケメン眼鏡に侮られていると思うとすげえ憎しみが湧くな。シベは友達だから何も言わないが、これが他人だったら俺のデンプシーロールが火を噴いてる所だ。
いや、デンプシーロールってどんな技か知らんけども。
「……そのアホ面は信用できんな……」
ほらこう言うんだ。シベは本当にいつも俺に酷いことを言う。
俺だって約束はちゃんと守れるんだからなと再び眉根を寄せて遺憾の意を発動しようかと思っていたら――俺の視界を覆うように、でっかい背中が被って来た。
これは……ヒロか。どうしたんだろうと相手の後頭部を見上げると、どうやらヒロはシベの方を見ているようだった。
「つ……つーちゃ……つーちゃん、は……良い子だから、そ、そういうことなんて、し、しない……っ」
「ヒロぉ……お前ってやつは……!」
「ホントにブッキーはツカサが好きだねエ」
ふふふ、そう見えるかいクーちゃん。その通り、ヒロは昔から俺の味方なのだよ。
今だって人見知りなのに俺の為に一生懸命庇ってくれるなんて……っ、ううっ、ヒロお前と言う奴はなんて友達思いなんだ! 昔から変わらず優し過ぎる!
思わず感涙してしまった俺だったが、尾井川とシベはというと、しらーっとした表情をしてお互いに顔を見合わせるだけだった。なんだその何とも言えない表情は。
「……ともかく、俺は迎えを頼んでくる。お前達はここで待ってろ。特に潜祇! お前は絶対に教室から動くなよ!」
「う、動きませんて!」
まったく信用無いなあ……いやまあ、先日話した「あやしい先輩達」の話のせいで心配させちゃってるんだろうけども……。
……そういう不器用な優しさがあるから、なんか憎めないんだよなぁ。シベは。
心中複雑になりつつ、シベの背中を見送っていると、今度は尾井川が俺の肩をポンと叩いて、ちょっとこっちにこいと教室の隅に俺を誘導して来た。
なんだなんだ。いきなりどうした。部活は良いんだろうか。
不思議に思いつつも付いて行くと、尾井川は俺にコソコソと話してくる。
「おい、ぐー太……約束しちまった手前なんだがよ、お前クーちゃんとアイツと三人で本当に大丈夫か……?」
「え? なにが?」
聞き返すと、尾井川は何とも渋そうな顔をして言いよどむ。
何故そんな顔をするのか解らなくて首を傾げると、尾井川は話題を変えるように息を吐いて、とりあえずと言葉を挟み再び俺を見た。
「まあ……お前の場合、クーちゃんより頭が心配だから……」
「ひどい」
「ともかく……お前、確かアッチの世界でも勉強を教えてくれるヤツがいるって言ってたよな? キューマだかなんだかって」
「おう! けっこー分かり易かったぞ!」
尾井川には異世界での事をかなり話しているので、当然キュウマの事もそれなりに話している。アイツの両親を探そうと言う話はしているんだが、尾井川はさっき言っていた通り柔道部でのアレコレが忙しいので、まだその計画は進んでいない。
ともかく、ブラック達との爛れた関係に関する事以外なら尾井川は俺の事情を凄く知っているので、こうやって安心して色々と話が出来るのである。
でも、キュウマの事を尾井川から言って来るなんてどうしたんだろう。
答えを求めて見返すと、相手は眉間に皺を寄せた。
「……あんまり勧めたくはないが、もしマジでわかんなかったら、帰る道すがら神社に神頼みをするとか言って車を止めて貰え。どうせアイツのことだ。お前だけは、車で帰すだろ。だから、五分くらいならなんとかなる」
あっ、そうかなるほど!
異世界に行ける俺には、もう一人の頼もしい教師が居たではないか。
しかも、あっちの世界に行っている間は、一日経過してもこっちの世界では一分間の誤差にしかならない。キュウマがそう調節してくれたんだよな。
その代わり、こっちでの一日は向こうの世界では一時間にズレているので、ブラック達は少々ヤキモキしているらしいんだが……それは今は置いておこう。
「でも、俺だけ車って……」
「お前がよっぽどガキに見えてんのか、お前に関しちゃ過保護だからなアイツも。まあ――――神隠しの件が、よっぽどショッキングだったんだろう」
「…………」
それを言われると、本当に申し訳なくなる。
シベはいつもの態度で俺に接してくれているけど……よく考えたら、アイツだって、尾井川やヒロ、クーちゃんみたいにショックを受けて不安だったんだよな。
俺だって、尾井川達の誰か一人でも行方不明になったら心配でたまらなくなる。
怖い思いをしていないか、無事なのか、自分の事じゃないのに自分の事以上に深く考えてしまって、仮に相手に再会できたとしても何も言えなくなるかもしれない。
それくらい、大事な人がいなくなることは辛いことなんだ。
……出来れば、俺のことはそんな風に深く考えないでほしいし……実際、そこまで真剣に考えてないだろうって思うけど……でも、もし、俺が思う以上にシベが俺の事で心を痛めているんなら、俺はどうしたらいいんだろうか。
つーか、そんな状態で神社に行ってもいいのかな。
「……神社、行っても良いと思う……?」
そう訊くと、尾井川は少し考えたような素振りを見せたが、ポケットからスマホを取り出して俺に見せつけて来た。
画面には、追跡アプリの画面が表示されている。そのアプリは、俺が肌身離さずに持っている可愛いキーホルダー……赤い南天の目が二つちょこんと乗った、葉っぱの耳の雪うさぎキーホルダーを発信機にして俺の位置を示している。
俺が変な事に巻き込まれないように、尾井川が持たせてくれてるんだ。
「なんかあったら俺がどうにかするさ。それに……お前だけは一人で車に乗せないと、何か嫌な予感がするし……」
「……?」
嫌な予感ってなんだろうか。
尾井川の視線が逸れた方向を見やると、そこにはヒロがいる。
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「おいお前ら、連絡が付いたから靴持って職員用の玄関まで行くぞ」
そっちの方が駐車場が近い、と、シベが戻って来て廊下からこちらを覗いてきた。
何だかんだで早かったな。悔しいがシベは出来る男だ。
「……よし、まあ、やるかどうかはお前に任せる。やりたいようにやればいい。いざとなったら俺が助けてやるから、お前は勉強に注力しろ」
「尾井川……」
頼もしい言葉に背中を押されて、俺は尾井川に振り返って手を振る。
いつもの五人組なのに、尾井川だけがいなくて少し寂しかったが……今はキチンと勉強してテストを乗り切らないとと思い、俺は気合を入れて教室を後にした。
→
※次は二話連続更新。
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