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大叫釜ギオンバッハ、遥か奈落の烈水編
23.謎また謎の五里霧中
しおりを挟む「――――なるほど、紙に書くと時系列が分かり易いですね。記憶することが難しい低脳で愚鈍な人族ならではの知恵です」
テーブルの上に乗せた“わら半紙”のような粗悪な紙に、これまた非常に滲むインクを走らせて、今話した事をなんとか書き込む。
その途中でエネさんが褒め言葉に感じない毒舌台詞で俺を褒めた事に、ブラックが不機嫌丸出しの声で噛みついた。
「ツカサ君コイツ殺して良い? もういいよね?」
あーうるさいうるさい。だまらっしゃい。
ここ数日間の記憶が曖昧だからからこそ、自分の中でも整理したくって時系列順に出来事を書き出しただけなのに、どうしてこう口喧嘩の火種になっちまうんだろうか。二人のこの喧嘩は「嫌よ嫌よもスキのうち」なんだろうか。
いや、そう言うと二人が余計にヒートアップするから言いませんけどね。
だけど毎回こんな感じだと、やっかみの一つでも言いたくなる。
本人同士が嫌い合っていても、こう毎度毎度些細な事で突っかかっていたら、周囲も面倒になるんだからな。もう。
まったく……ブラックも大人なんだからもうちょい我慢して欲しいものだ。
あっ、エネさんは全然良いんですよ。むしろ俺にどんどん毒舌ふっかけて良いですからね。毒舌金髪美女エルフ(巨乳)の罵りとかご褒美でしかないですからね。
…………ゴホン。いや、そうではなく。
ともかく俺は今、聞いた事を紙にまとめて理解するので精一杯なんだ。
ちょっとだけで良いから黙っててくれと睨みつつ、俺はひっかかりそうになるペンを何とか動かして、最後まで書き上げた。
「……ム。書き出すとなんとなく繋がりが見えて来るな」
「だ、だろ……」
「凄いぞツカサ」
そう言いつつ頭を撫でて来るクロウ。褒めてくれるのは嬉しいが、いつもは俺の方がクロウを撫でているので、なんか変な感じがしてしまう。
「あーっ! テメェなにやってんだっ、気安く触んな駄熊!」
「ムゥ、早いもの勝ちだぞ」
「もーやめーって!! ともかく……これで何とか解るかな……」
オッサン達の喧嘩をなんとか鎮めて、俺は羽ペンを置く。
なんとか全部書く事が出来たが、しかし改めて考えるとやっぱり俺の記憶の抜けが異常に思えて、首を傾げずにはいられなかった。
「うーん……」
――――エネさんとブラックから聞いた話を合わせて書くと、一連の事件の流れはこういう感じになる。
まず、この一件の始まりは数年前に遡る。
【ギオンバッハ】の街の美少女ギルド長さんと悪い警備兵数人の話では、数年前にとある組織が接触して来たらしく、その時にこう言われたそうだ。
「我々の目的のために、働いてくれませんか。人を集めて貰いたいのです」と。
まあ、急にそう言われたら普通は警戒するもんなんだが、ギルド長さんらはお金に目が眩んでしまい、あっさり買収されてしまったらしい。それから【絶望の水底】での本格的な採掘がはじまったのだそうな。
で、彼らがやった仕事は、主に人員確保。だがそれは一般的な斡旋ではなく、俺をハメた時のようなあくどい方法で人を送っていたらしい。何故そんな事をやったのかと言うと、人をあの場所に送った事を周囲に悟られるなとのお達しがあり、こういう方法しか取れなかったのだそうな。
…………多分、嘘も方便ってヤツなんだろうけど、ひとまず置いといて。
とにかく、ギルド長達は、採掘場に作業員を送り込むための手段を選ばなかった。もちろん、その理由は「金」一択だ。人を送れば送るほど報酬が跳ねあがるシステムだったらしい。
つまり、あの美少女ギルド長さんは、俺を金づるだと思ってたわけなんだな。
……そこで俺はちょっとションボリしてしまったが、ともかく。
彼らは普通に働いていたら決して手に入らないであろうお金で豪遊したい一心で、冒険者や何の罪も無い人達を騙してあの場所に運ぶ手助けをしていた。
その「送られた人」の中には、犯罪を犯した人間も当然いたんだよな。
エネさんによると、あの採掘場で保護した人達の三分の二くらいは、罪を犯した人だったそうだ。残りは、俺と同じ冤罪の人だな。
犯罪者ってのは本来ならば監獄行きのはずなのだが、輸送するように見せかけて次々採掘場に送り込んでいたらしい。数年前までは普通に監獄に送られていたけど、最近の犯罪者はほとんどが【絶望の水底】に連れて行かれていたんだとか。
主な理由は、犯罪者の方が足が付きにくいってところか。
エネさんが言うには「書類も警備兵達が改ざんしていたので、監獄に情報は届かず誰も彼らが“労働刑”を受けていたことは知らなかった」と言っていたな。
まったく、組織的な犯行過ぎて本当に恐ろしい。
でも、彼女達はあくまでも【ギオンバッハ】での人員確保が仕事で、それ以上の事は知らされていなかった。それどころか、雇い主の名前も知らなかったらしい。
――強いて言えば、使えそうなオスの人族を連れてこい、という命令だけ。
どうやら首謀者は彼らを捨て駒だと思っていたようだ。
だけど、知らなかったからと言って彼らのやったことは許されない。
街でぐだぐだしている人達を使って、無実の人を犯罪者に仕立て上げて連行……という手口もそうだけど、ギルドや仕事の斡旋所等で「稼げる仕事がある」と言って、騙してあの場所に連れていかれた人もいるのだ。
まあ後者の方法は最近使ってなかったそうだけど、それでも酷い物は酷い。
……ずっと息子を探していたサルビアさんの探し人……ビリーさんだって、稼げる仕事だと言われて連れて行かれて……その後、身に覚えのない罪をでっちあげられ、半ば強引に囚人にされてしまったのだから。
冒険者に罪を着せて連れて行く、という俺がハマった罠からすると強引すぎるが、一般人の失踪が目立つ前まではそうやって人を集めていたらしいので救えない。
だったら最初から犯罪者を使えばよかったのに。
そうは思うが、もう彼らの命は取り戻せない。
犯罪者ばかりを使う方針になる前に雇われた、ビリーさんのような「罪のない労働者」達は……もう、遺体となって、アコール卿国の森に捨てられていたのだから。
…………。
胸糞悪くなる事実だが、エネさんが尋も……ゴホンゴホン、紳士的でちょっと過激な事情聴取をしたので、間違いないそうだ。
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……あの場所で働いていた監督や、処理係だった人達はそう言っていたらしい。
まあイカニモな悪役が使う手だし、逃がすより殺した方が秘密は守られるけど……やっぱり人を者のように扱っている事は許せない。
「金になる」という誘い文句でやって来てしまった労働者も、犯罪者も、俺みたいに冤罪をかけられた人達も、家に帰りたかったはずだ。
なのに、使うだけ使ったら殺すだなんて、酷すぎる。
怒りを覚えずにはいられない事実だったが……今は、怒っている場合ではない。
ともかく、あの【絶望の水底】では、ずっと前からそうした酷い事が行われていたようだ。それで、最近の人員確保の方法である「冒険者に冤罪をふっかける」という方法で、俺もあの場所に連れて行かれてしまった。
んで、こっからが今現在の話だ。
俺があの場所で労働している間、ブラック達はアコール卿国に渡った。
だがその途中で俺の居場所に見当が付いたらしく、エネさんと合流して探りをいれつつ、前述の森の中に捨てられた“謎の遺体”の事を知り――――その森の中で「非常に怪しい穴」をみつけて、エネさんやアコール卿国の警備兵と乗り込んだ結果、俺を見つけたってワケ。
その【絶望の水底】を見つけた経緯が、指輪で俺の居場所を探ったからだって事だったらしく……な、なんかちょっと……何故か恥ずかしかったが……まあ、指輪のおかげで俺は助かったんだな。
やっぱりお守りだ。ずっと肌身離さず隠し持っていて良かった。
……そんなことを言ったらブラックが調子に乗るから言わないけど。
と、ともかく。
最後はまとめてしまったが、こうして俺は救出されたんだな。うん。
「人員確保の話ですが……途中で冒険者に標的を変えたのは、突然蒸発しても分かりにくいからでしょうね。一般人は金貨をちらつかせれば簡単に付いてきますが、籍が固定されているぶん目立ちますから」
エネさんが俺の総括に付け加えてくれる。
確かに、冒険者は根無し草だから消えたって誰も不思議に思わないよな。
どっかを旅してるんだろうってみんな思い込んで、探しもしないに違いない。
俺だってブラックとクロウがいなければ危なかった。
でも……そこまでして徹底的に労働者の痕跡を消そうとしていたのなら、どうしてツレがいる俺に冤罪をふっかけたんだろう。そもそも俺は非力だしガキだし、冤罪を受けた人達が言うように、採掘場に来るようなタイプじゃなかったのに。
そこが今でもナゾなんだよなあとオッサン二人と一緒に首を傾げると、エネさんが胡乱な目で俺達を見ながら口をヘの字に曲げた。
「ツカサさんを捕まえたのは、凡ミス……しょうもない失敗としか思えませんねえ。それとも、何かそうせねばならない目的でもあったのか……なんにせよ、こればかりは首謀者から聞き出さないとわかりません」
「その肝心の首謀者は見つかったのか?」
俺の横で問うブラックに、エネさんは首を横に振る。
「いえ……デジレ・モルドールという名前と、その容姿は分かったのですが……姿を眩ませた後は全く消息が分かっておらず……セレストと思しき囚人も消えています。逃げる策だけは完璧だったのか、彼らの痕跡は無いに等しいですね」
小賢しい、と吐き捨てるエネさんは、クールな表情のままだが雰囲気がどことなく怒っているように思えた。セレストという男のことだけじゃなく、相手の卑劣で狡猾なやり口に怒っているみたいで、やっぱりそこはエネさんらしいなと思った。
毒舌だけど、なんだかんだ正義漢……漢……? まあ、正義の人だしな。うん。
「結局、ツカサ君を強引に【絶望の水底】に連れて行った理由は不明なままか」
「こうなったら、首謀者かセレストという奴を捕まえて訊くしかないな」
「そうですね。それもあって、確保して欲しいというのはあります」
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ちょっとゾクゾクしていると、エネさんは俺を見て目を細めた。
「……ツカサさんは、グリモアにとって重要な存在ですが……その前に、万物に気を与える事が出来る特殊な存在でもあります。それが誰かに知られたというわけではないでしょうが……シアン様のためにも、不安な要素は消しておきたい。ツカサさんの身に再び危険が及ばないとも限りませんし」
確かに、そう言われると不安になって来るな。
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記憶が曖昧だからよくわかんないけど、怖い事は無かったはず……。
「ツカサ君の様子を見ていると、そんな感じでは無かったけどなぁ」
「ムゥ……だが、しょうもない失敗だとしても、それで悪事が露見したのだから、人族にとっては良かったのではないか」
「偶然にしては、出来過ぎてるけどね」
クロウの言葉にブラックが付け加える。
……確かに偶然と片付けるには出来過ぎているし、しょうもない失敗だったというにはわざとらしすぎる。どちらにせよ、俺が捕まった理由が分からない限り、必然でも偶然でも違和感が在り過ぎて片付けられない。
組織の事も分からないし、記憶もボケてるし……わからない事だらけだ。
「せめて採掘場で何を掘っていたか解れば良かったんだがな……。報告では、鉱物を残さず採取していたんだろう? 目的も特定できない」
お手上げだ、というブラックに、エネさんが「そのことですが」と切り出した。
「あの採掘場のトロッコの行先を特定したので、一応……何の鉱石を加工していたかの目星はつきました。……そこの暴力を振るうしか能が無い中年が破壊したせいで、今まで発見に手間取って報告が遅れてしまいましたが」
「ごたくはいいから言え、なんの鉱石を加工してたんだ」
「結論から言って、金です。……他の鉱石を加工した痕跡は有りませんでした。あの山では特殊な鉱石は出ない事が確認されているので、採掘された物の中から一番加工が難しいものを選べば金ということになります」
「……つまり、加工場がソレ専用だったということか」
加工が難しい鉱石をどうにかするための場所が在ったのかな?
それを特定すれば、金になった……ってのは解るんだけど、どうしてあの場所で金を加工する必要が在ったんだろうか。
「金って、別に違法な鉱石じゃないですよね……?」
「ええ。それに加えて、国境の山は不可侵の領域……どの国も所有権を主張する事は出来ません。高ランクのモンスターが出る場所で採掘をするようなバカはいませんからね。ですから、やましい所は無いと言えばなかった。けれど、ああまでして他人を寄せ付けなかったという事は……」
「やましい理由があって、外で金を加工できなかった……ってことか」
ブラックの声が、一段低くなる。
どこか真剣な声に相手を見やると、エネさんが息を吐いた。
「まあ、あくまでも金を集積して金塊に整えるだけの簡易加工場だったので、それらがドコに運ばれたかまでは……知る由もありませんが」
「……はぁ……。結局ふりだしか……」
「だが、これで少し敵が見えてきたのではないか」
「バーカ、決定的な証拠がねえだろ」
何が何だかよく解らないが、ブラックとクロウは何かピンと来たのだろうか。
しかし、俺にはさっぱりだ。後でちょっと説明してもらわねば……。
というか、何がどうなって一応解決したのかってのは理解したけど、結局謎の組織はナゾのままだし、俺が冤罪をふっかけられた理由も分からないまんまだぞ。
セレストって人がどうして組織に入っていたのかも気になるし……俺の記憶が所々途切れているのだって、なんだか人為的な物っぽくて気持ち悪い。
なんにせよ色々とモヤモヤする事件だった。
首謀者も捕まってないし、シアンさんも部屋に籠りきりだし……。
「はぁ……なんとか首謀者のデジレ・モルドールって人が捕まればいいんだけど」
溜息を吐きつつ言うと、エネさんも「尤もです」と言わんばかりに頷いた。
「目下捜索中です。さすがに世界協定の手から逃れられるとは思えないので、いずれ必ず足跡は掴めるでしょう」
そう言ったあと、何かに気が付いたのかエネさんは斜め上に視線を寄越して、それから改めて俺達を見た。
「跡、と言えば……あの後、採掘場を調べた警備兵から妙な報告がありましたね」
「みょう、と言いますと……」
「とある坑道の行き止まりなんですが、奇妙な窪みがありまして。突入のどさくさで大部分が傾れて土で埋まったようですが、しかしかなりの大きさの“なにか”が消えたような跡があるんですよ」
「鉱石か?」
ブラックの問いに、エネさんは何とも言いがたい、と難しい顔をする。
「それはなんとも……。ただ、かなりの地下水が溢れ出たのか、坑道全体が水浸しになってましたね。水琅石のランタンが壊れていたら爆発していたかもしれないくらいには、湿気で生暖かい空気に包まれていました」
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あれだけ坑道が作られていたのに、変な坑道はたった一つだけ。
しかもそこは水浸しになっていた。
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なにか、何かが引っかかるんだけど、それでも思い出せない。
俺の記憶が抜け落ちているのは、それと何か関係があるんだろうか。
思い出せないのも、段々とあの場所での記憶が薄れて行くような感じがするのも、やっぱり誰かに何かをされたからなのかな。
でも、嫌な思い出も無かったのに、どうして記憶を消さなきゃいけないのか。
何も判らない。
わからないということが、ただひたすら気持ち悪い。
……だけど、そればかりを考えていても仕方が無い、と、俺は頭を振った。
「とにかく……一応は決着が付いたんだよな? だったら……サルビアさんに、息子さんの消息を知らせに行かないと」
「それは警備兵に頼みましょう。今ギオンバッハもゴタついてますので、ツカサさん達は戻らない方が良いと思います」
「でも……」
こういうことは、事情を知っている人間が伝えに行った方が良いと思うのだが。
そうは思ったのだが、エネさんのみならずブラック達にまで却下されてしまった。
まあ俺達には本来の目的があるし、ベランデルンに戻るにも時間が掛かるからな。それに、エネさんの話によると【ギオンバッハ】からの定期船はしばらく休止する事になったようで、おいそれとアコールに戻れなくなっちゃったみたいだし。
サルビアさんの事は気になるけど……今は戻れないか。
人頼みみたいで申し訳ないけど、ここはエネさん達に任せるしかない。
「あのご婦人、気落ちしないといいのだがな」
俺の気持ちを慮ってか、クロウが寄り添うように言ってくれる。
うん、そうだよなぁ……どうしたってショックは受けるだろうし、サルビアさんの周囲にクロウのような寄り添える人が居てくれたらいいんだけど。
「ともかく、ツカサさん達は体調が回復し次第、アコール卿国の首都へと向かって下さい。予定よりずいぶん遅れてしまったので、出来れば今すぐにでも」
「贋金関係の調査はどうするんだ」
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「……おそらく、ツカサさんは顔を知っていると思いますよ」
「え?」
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でも、俺アコールに知り合いなんていたかな。ブラックの師匠みたいな人なら一人知ってるけど、喋ったなんて限られるんだけどな。
まさかお店のお姉さんでもないだろうし……うーん誰なんだろう。
今回の件とは別に気になる事が出来てしまったなと腕を組むと、エネさんは何故か俺の様子を見てクスリと笑ったのだった。
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