異世界日帰り漫遊記!

御結頂戴

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豊穣都市ゾリオンヘリア、手を伸ばす闇に金の声編

23.師なら高位の方が良い

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   ◆



 実験というのは、同じ結果が続くと確信できるまで何度も行うものだ。
 なので、俺も恥を忍んでブラックとのえぐいキスを隠しながら人前でやっていたのだが……まさか、アドニスの指を舐めることになろうとは思ってもみなかった。

 いや、実験のためなんだけどね。
 実際そうなんだけど、その……お、終わってみると、物凄いアレというか、俺達は何をしていたんだ的な恥ずかしさと虚無きょむに襲われるワケでな……。

 なんで仲間同士でこんなことやってんだあああ俺は。
 でも、それも元はと言えばアドニスが俺のために薬を作ろうとしてくれているからで、どうして仲間の指を舐める事になったかってのもそりゃあもう俺がダダをこねたからという立派な自業自得でしかないワケで。

 コップよりは指の方がましだったけど。
 でも、その……じ、実際やると、やっぱなんかヘンなんだよなぁ!

 だーちくしょう、全部自分のせいで誰に怒ることも出来ないじゃないかっ。
 俺が全部悪いっ。悪いけどモヤモヤするんだよもーっ。

 …………ご、ゴホン。
 ともかく、まあ……そんなこんなで、アドニスとは今後も昨日やったみたいな行為をすることになってしまったのだ。帰って来た時にブラックとクロウが「アイツと何してたの?」なんて聞いて来たが、なんとか誤魔化して、とりあえずキスなどはしていないと言っておいた。それはホントの事だしな。
 だけど正直な話、二回目も平然としていられるかは俺にはわからない。

 恥ずかしいってのも有るけど、その……実は、もっと困ることがあって。
 それはというと――――舐めた、唾液だえき
 何故か俺の舌に触れると、それを甘く感じてしまうのだ。

 ………………自分でもおかしなことを言っているなと思うけど、でも真実だ。
 あの時、指を舐めて感じたのは他人の唾液だえき摂取せっしゅしたという拒否感ではなく、何か甘く雑味の無い……砂糖水のようなものを舐めている感覚だった。

 だから、あの時は抵抗なくペロペロ舐めちゃって……う、うぐぐ……。
 俺はどうしちゃったんだ一体。

 何故そう感じたのかが謎すぎて、もうなんだか頭が熱暴走しそうだ。俺の中で何か変化が有ったのかと思えば怖いけど、もしかしたらアドニスは妖精族の血も入ってるワケだからその影響で甘かったのかも知れないし、そもそも相手はブラックと同様に俺を支配し殺す事が出来る唯一の存在である【グリモア】の一人だし……。

 そういう事象のせいで、特別にそうなっちゃったのかも知れないよな。

 でも、その様々な予想をぶっちぎって「俺の感覚がおかしいだけ」とかになったらもうっ、もう俺はっ。恥ずかし過ぎるし危機感を覚えるしで、もうアドニスの顔なんてまともに見られない。
 そうじゃないと思いたいが、それでも……昨日のアレを考えるとどうしても不安にならずにはいられなかった。

 ……しかしまあ、不安になろうがどうしようが明日はやってくるわけで。

 新たな懸念を抱きつつも、俺は昨日アドニスが言った通り劇場での稽古けいこに合流する事になったのだった。
 しかし、初めて舞台に立った俺はと言うと……――――

「……はぁ……やっぱ声が出るようになっただけじゃダメだよなぁ」

 舞台袖ぶたいそでの薄暗い空間。
 いくつも積み上げられた木箱や、木製のハンガーラックにけられた衣装の替え、それに短時間で化粧直しをするためのスペースなどがあり、広くて高い天井を有する場所なのに不思議と狭苦せまくるしい空間に見える。
 そんな場所のすみっこで、俺は体育座りをして溜息ためいきを吐いていた。

 もちろん、今は練習後の誰もいない舞台裏だ。
 俺達の演劇を手伝ってくれる侍従じじゅうさん達だってお城の仕事が有るので、練習の後はササッと片づけをして去ってしまう。なので、ここには俺しかいない。
 ブラック達も何やら話し合いが有るらしく、アドニスとクロウと三人してどっかに行ってるので、俺は溜息を吐き放題だ。

 まあ、こんな情けない落ち込み姿なんて人には見せたくないしそれでいいんだけど、こうしていると自分がいかに落ちこぼれているかを実感してしまい、なんだかさらに息がまってさっきから同じ事ばかり繰り返していた。

「俺って、ほんと演劇とか苦手なんだなぁ……」

 しみじみ言うが、そんなことは最初からわかっていたはずである。
 でも、いざ大舞台で練習となってしまうと、その「理解していた事」を一気に体感させられてしまって、理解していたはずの自分の恥が思っていた以上に大きなことのように思えてくるのだ。広く大きな劇の檀上だんじょうの上で大勢の人に見られながら失敗してしまうと、その「恥の大きさ」に心臓がぎゅうっとなってしまう。

 おのれのせいで他人が困ったり、劇が中断して周囲が困惑こんわくしたりあきれたりすると、その表情で自分がいかにダメな人間か思い知ってしまい、申し訳なさと「どうして出来ないんだ」という無駄なプライドで顔が熱く……真っ赤に、なる。
 そんなモン自分がダメなせいだろうという事は重々じゅうじゅう承知しょうちなのだが、人間ってのは、自分に絶望していたとしても自分を見捨てきれない生き物なんだ。

 だから、際限さいげんなく自分の失態に恥ずかしがったり失望してしまう。
 俺だって失敗の数は山ほどあるし、大概たいがいれちゃったけど……でも、それでも、やっぱり失敗するのは恥ずかしいし、迷惑をけてると思うと肩身がせまい。

 俺がガキだったら、ギャーギャーわめいて「俺は頑張ってる、真面目にやってる」と自分を正当化して暴れ回って、自分の力量が無いにしてもそれでスッキリして周囲の事なんか気にもせずにいられるのかも知れないけど。
 でも、俺はこっちの世界じゃ大人なんだ。
 ガキあつかいされたくないなら、大人として振る舞うのが正解なのだ。

 それでも……やっぱり、自分の未熟さはどうしても笑って済ませられない。
 侍従さん達やブラック達が演技をうまくこなしているからこそ、俺だけが足を引っ張っているという事実が申し訳なくて、消えてしまいたかった。

 …………そんなの、悲劇に酔ってるみたいで人に言えるワケなんてないけど。
 だから、俺はすみっこで誰にも見つからないようにひざを抱えているのだ。
 こんな状態でブラック達の前に行ったら、また心配されちゃうし。

「あいつら、普段はそんなコトないくせに……こういう時はさといんだよなぁ……」

 俺が落ちこんでるのをすぐに理解して、甘やかしてなだめてくれる。
 それは、むずがゆいけど正直嬉しいし……助かる。
 でもそれじゃだめなんだ。俺が迷惑かけてるのは事実なんだから。
 だから……ちょっとだけ、一人で落ちこませてほしいと言うだけなのだ。

「はぁ…………」

 いつまでも落ちこんでいられないのは俺も解っている。
 そのうち落ち込む心も静まると思うので、今はただ自分をふるたせるいきおいを待ちわびて、狭苦せまくるしい空間にはさまっているしかなかった。

「…………にしても……本物の舞台裏ってけっこー広いんだなぁ」

 舞台というと、俺は学校の体育館とか公民館の舞台くらいしか入ったことが無いし、この世界では裏世界と呼ばれる場所や野外に設置された舞台に入ったくらいだが、それらはここまで舞台の裏が広くなかった気がする。
 舞台袖も、最低限の広さというか……とにかく、狭い感じだったな。

 でも、この【ゾリオン城】の舞台袖は、なんだか破格の大きさだ。
 もうここでちょっとしたパーティー出来るんじゃないかぐらいデカいぞ。

 このお城の一階の約半分は劇場関連の施設でめられてるみたいだけど、この広さの舞台袖のさらに奥には練習場があって、城の方へと戻る劇場両脇の廊下には、劇場に出る扉の他にも倉庫や侍従さん達のお部屋があるってんだから、どんだけ劇場にちからを入れてるんだとびっくりしてしまう。

 見た所、鉄のハシゴが掛かっている上は、俺の世界の劇場と同じで照明装置があるみたいだし、それを考えるとホントに物凄く設備が整った一流の劇場みたいだ。
 照明かぁ……どっちかっていうと、俺そういう職人ぽいのがいいなぁ。
 ビシッと主役に照明を当ててやれる職人……むむ、なんか格好いい……なんて、思っていると。ふと、耳に足音が聞こえてきた。

「――――……?」

 誰か忘れ物したのかなとすみっこではさまったままでいると、足音が近付いて来る。なんだか規則的できっちりしていて、ブラックの足音ではないみたいだ。
 貴族っぽい足音だなぁと思っていると、その音はどんどんこちらへと近付いて来て――――木箱のかどから、ひょいと顔を出してきた。

「おや、ツカサ君ここにいたんだね」
「ローレンスさん!」

 綺麗な足音だと思ったら、やっぱり相手はこの国の王様だったか。
 でも、どうしてここに。
 そう思って目を丸くした俺に、ローレンスさんはモミアゲまでつながる格好いいヒゲをもふもふと微笑みに揺らして手を伸ばしてきた。

「薬師殿と一緒ではなかったから、どこに行ったかと心配したよ」
「あ……す、すみません……」

 また迷惑かけちゃったのか……いやそらそうだよな……。
 申し訳ないと頭を下げてしまったが、そんな俺にローレンスさんは小さく笑って、頭を大きな手で優しく撫でて来た。

「まあ落ち込むのも仕方が無いことさ。周りがあれだけ出来れば、初心者の君としては、ついて行けないくやしさを感じるのも無理はない」
「…………はい……」

 何か答えないと失礼にあたると思ったのだが、ぐうの音も出ない。
 しかもなぐさめられてしまうと余計にみじめに思えてしまって、また落ち込む気持ちが湧いて出てしまった。なのに、ローレンスさんはそんな俺にまた笑う。
 そうして……差し出された手に従った俺の手をにぎると、急にひっぱりあげた。

「ツカサ君、おいで」
「えっ、ぁ……」

 優しくつかまれただけの手を離すことも出来ず、俺は舞台へと連れて行かれる。
 広くて、向こう側が見えないのではないかと錯覚してしまう舞台。実際はそう広くもないはずなんだけど、今の俺にはそう見えてしまう。

 それに、左右にたわんだ赤い弾幕が妙に緊張感を強めて、客席の方を向くと――――今まで俺が対面した事も無い、二階までぎっしりと整列した何百もの観客席が視界を埋め尽くし、俺を飲み込むような圧倒的な迫力を見せつけていた。
 ……こ、こんな場所……本当に、こんな場所でヘタクソな演技なんて、俺……。

「実際の貴族の数は少ないけど、通常の劇場はこういう風に【擬態ぎたい】する」
「ぎ、擬態ぎたい?」

 どういうことだとローレンスさんの顔を見上げると、相手はニコッと笑っていている方の手を上へかかげた。そうして、パチンと指を鳴らす。
 すると――――

「ッ!? う、うえぇ!?」

 急に地鳴りのような轟音が聞こえてきたかと思うと、目の前の数えきれないくらいに並んでいた赤い客席が一気に中央に飲み込まれ、一瞬真っ暗な空間になる。
 と、次の瞬間その真っ暗な空間が平らに整地されて――――豪華なシャンデリアと飾り板でいろどられた壁が美しい、どこかの広いパーティーホールに変わってしまった。

 …………い、いや、変わってしまったって……なに、これ。どういうこと。

「ろ……ローレンスさん、これ……」
「我が【ゾリオン城】は、別名“生命の城”と呼ばれていてね。国主卿こくしゅきょうちからのある者が選ばれると、その者は城を自由に操る事が出来るんだ。一説によると、この地域に城を作るさいに【聖女】の力を借りたがゆえだと言われているが……詳しい事は文献ぶんけんには記載されてないので、謎だね」
「じ、自由にカスタム……いや、自由に想像通りの場所に出来ちゃうんすね……」

 すごいっすね……と開いた口がふさがらず素直に称賛すると、ローレンスさんは「あはは」と人懐ひとなつこい笑顔で笑って、照れ臭そうに自分の口髭くちひげを触る。

「まあ人がいる場所だから、滅多な改変は出来ないけどね。城の高さや広さを変えるとなったら、中に居る者達にも迷惑がかかるから、内装を変化させる程度しか現在は出来ないけども」
「はぁ……でも、ほんとすごいです……」

 やっぱ王様ってどこの人もすごい力を持ってるんだな……。
 ほうけた顔で当たり前の事を考えていた俺だったが、またもや腕を引かれて相手の顔を見上げる。すると、ローレンスさんは目を細めて優しそうに微笑んだ。

「そう見えるかも知れないけれど、実際私の【擬態ぎたい】なんて先代の国主卿にはるおよばないんだよ。装飾もその意匠いしょうも、まだまだ思考する鍛錬が必要なんだ」
「で、でも出来るだけスゴいと思いますよ?」
「……そうかな? そう言ってくれると嬉しいけど……でも、それなら君だってそう思うべきなんじゃないのかな」
「えっ……」

 唐突とうとつに話を振られて、どういうことだと固まる。
 なにも返せずに目をしばたたかせていると、ローレンスさんは俺の手を優しくにぎった。

「世の中には、舞台に立つこと自体が怖いという人もいるし、どうしても演技をする事に拒否感を感じる人もいる。だけど、彼らをめる理由など人にはない。それが、人が人たる“違い”によるものなのだから」
「……俺は、ただたんに練習不足で出来てないってだけですよ」
「今は出来ないだけさ。……それに、君は自分に合った演劇の師匠を見つけられていないから、どうしたって上達が遅くて悩んでいる」
「それは……まあ……」

 アドニスは、ブラックに言われて、俺が演技しやすいようにと台詞などをいくつか変更してくれたけど、アイツもブラックやクロウと一緒で「すぐ出来た」とか「独自の方法なので説明とかを求められても」っていう天才肌なので、俺は教わってもよく解らないのだ。

 相手も真摯しんしに一生懸命教えてくれるんだけど、頭の良い人の説明を一から十まで俺が理解出来るかっていうと……正直、自信が無い。
 というのもあって、俺は物覚えが悪いなと一層いっそう落ち込んでいたのである。
 だけど、アドニスたち以外の誰に教わればいいと言うのだろう。そう思っていると、目の前の相手が「ふふっ」と笑った。

「私から教わればいい」
「えっ!? で、でも、ローレンスさんは国主卿で……」
「いいじゃないか、私もひまなんだよ。本番の時は客をもてなす立場だしね」
「ひぇえ……」

 ちょ、ちょっとそれは予想外の回答なのですが。
 国王様のレッスンを受けさせてもらうとかめっちゃ怖い。不敬罪とかあるのでは。
 思わず青ざめてしまったが、相手は苦笑になりつつも笑みをおさめることは無く、俺の両手を取ってゆっくりと動き始めた。

「遠慮せずに、私に教わりなさい。指導しどうならちょっとしたものだよ?」

 そりゃあなた国王ですしね!?
 演説スキルは超級クラスでしょーよ。でもアナタ様は人の頂点に立つお人でしょ! 俺みたいなのがこうして国主卿に手ぇにぎられておど……あれっ、お、おどってる?!

 なんで俺は舞台の上でローレンスさんとゆらゆら揺れつつおどってるの。
 何が起こってるのか解らず、目を白黒させてしまった俺に、相手は器用にこちらを操って意のままに踊らせながら軽くウインクをした。

「ほら、人に動きを教えられれば、君の体は簡単に踊れてしまう。残り時間も少ないのだから、観念して私に教わりなさい。ね」

 必ず、君をある程度は演技が出来る子にしてあげるよ。
 ……そんな台詞を美形に言われても、普段なら全身サブイボが立ってふざけるなと怒ってしまうのだが……相手は俺を助けてくれる気の良いおじさんで、しかもこの城の主だ。本当はこうして二人で踊ってるのを見られたらヤバいのではとなる地位の人なのだ。……そんな人に踊らされて「教わりなさい」と言われたら……小市民である俺は「ハイ」と素直に頷くしかない。

 嬉しいけど。めてはげまして指導して貰えるのは嬉しいんだけど。
 でもやっぱ王様に演技指導してもらうのはヤバいって!

 ああーっ! どうかポカしても不敬罪になりませんようにいいいいい!











 
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