異世界日帰り漫遊記!

御結頂戴

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豊穣都市ゾリオンヘリア、手を伸ばす闇に金の声編

13.鎮魂の庭1

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   ◆



 あれよあれよと言う間に練習場から連れ出された俺は、アドニスにズルズルと引きずられながら、二階に移動させられていた。

「ああぁああ……離せぇえええ」
「君の足がもう少し長ければこうせずに済んだんですけどねえ」
嫌味イヤミか貴様ぁあああ」

 猫のようにベストとシャツの首根っこをひっつかまれているので、ジタバタと暴れても事態はまったく好転しない。何故に学者のアドニスがこれほど強い腕力を持っているのだろう。体格は普通の大人なのに。

 いや、この世界の人達は何故だか例外なく力が強いんだけど、でもか細い腕をしている美少女とか、モヤシっぽそうなアドニスがこれほどのパワーを持っているとか、俺の世界からすればちょっと想像できないじゃないか。
 く、くそう……俺にも力が有れば今すぐにでも引きずり返してやるのにっ。

 こんな事になるなら、脚力強化の付加術ふかじゅつである【ラピッド】の他に、腕の力を強化する術なども教えて貰っておけばよかった。いや、実際にるのか知らんけども。

「それにしても、本当に君は子供より体力が無いですねえ……。異世界ではそこまで弱体化が進んでいるんですか?」
「こっちの奴らが強すぎるんだよっ!」
「はいはい、君の話は本当に要領を得ませんねえ……あ、ここ上がります」
「また階段……もう勘弁かんべんしてっ、自分で歩くから!!」

 どこもかしこもお伽話とぎばなしのお城みたいなゾリオン城。
 当然廊下の床も綺麗な刺繍ししゅう緋毛氈ひもうせんだし、はなやかな壁紙や細工が美麗な燭台しょくだいなどが目を引いて凄く美しい。こんな状況でも無ければ「うわぁおとぎ話ののお城だぁ!」なんてキョロキョロしていたのだが、一緒に居る相手がコレでは夢の見ようも無い。

 階段も、昨日の塔みたいな場所の階段とはまるで違う、赤みをふくんだ飴色あめいろが綺麗な手すりがまぶしいゴージャスな階段なのだ。こんな場所をズタ袋のように引っ張られては、何か階段が汚れそうで申し訳なくなってしまう。

 そんな思いでバタバタとアドニスの手から脱出すると、俺は自分の体をパンパンと手で払った。アドニスが冷めたような目で見ていたが関係ないぞ。
 やっとのことで引き摺り地獄から脱出すると、イヤミ眼鏡は「さっさとついて来なさい」とばかりに軽くあごをしゃくり、階段を登り始める。

 ……お互い様とはいえちょっとイラッとしたが、今回の俺は師事をう立場なので文句を言ってばかりもいられない。
 大人しくアドニスの背後に付いて登っていくと、今度は廊下を進んで俺達が宿泊している別塔と真反対の塔への渡り廊下を進み始めた。
 こっちにも塔がったなんて知らなかったなぁ……。

 そういえば、この城の中を探索した事が無かったけど……外観からして、どっかのテーマパークのお城みたいだったし、左右対称っぽく反対側にも塔が在るのは当然とも言えるな。しかし、この先に何があるんだろう。
 アドニスに割り当てられた部屋か何かがあるのかな、などと思いつつ、別塔の中に入って再び階段を登っていくと、今度はでっかい両扉が現れた。

「ここは……」

 どうやら、塔の最上階のようだな。
 結構重厚な扉だけど、この先がアドニスの部屋なんだろうか。うーん、賓客ひんきゃくだからなのか、俺達の客室より豪華そうだ。まあでも毎回仕事しに来てるんだし、聞く所によるとローレンスさんの奥さんに関する何かでお世話になったらしいし、大恩人って事で最高の待遇をされているのかも。まあこれは仕方ないよな。

 しかし、部屋に連れて来て練習ってのはどういう意味があるのか。
 不思議に思いつつ、重そうな扉をアドニスが軽々押し開くさまを見ていると――

「…………あれ?」

 不意に、扉が開いた隙間から優しくていい香りがただよってきた。
 だけどこれは香水などのにおいではない。もっとほのかで、透明感のある香りだ。

「アドニス、ここって……」
さっしが良いですね、ツカサ君。君のそう言う所は好きですよ」

 なーにが好きだ、今まで散々チクチク嫌味を言いやがって……とは思ったが、妙に機嫌きげんのいいアドニスの気分を害するのも後が怖い。
 言葉を飲み込んで、特に警戒もせずに部屋の中に入った。
 だって、部屋の向こう側は――――緑あふれる、美しい温室だと解かっていたから。

「うわ……す、すご……」

 可憐かれんな花の匂いがただよって来た事で「温室だ」と予想はしていたが、実際部屋の中に入ってみると……そこは、とんでもない様相をていしていた。

 まず、部屋の天井が遥か上にあり、その天井と部屋の間にドーム型のガラスがはさまって壁と天井の代わりだと言わんばかりに部屋をおおっている。
 ……まあ、ガラス温室自体は、植物園の温室とか大抵たいていそういう感じだし、こういうのは俺も好きだ。しかし、ちょうど中点の付近に円形の天井が乗っかっているので、何だかヘンな感じだな。中央部分の植物は日当たりが悪いかも知れない。

 恐らくあれは三角形の屋根の部分だ。ドームから太い柱が伸びていて、塔の屋根をぐっと支えているっぽいから、間違いないはず。だけど……外からだと、この温室は見えていなかったような。
 塔の一つにガラスの温室みたいな部分が有ったら、流石さすがに分かるんじゃなかろうか。こんな部屋はお伽話とぎばなしのお城としては異質だし、俺だってすぐに気付くはず……。

 うーむ。何か、幻術のようなものが掛けられているんだろうか。
 けっこう広い温室だし、道なりに進むと東屋あずまやみたいな所が点々としているし、王族が休息するための場所だからそういう偽装をされているのかも。

 通路の両脇を注意深く観察するが、どちらも様々な草花がバランスよく配置されていて、大きな葉の植物も乱雑にならないように配置されている。ちょっぴり熱帯風味だが、これは間違いなく庭師の仕事だ。薬品などが必要で育てるだけなら、これほど植物をしげらせるはずも無い。

 それに、見た目が悪くないように、地面をおおいそれぞれの植物が違和感なく重なり合っている。恐らく、ここは誰かの手によって頻繁ひんぱんに手入れされているんだろう。

 しかし……外も植物だらけなのに部屋の中までって凄いな。それに、温暖な気候のアコールだと、温室なんて必要無い気がするんだけど……。

「この国に温室が存在するのは不思議ですか?」

 み、見抜かれていたか。
 少々恥ずかしかったが、しかし言われた通り気になっていたのでうなづく。
 すると、アドニスは俺を順路へ案内しながら答えてくれた。

「ここは、初代国主卿こくしゅきょうが当時の大曜術師に命じてつくらせた【鎮魂の庭】という名前の場所でしてね。城外へ出る機会きかいが少ない王族たちのいこいのとなっているんですよ。それだけでなく、この庭にはアコールに生息する珍しい植物なども植えられ、有事の際には使用されると言われていますね」
「薬草園もねてるってワケか……なんか、ラスターの家の温室みたいだな」

 そう言うと、アドニスは少しだけ目を見開いたようにして立ち止まって、それから「いま思い出しました」とでも言うように声をらした。

「ラスター? ああ、あの自意識過剰な……そう言えば、ライクネスのオレオール家は騎士の象徴とも言われていましたね。北よりのあの地域だと……温泉か地熱で、温室を維持いじしているのでしょうか」
「確かそんな感じだった。あそこも薬草とかいっぱいやしてたよ」
「そうですか。まあ、そなえをしておくのは貴族として当然の事ですからね」

 な、なんかヤケに口調が冷めてるな。どうしてそんな急に不機嫌になるの。
 アドニスもアドニスでよく分からないなと思いつつ、俺は相手の隣に並び、つまらなさそうに目を細める顔を見上げた。

「こ、ここもそういうヤツなんだろ?」
「……別にソレが主体ではありませんけどね。観賞用の庭園という面も有りますし、薬草などを植え始めたのは先代の国主卿こくしゅきょうからですので」
「…………な、なんか怒ってる……?」
「怒っていませんよ。君が関係のない要素を加えて会話を四方八方に散らかすので、本題が進まないなとあきれていただけです」
「それ怒ってるヤツじゃん!!」

 なにこれ俺がゴメンナサイした方がいいの。アドニスの怒りどころが分からない。
 まあ初めて出会った時も結構難解なヤツだったし、初めて接するタイプだったから俺も会話に不慣れな所も有るんだが……しかし今のは謝るべきなのだろうか。
 謝ったら謝ったで「は?」って言われそうだし、ううん難しい……。

 やっぱりブラックかクロウに付いて来て貰った方が良かったかな……と思っていると、アドニスは俺の困惑に気が付いたのか、ハァと溜息を吐いて眼鏡を指で上げた。

「まあ、それはそれとして。この【鎮魂の庭】で、今から台詞の練習をして貰いますよ。あのままでは、いつまで経っても君の緊張はほぐれそうにありませんでしたし」
「え……こ、ここで?」

 再び歩き始めた相手に急いでついて行くと、アドニスはこちらを見ずにうなづくく。

「君が珍妙な演技をするのは、修行不足なせいもあるでしょうけど……頑張ろうとするあまり力が入って空回りしてしまう事がおもな原因です。しかも、見慣れない部屋で練習し、あの不潔な中年二人に弄繰いじくまわされてばかりいては、コツをつかもうとしてもつかむ時間が無い。だから、君が一番気が抜けるだろう場所で練習するんですよ」
「な、なるほど……っ! 確かに、ここなら自然がいっぱいだし、俺達の他には誰もいないし、集中して演技が出来るかも……」

 考えてみれば、俺は周囲が上級者ばかりな事を気にして、必要以上に緊張していたのかも知れない。侍従さん達もそうだけど、ブラック達は台本をちょっと読んだだけでサラサラ台詞せりふを言えちゃうし、アドニスだって上手かったし……。
 だから、俺だけダメじゃいけないって思って、あんな声になっちまったのかも。

 いくら二人を信用していても、俺だって男としてのプライドがあるもんな。
 二人に格好悪い所を見せたくないし、失敗だってしたくない。
 やるんなら、完璧で称賛しょうさんされるようなモノにしたい。そう思ってしまうから、余計にあせって少しも上手くならなかったのかも知れない……たぶん。

 でも、ここでアドニスと二人きりなら気負きおう必要も無い。
 気心が知れた仲だけどアドニスとは変な関係じゃないし、侍従さん達みたいに緊張して話してしまう感じでもないからな。
 そうか、そう言う事を気遣きづかって、アドニスは温室に連れて来てくれたんだ。

「私があの二人から君を引き剥がしたワケ、分かってくれましたか?」
「めっちゃ分かりました! ありがとアドニス!」

 ここでなら、俺も良い演技ってのがつかめるかもしれない。
 それが嬉しくて勢いよく礼を言うと、ようやくアドニスは苦笑してくれた。

「本当に君は仕方ない子ですねえ。……まあ、引き受けた以上はキッチリとやりますから、そこは安心して下さい」
「ういっす!」
「では、まずは恋人の演技から先にやりましょうか」
「……ん?」
「恋人という意識を持つ事で、最初の演技の『好意』をよりよく表現できます。感情はしぼり出すよりも、抑え込んでにじませる方が印象に残りますからね」

 あ……そう言えば俺、コイツと恋人同士になる役なんだっけ……。
 いやそもそも、可憐な黒髪の乙女が大人の男ってどうなの。普通女子が配役として選ばれるんじゃないの。

 今更いまさらな違和感に気が付いて一瞬意識が飛んでしまったが、俺に稽古をつけてくれるアドニスに邪心などの無いのは明らかで。
 ……っていうか、そもそもアドニスは俺のために練習に付き合ってくれるんだよな。
 アドニスは演技がヘタってワケでも無かったし……。

「……? どうしました、ツカサ君」
「あ、いや、なんでもない」

 そんな相手との演技にダダをこねる自分の方が情けない気がして、俺は自分を叱咤しったすると、気持ちを切り替えてアドニスと共に演技をしやすい場所に移動した。










※明けましておめでとうございます!
 今年も楽しんで頂けるよう、自分も楽しく元気に頑張りますので
 こんごともお気軽に楽しんで頂けると嬉しいです(*´ω`*)
 
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