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豊穣都市ゾリオンヘリア、手を伸ばす闇に金の声編
脱線※
しおりを挟む「あはっ、ははは……! つ、ツカサ君っ、今度は向かい合おっか……!」
声が、上手く出てこない。
楽しくて、嬉しくて、どうしようもなく昂ぶる心が抑えきれないのか、ブラックの言葉は弾んで途切れがちになり、何かを言おうにも下卑た笑い声が邪魔をしてまともな言葉にならない状態になっていた。
だが、もうそれを指摘する者などいない。
ブラックの愛しい婚約者も遂に理性が飛び散ってしまったのか、メスの本能のままに甲高い声で喘いでいる。その細く未成熟な体にブラックが勢いよく腰を打ち付けるたび、柔らかな肌を細かく震わせていた。
(あぁ……っ、ほ、ほんとっ……ははっ、ほんと、にっ、ツカサ君のナカは……っ、最高だなぁ……! もう全部、ぜんぶたまんない……ッ)
張りつめ反り返ったペニスを軸にして、ブラックは今まで覆い被さっていた小さな体を掴み、強引に引き上げる。
同時に座ってその体をぐりんと反転させると、ツカサは突然の異なる刺激に驚いたのか、中がよじれるのを怖がってぎゅうっと締め付けブラックを煽って来た。
だがその締め付けは決して痛みを感じることは無く、肉襞で絡みついてブラックのペニスを絞ろうとするかのように蠢いて来る。
その動きは、言葉ではとても言い表せないほどに心地いい。
女のそれとはまた違ったツカサのナカは、体格や少年でありながらも絶妙にオスが好むようなむっちりとした肉付きのせいか、己の頭の中で快楽を分析しようとしても、気持ち良さが思考を遥かに凌駕してとてもではないが細かく表せない。
ただ、これまでにない締め付けとオスを蕩けさせるような内部の動きは、ブラックにとって至福としか言いようが無かった。
これほどまでに己の持て余しがちなペニスを厳しく締め付けつつも包んでくれる物など、他に例える事も出来なかったのである。
だから、つい限度を過ぎてしまう。
「んぁっ、あぁあっ、つ、ツカサ君……っ! ほら、な、ナカからっ、ふひっ、ぼっ、僕の精液がツカサ君のナカからいっぱい溢れて来てるよぉっ……!」
「っぅ゛あ゛ぁあ゛、あっあぐっぅ゛ッ、あ゛ぁあっ、や、ら……あ、ぇえ……っ」
「んん、恥ずかしい? 恥ずかしいのかなぁあっ! あはっ、ははははっ! んもうっ、ツカサ君たら快楽でバカになってても恥ずかしがり屋なんだからぁっ」
嫌がっていても、ツカサのナカはブラックが出ようとするたび絡みついて追い縋り、思いきり穿てば抵抗しつつも広がって心地良く締め付けて来る。
抜き差しを繰り返すたびに、己が何度も放った白濁が流れ落ちて来て、打ち付ける尻穴の際でぶじゅぶじゅと淫らな音で泡立って。
ツカサを何度も抱え上げて降ろすたびにその様を見ると、心が躍ってしまった。
(あはっ、あははっ、これで『イヤ』だって? ツカサ君たら可愛いなぁ……っ、触ってないのに、突き上げるだけでおちんちんがビンビンに勃っちゃってるんだよ? こんなスケベなおちんちんを見せつけといて『イヤ』だなんて笑っちゃう……!)
まったく、ツカサは本当に分かり易くて愛らしい。
これほど歓んでおいて「いやだ」とは、まったくもって嘘がヘタだ。
それとも、ブラックを煽るために敢えて拒否しているのだろうか。そう考えると、実に淫乱な体の訴えが愛おしくて、ブラックはツカサの小さな体を掻き抱くと、己の胡坐にまたがる腰を掴んで一心不乱に抽挿を繰り返した。
「――――ッ!!」
ツカサは声にならない悲鳴を上げて、衝撃に喉を曝し仰け反る。
だが、それを意にも介さずブラックは勢いをつけて徐々に奥へとペニスを進めると、最奥を目指そうとでも言うようにツカサの腰を下へと押しつけた。
「あふっ…くっ、ん……んんっ……つ、つか、さ……くっ……あぁあ……っ」
「ひぐっ、ぅ゛っ、う゛ぁぁあ゛あ゛……! や゛っぁ゛……あぁああ……っ!」
心地良い温度と、何度か射精したことによるぬめりが、その動きをより一層滑らかにして動きを助けてくれる。
もう昂ぶりを抑えきれず、ブラックはそのまま――――根元まで押し込み、普段は押し入る事の無い最奥を拓いた。
「ぉ゛っ……ご……、あ゛ぎっ、ひっぃ゛……い゛……――――ッ……!!」
ツカサが耐え切れないと思い、普段はそう深追いはしない。
だが、この先端を特に締め付ける内臓の最奥地点は、快楽に慣れ切ったブラックにとっても未知の快楽のように衝撃的であり、久しぶりの壮絶な幸福感に思わぬ射精を禁じ得なかった。
「あ゛っぐ……はっ……ぁっ、ぐぅ……ッ!!」
二重の締め付けにとめどない快楽が湧き起こり、ブラックも我慢が出来ずに大きく腰を痙攣させながら、もっと快楽を得ようとして、根元まで入ったペニスを柔らかな小尻に押し付けぐりぐりと強く腰を動かす。
すると、弛緩したツカサの体は刺激に同期してか忠実に波打ち、ブラックの動きに応えて来る。しかし、彼は仰け反ったまま放心したらしく、動きに意思は感じない。
ただ、ブラックのペニスを心地良く締め付けつつ、色が薄くなった精液を稚茎から何度も細かくぴゅっぴゅっと垂れ流していた。
「あっ……ぁ……ほ、ほんとぉ……つかさ、く……の、おぐ……しゅきぃ……っ」
己の腹がひくひくと動く。
出したばかりだと言うのに、ツカサが絶頂し続けているせいなのか彼のナカは執拗に蠢き、先端やそのくびれを刺激し続けている。内壁も困惑したようにざわざわと竿の部分を触り締め付け、まるで精液を搾り取るように動いていた。
無意識にやっている行為だとすれば、天性の淫乱だ。
これほどまでに貪欲にオスを求める体は、さすがのブラックも初めてだった。
(あ゛っ……あぁ……だ、だめだこれぇ……すっごく、気持ち、っ、いい……っ)
内部のモノを締め付け逃すまいとする窄まりも、弛緩しているブラックのペニスの根元を心地良く締め付けていた。
「はっ、はぐっ……ぅ、うう……っ、こ、こんなされたら……っ、あ、あぁっ、僕、また勃起しちゃう……っ! ツカサ君たらもぉっ、い、淫乱なんだからぁ……!」
「あ゛ぅ゛ぅう゛……うぅう……や……ぁ゛……も゛、っ、ひ、ぐ……も……や、ぁ゛……っ」
「っ、はぁ…………もぉー……目の焦点飛んじゃってるのに、口癖になっちゃってるんだから……まあ、ここまで行ったらもう関係ないけど……っう……。ね……っ
いまさら「いや」と言ったって、もう止まれはしない。
どくん、とペニスが大きく脈打ち、また力を取り戻していく。
精液を吐きだし肉壁に押し付けられていたが、再び押し広げて行くほどの大きさを取り戻したようで、締め付けが強くなってきた。
「あ゛っ、あ゛ぁ゛っあ゛っぐっ……あ゛っあ゛ぁ゛あ゛……!」
ツカサもブラックの再起が手に取るように分かってしまうのか、それとも、ナカの最も感じる部分を刺激され続けているせいなのか、小刻みに声を漏らしながら、心許ない稚茎を震わせてひくひくと体を反応させている。
もう理性どころか意識すらほぼ飛んでいるだろうに、それでもツカサはブラックの動きを一々読みとって、感じてしまうのだ。
無意識下ですらツカサはブラックの事を無視できないらしい。
「ふっ……ふは……っ、あっふっ、ふははははっ……! つ、つかっ、ツカサくっ、もぉそんな、そんな風にっ、そ、そんっそんな、ぁ、あぁあ……っ」
もう、声が上手く出てこない。
興奮しすぎて、口が閉じず涎がだらだらと流れて行く。
赤く忌々しい髪は頬や額に張り付き、背中を伝う流れは汗で湿っている。ツカサのナカを穿つたび、その滴が鬱陶しいほどに散って落ちた。
だが、もうツカサのナカの気持ち良さ以外、どうでもよくなってしまっている。
風呂場の湯煙で視界がぼやけて来ているのか、それとも興奮と快楽で頭がバカになってしまっているのか。どちらともつかない。
汗も水滴も分からないぐらいに体温が上がっている事を自覚しながら、己の欲望に飲まれてブラックはそのままツカサを床に押し倒した。
――――――そこから先は、自分でも断片的にしか覚えていない。
最高の快楽は最高級の酒よりも酔える酩酊を誘い、ツカサから得られる興奮だけに意識が向くほどの強烈な幸福感を齎すものだ。
そのせいか、欲望を打ち尽くしすっきりした頃には、ツカサは既に気を失って人形のような状態になっており……ブラックも汗だか水滴だか判らない汁だくの状態で、ツカサをうつ伏せにして床に押さえつけたまま、蟹股の状態で止まっていた。
確か、片足をあげさせて突き上げたり、キスを続けながら再び最奥の快楽を存分に味わって意識が飛びかけたりしていたような気がするが、終わってみれば相手の体に溺れた事しかハッキリ覚えておらずペニスは精液だらけだった。
「………………やっちゃったぁ」
自分の声も、いつもより少し掠れているが、それは別に良い。
だが、問題はツカサだ。というか、ツカサの尻だ。
恐る恐るペニスを引き抜いて寝かせてみると……小さな体に似合わぬ大きさの穴の形になってしまったソコから、樹液かと思うほどに白濁が溢れて来る。
ぽっかりと開いたままなかなか元に戻らない穴の中は充血し切っており、長い時間オスを受け入れ続けた事を如実に見せつけていた。
「ん゛っンン……。もうだめ、もうだめ……」
スッキリしたはずなのだが、何故かまだ欲望が湧きあがってくる気がする。
さすがにこれ以上はヤバいと直感が働いたので、ブラックは出来るだけ気にしないようにしつつ彼の体を丁寧に洗ってやり、優しくナカの精液も掻き出してやる。
本来ならツカサの精液以外は触れたくも無いが、自分がツカサと愛し合って彼の中に吐き出したモノだと思うと、不思議と嬉しくて特に苦にはならなかった。
しかし、掻きだす間もぽっかりしていた穴は、どうしたものか。
「回復薬で治るかな~コレ……。使いながらセックスすれば良かった……」
さすがに湯船に入れてやるのもはばかられて、ブラックはせめてもの温情と彼の体が冷えぬように湯を定期的にかけてやる。
一応、頭も体も洗ったが、どうにも不安だ。
「…………僕がペニスで栓を……いや、それだとセックスしたくなっちゃうな。治るのを待つしかないのかなぁ……でも、いつ治るんだか……コレはさすがに予想が」
もし明日もこの状態だったら、ツカサは物凄く怒るかも知れない。
当初の「あの部屋のことを忘れさせる」という目的も、彼がまだ気付いていない「最近の疲れ」を除去する目的も達成したが、その晴れ晴れしさもツカサに「もうえっちするの絶対禁止!!」と言われてしまったらそこで終わりだ。
これはいけない。なんとかしなければ。
だが、さすがに回復薬だけでどうにかなるとも思いづらい。
「……うーむ……どうしようかなぁ……」
一つ、案があるにはあるのだが、その案は積極的に採用しようと思えない。
だがこのままではツカサの尻はすぐには治らないだろう。
せっかく「二人きりの時はセックスする」という約束を取り付けたのに、これでは次いつセックス出来るか分からないではないか。
やはり、ここは……恥を忍んでなんとかしなければ。
(…………まあ、そもそも、ツカサ君の“体の異常”を調べるために、あのクソ眼鏡に会うって目的もあったし……そのついでだって思えばいいんだけどさ)
しかし、ブラックはもう「彼が何故体に変調をきたしたのか」という疑問の答えを半ば掴んでいる。それはとても嬉しいことではあったのだが、ツカサ自身が己の変化を恐れて悩んでいる以上、彼に明確で信頼感のある答えをやらねばならない。
ブラックとて、答えは掴んでいるが明確な“仕組み”が解らないのだ。
……となれば、結局ツカサの体をあのクソ眼鏡に預けるしか道は無いワケで。
「はぁー…………。まぁ、いいか……どうせあと数日で旅立つんだし……」
深い深い溜息を吐くと、ブラックはツカサの頼りない体を軽く抱え上げる。
この柔らかで気持ちのいい体を、再びあの狂科学者に触らせると思うと嫉妬の炎が燃え上がるようだったが、それを振り切って風呂場を後にした。
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