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豊穣都市ゾリオンヘリア、手を伸ばす闇に金の声編
9.悲しき乙女の物語
しおりを挟む翌日から、俺達のつらく厳しい演劇修業はスタートした。
「修行」じゃなくて「練習」だろうがと誰かに指摘されそうだが、やったらマジで修行だったので仕方が無い。
だって、発声練習から体力作りまで本当につらいんだもの……!
初日は「発声練習だの劇の流れを教わるだけ」ってローレンスさんには言われてたから大丈夫だろうと思っていたんだが、まさか腹筋背筋に加え柔軟体操を3セットもやらされるなんて、だれが思うだろうか。
いや、それだけならまだしも、声を出す練習のスパルタ具合と言ったらもう。
あんなに「腹から声を出せ!」と言われたのは、きっと今日が初めてだろう。そう思ってグロッキーになるぐらい、俺はビシビシ指導されてしまったのだ。
まあ俺自身腹式呼吸も出来ていないボーイだったので仕方が無いが、それにしても劇への本気度が並々ならな過ぎて初心者の俺は困ってしまう。
しかも、これで全員が「素人」だったら良かったんだろうけど、俺以外の奴ら全員がホイホイ運動をこなしてデカい声も出るモンだから、俺はすっかり自信を無くして涙目になってしまった。チクショウ、なんでちょい細身で学者そのまんまのアドニスまで軽々運動出来るんだよ……。
この異世界には運動音痴という言葉が無いのかと嘆きたくなったが、しかしそれもこれも俺が軟弱だからに他ならない。俺が物覚えが悪いからいけないのだ。
とは言え、それを納得して受け入れられるほど俺は人間が出来てはいない。
そもそも俺はオタ……いや文系だぞ。運動苦手なんだぞ。そんな体育会系な熱い心なんて持っているワケがないだろう。モテ男に嫉妬する俺を舐めないでほしい。
……ゴホン。
まあ、そんなこんなで、運動が終わって劇の詳しい内容を教えて貰う頃には、体力の限界を超えた俺は白目を剥いてブラックの肩に寄りかかってしまっていた。
「も……もう、悔しいと思う気も起きない……」
「ふへへ……つ、ツカサ君、いっそ僕の膝の上に座っても良いんだよぉ」
「勘弁して……」
やっとの事で練習場に並べられた椅子に座り、舞台上のローレンスさんを見やる。
観客のような立ち位置だが、俺達はローレンスさんの劇を見に来たのではない。今から彼が説明してくれるお芝居の内容を聞くために、こうやって座っているのだ。
休憩時間があって助かった~なんて思ってしまうが、それは置いといて。
劇を補助してくれる脇役や裏方のために集まってくれた城の侍従さん達と一緒に、俺達三人とアドニスはローレンスさんの言葉に耳を傾ける事にした。
「……さて、ツカサ君達は恐らく知らない演劇だろうから、今から劇の内容を詳しく解説しておきたいと思う。他の者達も、知っている話だと思うが今一度しっかり頭の中に入れておいて、彼らを最大限補助してあげてね」
壇上で数歩進んで折り返し……という、ステージ上の教授みたいな動きをしているローレンスさん。だが、そんな彼の言葉に後ろから物凄い勢いで「はい」と声が傾れ込んでくる。どうやら支持率はかなり高いらしい。
そんな人望厚いローレンスさんは、俺達にニッコリと笑いかけると、片手で古そうな本を開いて、滔々と語り始めた。
「さて、このお芝居の始まりは……かつてこの国が興る前。ライクネス王国がこの国を内包していた頃で、まだこの地が南西の辺境伯を有していた時の話になる」
――――かつて、この国が国という存在になる前の魂も存在しない時期。
ライクネス王国南東部に位置する【バッサザウン領】という辺境の領地に、途轍もない奇跡の農地が広がっていた。
その土地は実りが尽きる事を知らず、ライクネス王国でも特に良い作物に溢れ、国を豊かにするほど。故にその土地は、ある時から辺境伯が仕切る事になった。
以前は未開の地という扱いだった危険で近寄りがたいこの地は、初代バッサザウン辺境伯の手腕によって平穏を勝ち取り、次第にその土地一帯を王国一豊かな地帯へと変貌させていったのである。
そうして第十代目バッサザウン辺境伯が、陛下と血族の誇りに恥じぬ立派な統治を続けていた頃。辺境伯と夫人の間に、それは愛らしい王子が生まれた。
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やがて彼は成人を目の前にし、立派な父子たる美しく雄々しい男子となった。
武に優れ知識は深く、それでいて領民に優しく聡い神童。
そんなズーゼンを国中の令嬢が放っておくはずも無く、成人前だと言うのに婚約を求める手紙は一年を通して毎日毎日届いた。
しかし、ズーゼンは立派な領主。
数多来る美しい令嬢の肖像画に目もくれず、舞踏会でも誰も贔屓しなかった。
ただ彼女達を令嬢として恭しく接し、どう出るのか慎重に見守ったのだ。
そんな彼が何度目かの舞踏会を乞われ、己の城で宴を開いた時。
ある一人の占い師と、一人の少女が現れた。
美しい妙齢の占い師に連れられてやってきた、この国では滅多に見かけない艶やかな黒髪を持つ少女。素朴で決して前に出なかったが、目に意思を宿した少女に、彼は興味を示した。そこで占い師がこう言ったのである。
『閣下、この娘は聖女にございます。彼女の話を、どうか訊いて頂きたい』
教会に名のない聖女とはどういうことか。
そうは思ったが、武に優れたズーゼンは彼女を恐れはしなかった。
踊りながら話を聞いたところ、彼女は可憐な声で『私は異国の曜術師です。この国の近くに、悪しき“遺物”があるのだという手がかりを求めてきました。私には、その“悪しき遺物”を同族として消し去る義務があります。どうか、この国の平和の為にもお力を貸していただけないでしょうか』
ズーゼンは、このように可憐で切ない願いを聞いたのは初めてだった。
幸せな領地で懇願する者はおらず、また令嬢達も強く美しかったため、彼女のように哀れで愛らしく願う者は今までいなかったのである。
その彼女の美しいまでの清らかさに、賢き者であるズーゼンは心を奪われた。
彼女の善良な心に震え、まだ成人しているかどうかも分からぬ彼女を哀れに思い、助けたいと強く思ったのである。
だが、それを認めぬものがいた。
それは【アマイア】という隣の領地の令嬢だった。
彼女は閉鎖的で荒廃した領地にあって、民を顧みない領主の娘だった。
燃えるような赤い髪は彼女の気性を嫌と言うほど表し、美しい顔もどこか全ての者を見下しているように鋭かったという。
この【アマイア】は、ズーゼンに恋心を抱いていた。
それゆえか、黒髪の乙女の為に兵を募るズーゼンを見て、アマイアは怒りに両目を燃やし歯軋りをせんばかりの表情で、こう言ったのである。
『ズーゼン様おやめください。あのような素性の知れぬ小娘に何故御心を砕かれるのですか。何故兵を集めるのです。貴方の婚約者は私のはず。そうでしょう』
アマイアはズーゼンを黒髪の乙女に奪われまいとするあまり、ズーゼンに対しても苛烈な言葉を投げ続け、黒髪の乙女にも国を出て行くようにひどい仕打ちをした。
だが、黒髪の乙女は仲間達と占い師の手によって、罠を次々潜り抜けた。
またズーゼンも乙女の助言に従い、アマイアの魔の手から逃れたのである。
しかし、アマイアは既に国を手中に収めていた。
彼の両親すらも彼女の手によって命を失ってしまったのである。
……ズーゼンは黒髪の乙女たちと命からがら国から逃げ出し、再起を図った。
彼らには何も無かったが、それでも心配する事は無い。
幸い、神の声を聞く事が出来た聖女である黒髪の乙女は、占い師の他に強力な力を持つ仲間を備えていた。
彼らの協力により、ズーゼンは国境の山のふもとにある森に埋もれていた“宝物”を見つけだし、その力を使って悪しき令嬢……いや、今は悪しき領主アマイアに戦いを挑んだのである。
激しい戦いは七日七晩続き、領民のほとんどは天の階へと昇り、残りは他の領地に逃れた。だが民を失ってもアマイアは倒れず、悪魔のごとき力を使ってズーゼンと黒髪の乙女を追い詰めた。そのあまりにも恐ろしい力に、黒髪の乙女は命を賭して祈り、彼女の邪悪な力を封じようと大地に願いをかけた。
愛しいズーゼンと仲間達のために、命をありったけ神に捧げるかのように。
すると、その願いによって大地は見る見るうちに隆起し、国境の山に新たに連なる山脈が現れた。まさに神の御業によって、かつての【バッサザウン領】とアマイアの領地はライクネス王国より分かたれ、邪悪は封印されたのである。
だが、そのせいで黒髪の乙女は命を落としてしまった。
彼女は死の間際にこう言ったという。
『ズーゼン、彼女を許してあげて。命を救ってあげて。それが出来るのは、貴方しかいない。私の愛しい貴方なら、彼女もこの地も救ってあげられる』
ズーゼンと占い師、仲間達は嘆き悲しんだ。
だが、そこまでしてくれた黒髪の乙女に報いなければならない。
彼は彼女のように命を賭してアマイアに挑み、結果として彼女と相討ちになり、国を邪悪な力から救う事と引き換えに天の階を昇ったのである。
だが、ズーゼンの勇敢な行動により領地は邪悪から解き放たれ、この地は元の実り豊かな国へと蘇る事が出来た。
それから、この閉鎖された領地は新たな国として興り、これがアコール卿国の礎を築く始まりとなるのだが……それはまた別の話である。
「…………とまあ、こんな話だ。簡単に言うと、ズーゼンと黒髪の乙女の悲恋の物語だね。この国に残っている一番古い文献では、こんな感じでアコールが生まれる前の事が記されていたんだが……今現在では、これはこの国の定番の悲恋物語として歌劇なんかに使われているんだ。実際の内容とはちょっと違うけどね」
「どんな感じなんですか?」
手を挙げて訊いてみると、ローレンスさんはちょっと苦笑した。
「いま話したお話しも、だいぶ感動的になってるけど……平たく言えば、英雄物語と悲恋の度合いを濃くして、建国の話は極力消した……という感じかな。今これを芝居小屋や吟遊詩人で知った人達は、アコール卿国の歴史に関係が有るなんて思いもしないだろうねえ」
なるほど、細かい事は抜きにしてイイとこだけをピックアップしたんだな。
確かに振り返ってみると王道のお話に思えなくもない。
だけど、こんな劇的な事がアコール卿国の始まりになったなんて、ちょっとお伽話が過ぎると言うか……いやでもこの世界は剣と魔法の世界だしな……。
ううむ、現実が妄想を越えて来るなんて流石は何でもアリのファンタジー世界。
とはいえ素直に飲み込める物ではない。神話並に壮大なお話を何とか理解しようと努めていると、少し離れた席に居るアドニスが口を挟んできた。
「……で、その劇的な部分を大幅に脚色して作ったのが、この台本です。ああまあ、中身は先程の伝承のように詳しくはなく、文字通り劇的に改変されていますが」
「ムゥ……史実を捻じ曲げるのは好かんぞ」
改変に関して納得が言っていないらしいクロウは、いつもより少しムッとした感じの雰囲気で腕を組むが、アドニスは台本をヒラヒラと動かしながら肩を竦めた。
「と言われましても、この国のサガみたいなものですからねえ……。アコールの民は、何でも感情的に、劇的にしたがるんですよ。……ですから、詩人に歌われるこの話も、いつしか感情を揺さぶられる箇所が強調されるようになってしまったのです。そうなれば、人と言うものは都合よく解釈したがるものでしてね」
それは「脚色」と言っていいんじゃなかろうか。
まあでも、基礎となった話が残っているのなら、そこまで目くじらを立てなくても良いような気がするんだけどな。そもそも、お勉強じゃなくて楽しむための劇なんだから、人をより喜ばせようと大げさになっていくのもヒトのサガってもんだし。
「ハハハ、まあ間違ってはいない。だけど、内容自体が別に誇らしい話でもないし、建国の歴史など知らなくても、民が幸せならそれは無用の長物だ。思う所はあるが、民が楽しめるように語られればそれはそれで良いと思うよ、私は」
「建国の話なのにそれでいいのか……?」
ちょっとウンザリしながら言うブラックだったが、ローレンスさんは陽気に笑う。
「まあ、貴方達なら……演じている内に、私と同じ気持ちになるかもしれないね」
そう言いながら目を細めるローレンスさんは、先程の微笑みとは違う……まるで、何かに対する愉悦を含んだような怖気を誘う笑みで、俺達を見つめていた。
明らかに、普通の表情ではない。
なにかこの場では言えない「含み」が、この劇には存在するのだろうか。
大きな肩に寄りかかっていた頭を上げて、ブラックの横顔を見やると――その表情は、いつの間にか真剣な表情になっていた。
「……さて、ツカサ君も疲れたみたいだし……今日はこのくらいにしようか。お芝居の台本は配っておくから、それぞれ読んでおいてくれ」
ローレンスさんの顔が、いつもの邪気のない笑みに戻る。
何故いま妙な顔をしたのか聞きたかったが、ローレンスさんも背後の侍従さん達も、俺らにあいさつをして次々に部屋を出て行ってしまった。
「さて、私も仕事に取り掛かりましょうかね」
そう言いながら立つアドニスに、ちょっと待ったと俺は声をかける。
「仕事って?」
「おや、察しがつかないんですか。オーデルの薬師たる私がからこの国に来ているのですから、仕事があるに決まっているでしょう」
「だ、だから仕事って何の仕事なんだよ」
一応、アドニスとローレンスさんに会いに来る約束だったんだから、俺達にも何かの関係があるんじゃないのか。
そう言うと、アドニスは目だけをニヤッと笑ませた。
「……まあ、そうですね。ツカサ君には教えても良いかも知れません。ですが、今日は人を招くワケにはいかないので、明日にして下さい」
「そ、そうか……」
「では、また夕食の時間に」
何だかよく解らないが、見せてくれるらしい。しかし、そう飲み込む頃には相手の姿も部屋から消えてしまっていた。後に残されたのは、俺とオッサン二人だけだ。
「なんだあのクソ眼鏡。僕達には見せないってか」
「部屋に連れ込んでまた何か淫具の実験でもするのか」
「他の国でんなことするワケあるかあ!! と、とにかくだな……俺達は台本を覚えなきゃいかんぞ。さっ、部屋に戻って早速読み込もうぜ」
一緒に読んでくれよな、と両脇のオッサンの顔を見やると、二人は再び気の抜けた顔になって、アドニスのように台本をペラペラと靡かせてみせた。
「えー? こんな薄い台本、一度目を通せば充分じゃない?」
「覚えるのにそこまで難解とは思えんがな」
「こ、こいつら……」
そりゃアンタらは記憶力が良いからすぐ覚えられるんでしょうけど、俺は無理なんだよっ! 演劇とかてんで素人なんだから覚えられるわきゃねーだろ!!
何でもかんでも「みんな簡単に出来るでしょ?」みたいな顔しないの!
「ごめんごめん、ツカサ君。そんな顔真っ赤にして怒んないでってばぁ」
「動きもあるようだから、一度やってみるか」
俺が怒った事でやっとやる気を出したのか、オッサン二人は台本をめくって内容を見始める。なんだか俺が癇癪を起したみたいで微妙に恥ずかしかったが……まあ、結果的に三人で練習できるようになったからいいか。
そう思いながら俺も台本を開く、と、ブラックが横から顔を出してきた。
「ついでに腹式呼吸の練習でもしようか、ツカサ君」
「ん? うん、じゃあ部屋に戻るか」
「そだね。ここじゃあ後で怒られるかもしれないし……」
……ん? 後で怒られる?
何を言っているんだろうかと思ったが、ソコを考えようとした俺をブラックは引き摺るようにしてムリヤリ立たせると、強引に練習場から連れ出してしまった。
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